ドライバーの仕事

うつ病でもドライバーとして転職できる?疑問と業界の声を解説

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昨今ではうつ病をはじめとした精神疾患が、日本の産業全体での労働災害の主役になりはじめています。

なかでもドライバーは、長時間労働のストレスなどからうつ病を発症するリスクもあるといわれています。

ここでは、うつ病として診断された方が転職先としてドライバーを選択することができるのか、またうつ病から回復してドライバーとして転職・再就職を考えている方へのメリットやデメリットについてを解説します。

うつ病になった人はドライバーになれるのか?

基本的にドライバーは、長時間労働が当たり前となっているため、体力が求められます。

しかも、交通事故とも隣り合わせな環境のため、健康でなければ難しい仕事といわれています。

そのため、健康診断の結果や過去の病歴に関してはチェックが他業種よりは厳しい面もあります。

うつ病の経験がある人、現在も治療中の人は不採用とされるケースがあります。

具体的にどういった理由なのか、採用されるための対策などを紹介していきましょう。

健康診断の結果から、不採用となるケースもある

まず会社に入社する前には必ず健康診断を受け、診断書を会社に提出しなければいけません。

運送会社は新たに労働者を入れる前に健康診断を実施することが義務付けられているためです。

これは監査で確認されていることなので、どの会社も必ず行っています。

そのため、うつ病を隠そうとしても健康診断の診断書でバレてしまうため、隠し通すことはできないことを知っておきましょう。

それを踏まえたうえで、道路交通法第90条において以下のような定めが設けられています。

公安委員会は、前条第一項の運転免許試験に合格した者(当該運転免許試験に係る適性試験を受けた日から起算して、第一種免許又は第二種免許にあつては一年を、仮免許にあつては三月を経過していない者に限る。)に対し、免許を与えなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許(仮免許を除く。以下この項から第十二項までにおいて同じ。)を与えず、又は六月を超えない範囲内において免許を保留することができる。

一 次に掲げる病気にかかつている者

イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの

ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの

ハ イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの

引用元:e-GOV法令検索

つまり、法律上精神疾患がある運転手に対し、安全な運転に支障が出る病気の場合は車の運転や免許の更新を禁止しています。

精神疾患は接しただけでは一般の人には分かりづらく、症状によっては他の人と同じように働いている人もいます。

うつ病が悪化した場合、免許の更新ができない可能性もあるため、物流企業としては採用をためらうことがあり得ます。

健康診断でチェックされる内容とその対策

労働安全衛星規則43条に設けられている通り、健康診断では以下の11項目の診断が行われます。

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力(千ヘルツ及び四千ヘルツの音に係る聴力をいう。次条第一項第三号において同じ。)の検査
  4. 胸部エックス線検査
  5. 血圧の測定
  6. 血色素量及び赤血球数の検査(次条第一項第六号において「貧血検査」という。)
  7. 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査(次条第一項第七号において「肝機能検査」という。)
  8. 低比重リポ蛋たん白コレステロール(LDLコレステロール)、高比重リポ蛋たん白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライドの量の検査(次条第一項第八号において「血中脂質検査」という。)
  9. 血糖検査
  10. 尿中の糖及び蛋たん白の有無の検査(次条第一項第十号において「尿検査」という。)
  11. 心電図検査

引用元:e-GOV法令ナビ

特にタクシードライバーには厳しい基準が設けられています。

心臓疾患を抱えている人や糖尿病、精神病、アルコール依存症といったリスクを抱えている人は不採用となる可能性が高いです。

全ての会社ではないので、必ず採用されないというわけではありません。しかし、万が一事故を起こした場合、会社が大きな損害を受けるため、不採用とされやすいでしょう。

ただし、過去に上記のような病気を患っていた場合でも、現在治療中でも本人が治療を行っており、医師から問題ないと判断されれば採用となる可能性も十分にあります。

病歴のある方や持病のある方で、問題なく業務ができる場合、医師からそのように診断書を書いてもらうようにするといいでしょう。

ほかドライバーに向かない持病について

うつ病以外に以下のような持病がある方は、ドライバーとして従事するのは難しいとされています。

総合失調症

安全運転をするためには危険予測や判断、危険を回避するための行動が求められます。

その点、総合失調症の方はそれらの行動能力が落ちると判断されているためです。

また、うつ病と同じ病気と思われている方もいますが、総合失調症は幻覚や幻聴、妄想などが表れる病気で、うつ病は心が落ち込んだり、気分が上がらなかったりといった心と体のエネルギーが低下したものなので、2つは全く異なります。

