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大型トラックの駐車場の設置に必要な寸法や詳しいルールを解説

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運送業を開業するにあたり、必ず用意するものの一つに駐車場があります。

駐車場と言っても乗用車とは違い、トラックなので大型や中型などその寸法によって大きさなどを選定する必要があります。

そこで今回はトラックの寸法とその駐車場に必要な寸法などについて詳しく解説していきます。

その他、運送業の開業に必要な条件などについても解説していきますので、参考にしてみてください。

大型トラックなどの寸法について

トラックと言っても寸法はそれぞれで、軽トラックや小型トラック、中型、大型トラックとあり、更に大きいものとなるとトレーラーなどの牽引トラックがあります。

その寸法により、用意する駐車場の大きさを変える必要があります。

各トラックのおおよその寸法が以下の通りとなります。

・小型トラックの寸法

積載量が3t未満のトラックのことで、全長は4,700mm、幅が1,700mm、高さが2,000mm以内のサイズとなります。

・中型トラックの寸法

最大積載量が3~6.5t未満のトラックのことで、全長は12,000mm、幅が2,500mm、高さが3,800mm以内のサイズとなります。

・大型トラックの寸法

最大積載量が6.5t以上のトラックのことで全長は12,000mm、幅が2,500mm、高さが3,800mm以内のサイズとなります。

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トラック運送業を始めるには駐車場の確保が必要

一般的に運送業は一般貨物自動車運送事業に分類され、開業するにあたり寸法などいくつかの条件をクリアする必要があります。

その中に、大型トラックなどの駐車場に関するものがあります。

寸法や各箇所の広さなどについて詳しく解説していきます。

大型トラックの車庫の寸法の条件

大型トラックに限らず、運送業を開始する場合に必要な駐車場の条件には寸法以外にも以下のようなものをクリアする必要があります。

1・適切な使用権限があることを証明できること

2・事業用トラックなどを駐車した時に、車庫と車両の間に50cm以上の隙間があること


3・駐車場出入口の幅が6~8m以内であること


4・事業用トラックを駐車した時に、トラック同士の間隔が50cm以上あること


5・駐車場出入口の前面道路の幅が、道路幅員証明書か道路法に定める車両制限令が取得できる幅であること


6・営業所から直線距離で10km以内の場所にあること(地域によって5~20km以内)


7・屋根付き車庫の場合、都市計画法で定められた「市街化調整区域」ではないこと


8・農地法、都市計画法、建築基準法、道路法など関係諸法令に違反していない場所にあること

※車両制限令とは、駐車場出入口の前面道路が使用する大型トラックなどに対して最適なな寸法があることの証明となり、以下の寸法が必要となります。

・相互通行の場合~2tトラックで5,000㎜以上、中型や大型トラックであれば5,500~6,000㎜以上の幅があること

・一方通行の場合~2tトラックで2,500㎜以上、中型や大型トラックであれば3,000㎜以上の幅があること

有蓋車庫には注意が必要

有蓋(ゆうがい)車庫とは倉庫など屋根がついている車庫のことで、このような施設は建物扱いとなるため、都市計画法の制限を受けてしまします。

場所によってその制限が違うので、事前に調べて置くようにしましょう。

都市計画法とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために土地の利用などを調整するためのもので、その土地により「市街化区域」「市街化調整区域」などに分けられます。

市街化区域では建物の建設や登録ができるのですが、市街化調整区域に関しては開発許可が必要で審査があります。

そのため有蓋車庫は市街化調整区域に入ってしまうと、登録することが難しくなります。

大型トラックなどの場合、積載物も含めた高さにも注意が必要です。

農地を大型トラックの駐車場にする場合

都市計画法や寸法とは別に注意が必要なのが農地法です。

農地法では、土地登記簿謄本上の地目が畑や田んぼと記載されている場合、農地扱いとなってしまいます。

農地を駐車場として使用する場合、農地転用の申請を行い雑種地などに変更しなければなりません。

市街化区域において農地は簡単に農地転用の変更が済みやすいのですが、市街化調整区域においては許可が降りない場合もあります。

大型トラックの車庫飛ばしは違法

大型トラックなどを購入する場合、必ず車庫証明を取得しなければなりません。

車庫証明とは、使用の本拠地から半径2km以内に駐車場がることを証明するものなのですが、実際はその範囲内に保管場所を用意していない場合を車庫飛ばしと言います。

営業所などがある区域の駐車場料金が高い時や必要な寸法の駐車場がない場合など、車庫証明のときだけ近くに賃貸駐車場を借りておき、登録が完成したい市街地に駐車場を併設するといった事例は少なくありません。

