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タクシー運転手の資格取得は難しい?二種免許の取得条件や費用を解説

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タクシー資格に関するサムネイル

タクシー運転手の資格「普通二種免許」は難しい?その取得方法や受験条件について詳しく説明します。また、試験の難易度や合格率、費用、さらに必要なスキルについても解説します。

資格取得を目指してしっかりと準備を進めましょう。

この記事のまとめ

  • タクシードライバーになるには「普通二種免許」の資格が必要になる
  • タクシードライバーに必要な資格「普通二種免許」の合格率は54.1%
  • タクシードライバーになるには法人タクシードライバーとして転職する必要がある

タクシー運転手が必須の資格「普通二種免許」とは?

タクシードライバー

タクシー運転手として働くためには、普通二種免許を取得することが不可欠です。まずは同免許の取得によってどのような業務が可能となるのか、またどのようなキャリアの可能性が生まれるのかを解説します。

取得すると商業目的での旅客運送が可能になる

普通一種免許では自家用車の運転が認められているものの、商業目的での旅客の運送はできません。しかし、普通二種免許を取得すれば、タクシーやバスなどの事業用自動車を使って、乗客から運賃を受け取ることが可能になります。

なお、二種免許にはいくつか種類があり、運転する車両の大きさや用途に応じて、中型二種免許や大型二種免許などの取得が必要です。

法律に基づく安全運転の資格である

普通二種免許は道路交通法に基づいた資格であるため、通常の一種免許の試験と比べて、より高度な運転技術や安全意識、適性が求められます。一種免許の試験との主な違いは以下の通りです。

学科試験:

交通法規や安全運転に関する知識だけでなく、タクシー運転手としての乗客の安全確保や危険予測能力に関する問題などが出題されます。一般の一種免許の学科試験よりも細かい規則やケーススタディが含まれており、試験の内容がより専門的です。

実技試験:

安全な乗降方法、運転中の急な危険に対する回避能力、車庫入れや縦列駐車といった難易度の高い運転技術が評価されます。乗客を乗せて運転する際の、特有のシチュエーションに対応できるかどうかも、厳しくチェックされます。

視力テスト:

視力テストにおいては、通常の視力検査に加えて深視力検査(奥行知覚検査)が求められます。

深視力検査は、物体の奥行きを正確に把握するための能力を測るもので、三棹法(さんかんほう)と呼ばれる検査法が使われます。

これは、3本の棒を前後に移動させ、中央の棒が他の2本と同じ位置に揃った時点でボタンを押して測定する方法です。この検査で平均誤差が2cm以内であることが合格の基準となります。

運転技術が向上しサービス品質が高まる

二種免許の取得には、通常の一種免許よりも高度な運転技術が要求されます。たとえば、狭い道路での正確なハンドリングや、車庫入れ、縦列駐車などです。そのため、免許を取得することで運転技術が向上し、乗客に対してより快適で安全なサービスを提供できるようになります。

雇用機会が拡大しキャリアアップできる

普通二種免許を取得すると、タクシー運転手としてさまざまな職種に挑戦できます。現在、タクシーサービスは多様化しており、以下のように利用者のニーズに合わせたさまざまなタイプがあります。

  • 観光タクシー:観光客を案内し、観光スポットへの送迎を行います。
  • 介護タクシー:介護保険が適用される、要介護認定を受けた方の送迎とサポートを行います。
  • 福祉タクシー:外出が難しい高齢者や障がい者の方をサポートするタクシーです。
  • 育児支援タクシー:チャイルドシートやジュニアシートを装備し、子育て世帯の移動をサポートします。
  • 妊婦応援タクシー:事前に登録した妊婦の通院や緊急時の送迎を行います。

また、通常のタクシー運転手に加えて、より高級なサービスを提供する「ハイヤー運転手」としてのキャリアパスもあります。これらの多様な選択肢により、自分のライフスタイルや働き方に合ったキャリアを選ぶことが可能です。

