「大型免許を一発で取るのは難しい?」「大型免許の一発試験の合格率はどれくらいなの?」
「一発試験で合格するためのコツが知りたい」「一発試験と教習所に通うのとどちらがオススメ?」
車が好きな方であれば12mもある大型トラックを運転することに憧れを抱いたこともあるでしょう。
しかし、車体が大きい分免許の取得は難しいとされています。
この記事では、大型免許の一発試験に特化して紹介しています。
・一発試験の難易度や合格率
・大型トラックの運転の難しいところ
・一発試験を合格するためのコツ
・教習所に通った場合との比較
など一発試験について網羅した内容となっています。
これから大型免許を取得しようと考えている方、一発試験で取得したい方、教習所に通うか一発試験で取得するか迷っている方は、ぜひ最後まで一読してください。
大型免許の一発試験に関係する受験資格
大型免許を受験するためには以下の要件を全て満たしていなければいけません。
1.満21歳であること
2.普通自動車免許、中型自動車免許、大型特殊免許のいずれかを取得してから3年以上経過していること(免許停止期間を除く)。
3.視力に問題がないこと(両目で0.8以上、かつ片目がそれぞれ0.5以上あること)
4.奥行知覚検査機を使った深視力検査において3回検査し、その平均誤差が2cm以下であること。
5.色彩識別能力において、赤色・黄色・青色の識別ができること。
6.聴力検査において、10mの距離で90dbの警音器の音が聞こえること(補聴器の使用可能)。
関連記事:大型トラックとは?初心者から大型免許をとってドライバーになる方法
大型免許を取得するまでの流れ:教習所と一発試験
大型免許を取得するには、教習所に通って取得する方法と直接免許試験場に行き、試験を受ける一発試験の二通りあります。
それぞれ紹介していきましょう。
教習所に通う場合
教習所に通う場合は、まず入学試験があります。受験資格で紹介した1〜6を満たしているかの確認をされます。これにクリアすると無事入学でき、学科教習と技能教習を受けることができます。
技能教習では、普通自動車免許と同じく教習所内を運転し、まず仮免許を取得します。仮免許に合格後、路上教習を受けて、終了すれば路上技能検定を受けます。これに合格すれば、免許センターに行き、適性検査(視力検査など)を受けてし、問題なければ免許取得となります。
一発試験の場合
一発試験の場合、直接免許センターや試験場に行き、試験を受けます。この時必要となる書類は、運転免許証、仮運転免許証(本試験に必要)、路上練習申告書(本試験に必要)、証明写真、手数料、暗証番号(試験合格後に必要)です。
一発試験での大型免許を取得するまでの流れは、
適正試験(視力や聴力、深視力検査など)→場内試験→路上練習→本試験→取得時講習→免許取得
となります。
1点注意なのが、仮免許をとっていない方は1日で免許が取得できないというところです。先に場内試験で仮免許を取得してからでないと本試験(路上試験)を受験できません。一発試験=1日で取得できると思われている方が多いので注意が必要です。
関連記事:大型免許って難しいの?合格率や取得のコツ、費用などを詳しく紹介
関連記事:自動車学校で大型免許を取得しよう!取得にかかる費用や条件とは?
大型免許の一発試験:3つのメリット
大型免許を一発試験で受験するメリットについて紹介していきましょう。
費用が安い
一発試験で受験すると費用の大幅な節約ができます。費用の内訳は、受験料が8,650円、取得時講習料が22,000円の合計30,650円となります。
もし教習所に通った場合、所持している免許によって費用は変わりますが、30万円以上は必要となります。一発試験と比較すると10倍ほど費用がかかるため、教習所に通わずに一発試験を選ぶ方は少なくありません。
関連記事:大型免許の費用はいくら?お得に大型免許を取得する方法も解説!