てんかん

てんかんとは、急に意識を消失したり、体がけいれんをおこしたりする病気で、予測なしの発作的な症状が起こります。

てんかんの持病を持つ方が運転中に発作を起こし、事故になった事例は多々あります。

そのため、てんかんを持っている方は普通自動車免許の免許更新ができないほか、免許を持っていても運転が制限されています。

心臓疾患

心臓疾患とは、心臓や血管など循環器になんらかの異常がある病気のことです。

心臓疾患は日本において、65歳以上の女性における死亡原因1位の病気です。

心臓発作や脳卒中などを引き起こす要因となっており、万が一運転中に発作が起これば事故を招いてしまいます。

糖尿病

糖尿病が怖いのは、糖尿病そのものではなく合併症です。

血糖値が高い状態のまま生活することで血管がボロボロになり、もろくなってしまいます。

それによってほぼ全身の臓器や組織になんらかの影響が出ます。

合併症で怖いのは心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の発症です。

アルコール依存症

アルコール依存症になると、イライラするようになることや、集中力の低下、幻覚、幻聴などが起きるため、精神的に不安定となります。

この精神的不安定を治すために勤務中にアルコールを摂取する可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に上気道が狭くなることで無呼吸状態となり、大きないびきを繰り返す病気のことです。

このことで良質な睡眠ができなくなり、日中に強い睡魔に襲われる可能性が生まれます。居眠り運転の要因となります。

過去にうつ病だった人はドライバーになれるのか

今は回復しているものの過去にうつ病になっていた人はドライバーになれるのでしょうか?

結論から言えば、ドライバーになれます。

病歴などを転職先にきちんと提示する必要がありますが、今は病状があまり見られなくなり、医師からの許可を得れば働くことができます。

ただし、向いている職種向いていない職種があるので、紹介していきましょう。

おすすめは「配達ドライバー」

うつ病の原因が人間関係であった人は配達ドライバーがおすすめです。

配達ドライバーは近距離から中長距離の配達までと、運ぶ荷物や会社によって異なるので選ぶ際はしっかりと労働条件や勤務形態などを調べましょう。

例えば体力的に自信のない方は小さな荷物を運ぶことの多い、近距離ドライバーが適しています。近距離の場合、夜勤もない会社がほとんどなので、日勤で働くことができます。

ルート配送という職種なら、基本的に毎日同じルートをたどって荷物を運ぶため、仕事を覚えるにもあまり時間がかかりません。

人と接するのを極力避けたいという人は中長距離ドライバーが向いています。

長時間労働や夜勤になることがありますが、1日のほとんどを車の中で過ごすため、黙々と心穏やかに仕事をしたいという人には向いています。

不向きなのは「タクシードライバー」

不向きなドライバー職はタクシードライバーです。

タクシードライバーはドライバー職でありながらも接客業でもあるので、人と接するのがしんどいという人には難しいでしょう。

お客様の中には態度の悪い人、理不尽な要求をする人、酔っぱらいの人など接客に一定のスキルや精神力が必要になることがあります。

そういった人を誰の助けも得られずに対処しないといけないので、精神的な疲労になります。

もし人と接するのが好き、コミュニケーションを取りながら仕事がしたいという人はタクシードライバーが天職と言えるかもしれません。

うつ病を発症した元ドライバーにおすすめの別業界・業種は?