関連記事:【安心】二種免許の取得条件と費用や期間、取得までの流れ

参考:タクシー業界まるわかりHANDBOOK|全国ハイヤー・タクシー協会

タクシー運転手に必要な資格「普通二種免許」の受験条件

免許のイメージ

普通二種免許は、誰でも無条件に取得できるわけではありません。試験を受ける上で満たさなければならない受験条件があるので解説します。

受験日に満21歳以上であること、特例教習を受ければ19歳以上も可

元々、普通二種免許を取得するには、受験日に満21歳以上であることが基本条件でした。しかし、2022年5月の道路交通法改正により、「受験資格特例教習」が導入されました。この変更により、現在では受験資格が緩和されています。

この特例教習を修了することで、19歳以上なら二種免許を取得できるようになりました。ただしこの場合、普通免許を取得してから通算1年以上の運転経験が必要です。

免許期間が通算して3年以上あること、特例教習を良ければ1年以上

通常、普通二種免許を受験するには、普通自動車、大型自動車、中型自動車などの免許を取得してから通算3年以上経過している必要があります。ただし、「受験資格特例教習」を修了すれば、必要な運転経験年数が3年から1年に短縮されます。

しかし、特例教習には追加費用がかかり、通常の取得費用の倍近くになるケースがあるため、企業側は採用コストも含めて慎重になる傾向があります。一部の企業では、採用費や二種免許取得支援費用が1人あたり200万円近くに達するケースもあり、この負担から運転経験年数1年以上3年未満の応募者の採用を控えることが一般的です。

1年以上3年未満の方でも面接を受けさせてくれる企業があれば、それは非常に希少な機会と言えるでしょう。このような情報は一般には出回りにくいため、お求めの場合はぜひ弊社のドライバー特化型求人サービス『ドライバーキャリア』のキャリアエージェントにご相談ください。

視力、聴力、深視力などの条件を満たしていること

道路交通法にて、二種免許を取得するには以下の身体条件を満たす必要があると定められています。

  • 視力:両眼で0.8以上、片眼で0.5以上(眼鏡やコンタクトレンズの使用可)。
  • 深視力:物体を立体的に認識できる能力。三棹法での測定で、平均誤差が2cm以内であること。
  • 色彩識別能力:赤色、青色、黄色を識別できること。
  • 聴力:10メートル離れた場所で90デシベルの音が聞こえること(補聴器の使用可)。

関連記事:二種免許の取得に必要な視力とは?その他の身体条件も

一般的な日本語の読み書きができること

旅客を安全に運ぶためには、道路標識や交通ルールを正確に理解する必要があるため、一般的な日本語の読み書きができ、その内容を理解できることが求められます。

自動車の運転に支障を及ぼす身体障害がないこと

普通二種免許を取得する際は、自動車の運転に支障をきたすような身体障害がないことが条件です。必要に応じて予備検査が実施され、運転に必要な身体機能が正常であるかが確認されます。

参照元:大型二種・中型二種・普通二種免許試験(直接試験場で受験される方)|警視庁

タクシー運転手の必須資格である資格普通二種免許の「地理試験」は2024/5/1に廃止

タクシー

2024年5月1日より、東京、神奈川、大阪で普通二種免許の取得後に求められていた「地理試験」が廃止されることが決定しました。この変更により、未経験者の方がタクシー運転手へ転職するハードルが下がっています。そこで、地理試験廃止の背景やその影響について解説します。

地理試験廃止の背景とその影響

これまで、東京都や神奈川県、大阪府では、タクシー運転手になるために二種免許取得後、地理試験に合格する必要がありました。

この試験は、主要道路や施設の位置など、地域の地理に関する知識を問うもので、試験対策にかなりの時間と労力を要するものでした。

一方で、タクシー業界では長年人手不足の解消が大きな課題となっており、この問題に対処するための一つの方策として、地理試験の廃止が注目されたのです。

同試験が高いハードルとなり、転職希望者や未経験者が業界に参入しづらい状況が続いていたため、2024年5月から地理試験が廃止されることになりました。

これにより、試験対策にかかる負担が軽減され、特に地方からの転職希望者や地理に不安を抱く人々にとって、就業のチャンスが広がっています。

カーナビやアプリで地理のサポートが充実

地理試験が廃止されても、カーナビや配車アプリの「GO」などが普及しているため、運転中に地理の知識が不十分でも問題なく業務を行えます。これにより、未経験の方でもスムーズに仕事を始められることが可能です。