時間がかからない
一発試験の場合、教習所と比較すると日にちがかかりません。一発試験は、場内試験に合格(1日)し、路上練習(最低5日間)、本試験(1日)と最短で1週間程度で免許を取得することができます。
しかし、教習所の場合は通学で20〜40日程度、合宿でも2週間ほど時間が必要です。仕事をしながらだと合宿はできないし、通学を選んでもなかなか時間が取りづらいといった場合もあるでしょう。それを考えると一発試験の1週間はとても魅力的に感じます。
好きな時に資格を取得できる
一発試験は、自分のタイミングで受験することができます。試験が開催されるのは平日ですが、毎日しているので自分の都合に合わせて受験することができます。教習所の場合は、技能教習や学科教習を受けないといけなくなり、多少束縛される部分ができてしまいます。そういった縛りがないのが一発試験のいいところでしょう。
大型免許の一発試験のデメリット
それでは一発試験を選んだ場合のデメリットを紹介しましょう。
合格するのが大変
一発試験を選んだ場合の一番のデメリットが合格率の低さです。後で詳しく紹介しますが、その合格率は30%以下だったりします。合格者は複数回受験している方も含まれています。
運転の難易度の高さから一発試験での合格は困難とされているのが難点となります。
1回目で合格できないと時間も費用もかかる
一発試験は時間も費用もかからないからと受験する方が多くおられますが、多くの方が不合格となっています。特に1回目の合格率は10%を切っているとも言われ、複数回受験しないとなかなか合格しないのが現実です。
気軽に受けれる分、対策をおろそかにしていると2回目、3回目も失敗し、結局教習所に行っておいた方が時間も費用も節約できたとなる方も少なくありません。自分の技量などを見極めてから、一発試験を選ぶか教習所を選ぶかを決めた方がいいかと思います。
試験日が平日のみ
一発試験を開催しているのは月曜日〜金曜日と平日のみです。土日祝日は行っていないため、休日が土日のみの方はそもそも試験を受験できない、もしくは有給休暇を使うしかありません。この平日のみというのが引っかかって資格が取れないという方も実は少なくありません。
大型免許の一発試験は合格率18〜32%と難易度が高い
先ほど大型免許の一発試験の合格率は低いと説明しました。実際どれくらい難しいのか、一発試験のみと教習所で通ったものを含めたものとで比較しながら大型免許の合格率はどれくらいなのか紹介していきましょう。
まず大型免許の合格率(教習所と一発試験合わせたもの)を紹介しましょう。
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2005年 | 260,579名 | 125,109名 | 48% |
2006年 | 282,543名 | 136,250名 | 48.2% |
2007年(※1) | 192,748名 | 97,153名 | 50.4% |
2007年(※2) | 24,419名 | 22,204名 | 80.9% |
2008年 | 58,019名 | 48,640名 | 83.8% |
2009年 | 57,321名 | 49,518名 | 86.3% |
2010年 | 58,441名 | 51,468名 | 88.0% |
2011年 | 60,229名 | 53,573名 | 88.9% |
2012年 | 63,094名 | 56,065名 | 88.8% |
2013年 | 63,276名 | 57,189名 | 90.3% |
2014年 | 64,736名 | 58,918名 | 91% |
2015年 | 66,214名 | 50,505名 | 91.4% |
※1:道路交通法改正前
※2:道路交通法改正後
これだけ見ると合格率が9割以上もしくは9割近くあるので、簡単なのでは?と思う方もいますが、次の一発試験のみの合格率を見ると考えが変わるかと思います。
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2005年 | 166,393名 | 30,514名 | 18.3% |
2006年 | 174,473名 | 31,456名 | 18% |
2007年 | 126,826名 | 23,235名 | 18.3% |
2008年 | 12,717名 | 3,694名 | 29% |
2009年 | 10,636名 | 3,305名 | 31% |
2010年 | 10,605名 | 2,873名 | 27% |
2011年 | 8,732名 | 2,388名 | 27.3% |
2012年 | 10,369名 | 2,664名 | 25.7% |
2013年 | 8,002名 | 2,330名 | 29.1% |