簡単にできてしまうため、トラック業者でなくても車庫飛ばしをやっていたり、知らずにその事例に当てはまってしまう場合もあります。

この車庫飛ばしですが、たとえ登録した以外の場所で寸法などが問題のない駐車場であっても違法であり、発覚した場合は罰金が課せられます。

他にも営業所を引っ越しした場合なども、変更が必要となるため注意が必要です。

トラック寸法ごとの駐車場の広さ

大型トラックなどの駐車場併設についてのルールに関して説明してきましたが、実際に必要な寸法の目安は以下の通りとなります。

・2tトラックに必要な寸法   ~1台で15㎡以上
・2tトラック大に必要な寸法  ~1台で20㎡以上
・2t~7.5tトラックに必要な寸法 ~1台で28㎡以上
・7.5t以上に必要な寸法     ~1台で38㎡以上

上記寸法に台数をかけてみることで駐車場に必要な寸法の目安を計算することができます。

2019年の法改正により車庫面積に対する要件は厳しくなっており、使用するトラック全てが駐車した時に車庫の面積の90%を超えてはいけなくなりました。

駐車場を許可ギリギリの寸法にすると登録できない可能性があり、実際の運用でも接触事故等のリスクが高まります。

法律なども複雑なため、なるべく専門の行政書士などに相談したり依頼するのがおすすめです。

関連記事:大型トラック運転手が押さえておきたい積載量の違いとは?

大型トラックなどの駐車場に関するルールを解説してきましたが、寸法や登録に関するよくある疑問について紹介していきます。

・市街化調整区域内には駐車場は建てられないのか?

上記で説明したように屋根などがある有蓋駐車場は建物扱いとなり、審査に通りにくくなります。

ですが、青空駐車場であれば都市計画法の対象とならないため登録することが可能です。

ただし、駐車場から2km以内に営業所などを設置する必要があり、そのような建物は審査の対象となるため注意が必要です。

・既に建設されている市街化調整区域内の建物は駐車場として使用できる?

市街化調整区域内に建っている建物であっても、基本的に駐車場としては使用できません。

そのような建物が建っている理由にはいくつかあるのですが、唯一許可が出る可能性があるのは既存宅地と言い都市計画法が施工される前に立てたれた建物である場合のみです。

・どうしても全てのトラックが収容できる駐車場が見つからない

運送業の許可を得る条件に5台以上のトラックを準備することがありますが、大型トラックなどの場合は特に、全てのトラックを止められる寸法の土地が見つからない場合もあります。

そのような場合は2つに駐車場を分ける方法があり、条件としては営業所から直線距離で10km以内(土地によって変わります)の場所でなければなりません。

・もともと運送業の駐車場だったスペースはそのまま使用できる?

使用できる可能性が高いのですが、ルールなどを守らず勝手に使用していたり、トラックの寸法によっては使えない場合もあるので注意が必要です。

詳しい調査などを個人でやるのは大変なため、なるべく専門の行政書士などに相談するようにしましょう。

大型トラック運送業開業の流れ

大型トラックなどの運送業を開業する場合、駐車場の寸法などいくつかの条件を満たす必要があることを解説してきました。

最後に駐車場以外で開業に必要な準備、条件について解説していきます。

営業所や休憩室の設置

運送会社を運営するうえで拠点となる営業所と運転手が休憩するための休憩室は必ず準備する必要があります。

基本的にマンションなどの一室や戸建ての物件など建物自体に厳しい条件はないのですが、設置場所などに関して以下のような要件があります。

・テーブルや椅子、パソコンなど営業で必要な什器備品が備わっていること

・農地法、消防法、建築基準法などに適合した建築物であること

・市街化調整区域にある建物出ないこと

・用途地域が第2種低層住居専用地域や第1種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域内にある建物ではないこと

・賃貸契約書など使用権限があることを証明できること

・駐車場から直線距離で10km以内に営業所があること(地域によっては5~20km)