未経験者の採用が活発化

タクシー運転手への転職を考える業界未経験の方にとって、地理試験の廃止は業界に挑戦する大きな後押しとなるでしょう。

また、多くのタクシー会社が二種免許の取得費用を負担する制度を導入し、研修やサポート体制を充実させたりしているのも、未経験者の方を積極的に採用したいという意図があります。

現在、業界全体が、未経験者の方を積極的に受け入れる体制を整えており、タクシー運転手として新しいキャリアに挑戦しやすくなっています。

関連記事:タクシーの仕事は未経験者でも目指せる|なるための方法、求人の選び方

タクシー運転手資格「普通二種免許」取得にかかる日数は最短で8日

タクシー

普通二種免許の取得にかかる日数は、個人のスケジュールや選ぶ教習プランによって異なります。通常、普通免許を既に所有している場合、学科19時間、技能21時間の教習が必要であり、一般的には20日前後かかることが多いです。

しかし、集中して教習を受けることで短縮が可能となります。最短で取得するための方法として、合宿免許があります。普通免許を所有している方であれば、合宿に参加することで最短8日で普通二種免許の取得が可能です。

時間をかけずに早く二種免許を取得したい方は、合宿免許を検討してみてください。

関連記事:二種免許の取得は難しい?最短8日で取得する方法と費用

タクシー運転手資格「普通二種免許」の取得方法と費用

試験

普通二種免許を取得するにはいくつかの方法があり、方法ごとに費用が異なります。そこで、普通二種免許の取得方法や費用、必要書類や試験スケジュールなどを紹介します。

普通二種免許の取得方法は3つ

普通二種免許の取得方法には「教習所」、「合宿形式」、「一般試験」の3つがあります。各方法の概要は以下の通りです。

教習所で学科講習と実技講習を受講する

教習所に通って学科と実技の講習を受けるのは、最も一般的な免許取得の方法です。普通免許をすでに持っている場合、学科講習が19時間、実技講習が21時間必要となります。

教習所では、試験に必要な知識や運転技術を段階的に学ぶことができ、プロの指導者から直接アドバイスを受けられるため、特に未経験者の方にとって安心です。わからない点があってもその場で質問でき、試験に向けてしっかりと準備ができるので、着実に力をつけられます。

合宿形式の講習プログラムで集中的に取得する

短期間で普通二種免許を取得したい方には、合宿形式の講習プログラムがおすすめです。合宿では、学科と実技を短期的で集中的に学ぶことで、最短8日間で免許を取得できます。

通常の教習所通いだと20日以上かかることが多いですが、合宿では効率的にスケジュールが組まれており、短期間で集中的に学習できる環境が整っています。

また、合宿では食事や寝床など宿泊環境が整っているので、学習に専念できる点もメリットです。仕事の調整が可能で、短期間で資格を取りたい方に向いている方法です。

運転免許試験場で「一発試験」を受ける

一般試験は、教習所に通わず、直接試験を受けて合格することで免許を取得する方法です。一発試験は費用が抑えられるメリットがあり、合計40,000円前後で取得できます。

ただし、一発試験にはいくつかのデメリットもあります。まず、試験の難易度が高いことです。教習所に通う場合は、専門的な指導を受けながら段階的に運転技術を習得できるのに対し、一発試験では自主的に準備を進める必要があります。

また、技能試験では、実際の運転に関する厳しい基準が設けられており、運転操作や安全確認のミスがあると不合格となる可能性が高いです。

さらに、試験に合格できなかった場合は再試験を受けますが、その都度、受験料や試験車使用料が必要となるため、費用がかさむこともあります。

このように、一発試験は時間に余裕があり、運転に自信がある方や、費用を抑えたい方に向いている方法ですが、合格するためには十分な準備と練習が不可欠です。

タクシー会社による資格取得支援制度を活用する

多くのタクシー会社では、普通二種免許をはじめとする必要資格の取得費用を会社が負担する「資格取得支援制度」を提供しています。これにより、自己負担を抑えつつスムーズに必要な資格の取得が可能です。

ただし、この制度を利用する場合、1〜2年程度の在籍義務が付帯することが一般的であり、在籍義務期間内に退職した場合には、資格取得費用の返金を求められる場合があります。返金の有無や在籍義務の期間は会社ごとに異なるため、事前に制度の詳細を確認しておくことが重要です。

