電気通信主任技術者

電気通信主任技術者の難易度は?|必要な勉強時間や科目免除する方法

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電気通信主任技術者の難易度に関する記事のアイキャッチ

電気通信主任技術者の資格取得を目指している人の中には、難易度や科目免除について気になっている人もいるでしょう。

電気通信主任技術者とは、企業や事業所で利用される電話やインターネットなどの通信設備の工事、維持、運用を監督する際に必要な国家資格です。

電気通信主任技術者の合格率は30%前後で推移しており、難易度の高い資格です。また、単年で電気通信主任技術者を取得する割合は約10%まで下がっています。

この記事では、電気通信主任技術者の難易度や必要な勉強時間、さらには科目免除を受ける方法などについて解説します。電気通信主任技術者を目指している人は、ぜひ参考にしてください。

電気通信主任技術者の難易度は高い?

現場職が仕事をこなす様子

電気通信主任技術者の資格は、伝送交換と線路の2種類です。伝送交換ならびに線路の難易度は、いずれも高いと言われています。

実際に、令和5年度第1回の電気通信主任技術者の合格率は次のとおりでした。

テスト種別申請者数受験者数合格者数合格率
伝送交換2,519人2,042人570人27.9%
線路1,167人968人326人33.7%
3,686人3,010人896人29.8%

伝送交換ならびに線路のいずれも合格率は約30%です。

また、令和5年度第2回の電気通信主任技術者の合格率は次のとおりです。

テスト種別申請者数受験者数合格者数合格率
伝送交換2,862人2,257人578人25.6%
線路1,272人1,048人439人41.9%
4,134人3,305人1,017人30.8%

第2回のテストでも合格率は、約30%で推移しています。

ちなみに、電気通信主任技術者の合格基準は次のとおりです。

  • 法規・電気通信システム:100点満点中60点以上
  • 伝送交換設備および設備管理・線路設備および設備管理:150点満点中90点以上

一発合格者は10%未満

令和6年度第1回の電気通信主任技術者の一発合格率は次のとおりでした。

テスト種別令和5年第1回合格率令和5年第2回合格率令和6年第1回合格率
伝送交換17.6%14.4%9.8%
線路6.0%13.5%5.2%
15.1%14.3%8.9%

電気通信主任技術者の一発合格率は10%前後で推移するケースが一般的です。そのため、単年で電気通信主任技術者の資格を取得するのは極めて困難でしょう。

科目免除を利用して合格している

伝送交換主任技術者(旧第二種伝送交換主任技術者)または線路主任技術者の資格を持っていて、もう一方のテスト種別を受験する場合、電気通信システムの免除を受けられます。

さらに、実務経験があれば他の科目免除申請もできます。

必要な実務経験年数は基本的に4年です。ただし、旧第二種伝送交換主任技術者が伝送交換主任技術者を目指す場合に限り、必要な実務経験は2年です。

次の学歴に応じた事業用電気通信設備に関わる実務経験がある場合も科目免除を受けられます。また、免除される科目は電気通信システムもしくは設備です。

  • 大学または同等以上と認められる教育施設で電気通信工学に関する学科を修めて卒業した者
  • 短期大学もしくは高専、専門学校または同等以上と認められる教育施設で電気通信工学に関する学科を修めて卒業した者
  • 高校もしくは中学校、または同等以上と認められる教育施設を卒業した者

認定学校の単位を修得した人が学歴に応じた実務経験を積んだ場合も、電気通信システムの科目免除が受けられます。

実際に、科目免除を有効に活用して、免状を得る割合が高いようです。

参考:統計情報|一般財団法人日本データ通信協会
出典:電気通信主任技術者とは|一般財団法人日本データ通信協会
出典:電気通信主任技術者試験の実施結果: 試験種別/試験科目数毎推移表|一般財団法人日本データ通信協会

関連記事:電気通信主任技術者の難易度は高い?受験資格やメリット、合格のコツ

電気通信主任技術者の試験概要

作業員が話し合う様子

電気通信主任技術者のテスト概要について次のポイントで解説します。

  • 受験資格と受験料
  • 申込期間と試験会場
  • 試験科目と試験時間
  • 合格基準
  • 合格発表日

受験資格と受験料

電気通信主任技術者のテストで、特段の受験要件は設けられていません

そのため、誰でも受験できるので、未経験からのキャリア形成も十分可能でしょう。

令和6年8月1日の申請分から、受験費用が改定されました。具体的に、電気通信主任技術者の新旧受験費用は次のとおりです。

旧受験費用新受験費用
3科目受験18,700円29,000円
2科目受験18,000円29,000円
1科目受験17,300円29,000円
全科目免除申請9,500円14,700円

