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アイドリングストップの効果とは?トラックの状況別燃費も検証!

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トラックは、一般の自動車と比べると燃費が良くありません。タンクに何百リッターも燃料が入っているのに、使い方次第では1日でなくなってしまうこともあるでしょう。

「毎日給油するのが面倒だ。」

「燃費を少しでも伸ばす方法はないのかな?」

トラックドライバーなら燃費向上のために、さまざまな取り組みをしているはずです。ですが、「アイドリング」に関しては気にしていますか?

アイドリングとは、すぐに稼働できる状態を維持していることです。トラックに言い換えると、エンジンをかけた状態で停車している状況ですね。

信号待ちから車中泊まで、アイドリング状態で車を待機させる状況はたくさんあります。エンジンをかけ続けているので、アイドリング状態が長く続けば燃費は悪くなる一方です。そのためアイドリングストップは、燃費の向上を考えるうえで切っても切り離せません。

今回は、燃費を少しでも向上させたいトラックドライバー向けに、

「アイドリングストップの効果」

を解説していきます。信号待ちや車中泊などの状況別に、どれほど燃費が違うのかも検証します。今回紹介する情報を役立てて、少しでも多くの燃費向上効果を得てくださいね。

 

アイドリングストップの効果とは

 

アイドリング中も、トラックが燃料を使っていることは誰でもわかるはずです。ですが走行時に比べると、燃料の消費が少ないのであまり気にしていない人が多いかもしれません。中には、

「アイドリングストップをしても、それほど効果がないのでは?」

このように考えている人もいるでしょう。

アイドリングストップを行っても、燃費向上効果を感じられなければ面倒くさいだけですよね。自分の乗るトラックが、アイドリング時にどの程度の燃料を消費しているのか知ることが先決です。

 

アイドリングの燃費はどのくらい?

 

アイドリング中の燃費は、乗車している車の排気量により変わります。一般の自動車だと1分間に、13ccほどの燃料をアイドリングで消費します。10分アイドリングを続けても130ccですので、1時間で800ccも消費しません。アイドリングを停止させても、それほどの効果が得られないと感じたでしょうか?

確かに短時間の燃料消費を見てみると、アイドリングストップにはそれほどの効果がないと考えてしまうかもしれません。ですがトラックは一般の乗用車とは、排気量が違いますよね。トラックの場合、1時間のアイドリングで0.7から1.8リッターの燃料を消費します。特に大型トラックだと、2リッター近くの燃料を1時間のアイドリングで消費する車両もあるくらいです。

またトラックの乗車時、特に夏場にはエアコンを使用しませんか?エアコンを使用すると、燃費はさらに悪化します。車中泊などで、長時間エアコンをかけたままアイドリング状態を続けると、考えていたよりも燃料が減っているはずですよ。

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トラックのアイドリングの燃費を状況別に検証

 

ここからはトラックの状況別に、アイドリング中の燃費を検証していきます。「アイドリング」と一言で言っても、短時間の信号待ちから長時間の車中泊までさまざまです。自分が乗車するトラックの燃費を悪くしているのは、どの状況なのでしょうか?自分に該当しない状況をあまり気にしても、大きな効果は望めない可能性があります。順番にチェックしていきましょう。

信号待ちの場合

まずは、短時間のアイドリングの代表例である「信号待ち」です。信号待ちのアイドリング時間は、長くても数分でしょう。アイドリング状態で待機している時間が短時間であるため、

「信号待ち程度で、アイドリングストップをしても効果があるのかな?」

そのように考えている人も多いはずです。

確かに信号待ちで行うアイドリングでは、燃料消費が少量ですのでエンジン停止による効果が少ないかもしれません。ですが1日トラックで仕事をしていると、多くの信号待ちに出会うはずです。

中型トラックの場合、1時間のアイドリングを行うと1リッター程度の燃料を消費します。宅配など昼間にトラックを市街で使用している人なら、1日に信号待ちで停車している時間も長いはずです。そのような人なら信号待ちのたびにアイドリングストップを行うことで、大きな燃費向上効果が得られるでしょう。

休憩時間の場合

休憩時間に行うアイドリングは、15分ほどの短時間から長くても1時間程度ですね。先ほども説明したように、中型トラックが1時間のアイドリングを行うと1リッターほどの燃料を消費します。ここで注意すべきが、「エアコンの使用」でしょう。

アイドリング状態でエアコンをかけたまま、トラックの車内で休憩していることが多いはずです。エアコンを使用すると、アイドリング時の燃料消費は1.3倍に増加します。つまり中型トラックでエアコンをかけたまま休憩すると、1時間で1.3リッターの燃料が消費されます。このことから1時間のアイドリングを行わずにすむなら、大きな燃費向上効果が得られるはずです。

ですが夏場や、逆に真冬といった厳しい環境下でエアコンを使用しないのは難しいでしょう。事務所のようなエアコンの効いた屋内で休憩するなど、エンジンを停止できる環境作りが大切です。

「毎日、休憩中はアイドリングを続けたままだ。」

そんな人は、休憩中の過ごし方を1度よく考えてみることが、アイドリングストップの効果を得るための大きな一歩だと言えますね。

車中泊の場合

特に長距離ドライバーなら、車中泊をする機会は多いはずです。休憩ではなく宿泊ですので、8時間以上もアイドリングを行うことがあるでしょう。

長距離ドライバーなら、大型トラックに乗車している可能性が高いです。大型トラックは、1時間のアイドリングで2リッター近くの燃料を消費します。計算すると、8時間アイドリング状態で車中泊を行うと16リッター近くの燃料を消費してしまいます。