試験スケジュールと申請手続き

普通二種免許の試験当日のスケジュールは、試験会場によって多少異なりますが、一般的な流れは次の通りです。

8:30頃 受付・受験料の支払い

試験会場に到着後、証紙販売窓口で受験料を支払い、申請書類を記入します。その後、必要書類を受付窓口に提出します。

8:45頃 視力検査

視力検査は早めに終了することが多いので、時間に余裕を持って行動しましょう。視力に問題が無ければ試験会場へ進みます。

9:10頃 受験票の受け取り

受験票を受け取り、指定された席に着席します

9:20頃 試験の説明

試験官から試験内容や注意事項についての説明があります。

9:30 学科試験開始

学科試験では、交通ルールに関する問題が出題されます。試験時間は50分ですが、早めに解答が終われば途中で退席することも可能です。

10:20 試験終了

試験が終わった後は合格発表まで少し待機します。その間、登録カード作成や暗証番号の設定を行います。

11:00頃 合格発表

合格者の番号が掲示されます。合格者はその後、免許発行手数料を支払います。不合格者は退席しますが、希望すれば午後の試験に再挑戦することも可能です。

11:30頃 写真撮影

合格者は免許証用の写真撮影を行います。この後は免許交付までの間、自由時間となります。

13:00~14:00 免許交付

各試験会場で決められた時間に免許証が交付されます。時間帯によっては混雑するため、余裕を持って行動しましょう。

なお、試験の申請手続きは事前に行う必要があります。教習所を利用する場合は、教習所でスケジュールが組まれるため、案内に従って準備を進めましょう。一発試験を受ける場合は、運転免許センターに直接申し込みを行い、適性検査や試験の日程を予約します。

試験の申請手続きは早めに行うことをおすすめします。特に一発試験は予約が混み合うことがあるため、余裕をもって準備しましょう。

必要な書類と提出フロー

普通二種免許を受験する際は、以下の書類が必要です。

  • 申請書類:免許センターまたは教習所で作成します。
  • 運転免許証:既に取得している免許証の提示が必要です。
  • 住民票:本籍地が記載された最新の住民票が必要です(免許証に本籍が表示されていない場合)。
  • 写真:規定サイズ(縦3cm×横2.4cm、または3cm×2.5cm)の証明写真が必要です。
  • 健康診断書:視力・聴力・深視力・色覚・運転に支障のない身体状況を含む診断書が必要です。

必要書類をすべて揃えたら、運転免許センターや教習所で申請手続きや、適性検査と学科試験の予約を行います。申請書類に不備がないか、事前に確認しておきましょう。

普通二種免許取得時にかかる費用

普通二種免許の取得費用は、取得方法や取得場所などによって異なります。詳しくは以下の通りです。

教習所の費用

教習所に通って普通二種免許を取得する場合、総額で約20万~25万円の費用がかかります。この金額には学科講習や実技講習の費用に加え、試験申請料や免許交付費用などが含まれています。

さらに、追加費用として以下が発生します。

  • 受験料:約4,500円
  • 試験車両の使用料:約3,000円
  • 応急処置講習:約7,000円
  • 旅客車講習:約18,000円
  • 免許交付:2,100円

これらを合わせると約35,000円の追加費用が発生します。

なお、タクシーやバス会社を通じて教習所を利用する場合、これらの費用が10~20%程度割引になることもあります。転職を考えている方は、会社のサポート制度を事前に確認しておくと良いでしょう。

関連記事:自動車学校の料金相場は約24〜30万円|費用を抑えるコツと対処法

合宿費用

合宿形式で普通二種免許を取得する場合、費用は総額で約22万~29万円かかります。この金額には、学科と実技講習の費用に加えて、宿泊費や食費も含まれています。

ただし、合宿費用はシーズンによって変動があります。

  • オフシーズン:比較的安く約22万~25万円
  • ハイシーズン:高めになる傾向で約25万~29万円

合宿免許は短期間(1週間前後)で集中して講習を受けるため、費用を抑えつつ効率よく免許を取得したい方に向いています。

一発試験の費用

一発試験の費用は、教習所を利用する場合と比べて低く抑えられます。費用は総額約9,000円で、内訳は受験料が約4,500円、試験車両の使用料が約3,000円、免許交付料が2,050円です。ただし、1回で受からずに複数回試験を受ける可能性があるため、最終的なコストは増えることもあります。