2014年 | 7,180名 | 2,298名 | 32% |
2015年 | 7,407名 | 2,395名 | 32.3% |
上記の教習所と比較すると合格率が60%も下がっています。これだけを見るといかに一発試験が難しいのかがわかるかと思います。そして何より受験者数が2008年度からグッと少なくなっていることにも気づくかと思います。
これは2007年に道路交通法が改正されたことによって中型免許が新設されました。これによって大型免許ではなく、まずは中型免許を取得する方が増えました。仕事内容などのキツさで大型トラックと中型トラックの差が激しいため、人気である中型免許に人が流れました。
大型免許の一発試験:5つの仕事内容
実際の一発試験ではどんな内容が出されるのか、紹介していきましょう。
適正試験
適正試験では、視力、聴力、深視力などのテストが行われます。
視力:左右の片目と両目の3箇所の視力を測定します。一般的な視力検査方法であるランドルト環で行うところもあれば、最近では視力測定器を使った方法で行うところもあります。合格の基準となるのは片目がそれぞれ0.5以上、両目で0.8以上とされています。
聴力:10mn距離で90dBの警音が聞こえるかのテストを行います。90dBは日常会話の音くらいなので、普段会話ができるくらい聴力があれば問題ありません。また、補聴器の使用も可能となります。
深視力:深視力とは、物体の遠近感や立体感、奥行きや動的な遠近感を捉える目の能力の1つを指します。深視力検査では、物を立体的に捉えられているか、遠近感に異常はないかなどを測定します。検査は三桿法と呼ばれる方法で行います。簡単に説明すると検査機を覗くと3本の棒が並んでおり、そのうちの真ん中の棒だけが手前や奥に動きます。その真ん中の棒が横1列に並んだと思った時にスイッチを押します。この検査を3回行い、平均の誤差が2cm以下であれば合格となります。
場内試験
本試験の前に、まず場内試験で仮免許を取得しておかないといけません。その場内試験では、車の発進に問題ないか、ミラーの調節に問題ないか、左右の安全確認ができているか、指定速度で走れているか、ギア調節が適切にできているか、踏切での通過や交差点の通行に問題はないかといった基本的なことと、クランクやS字カーブ、坂道発進、隘路(あいろ)、路肩停止と発進といった運転技術が求められることなどが採点されます。
特に難しいとされるのが、隘路の部分でトラックのサイズ感や内輪差を把握しておかないといけません。何より道路交通法の改正によってトラックのサイズが8mから12mと大幅にデカくなったことで難易度が高くなりました。
路上練習
路上練習は試験ではありませんが、これを3ヶ月以内に5日以上行わないと本試験を受けることができません。また、路上練習では有資格者の同乗が必要とされています。有資格者とは、大型免許の資格を3年以上(免許停止期間を除く)保持している人となります。
有資格者やトラックは自分で調達しないといけないため、運送業界で働いていなかったり、知り合いに大型トラック運転手がいない人はここでつまづく羽目になってしまいます。知り合いにいたとしても5日以上付き合っていただかないといけないのも大変な点です。
ただし、教習所によっては教官を乗せてトラックを運転することも可能です。有料にはなりますが、手段がない方は一度最寄りの教習所に問い合わせてみるのも手かと思います。
本試験
路上練習が完了すれば本試験を受験することができます。
本試験では、場内試験と路上試験があります。本試験でも場内試験があるの?と思われた方もいるかもしれませんが、この場内試験を突破しないと路上試験まで進みません。場内試験では、方向転換もしくは縦列駐車のどちらかが課題となります。
路上試験では、他の車両や歩行者、自転車やバイクの安全確認や後方への確認、交差点の通過方法、左折時の安全確認、基本的なことですが重要なことを見られます。信号や標識で一時停止を無視すると一発アウトとなるので、落ち着いて運転することが大切です。
採点方式は100点満点からの減点方式で取り行われます。減点は5点、10点、20点とあり、70点を切ると不合格となります。
取得時講習
本試験を合格すると取得時講習を受講することができます。大型免許の場合は、大型車講習を4時間、応急救護講習を3時間受けないといけません。この取得時講習は毎日行われているものではないので、必ず日程の確認をしましょう。
大型車講習の内容は、トラックを運転する際の危険予知や安全運転に必要な技能や知識、悪天候下での注意点など。応急救護講習は、気道確保からの人工呼吸の方法、心臓マッサージの方法や必要知識などです。
大型免許を一発試験で合格するのが難しい理由|3選
一発試験での合格率が低い理由は大型トラックの運転が難しいからですが、具体的にどういった部分が難しいのか、紹介していきましょう。