賃貸物件の場合は契約期間が2年以上であることが条件としてあるので注意が必要です。

自己所有の物件を営業所にする場合は「建物登記簿謄本」を提出する必要があります。

市街化調整区域などに関しては上記で駐車場の設置で説明した内容と同じです。

用途地域とは、建物を12種類の区分に分類し規制を定めたもので、その区分によっては設置できない地域もあります。

次に休憩スペースに関してですが、営業所と別に設置する場合は営業所と同じ条件をクリアする必要があります。

休憩スペースを営業所と同じにすることは可能ですが、営業スペースと明確に分ける必要があり、一人当たり1.2㎡以上の広さが必要です。

営業所や休憩スペースの選定は駐車場と同じで、法律など詳しいルールが多いため設置違反などにならないためにも運送業専門の行政書士などに相談するのがおすすめです。

大型トラックなど車両の用意

運送業を開始する場合、大型トラックなどの用意も開業の条件となります。

一台用意すれば問題ないと思われがちですが、開業にあたり必要な最低台数は5台となります。

仮に大型トラックを使用した業務を始める予定であっても、必ず大型トラック5台を揃えなければならないわけではなく、トラックの寸法に指定はありません。

またカウントできるトラックとして、軽トラはカウントできずハイエースなどで車検証上の用途欄が「貨物」と記載されていればカウントできます。

運行管理者と整備管理者の資格を取得

運送業開業の条件として、必ず確保が必要なのが「運行管理者」と「整備管理者」です。

運行管理者とは貨物自動車運送事業法や道路運送法に基づき、運転手の乗務スケジュールの作成や休憩、休暇の管理、点呼などによる運転手の健康状態のチェックと把握を行い、運行の安全を確保する役割となります。

取得方法としては2つの方法があり、1つ目が試験に合格する方法で2つ目が実務経験による認定です。

事業用自動車には5種類あり、運送業であれば貨物となるのですが、運行管理の実務を5年以上経験しておりその間に運行管理の講習を5回以上受講していることが条件となります。

試験に合格する方法に関しても、誰でも受験できるわけではなく、実務経験が1年以上で国土交通大臣が認定する期間において基礎講習を修了するか修了予定であることが条件となります。

運行管理者は国家試験であり、運転手の命を守る大切な役割となるため誰でも簡単に取得できるわけではなく、合格率は約30%程です。

大型トラックなどの貨物運送業の場合は以下の5科目を受験します。

1.貨物自動車運送事業法
2.道路運送者両法
3.労働基準法
4.道路交通法
5.その他運行管理者の業務上必要とされる知識と能力

合格基準は満点の60%以上となっており、出題分野ごとに正解が1問以上で5の分野では2問以上の正解が必要です。

試験の日程は年2回となっており、3月の第一日曜日と8月の第四日曜日となるので計画的に準備を行う用にしましょう。

受験に必要な手数料は受験手数料で6,000円、申請料金648円、採点結果通知手数料216円で合計6,864円ほどかかります。

次に整備管理者ですが、大型トラックなどの点検や整備など管理を行うことが役割となります。

整備管理者は2年以上の実務経験を積んだうえで整備管理者選任前研修を修了するか1~3級の自動車整備士の資格を持っていればなることができます。

大型トラックなどのドライバーの用意

運送業の開業に5台のトラックを準備した分、トラックドライバーも5人必要となります。

ドライバーの対象となるのは社員や社長など誰でもよく、2ヶ月以上の長期雇用をするのであれば派遣社員でも問題ありません。

運転免許等の所持が必須となるため、大型トラックなどを用意する場合であれば大型免許や中型免許、牽引免許等が必要となる可能性があるため注意しましょう。

関連記事:輪留めの必要性や種類、選び方や装着し忘れたことで起きた事故例を紹介!

まとめ

今回は大型トラックなど各トラックの寸法とその駐車場に必要な寸法について解説してきました。

運送業の駐車場の設置には様々な条件があり、大型トラックなどの1台あたりに必要な寸法は15㎡~38㎡以上となります。

他にも出入り口や駐車場前の道路の広さ、設置する土地の区分などにも注意が必要であり、要件が複雑なため運送業専門の行政書士などへの相談をするとスムーズに準備を進めることが可能です。

開業には駐車場の寸法などの他にも、運行管理者や整備管理者の選定、休憩スペースや営業所の設置、車両の準備などの要件もあります。

誰でもすぐに開業できるわけではないので、しっかりと必要な寸法や要件を理解した上で準備を行うようにしましょう。

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