また、一発試験に合格した後は、取得時講習の受講料として27,000円が必要です。さらに、試験日が希望日に取れない場合や、試験枠が埋まっていると次回の受験を待たなければならないなど、試験のスケジュールが不安定になる点もデメリットです。

関連記事:仕事しながら二種免許を取得する3つのコツとは?支援制度も

タクシー会社による資格取得費用の補助

タクシー会社の中には、普通免許取得後1年以上3年未満の方でも、資格取得費用を補助する企業が存在しますが、そのような企業は非常に貴重です。

なぜなら、この期間の免許保有者が普通二種免許を取得するには「特例教習」が必要であり、通常の倍の費用がかかるからです。企業によっては、1人の求職者に対し、採用費や資格取得費用を含めて200万円弱の負担になる場合もあります。

このような支援を提供する企業は一般的に多くないため、普通免許取得後1年以上3年未満の方は、一度ドライバーキャリアのキャリアアドバイザーに相談して、最新の情報を確認するのがおすすめです。

また、企業ごとに資格取得支援制度の内容や、特例教習に関する条件は異なるため、事前に条件を確認しておきましょう。資格取得の際の支援制度を上手に活用することで、費用負担を軽減しながらスムーズにタクシー運転手としてのキャリアをスタートできます。

教育訓練給付金制度の活用

教育訓練給付金制度とは厚生労働省が運営する制度で、職業に役立つスキルを身につけるために指定された教育訓練を受けた場合、受講費用の一部を国から補助してもらえるものです。具体的には、受講費の20%(上限10万円)または一部の特定の訓練については最大70%が給付されます。

しかし、教育訓練給付金制度を利用してタクシードライバーの資格を取得する方は、実際には非常に少数です。株式会社ベンドが運営するスキルアップ研究所の調査によれば、アンケート対象者200人のうち、同制度を利用した人の割合はわずか5%でした。

実際、タクシードライバー未経験の方は入社前にその存在を知っているケースは少ないです。多くの方は、資格取得支援制度を提供するタクシー会社に入社してから、資格を取得する道を選んでいます

参考:リスキリング時の助成金の認知・利用に関する実態調査|スキルアップ研究所

タクシー運転手資格「普通二種免許」の合格率と難易度

タクシー

受験資格の改正により受験のハードルが下がったとはいえ、普通二種免許の難易度は決して低くはありません。そこで、普通二種免許の合格率や評価基準などを紹介します。

令和4年の合格率は54.1%

警察庁が公表している「運転免許統計令和4年版」によると、令和4年における普通二種免許の受験者数は24,436名、そのうち合格者数が13,220名、合格率は54.1%でした。同年の普通一種免許の合格率が74.5%ですので、やはり二種の難易度は一種より高めであるといえます。

普通二種免許の試験では、一種と同じ程度の勉強量では合格が難しく、細かい言い回しやひっかけ問題が多く出題されるため、十分な対策が必要です。

また、免許に傷がないことも重要な要件であり、特に点数が少ない状態の方は合格率が大幅に下がる傾向があります。これは、免許停止になると業務に支障をきたし、会社の売上に貢献できなくなるリスクがあるためです。

参照元:運転免許統計令和4年版|警察庁

実技試験では安全運転の姿勢と危険予測能力が評価基準

実技試験では、運転技術だけでなく、安全運転の姿勢や危険予測能力が重要な評価基準となります。

タクシー運転手として乗客の安全を守ることが最優先されるため、試験官は運転者がどの程度の安全意識を持ち、危険を事前に察知して適切に対応できるかを厳しくチェックします。交通状況に応じた柔軟な判断や、突発的なリスクに対する対応力が重要です。

車庫入れや縦列駐車といった技術も重視される

実技試験では、車庫入れや縦列駐車などの駐車技術も求められます。タクシー運転手として、狭いスペースや複雑な場所での駐車が求められる場面が多いので、そのような場面でも適切なハンドル操作やバック、周囲の安全確認が十分に行えているかが評価されます。