車体の長さが大きい
試験に使われるトラックの長さは12mと普通自動車の3倍ほどあります。日常で運転することがなく、運転感覚を掴むまでは何度も練習が必要です。しかし、一発試験の場合、場内試験では大型トラックをほぼ運転せずに受験する人がいたり、本試験でも5回しか練習で試験に臨んだりと経験が少ない方が多く、まだ大型トラックの扱いに慣れていない方が多いです。運転すると想像以上の車体の大きさに戸惑う方も少なくないそうです。
内輪差が大きい
内輪差とは、内側の前輪と後輪の通る軌道の差。大型トラックの場合はこの内輪差が普通の自動車の3〜4倍と言われています。カーブを曲がる際、右折左折をする際にハンドルを切るタイミングを間違えると脱輪を起こしたり、障害物にあたってしまったりします。そうなると一発で失格となってしまいます。教習所に通っているときはハンドルを切るタイミングやコツを教官から直接指導してもらえますが、一発試験は自力で見つけないといけません。練習量的に十分でないまま試験に臨んで失格する方が多くいます。
ブレーキ感覚が難しい
大型トラックのブレーキはエアブレーキです。エアブレーキの仕様を説明すると長くなるので省略しますが、普通のブレーキとどう違うのかを一言で言うとブレーキがめちゃくちゃ強いです。普通車のブレーキのように踏むと急ブレーキがかかってしまうほど。
ふわっとブレーキを踏めばいいのですが、遊びの部分があるためなかなか慣れにくいです。ブレーキの効く部分と遊びの部分を体で覚えるまで時間がかかるため、難しいと言われています。
大型免許を一発試験で取るためのコツ|7選
一発試験は合格率が30%を切るほど難しいとされています。それゆえにしっかりとした対策が必要です。一発試験を受験する際の注意点や合格するためのコツを紹介していきましょう。
安全確認の方法
安全確認は運転技術とは関係ありませんが、受験においてとても重要な部分です。これを怠るだけで不合格となる可能性も高いため、きっちり重要ポイントを押さえておきましょう。
まず、乗車前には周囲に障害物がないかどうか周囲や後ろ(歩行者やバイクなどが来る可能性がある)を確認します。
乗車した後はシートベルトを装着する前にシートやルームミラー、サイドミラーの位置や角度を調整します。調整すればシートベルトを装着し、エンジンをかけます。
車を発進した後は、ルームミラー、サイドミラーを見ながら左右や後方を確認しましょう。踏切を通過する際は、窓を開けて警告音が鳴っていないか耳だけでなく、目視でも確認しましょう。もちろん、停止線の前で一時停止をすることも忘れてはいけません。
左折時は、前方や後方からの歩行者や自転車、バイクが近づいていないかをしっかり確認しましょう。安全確認のポイントは、試験官に安全確認をしているということをしっかり認識してもらうことです。少しくらい大袈裟にやるくらいが丁度いいでしょう。
隘路のコツ
場内試験で一番難関とされるのが隘路です。隘路とは、狭い道をいう意味ですが、試験の場合は前向き駐車となります。日常ではコンビニに駐車するときや工事前場に入る時などさまざまな場面で必要となります。
隘路では、白線内にトラックを駐車するのですが、白線の幅は2.5mと0.5m程度のゆとりしかありません。ルールとして白線を踏んではいけない、踏んだ場合は脱輪と判定されます。
隘路のコツは、
1.前の車輪が手前側の白線を軽く超えたらハンドルを回し始める。
2.車体全体の動きを確認しながら運転席側の前輪が奥側の白線の中央部分を踏むくらい、運転席側の後輪が手前側の白線を踏むか踏まないか程度の角度で入っていく。
3.白線の幅の中にミラー以外を入れる要領でトラックを入れる。
※仮に1回で白線の幅に入らなくても3回までは切り返しによってやり直しが可能です。
S字カーブのコツ
普通免許を取得した時でも難易度が高かったS字カーブ。それが大型トラックとなるとさらに難しくなります。S字カーブを通過するときのコツを紹介しましょう。
1.内輪差を意識する
S字カーブを曲がる際、前輪が通る軌道よりも後輪が通る軌道の方が内側となるため、これを意識しないと脱輪が起きてしまいます。大型トラックは内輪差が大きいのが特徴です。そのため、タイヤの位置がどこにあるのかを意識しながら運転しないといけません。
2.実際に運転するときの注意点
カーブを曲がる前は右後輪が通るスペースをしっかり確保してきましょう。内輪差のためにも最初のカーブの前はなるべく左側にトラックを寄せておくことがポイントです。
カーブを曲がり終えたらトラックをコースの中心を走るように意識してハンドルを操作します。2つ目のカーブでは、左後輪の内輪差を考えて右前輪をカーブに沿わせるようにしてハンドルを操作すればS字カーブを攻略することができます。
クランクを攻略するコツ
