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2種免許の難易度は高い?受験条件や取得費用などを解説

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2種免許を取得する難易度は高いのか、合格率や受験条件、取得費用などを解説します。

ちなみに企業によっては入社時に2種免許を保持していなくても、入社後の取得を経済的に支援してくれるところもあります。

これから2種免許を活かした仕事に転職したい人は、本記事の内容を参考に免許取得を目指してください。

2種免許の難易度は高いのか

2種免許の合格率や各試験の特徴を紹介します。

合格率は54%

普通自動車第2種免許の合格率は、運転免許統計(令和4年)によれば54.1%となっています。これは、個人用途の運転に必要な普通自動車第1種免許の合格率74.5%と比較すると、顕著に低い数値です。

この差は、2種免許試験が乗客を安全に送迎するために高度な知識と技術が必要なためです。2種免許は乗客の安全を守る「運転のプロフェッショナル」としての資質が求められるので、1種免許と比べて難易度が高いと言えます。

参考:運転免許統計(令和4年版)|警察庁

学科試験の特徴

2種の学科試験は1種の学科試験と比べ、応用問題が多く含まれます。試験は全95問から構成され、内訳としては文章問題が90問、イラスト問題が5問です。

各問題はマークシート方式で回答し、文章問題は1問につき1点、イラスト問題は1問につき2点が配点されています。試験の採点は減点法でおこなわれ、100点満点中90点以上を取得することが合格の基準です。

なお、学科試験では一般常識や交通ルールに関する問題が主に出題されますが、2種免許特有の旅客輸送に関する問題も5~10問程度出題されるので、重点的に学んでおく必要があります。

学習方法としては、教習所での学習の他、問題集やスマートフォンアプリ、オンラインの例題集などを利用して、独自に学習することも可能です。

実技試験の特徴

実技試験では運転のプロフェッショナルとしての資質がチェックされるため、特に厳格な採点基準が設けられています。

試験は教習所内の場内試験と公道での路上試験の両方を含み、合格にはそれぞれの試験で90点以上の得点を獲得する必要があります。1種免許の実技試験では、80点以上が合格基準ですので、それと比較するとかなり高いハードルです。

なお、実技試験では乗客の安全を最優先に考慮した運転技術が求められます。危険を避ける運転判断能力や、予期せぬ状況に対応する危険回避技術などです。

場内試験では、S字やV字コースでの正確なハンドリング縦列駐車方向転換といった基本的な操作技術が試されます。

一方、路上試験では、乗客からの停車要求を想定した停車・発進操作、適切な場所での転回など、実際の運転環境における適応能力が審査されます。

2種免許の実技試験では、単に車を操作する技術だけでなく、乗客を安全に目的地まで運ぶための総合的な運転スキルが問われるため、合格するためには高度な準備と練習が必要です。

2種免許とは

2種免許は、運転する車両の種類やサイズに応じて、以下の5つのカテゴリーに分類されます。

  • 普通自動車第2種免許
  • 中型自動車第2種免許
  • 大型自動車第2種免許
  • 大型特殊自動車第2種免許
  • けん引第2種免許

これらの中から、ここでは「普通自動車第2種免許」でできること、そして普通自動車第2種免許を取得するための受験条件を解説します。

2種免許でできること

2種免許の取得によって、営業目的でお客様を乗せて運転することが可能になります。これは、タクシーやバス、ハイヤーなどの旅客輸送業務をおこなう際に必要な資格です。

また2種免許があれば、他にも様々な特殊なニーズに応じたサービスを提供できます。例えば、観光客向けの観光タクシー妊婦や育児支援を目的としたタクシーサービス高齢者や障害を持つ方々のための介護・福祉タクシーなど、幅広い分野で活躍することができるのです。

このように2種免許の取得は、運転が好きで人と接する仕事をしたい方にとって、キャリアの可能性を広げる重要なステップとなります。

2種免許の受験条件

2種免許を受験するためには、特定の条件を満たす必要があります。具体的には以下の通りです。

年齢基準:受験者は最低でも21歳以上であることが求められます。

免許所持歴:大型、中型、準中型、普通、大特のいずれかの免許を取得してから、少なくとも3年以上の運転経験が必要です。

さらに、2種免許の受験にあたっては、以下の適性検査がおこなわれ、各項目での合格基準をクリアする必要があります。

視力:両眼で0.8以上、各眼で0.5以上の視力が求められます(眼鏡やコンタクトレンズによる矯正可)。

深視力:三棹法による奥行き知覚検査で、平均誤差が2cm以下であること。

色彩識別:赤、青、黄色を正確に識別できること。

聴力:両耳で10m離れた場所から90デシベルの音を聞き取れること(補聴器使用可)。

なお、2022年5月の規制緩和により、特定の条件下では19歳以上から受験が可能となりました。

これには追加の教習が必要で、年齢要件特例の場合は自己制御能力に関する7時限以上の教習、経験年数要件特例の場合は危険予測・回避能力に関する29時限以上の教習をそれぞれ受ける必要があります。

「年齢要件」の特例を利用して2種免許を取得した場合、21歳になるまでは「若者運転者期間」として特別な規定が適用されます。

2種免許の資格取得の流れ

続いて、2種免許を取得する流れを紹介します。

⑴学科・技能教習

2種免許取得の第一歩は、学科と技能の教習を受けることから始まります。普通自動車免許を既に持っている方は、学科教習に19時間、技能教習に21時間をそれぞれ費やすことになります。

学科教習では、普通免許取得時と比べて難易度が高まりますが、講義を丁寧に聞いて理解すれば、合格は十分に可能です。

一方、技能教習では「直角バック」「エイカク」という2つの技術を習得します。直角バックは、指定された駐車スペースへのバック駐車を指し、その際、駐車場所に設置されたポールに触れると失格となります。

