事故防止

トラック事故は多い?事故防止やあおりへの対処を事例とともに紹介

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トラックによる事故が私たちに与える印象が強いのは、車両の破壊力・相手に与えるダメージの大きさが一般車両に比べて格段に違うからです。

報道で受ける事故のインパクトがそのまま「トラックは怖い・危険」というイメージに直結してしまいがちですが、トラックが日夜全国を走り回って日本の物流を支えているのも事実です。

ここでは平成27年の全国交通事故統計データをもとに時系列での変化や実情をお伝えしていきます。

トラックによる事故は減少傾向にある

 

トラックに関係する事故・トラブルはいろいろあります。追突、横転、あおり運転、巻き込み、高さ制限無視・・・ 毎日のように報道されるので事故件数は相当多いと思いがちですが、軽自動車を除く事業用貨物自動車による物損事故を除く第一当事者となった交通事故の推移は平成22年以降減少を続けており、平成27年においてはで15,165件で前年の17,801件から約10%の減少となっています。トラックの車種別においても大型・中型・普通とも事故件数は減少が続いています。
皆様が抱いているイメージと比べていかがでしょうか?

死傷者は減少している

事故数の減少傾向とともに事故における死傷者数も全体的に減少傾向にあります。死傷事故数が多い場所は交差点内が最も多く、死角の多いトラックの特徴がそのまま交差点のリスクを表しています。
交差点内の事業用貨物車事故における死傷者数は平成20年が8,191名だったのが平成27年には4,707名まで減っています。

関連記事:ヒヤリハットの事例紹介。トラック運転手にできる対策とは

事故原因として顕著なのは追突事故

 

事故類型別に事故件数の構成によると平成27年の事故件数総数は16,156件で、そのうち8,541件が追突事故となっています。事故全体の52.9%を占めており、次点の出合い頭衝突の1,483件・9.2%と比べても突出しているのがわかります。
これが高速道路に限ると総事故件数が1,579件に対して追突事故は1,100件・69.7%と更に割合が増えています。特に積載時の車重を考えるとより速度が出てしまう高速道ではブレーキから停止までに相当の距離を要しますので、ドライバーの危険意識と安全運転が追突事故に及ぼす影響が大きいことがわかります。

なおトラックによく見られる「横転」という事故がありますが、トラックの車両の特徴でもある高い車高と横風を受ける面積の大きさ、荷物の積載バランス、急な車線変更や急ハンドルによる荷室内における荷崩れ等、様々な要因により驚くほど簡単にあの大きな車がひっくり返るのです。1BOXの軽自動車でさえ強風時の走行はバランスを保つのに苦労しますが、その何倍もの面積があるトラックが受ける風圧というのは決して侮ることはできません。突風などは予測や回避が困難でもあり走行ルートを考慮するなどして事故の確率を下げる努力が望まれます。

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最も事故を起こしやすいのは35~39歳のドライバー

30代というと気力・体力もまだまだ衰えているとは言えず、事故が多い年代というのは意外な感じがしませんか?
実はそこに落とし穴が潜んでいます。仕事でも慣れや過信が芽生えてくる頃にミスが起きてしまうことがあるように、運転も慣れや過信が悪い意味で気持ちの余裕を生みいつの間にか雑な運転をするようになったりします。仕事で走り慣れた道などは集中力が緩み事故に結びつくこともあるので油断は禁物です。

また、運送業においては中途採用者も多く初めてトラックを運転するのが30代後半というケースも見受けられます。普段普通車を乗り慣れていて運転に自信があっても、実際にトラックで公道を走るというのは全く感覚が違います。座席ポジションや視界も普通車とは全然違いますし死角も多くなる。事故に結びつく要因は年齢とは関係のないところにもあるのです。

またドライバーにすべての責任を問えない事故もあります。無理な運行指示によるプレッシャーや疲労はドライバーの勤務コンディションを悪化させ、大事故を誘発する可能性があります。勤務運転中の突然死などはわかりやすい例ですね。追い詰められている本人が我慢してしまうと防げる事故も防げなくなる。会社側が管理責任を問われても仕方がないケースは少なくない。これは運送業に限ったことではありませんが。