S字カーブと同じように難易度の高いクランク。このクランクもコツさえ掴めれば攻略は簡単です。クランクを通過する際のコツを紹介しましょう。
1.内輪差に注意
クランクも内輪差を意識することが重要です。S字カーブよりは角度はありませんが、しっかりタイヤの位置がどこにあるかを意識しながら運転しましょう。
2.実際に運転するときの注意点
コースに入ったら左の前輪をなるべく左側にそわすように進みます。最初のコーナーでは、運転席がコーナーの角にきた辺りでハンドルを回します。右後輪がコーナーの角ギリギリくらいになりすぎないよう意識しましょう。コーナーを曲がった後は右側に車体を寄せて、第二コーナーを曲がる準備をします。運転席が第二コーナーの角に来たらハンドルを切りましょう。
方向転換のコツ
本試験の場内試験で課題となる方向転換。試験で出される方向転換とは、一度左バックをして道に入り、その後右折をする作業。この時、左バック時のハンドルを切るタイミングが難しく、脱輪を起こしたり障害物と接触したりする恐れがあります。コツとしては、左側に車体を寄せておくこと、左後輪をなるべく曲がり角に寄せること、サイドミラーだけでなく、トラック後部にある窓から目視して車体の位置を確認することが重要です。もし試験前に練習ができるのであれば、ハンドルを切る位置の目印を見つけるとスムーズに行いやすくなりますよ。
縦列駐車のコツ
縦列駐車は本試験の場内コースで課題となる可能性があります。大型トラックで難しいバックを使った駐車となるため、慣れない方はつまづくポイントです。うまく行うコツを紹介しましょう。
1.左ウインカーを出し、縦列駐車するところに障害物がないか確認する。縦列駐車する箇所をトラックの車体すべてが通り過ぎたら、なるべく車体を左側に寄せながら適当なところでトラックをとめ、ハザードランプを点灯させます。
2.バックを行い、左後輪が角に来たらハンドルを目一杯切りましょう。ゆっくり進み、右後輪と駐車する箇所の左奥の角が一直線になればハンドルを真っ直ぐに戻します。
3.そのまましばらくバック押し、左のサイドミラーが駐車箇所に入ればハンドルを右に目一杯切ります。そのままバックをしましょう。
4.車体と縁石が平行になればハンドルを真っ直ぐに戻し、停車させましょう。
試験会場で練習しよう
仮免許の取得前に可能であれば試験会場となる場所で練習をしましょう。本試験ばかりに気を取られてしまいますが、仮免許の取得で失敗する方もたくさんいます。
いきなり本番を迎えるより、試験場で練習できればどこに何があるのか把握ができたり、隘路の時にハンドルを切る目印が見つけられます。何より本番でリラックスして望みやすくなるでしょう。一度各都道府県の試験場のHPにアクセスしてみてください。料金は場所によりますが、おおよその相場は1万円ほどとなります。
大型免許を一発試験で取得する期間と費用
ここまで一発試験での免許取得について紹介してきました。教習所の方はどうなの?という疑問を持つ方も少なくないでしょう。簡単に教習所で大型免許を取得するときの料金やメリットなどを紹介していきましょう。
教習所で大型免許を取得するときの料金
教習所で免許を取得する場合は、今持っている免許の種類によって料金が大幅に変わってきます。普通自動車免許を持っているよりも中型免許を持っている方が安くすみます。相場を紹介していきましょう。
普通自動車免許を所持している場合:約30〜35万円
普通自動車免許第二種を所持している場合:約28〜33万円
準中型自動車免許(5t限定)を所持している場合:約26〜30万円
準中型自動車免許を所持している場合:約25〜30万円
中型自動車免許(8t限定)を所持している場合:約25〜28万円
中型自動車免許を所持している場合:約20〜25万円
中型自動車免許第二種を所持している場合:約20〜24万円
大型特殊免許を所持している場合:約40〜48万円
教習所で大型免許を取得するまでにかかる期間
教習所に通う場合で大型免許を取得するまでにかかる期間は所持している免許の種類によって学科教習、技能教習の受ける時間が異なります。
免許の種類 | 学科教習 | 技能教習 |
普通自動車免許 | 1時限 | 30時限 |
準中型自動車免許(5t限定) | 1時限 | 26時限 |
準中型自動車免許 | なし | 23時限 |
中型免許自動車免許(8t限定) | なし | 20時限 |
中型免許 | なし | 14時限 |
大型特殊免許 | 4時限 | 45時限 |
教習所に通うメリット
教習所に通うことで得られるメリットは何か紹介していきましょう。
合格率が高い
一番の大きなメリットが高い確率で合格できることです。一発試験の合格率は30%ほどと、多くの人が不合格になりますが、教習所に通った場合の合格率は約90%とほとんどの方が合格しています。