エイカク教習では、アルファベットの「A」の形を模したコースを脱輪せずに運転する技術が必要です。

⑵学科試験

学科教習の完了後、受験生は学科試験に臨みます。この試験は全95問から構成され、すべての問題がマークシート形式で出題されます。

各文章問題は1点、イラスト問題は2点の配点があり、採点は減点方式でおこなわれます。試験の合格基準は100点満点中90点以上で、日頃の学科教習で得た知識を活かせば十分に合格可能です。

⑶技能試験

技能試験は、教習所内での場内試験と実際の路上でおこなわれる路上試験の2部構成です。どちらの試験も減点方式で採点され、90点以上を獲得することが合格の条件となります。

技能試験では、教習で習得した運転技術を実際に試されるため、日頃からの練習が重要です。不明点があれば、すぐに講師に質問して解決し、試験当日に備えておきましょう。

⑷応急処置講習

応急処置講習は、普通自動車免許取得時にも経験する重要な訓練の一つです。この講習では、人形を使用して人工呼吸や心臓マッサージの手順を学びます。

2種免許では身体障害者の方を含む様々な乗客を運ぶ可能性があるため、障害を持つ方の乗り降りの際の補助技術も習得する必要があるのです。

⑸旅客車講習

旅客車講習では、乗客を安全に送迎するために必要な、さまざまな危険予測技能と安全運転に関する知識を学びます。具体的には夜間や悪天候時の運転、さらには身体障害者や高齢者が乗車している場合の配慮の方法などです。

2種免許の取得方法と費用や期間

2種免許を取得するには、大きく分けて「教習所に通う方法」と「合宿に参加する方法」、そして「一発試験を受ける方法」があります。ここではそれぞれの費用や期間などを解説します。

教習所に通う

約20日間かけて教習所でのカリキュラムを受講し、最後に本免学科試験を受ける方法です。費用の目安は22万円前後で、加えて本免の学科試験受験料1,700円と免許証交付料2,050円の手数料3,750円が必要です。

なお、費用は地域や教習所によって前後する場合があります。

合宿に参加する

合宿型の教習は、短期間で集中的に2種免許を取得したい方に適した方法です。合宿では、8〜10日の短期間ですべての教習が完了し、その直後に学科試験を受験します。

費用はおおよそ19万円前後からで、これには教習費用のほかに宿泊費や食事代も含まれている場合が多いです。

さらに、本免学科試験受験料1,700円と免許証交付料2,050円の合計3,750円の手数料がかかります。

合宿参加者も、教習所卒業後には技能試験が免除され、適性試験と学科試験のみの合格で免許取得が可能です。時間的な制約がある方や、短期間で集中して学びたい方は合宿での免許取得を検討してみてください。

一発試験を受ける

一発試験は、その名の通り試験に一回で合格することを目指す方法で、費用は約40,000円前後であり、他の取得方法に比べて低コストです。

初期費用の安さから一見魅力的に見えますが、一発試験の合格率は10%以下と非常に低く、難易度は高いと言わざるをえません。

実際に一発試験に挑戦する受験者の中には、合格するまでに平均12回から13回も試験を受けるケースもあります。

試験の度にかかる費用と時間、そして労力を考慮すると、教習所でしっかりと学習し、技能を身につけてから試験に臨んだ方が、結果的にコストパフォーマンスが良くなる可能性が高いです。

2種免許の資格取得支援制度について

「2種免許を活かした仕事に就きたいけど、応募までに免許の取得が間に合わない」「免許を取得する金銭的な余裕がない」という人もいるでしょう。

そのような人にオススメなのが「資格取得支援制度」です。ここでは資格取得支援制度の実態について解説します。

1種免許だけでも入社できる

多くのタクシー会社では、ドライバーの人手不足に対応するために、2種免許を持っていない未経験者の採用にも積極的に取り組んでいます。

そのため、普通自動車第1種免許を所持していれば、多くの企業で入社が可能です。入社後には、会社の支援のもとで2種免許の取得を目指せます。

このような企業で設けているのが「2種免許資格取得制度」です。新入社員が2種免許を取得するための費用負担や、試験合格に向けた必要な講習を提供しています。

この制度を利用することで、未経験者でも2種免許の取得を目指しながらタクシードライバーとしてのキャリアをスタートできます。

費用の全額または一部を負担してもらえる

多くのタクシー会社では、2種免許の取得を支援するために、資格取得費用の全額または一部を負担してくれる制度を設けています。

さらに、資格取得に向けた研修期間中も日給や交通費の支給があり、知識や運転スキルの習得を全面的にサポートしてくれます。このようなサポート体制は、2種免許取得を目指す未経験者にとって大きなメリットです。

また、一部の企業では、「入社後一定期間の勤務を条件に返済義務が免除される」といった制度を設けていることもあります。このような条件や支援内容は企業によって異なるため、入社前にしっかりと確認し、自分に最適なサポートを提供している企業を選択することが重要です。

2種免許の難易度についてのまとめ

2種免許の取得は1種免許に比べて難易度が高いとされ、学科試験の合格率は約54%です。実技試験も厳しい採点基準が設けられており、応急処置や旅客車講習など、乗客を運ぶ責任を果たすため、深い知識と技術が求められます。

難易度が高いからこそ、2種免許を活かした仕事の社会的な貢献度は高く、需要も多いと言えるでしょう。

本記事でも紹介したように、2種免許は資格取得支援制度を活用して取得することも可能ですので、この機会にぜひ支援制度がある企業の求人票を『ドライバーキャリア』でチェックしてみてください。

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