関連記事:トラック運転手は寝れない?実態や正しい睡眠の取り方を解説

気をつけたいあおり運転

ここ数年で一気に表面化・問題化してきた感のある「あおり運転」。
実際はずっと昔から起きていた問題ですが、事件を立証するのが困難で被害側が泣き寝入りすることが多かった。しかし監視カメラの設置が増えたりスマホによる証拠写真や動画を残せる環境が整ってきたこと、ドライブレコーダーによる犯行状況をリアルタイムで記録できるようになってきたことで加害者側は言い逃れができなくなり、検挙率は大幅に増え犯行抑止にもつながっていくはず・・・なのですが、いくら犯行証拠を残せるからと言っても感情的な行動は起きてしまう。実際被害者が命を落としてしまうという無常な結果は未だに無くなっていません。
あおり運転を抑止することも大事ですが、当事者になってしまった時の対応方法を知っておくことも大事です。

あおり運転にはどんなものがあるか

あおり運転と呼ばれるものにはどんなケースがあるか。
多いのは後続車に車間を詰められ文字通りあおられるもの。追突事故の原因にもなる非常に危険な行為です。
幅寄せ・並走する行為も一つ間違えば大事故になります。こちらが速度を落としてやり過ごそうとしても相手も速度を落として並走を続けたり、窓越しに怒鳴る・威嚇するなど明らかな脅迫行為があったりします。
ハイビームやクラクションで威嚇するケースもよくあります。特にトラックのクラクションは大音量で威嚇効果は大きく、それだけでお年寄りの運転者が体調が急変する原因になり得ると心配になります。
前方の車や後続車が追い抜き様に急停止する行為もあおり運転の一つです。

特定の加害者・被害者間における威嚇挑発危険運転行為はあおり運転と識別されるようです。

あおられないためにできること

些細なことでも周囲のドライバーを刺激してしまうことがあります。タイミングの悪い車線変更を行う、制限速度を意識しすぎて全体の流れに乗っていない、いかにも問題ありそうな車を追い越しする、譲られてもお礼の合図すらしない・・・
こちらの意識と相手の感じ方の温度差が無用に相手を刺激してしまうことがあると心得ておきましょう。ノンビリ走りたい時、追い越しする時などは十分周囲の車や状況を確認した上で行うことです。
誰もが快適に運転したいと思っているはず。少々理不尽に感じても周囲に気持ちよく走ってもらうことを意識しましょう。

あおられたときの対応

あおり運転に巻き込まれてしまった場合には、相手が挑発してくる理由を察知し交通法規を順守した上ですみやかに道を譲るなり近くに逃げ込める場所があれば一旦そこに逃避することも必要です。また同乗者がいればナンバーを控えたり動画で記録を残す、110番通報するなど警察に動いてもらうことが大事。自分たちで解決しようとしないこと。また相手を撮影したりするとさらなる刺激を与えることにもなりかねません。相手が車を停めたら窓を閉めドアをロックしすぐに警察に通報することです。

あおり運転をしたときのリスク

いつも自分が被害者であるとは限りません。ちょっとした感情の起伏で相手にプレッシャーをかけている状況も考えられます。自分が被害者の立場で心当たりがないと思うことと同様に、今度は相手も同様に心当たりがないのにあおり運転をされたと通報するかもしれません。
以前は携帯電話使用と同等程度の刑罰でしたが、2018年1月からは危険運転致死傷罪・暴行罪の処分を行えるようになり、下手すれば免許停止も有り得る重大な反則行為となっています。一時の感情的なもので免許を失うリスクを考えたら冷静でいることを意識したいですね。もし職業運転者でしたら免許どころか職を失うことになります。仕事がら毎日運転しているような人は特に注意が必要です。

関連記事

・2tトラックの運転が初めてなら注意したい14の危険※未経験者必見

 