ドライバーの仕事が原因でうつ病を発症した人や、体力や仕事内容などが理由で他の業界に転職したいという人もいるでしょう。

病気や障害をもつ方の就職支援を行っているUMBREの調査では、 うつ病経験者に人気の業界・業種はサービス業、軽作業・福祉です。

引用元:UMBRE「うつ病の方999人の実体験を調査。転職、向いている仕事は?」

うつ病の方が勤めていることが多い業界は「サービス業」

過去にうつ病を発症した、または現在もうつ病にかかっている人が働いている業界で特に多いのはサービス業界です。

サービス業界といっても幅は広いですが、主には外食やレジャーといったものです。

サービス業のおすすめの理由として、アンケートでは以下のような声があがっていました。

・従業員数も1万人を越えており福利厚生やコンプライアンスも充実しています。お給料はよかったです。

・基本的に体育会系の方が多く、職場自体は活気がありました。たまたま上司に恵まれていたのもありますが、仕事のことで相談するのに困ることはありませんでした。

引用元:UMBRE「うつ病の方999人の実体験を調査。転職、向いている仕事は?」

サービス業は接客業であるため、お客様相手に仕事をしなければいけません。

お客様と言っても小さな子供からお年寄りまで多種多様であるため、臨機応変な対応が必要になります。

常に緊張感が求められる仕事ではあるため、重要なのは職場の人間関係となります。

サービス業は接客でのストレスがたまりやすいため、上司や同僚との関係性が良く、コミュニケーションが取りやすい環境であることがアンケート結果でも見られました。

しかし、アンケートでは以下のような答えもありました。

・人手不足のため、新人にもある程度高度な仕事が割り振られることがあります。

研修制度が確立していないので、実地で経験していく中で仕事を覚えなければならないのが大変な点です。

パソコンの技術もあらかじめ自分で覚えておく必要があります。

・単調な仕事が多くなりやすいので飽きやすい。横のつながりがほとんどない。

給料の見直しが2年経過しないと行われないし安い。比較的若い人が多く高年齢の人は少ない職場である。

引用元:UMBRE「うつ病の方999人の実体験を調査。転職、向いている仕事は?」

サービス業界の人手不足は慢性化しており、多くの会社で悩まされている問題です。

そのため、1人にかかる負担が大きい場合や、新人教育に時間をとらないまま現場に入れるといったこともあります。

また、日々の仕事がルーティンワークになることもあるので、刺激が欲しい方にはつまらないと感じるかもしれません。

サービス業の仕事を誇りともって働けるような人や、職場に活気があって、みんなが頑張っているようなところであれば、自分もやる気が起こるでしょう。

事前に職場見学を行うほか、HPで会社の理念や風潮などを見る、知り合いが職場にいれば、聞いてみるなど事前に職場環境や雰囲気を知っておくと失敗の可能性を減らすことができます。

うつ病の方におすすめの業種は「軽作業・福祉」

うつ病の方におすすめの業種は軽作業・福祉です。

軽作業というのは倉庫内作業や製造業でのライン作業などがあたります。

福祉は介護や医療などにあたります。

軽作業がおすすめの理由を以下のアンケート結果から見ていきましょう。

・必ず土日が休みで盆正月も休みがあります。単純作業なので、向き不向きはあると思いますが、先輩達が親切丁寧に教えてくれます。

少人数の会社なので、雰囲気よく仕事ができるのではないかと思います。

突然の休みにも対応してくれますし、有給休暇もきちんとしています。

・休職中も給料は8割でており、傷病手当金もあったため、経済的な不安もなく療養することができました。また、復職してからは臨床心理士との定期的な面談もあり心強かったです。

体調が悪いときは有休を取って休養させてくれるため、無理なく仕事を続けることができています。

引用元:UMBRE「うつ病の方999人の実体験を調査。転職、向いている仕事は?」

軽作業は平日稼働のところや年中稼働しているところもあるため、休日は会社によって異なりますが、しっかりと休日が取れる環境であることが伺えます。

また、運送業と似ているように仕事中は黙々と作業をするため、人とコミュニケーションをはかることがあまりありません。

サービス業のように人と接するのが苦手という人は軽作業がおすすめです。

福祉においては、福利厚生が充実しているといった共通点があります。

福祉という医療に近い現場で働いているからこそ、うつ病に対する理解度が高く、働きやすい環境であることも伺えます。

しかし、以下のような答えもありました。

・ついていけないのがマイナスポイントです。スピードが速すぎるのと忙しすぎるので、健常者でも少し難しいです。

・給料が安い上に仕事がハードな肉体労働の割合が多く、ずっと立ちっぱなしで自由に休憩を取りにくい雰囲気もあり、仕事にやりがいを感じていないと続けるのは難しいと感じた。

また交通の便が悪く、通勤が大変だという点も仕事の疲れに影響を及ぼしていると感じた。

引用元:UMBRE「うつ病の方999人の実体験を調査。転職、向いている仕事は?」

軽作業は1人で行う作業もありますが、中にはチームを組んで行う作業もあります。

その場合、連携やスピードを求められるため、それについていけない場合、継続するのは難しいでしょう。

福祉は仕事内容の割に給料が低いと感じる人もいます。福祉は肉体労働があるので、体調を考慮しましょう。

【ルート配送ドライバー】XWorkで掲載中の求人情報

うつ病は長期的に上手く付き合いながら生活をしていくことが大切な疾患です。

治療を続ける中でも、生活のためにお仕事を探す必要がある人もいるかもしれません。

まずは求人情報を眺めて、自分の興味がある企業を調べることもおすすめです。

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