何より一発試験の30%の中には複数回受験している方がいるため、1回目で合格している方はごくわずかとも言われています。教習所の場合はほとんどの方が1回目で合格できるので、何回も試験を受けなくても大丈夫です。
試験コースで練習できる
教習所は、普段練習しているコースで場内試験、路上試験が行われます。つまり、注意しておくべきポイントやハンドルを切る目印などを把握した状態で試験に臨むことができます。普段走っているところということで緊張するタイプの人もリラックスして受験できます。いつものコースで試験をするというのは想像以上にメリットがあるでしょう。
苦手なところは何回でも練習できる
方向転換や隘路、坂道発進などテクニックが必要なところを何回でも練習することができます。教習所であれば、教官が隣にいるためスピードやブレーキ、ハンドルを切るタイミングなど細かい部分まで指導してくれます。一発試験の場合も練習はできますが、お金を払わないと練習ができないので何回も反復練習がしづらい部分があります。
教習所に通うデメリット
一方で教習所に通うデメリットもあります。
高い費用がかかる
一番の大きなデメリットが費用です。一発試験を選んだ場合、大型免許を取得するために必要な費用は3万円ほどです。一方、教習所に通った場合は所有している免許にもよりますが、最低でも20万円〜となります。お金を持っていない方や支出を避けたい人には大きな痛手となるでしょう。もし会社に免許取得のサポート制度があればいいのですが…
時間が必要
教習所に通った場合、大型免許の取得までに最低でも2週間は必要です。仮に普通免許しか所持していない場合は1ヶ月近くかかることもあるでしょう。仕事をしながらだと、時間に余裕がなくなかなか通いづらかったり、上司や同僚の目もあったりするでしょう。一発試験なら最短1週間ほどで取得できるので、時間の問題で教習所に通うことを諦める方もいます。
合宿か通学かどちらがいい?
教習所は合宿免許と通学で2パターンあります。どちらにもメリットデメリットがあります。紹介していきましょう。
時間と費用を節約するなら合宿免許
合宿免許の場合は、宿泊施設や食事がついているため料金が高そうに感じるかもしれませんが、実は通学よりも費用が安くすみます。相場は教習所によって異なりますが、4〜5万円ほど安く設定しているところが多いです。そして、時間も大幅に削減できます。中型免許を所持している場合は最短で1週間で取得できます。普通免許のみの場合も2週間ほどで取得できるため、合宿は時間の節約にもなります。
今仕事をしている方は通学
合宿の場合は免許取得までずっと教習所にいなければいけません。求職中の方やキャリアアップのために仕事を辞めたばかりの方などは問題ありませんが、仕事をしている方は時間の都合をつけることが難しいです。
そのため仕事をしながら免許の取得を目指すのであれば通学を選ぶしかありません。
運転テクニックを早く身につけたい方は合宿免許
合宿免許は毎日技能講習が受けられるので、運転技術が身に付きやすくなります。教習所で頻繁に通えない人は運転感覚を忘れがちになってしまい、毎回まず初めに運転感覚を取り戻さないといけなくなります。合宿はその手間も必要ないため、運転技術に自信のない方や早く運転に慣れたいという方は合宿がおすすめです。
大型免許:一発試験と教習所の比較
ここまで大型免許の取得方法について詳しく紹介してきました。一発試験で取得する場合と教習所に通う場合との比較を簡単にまとめました。
一発試験 | 教習所 | |
取得にかかる費用 | 約30,000円 | 約200,000円〜 |
取得日数 | 最短1週間 | 通学:最短15日間合宿:最短1週間 |
メリット | ・取得費用が安い・時間の節約・平日であればいつでも試験を受けに行くことができる | ・合格率が高い・試験コースで練習ができる・苦手なところを何回も練習でできる |
デメリット | ・難易度が高い・何回も不合格となれば費用も時間もかかる・練習場所と経験者を探すのが大変 | ・高い費用がかかる・時間が必要・仕事をしながらだと大変 |
合格率 | 約30% | 約90% |
大型免許一発試験に関するまとめ
大型免許を一発で取るのは難しいということがわかりました。もちろん長年中型トラックを運転経験してきた方やロングタイプのトラックを運転してきた方は一発で合格することも全然あります。
12mもの大きな車体を操るにはコツや感覚を身につけるまで時間がかかります。一発試験で大型免許を取得しようと思っている方は、なるべく練習を積み重ねてから試験に臨むことをオススメします。
大型トラックを自由に運転できるドライバーは羨望の目で見られることもあるでしょう。頑張ってくださいね。
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