受験科目にかかわらず1科目以上受験する場合の費用は一律29,000円となっています。受験申請の際は注意しましょう。

参考:試験手数料改定のお知らせ|一般社団法人日本データ通信協会

申込期間と試験会場

電気通信主任技術者の受験申込期間は3ヶ月以上前に締め切っているケースが一般的です。

具体的に、令和6年度第2回のテストに関するスケジュールは次のとおりです。

  • 申請受付期間:2024年10月1日 (火) 〜 2024年10月22日 (火)
  • 受験票発行:2025年1月10日 (金)
  • 試験日:2025年1月26日 (日)
  • 試験問題・正答:2025年1月29日 (水)
  • 合否発表:2025年2月17日 (月)

そのため、電気通信主任技術者の受験を検討する際は、スケジュールを前もって確認しておきましょう。

また、電気通信主任技術者のテストを受験できる地域は次のとおりです。

  • 札幌
  • 仙台
  • さいたま
  • 東京
  • 横浜
  • 新潟(第2回のみ)
  • 金沢
  • 長野(第1回のみ)
  • 名古屋
  • 大阪
  • 広島
  • 高松
  • 福岡
  • 那覇

このように、開催地が限られているので、受験を検討する際はスケジュールに余裕を持っておくとよいでしょう。

また、会場は試験日の2週間前までに受験票に掲載されるので確認しておきましょう。

試験科目と試験時間

電気通信主任技術者のテスト種類は、伝送交換主任技術者と線路主任技術者の2つです。また、テストの種類によって、出題内容が異なります。

それぞれのテスト科目は次のとおりです。

試験科目伝送交換主任技術者線路主任技術者
電気通信システム
(1)電気通信工学の基礎
(2)電気通信システムの大要
伝送交換設備および設備管理(伝送交換主任技術者に限る。)
伝送交換設備の概要並びに当該設備の設備管理、セキュリティ管理およびソフトウェア管理
線路設備および設備管理(線路主任技術者に限る。)
線路設備の概要、当該設備の設備管理およびセキュリティ管理
法規
(1)電気通信事業法およびこれに基づく命令
(2)有線電気通信法およびこれに基づく命令
(3)電波法およびこれに基づく命令
(4)不正アクセス行為の禁止等に関する法律およびこれに基づく命令
(5)電子署名および認証業務に関する法律およびこれに基づく命令
(6)国際電気通信連合憲章および国際電気通信連合条約の大要

このように、電気通信主任技術者のテストをクリアするには、広範囲にわたる学習をしなければなりません。

また、試験時間は次のとおりです。

  • 10:00〜12:30:伝送交換設備(線路設備)および設備管理
  • 13:50〜16:30:法規と電気通信システム

参考:試験概要 : 試験種別と試験時間 | 受験の手引き | 電気通信主任技術者 | 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター

合格基準

電気通信主任技術者の合格基準は次のとおりです。

  • 法規・電気通信システム:100点満点中60点以上
  • 伝送交換設備および設備管理・線路設備および設備管理:150点満点中90点以上

合格発表日

電気通信主任技術者試験の合格発表は試験から1ヶ月以内に実施されるケースが多いと言われています。

具体的に、令和6年度第2回の試験に関するスケジュールは次のとおりです。

  • 申請受付期間:2024年10月1日 (火) 〜 2024年10月22日 (火)
  • 受験票発行:2025年1月10日 (金)
  • 試験日:2025年1月26日 (日)
  • 試験問題・正答:2025年1月29日 (水)
  • 合否発表:2025年2月17日 (月)

一連のスケジュールを把握した上で、テストに臨みましょう。

参考:電気通信主任技術者|一般財団法人日本データ通信協会

電気通信主任技術者に合格するために必要な勉強時間

作業員が腕を組む様子

電気通信主任技術者のテストに合格するために必要な勉強時間は、受験者の背景や経験によって異なります。一般的には500時間程度は必要と言われています。

電気通信主任技術者のテストは専門的な知識を問われるため、実務経験がない場合や基礎知識が不足している場合は、より多くの時間が必要になる場合もあるでしょう。

電気通信主任技術者の試験対策

防災設備を点検する様子

電気通信主任技術者を勝ち取るためのポイントは次のとおりです。

  • 過去問を利用して傾向を知る
  • 苦手な科目の参考書を活用する
  • 独学が難しい場合は通信講座を利用する
  • 科目免除で1科目ずつ合格を目指す

それぞれの試験対策について解説します。

過去問を利用して傾向を知る

テストのクリアに向けて過去問の使用は有効な学習方法のひとつです。過去問を解くと、出題傾向や問題のパターンを把握できます。

特に、テストに頻出する分野や設問形式を理解できると、効率よく対策を進められるでしょう。また、解答を確認する際には、答え合わせをするだけでなく、間違った問題の原因を分析することが重要です。