トラックによる最新の事故事例集

いろいろな種類の大型トラック

いろいろな種類の大型トラック

トラック事故は年々減少しているとはいえまだまだ多いし脅威です。ここではトラック事故の例をいくつか取り上げてみます。

タイヤ落下事故

2017年10月、中国自動車道で路上に落ちていたトラックのタイヤに軽乗用車が衝突。乗っていた母娘が車を降り路肩に避難していたところに後続のトレーラーがタイヤに乗り上げ横転、路肩にいた母娘がはねられ死亡した事故がありました。
この事故を機にスペアタイヤの3か月毎の点検が義務付けられましたが、事故が起きてからようやくルール改正に動くという行政の腰の重さは昔からあまり変わっていませんね。

中央道でトラックが中央分離帯を乗り越え反対車線へ

2019年7月、長野県内の中央自動車道で長野方面へ向かう下り線を走行していたトラックが斜面に衝突後、中央分離帯を乗り越え反対車線に入り込み停止。道路にはモモやトウモロコシが散乱し、上り線が11時間にわたって通行止めとなった事故。幸いトラックの運転手や他の走行車にケガ人はありませんでしたが、通行止めによる被害と分離帯の修繕負担はどのくらいの額を請求されるのでしょうか。運転手は21歳と若く支払い能力は見込めません。親や会社の負担を考えると・・・事故は自分だけで解決できない怖さを知らされます。

関連記事:トラック運転手の飲酒に関するルールや罰則を徹底解説

事故を防止するためにできること

運転技術を向上させるコツ

理屈より運転・車両に慣れる事ことです。身体で覚えたことは自転車のように一生忘れることはありません。

バックのコツ

バックが苦手と感じている人は一定数います。上手な人の運転に同乗または練習に同乗してもらい、ポイントを指摘してもらうと上達の近道です。

曲がり方のコツ

車両により違いを感じるのが曲がる時です。特に大型車両は前輪と後輪の軌跡の差を理解し動画等を活用し事故を防ぎましょう。

安全運転のための心がけ

とにかく法令順守と基本所作を徹底すること。教習所で教官の横で必死にハンドルを握っていた初心を忘れないことです。事故を起こした後の人生がどうなるかを知ることも大事。

確認運転

ミラーに頼らず前後左右の死角も意識して慎重過ぎるくらいで丁度良い。

自己管理を徹底

健康チェック・運行予定チェックはしっかりと。無理は禁物です。

スピード制限を守る

時間に追われてもスピード順守が最優先。まずは安全第一に。

視界をさえぎる荷物は片付ける

ダッシュボード上のものはときにフロントガラスに映り込み視界を混乱させます。不要なアクセサリー類は片付けておきましょう。

デイライトの点灯

ライト点灯は相手に自分の存在を知らせるもの。特に夕方や雨天・曇天の時はまだ明るいと思っても早めのライト点灯を心がけ、相手にも注意を促します。

走行中は運転に集中する

例え信号待ちして止まっている時でも地図やスマホを見てはこれらの当たり前のことを当たり前にできない人が事故を起こす確率が高くなります。

関連記事:

・輪留めの必要性や種類、選び方や装着し忘れたことで起きた事故例を紹介!

 

どんな時に事故が起こりやすいかを知っておくことも大切

運転経験者であればおおよそ見当がつくと思われますが、車両の違いで想像もできない状況が生まれることを認識しておく必要があります。言葉で説明するより映像を見た方が直感的に理解できます。全日本トラック協会による「ヒヤリハット集」はあらゆる運転シーンの事故寸前の状況をドライブレコーダーによる実際の映像で見ることができます。また大型車両の交差点での事故寸前の映像もドライバーの視点で大変わかりやすいので参考にしてみてください。

関連記事:ユーロ トラック シミュレーター 2 日本語版 | オンラインコード版

 

【参考】トラックの運転がシミュレーションができるゲームも登場している

体感型ゲームは映像もリアルで疑似体験するには最適なツールです。トラック運転のシミュレーションゲームなどは、万が一ゲーム上で事故を起こしても誰にも影響がなく、事故をも疑似体験できるというスグレモノです。これからトラックドライバーを目指そうという方にはもちろん、現役のトラックドライバーの方の腕試しとしても楽しめそうです。

 

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