資格以外にタクシー運転手に必要なスキル

タクシー

タクシー運転手として働くには、ただ車を運転するだけでなく、さまざまなスキルが求められます。そこで、タクシー運転手に必要な代表的スキルを4つ紹介します。

高度な運転技術

タクシー運転手には高度な運転技術が求められます。たとえば、急ブレーキを避け、カーブをゆっくり曲がる、長距離や渋滞時でも快適な乗車体験を提供するなどです。

しかし、中には運転が荒く、急ブレーキや急発進を繰り返すことで、乗客が不快に感じたり、車酔いを引き起こすケースも見られます。

日々の業務を通じて、運転技術を磨き続けるとともに、常に安全運転を心がけ、乗客に安心して利用してもらえるサービスを目指しましょう。

安全意識と危機管理能力

タクシー運転手は、乗客の命を預かる責任があるため、常に高い安全意識が求められます。信号が変わりそうなときに無理な加速を避けたり、周囲の車や歩行者の動きに注意を払ったりと、細やかな配慮が必要です。また、乗客がシートベルトを着用していない場合には出発前に確認し、指摘することも重要です。

さらに、安全運転ができるかどうかは、免許に傷があるかどうかで判断される側面もあります。例えば、残り点数が少なくなっている状態では、事故のリスクや交通違反の可能性が高まるとみなされ、採用や評価に影響を及ぼすこともあります。免許に傷がないことは、タクシー業務を安定して続けられる証拠であり、会社にとっても安心材料となります。

また、突発的な交通トラブルや事故のリスクにも対応できる危機管理能力も不可欠です。急な飛び出しや自転車の進路変更などの危険を瞬時に察知し、的確に回避する判断力が必要です。悪天候時にはブレーキの効きが悪くなるため、通常よりも速度を落とし、車間距離をしっかり確保する対応が求められます。

顧客対応スキル

タクシー運転手は、単なる運転手ではなく、サービス業としての意識を持つことが重要です。乗客に対する丁寧な対応や、笑顔での挨拶、言葉遣いといった基本的な接客スキルが、乗客の満足度に大きく影響します。

近年ではタクシーアプリ「GO」に代表されるように、チップ機能の導入によって乗客が運転手に感謝の気持ちとしてチップを贈る仕組みがあります。優れた顧客対応スキルがあれば、乗客からの評価が高まり、自然とチップを受け取る機会も増えるでしょう。

参考:チップを贈る機能について|GOアプリ

地理の知識と効率的なルート選定

目的地までスムーズに乗客を送り届けるためには、地理の知識と最適なルート選定能力も重要です。道路の工事や渋滞状況に対応し、最適なルートを選択することで、乗客にとって快適なサービスを提供できます。

カーナビや地図アプリを活用するだけでなく、日常的に地域の道路状況を把握し、柔軟に対応できるスキルを身につけましょう。

論理的思考力

タクシー運転手にとって論理的思考力は非常に重要です。単に車を走らせるだけでなく、時間やエリアの状況を見極め、戦略的に行動することが求められます。

たとえば、土日はオフィス街の乗客が少ないため、より人が集まる観光地や繁華街へ向かうのが効率的です。また、交差点で前方のタクシーが複数台同じ方向に曲がった場合、異なる方向に進んで競合を避けるなど、周囲の動きにも柔軟に対応することが求められます。

さらに、目標売上に向けて、具体的な乗客数や時間帯ごとの稼働エリアも計画する必要があります。どの時間帯にどのエリアで何人の乗客を乗せれば、目標を達成できるかを理論的に考えて運転することが、安定した収益を上げるタクシー運転手の特徴です。

タクシー運転手の資格に関連するよくある質問

ジャパンタクシー

学科試験の免除の条件や教習所の返金制度など、タクシー運転手の資格に関連してよくある質問に回答します。

タクシードライバー普通二種免許の学科免除の条件は?

中型二種免許や大型特殊二種免許、牽引二種免許など、すでに他の二種免許を取得している場合、学科試験は免除となります。

参考:第二種免許試験|埼玉県警察

タクシードライバー普通二種免許の学科試験は難しいですか?

ドライバーキャリアにご登録いただいた方から、学科試験は難しいか聞かれることがあります。

きちんと授業を受け、勉強をしていれば、1~2回、多くとも2~3回で合格する方がほとんどです。

タクシードライバーに向いている人の特徴は?