過去問を繰り返し解くことにより、知識の定着と理解が深まるでしょう。

苦手な科目の参考書を活用する

苦手な科目の克服に向けて参考書を活用するのも、合格を目指すために有効な学習方法のひとつです。

試験の範囲は広く、すべての分野を均等に学習するのは難しいため、特に自信のない科目は、分かりやすい解説や例題が豊富な参考書を選びましょう。

また、参考書を読みながら過去問題に取り組むと、試験の出題傾向を把握しやすくなり、弱点の補強にも役立ちます。

独学が難しい場合は通信講座を利用する

通信講座を利用する方法も有効な勉強方法のひとつです。独学が難しいと感じる場合や、学習計画を立てるのが苦手な人にとって、通信講座はおすすめです。

講座では、専門講師による指導が受けられ、効率的に学習を進められます。特に、自分のペースで学べる点は、時間に余裕がない社会人や、集中して短期間でクリアを目指す方に適していると言えるでしょう。

また、最新の試験情報や模擬試験も提供されるため、実際のテストに備えた実践的な準備ができます。

科目免除で1科目ずつ合格を目指す

科目免除制度を活用するのも、有効な手段のひとつです。テストでは、過去にクリアした科目が免除される制度があり、1科目ずつクリアできます。

先ほども触れたとおり、一発で合格する割合は約10%です。したがって、1科目ずつ集中して学習する段階的なアプローチを取ると、テストの負担が軽減され、合格率も高まるでしょう。

電気通信主任技術者の科目免除をする方法

確認作業をこなす様子

電気通信主任技術者の科目免除を受ける方法は次の3つです。

  • 科目合格をする
  • 認定学校の卒業や関連資格の取得
  • 実務経験がある

それぞれの方法について解説します。

科目合格をする

伝送交換主任技術者または線路主任技術者のテストでは科目合格の制度が設けられています。

電気通信システム・伝送交換設備および設備管理・法規のいずれかの合格歴がある場合、次回は科目合格として対象科目の受験を免除できます。

科目免除の申請には期限が設けられていますので、注意しましょう。

認定学校の卒業や関連資格の取得

認定学校の単位を修得した人が学歴に応じた実務経験を積んだ場合も、電気通信システムの科目免除が受けられます。

さらに、関連資格を取得している場合も科目免除の対象です。

詳細は「受験の手引き」で確認できます。科目免除を有効に活用できると、免状を得られる可能性が高まるでしょう。

実務経験がある

次の学歴に応じた事業用電気通信設備に関わる実務経験がある場合も科目免除を受けられます。また、免除される科目は電気通信システムもしくは設備です。

  • 大学または同等以上と認められる教育施設で電気通信工学に関する学科を修めて卒業した者
  • 短期大学もしくは高専、専門学校または同等以上と認められる教育施設で電気通信工学に関する学科を修めて卒業した者
  • 高校もしくは中学校、または同等以上と認められる教育施設を卒業した者

必要な実務経験は学歴によって異なります。具体的な年数は1年から8年です。

参考:受験の手引き|一般財団法人日本データ通信協会
参考:よくあるご質問|一般財団法人日本データ通信協会

電気通信主任技術者の難易度に関するよくある質問

エンジニア

電気通信主任技術者の難易度に関するよくある質問は次のとおりです。

  • 電気通信主任技術者は難しいですか?
  • 電気通信主任技術者はどちらが難しい?
  • 電気通信主任技術者の最高峰の資格は?
  • 電気通信主任技術者と電気主任技術者の違いは?

それぞれの質問について解説します。

電気通信主任技術者は難しいですか?

電気通信主任技術者の資格は、一般的に難易度の高い資格と言われています。実際に、例年、合格率は30%程度です。

さらに、単年で全科目をクリアする人は10%前後と低い割合で推移しています。

電気通信主任技術者はどちらが難しい?

電気通信主任技術者の資格は、伝送交換と線路の2種類です。どちらが難しいかは個人の得意分野によります。

ただし、一発でクリアしている確率を踏まえると、線路の方が伝送交換より難しいと言えるでしょう。

電気通信主任技術者の最高峰の資格は?

電気通信主任技術者の資格は次の2種類です。

  • 伝送交換主任技術者
  • 線路主任技術者

電気通信主任技術者の中での最高峰は、一発合格率を踏まえると、線路主任技術者と言えるでしょう。

電気通信主任技術者と電気主任技術者の違いは?

電気通信主任技術者は通信設備の保守、管理に関する専門資格です。通信ネットワークや回線設備の監督を担当しています。

一方、電気主任技術者は電力設備の保守、管理に関する資格です。電気供給や電力設備の管理が主な職務です。

両者は似ている部分もありますが、取り扱う技術分野が大きく異なります。

電気通信主任技術者を取得してキャリアアップを成功させよう

電気通信主任技術者について調べる様子

この記事では、電気通信主任技術者の難易度や科目免除などについて解説してきました。

電気通信主任技術者とは、企業や事業所で利用される電話やインターネットなどの通信設備の工事・維持・運用を監督する際に必要な国家資格です。

合格率は例年30%で推移しており、難関資格と言われています。

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