そしてやはり問題なのが、エアコンの使用です。トラックで車中泊を行うなら、季節にかかわらずエアコンを使用している人がほとんどでしょう。エアコンの使用は、アイドリング時の燃料消費を1.3倍に増加させます。

大型トラックが8時間の車中泊で、エアコンを使用しアイドリングを続けた場合は、20リッターほどの燃料が失われる計算です。エアコンの使用は致し方ない点もありますが、無視できるほど小さな消費ではありませんね。また20リッターもの燃料削減効果は、金銭的にも重要です。

  • 食事や入浴など車外に出る時は、エンジンを停止させる
  • 過ごしやすい季節には、エアコンを使用しない

車中泊を頻繁に行うドライバーなら、まずは小さな工夫から始めてみるべきでしょう。

 

効果的にアイドリングストップをするには

 

ここまでの説明で、アイドリングストップの大切さがわかったはずです。ですがやはり1番問題なのが、「面倒くさい」点でしょう。せっかくこまめにアイドリングを停止させるのですから、多くの燃費向上効果を得たいですよね。

アイドリングストップの燃費向上効果をより多く得るために、気を付けることが1点あります。「あまりに短時間の停車なら、アイドリング状態で待機する」ことです。

実は車のエンジンは、始動させるときに1番多くの燃料を消費します。そのため一瞬の停車だと、アイドリングストップで得られる効果よりも多くの燃料をエンジン始動で使います。乗っている車両にもよりますが、一般的にアイドリングストップの効果が得られるのは、5秒以上停止する場合です。5秒以下の停車でアイドリングストップを行うと、効果が得られるどころか、次に紹介するような弊害が発生してしまいます。

 

アイドリングストップの注意点

 

アイドリングストップには、燃費の向上や大気汚染の軽減など良い効果がたくさんあります。ですが問題点もいくつか存在するため、良いこと尽くしではありません。ここでは、アイドリングストップの注意点を紹介していきます。

バッテリーの劣化

エンジンを停止させても、オーディオやナビはついたままですよね。エンジン停止中であっても、バッテリーから電力の供給が行われているからです。

またエンジン始動時は1番多くの燃料を消費しますが、バッテリーの電力もたくさん消費されます。何度もアイドリングストップを繰り返す動作は、バッテリーに大きな負担を与えてしまいます。得られる効果の代償ですが、バッテリーの劣化による交換費用は無視できませんよね。

冷蔵(冷凍)車の冷房が止まる

車種にもよりますが、冷蔵車のハコの冷房はエンジンを停止させると止まります。ドライバーなら、

「今日は涼しいから、エアコンはいらないな。」

「暑くなってきたから、エアコンをかけよう。」

そんな判断ができますが、荷物には無理ですよね。

もし中の荷物が全損になってしまったら、アイドリングストップの効果どころではありません。アイドリングストップを行っても、ハコの冷房が止まらない車種もあるので事前に確認が必要です。

騒音問題

トラックのアイドリング自体が、問題になることは多いです。特に住宅街でのアイドリングによる騒音トラブルは、それほど珍しくないでしょう。そしてエンジンの始動音は、アイドリングと比べても大きいですよね。

  • 毎日決まったルートを走行している
  • 夜間に住宅付近で仕事をしている

燃費向上効果を狙いアイドリングストップを繰り返すと、状況によってはクレームが来るかもしれませんよ。

 

アイドリングストップ支援機器も知っておこう

 

アイドリングストップにより得られる効果や、また反対にいくつかのデメリットを紹介してきました。総合的に見てアイドリングストップが燃費向上に、大きな効果があるのは理解できたはずです。

多くの企業がアイドリングストップを普及させるために、さまざまな支援機器を開発しています。最後に、代表的なアイドリングストップ支援機器をいくつか紹介していきますね。

アイドリングストップ時でも使用できる冷暖房装置

アイドリングストップを行うと、エアコンは動いていますが「送風」になってしまうため快適ではありません。また真夏にエンジンを停止させて、送風状態でガマンするのは体にもよくないです。最悪、倒れてしまっては「燃費向上効果」どころではありません。

そのためアイドリング中でも、問題なくエアコンが使用できる装置が開発されています。運転時間に制限があるため、車中泊までは難しいかもしれません。休憩程度の時間には問題なく対応できるので、燃費向上効果を得る手助けになるはずです。

外部給電スタンド

今一つ普及していませんが、外部からトラックに直接電力を供給できる装置が全国に設置されています。トラックとスタンドとを、コードでつなぐだけですので簡単に使用できます。

給電スタンドを利用すれば、キャビンだけではなく冷蔵車のハコの冷房がエンジン停止中も使用可能です。

「冷蔵車だから、アイドリングストップができない……。」

そんな人にもアイドリングストップの効果をもたらす、便利な装置だと言えるでしょう。

 

まとめ

 

乗車しているトラックの燃費に、敏感になっている人は多いですよね。燃費が向上すれば給油回数が減り、手間や燃料費が削減できます。

アイドリングストップに燃費向上効果があることは、多くの人が知っているはずです。ですが面倒だったり実際にはデメリットがあったりと、実践しているトラックドライバーは多くありません。

自分の仕事内容を確認し、より多くのアイドリングストップ効果を得るには、どうすればよいのかを考えることが重要です。今回紹介した支援機器なども活用して、少しでもトラックの燃費を向上させてくださいね。

関連記事:大型トラックの燃費向上対策!運転テクニックやアイドリングでの対応方法を紹介【保存版】

関連記事:車のバッテリーの寿命/電圧正常は?おすすめバッテリー確認方法や交換時期の目安を解説!

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