タクシー運転手に向いている人の特徴としては、まず、安全運転を徹底できる人があげられます。運転技術が重要であるのはもちろんですが、長時間運転することも多いため、集中力を保ちつつ、リスクを回避できる能力が必要です。また、サービス業でもあるため、顧客対応が得意で、人と接することが好きな人にも向いています。

関連記事:タクシー運転手に向いている人の特徴|求められるスキル、現役運転手の声も

タクシードライバー普通二種免許で教習所の返金制度はある?

教習所によっては、免許の取得に関する返金制度を設けているところもあります。一般的には、万が一中途退所する場合、入所時に支払った金額から、入所金・教材費・履修済みの教習費を差し引いた分が返金される仕組みです。ただし、教習所によって条件が異なるため注意が必要です。

参考:教習・料金|三共自動車教習所

女性でもタクシードライバーになれる?

女性でもタクシー運転手になることは十分に可能です。近年では、女性タクシー運転手の需要が高まっており、女性専用タクシーの運行や、女性ドライバーを指名できるサービスも増えています。

また、タクシー業界では、働く時間帯や勤務形態を選べる柔軟な労働環境が整っているため、ライフスタイルに合わせて働くことが可能です。育児や家事との両立をしたい女性にも向いているでしょう。

参考:なでしこタクシー|日の丸交通株式会社

関連記事:タクシードライバーは女性でもなれる?3つのメリットと注意点

地理試験は難しい?

ドライバーキャリアに寄せられる質問の中で多いものの一つですが、現在、地理試験は廃止となっています。

背景などの詳細は、「普通二種免許の「地理試験」は2024/5/1に廃止」で紹介していますのでご確認ください。

個人タクシー運転手になるために資格は必要?

個人タクシー運転手になるためには、普通二種免許を取得するだけでは不十分です。タクシー運転手としての実務経験が10年以上、もしくは法人タクシーでの運転経験が3年以上あることが、個人タクシー運転手になる条件として道路運送法で定められています。

さらに、同法では運転経歴に問題がないことについても、細かく規定されています。過去に重大な交通違反や事故歴がある場合、個人タクシー運転手としての許可が下りない場合があるので注意が必要です。

個人タクシー運転手として独立するためには、これらの条件を満たし、「国土交通省」の許認可制度に基づいて申請を行う必要があります。なお、地域ごとに細かな違いがあるため、事前に各地の運輸局に確認し、必要な手続きや条件を理解しておきましょう。

参考:個人タクシー事業者になるには|全国個人タクシー協会

参考:一般乗用旅客自動車運送事業の申請に対する処分に関する処理方針|国土交通省

関連記事:個人タクシーの開業に必要な条件・許可・資金とは?

関連記事:【解禁】ライドシェアは条件付きだと二種免許が不要|必要ない理由、今後について

タクシー運転手の資格「普通二種免許」を取得してキャリアアップを実現しよう

タクシー運転手としてキャリアをスタートするには、まず普通二種免許の取得が必須です。この資格を取得すると旅客運送が可能になり、タクシー業務に携わるための第一歩を踏み出せます。

また、タクシー業界は人手不足が常態化しているため、免許取得後に実務に必要なスキルさえ磨けば、すぐにでも活躍できる可能性があります。

実際、コロナの影響で一時的に業界に空車が増えたことから、各タクシー会社はその不足分を補うべく採用活動を積極化しています。そのため、資格取得支援制度が充実しており、普通二種免許の取得費用はほとんどの企業で支援してもらえるケースが一般的です。今がタクシー運転手に転職するチャンスであることは疑いようがないでしょう。

ただし、支援を受ける際は一定期間(2年間など)の在籍義務が課され、期間内に退職した場合は資格取得費用の返金が求められることもあります。これらの義務や返金額は企業によって詳細が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

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この記事を書いたライター

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高坂 勇介

工業高校で電気技術・機械制御・自動車工学を専攻。卒業後、複数業種を経験したのち、大手プラントメーカーで非破壊検査、造船メーカーで品質・工程管理に従事。物流業者への発注業務も多数経験。現在は製造・建設業界で培った12年の知識と経験を活かし、転職専門ライターとして活動中。

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