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タンクローリードライバーに必要な資格や取得方法をわかりやすく解説

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街中でたまに見かけるタンクローリーですが、普通のトラックとは見た目が全く違います。

大型トラックではあるものの、運転するために必要な特別な資格などはあるのでしょうか。

また運転免許以外に必要な関連資格、タンクローリードライバーになったあとの仕事内容や収入について気になる方も多いと思います。

そこで今回は、タンクローリー運転手についてわかりやすく解説していきます。

タンクローリーとは

タンクローリーと言っても様々な種類があり、運搬する荷物も液体や気体、個体があります。

貨物自動車の一種でトラックと似ているのですが、牽引をしている場合においては普通のトラックと比べて運転技術が大きく異なります。

牽引車でバックをする場合、連結点が一点のためまっすぐバックすることができず、ハンドル操作をしながらまっすぐバックさせなければなりません。

また、通常の車やトラックの場合は左にハンドルを切ってバックすると左に向かってバックするのですが、牽引車の場合は牽引荷台が右に向かいます。

そのため向かわせたい方向の逆にハンドルを切ってバックするのですが、サイズ自体がとても大きいため、周囲への接触などにも注意が必要です。

道路を走行する際も急ブレーキを踏んでしまうとトラックと荷台部分がくの字に曲がって制御不能となる「ジャックナイフ現象」が起こってしまうため高い集中力が必要です。

タンクローリーで運搬するもの

タンクローリーといえば、燃料などの危険物を運搬するイメージを持つ方が多いですが、それ以外でも運搬が可能です。

危険物を運搬する場合は安全性の確保ためから、タンク内部は4,000リットル以下ごとで仕切られています。

そのため、タンクローリー1台でハイオクやレギュラー、灯油などを一緒に運ぶことも可能です。

この他にも高圧ガスやセメント、小麦粉や飼料を運ぶタンクローリーもあります。

タンクローリーの大きさ

タンクローリーといえば大きいサイズを想像しますが、大きさによっていくつかの種類があります。

一番小さいサイズでは、灯油販売で使用されるもので1tのものがあり、中型になると、4tクラスになります。

それ以上になると大型になり、牽引タイプのものもあればそうでないタイプのものもあります。

タンクローリーの種類

タンクローリーは液体の他に個体や気体も運ぶことが可能で、運搬物によってタンクローリーにも種類があります。

危険物用ローリー

消防法で定められた危険物を運ぶためのタンクローリーで、正式には移動タンク貯槽所という危険物施設となります。

取扱には細心の注意が必要で、車にも横転防止のために防波板が取り付けられていたり、ローリーアースと呼ばれる静電気の対策が義務つけられています。

運搬の際は、危険物車両とひと目で分かるように積荷の積載量や種類などを後部の掲示板に記載しなければならず、車両の前後に「危」という表示版を掲げなければなりません。

高圧ガスタンクローリー

高圧ガスタンクローリーは、可燃性ガスや毒性ガス、LPガスなどを運搬するタイプの車両で耐圧性に優れた高張力鋼材などが使用されています。

形状に関しても圧力に強い真円型のタンクとなっています。

高圧ガス保安法に基づいた設計となっており、内槽の圧力が何らかの異常で上昇したとしても安全弁が作動して圧力がすぐに下げることが可能です。

運行の際には、運搬するガスの特性や非常時の処置方法が記載されたイエローカードを携行しなければなりません。

粉粒体運搬車ローリー

粉粒体を運搬するタンクローリーで積荷の内容によっては、バルクローリーやバルク車とも呼ばれます。

セメントや小麦粉、飼料などを運搬するための車両でタンクの上の蓋をあけて積み込みを行い、降ろす場合は、空気をタンク内に空気を送り込んでホースから排出されます。

小麦粉やグラニュー糖などを降ろす場合にはタンク自体を傾けることにより排出します。

ちなみに、街中を走行していてピカピカのタンクローリーを見たことがあると思います。

自分の乗っている車が写り込んだりした経験があるかもしれませんが、あのように外装がピカピカなのにはいくつかの理由があります。

1つ目がステンレスの材質を使用して塗装を塗らないことで、サビや塗装剥がれが内容物の排出の際に購入しないようにするためです。

2つ目はピカピカに磨くことで食品工場など衛生面に気を使う職場へ搬入する際にきれいなイメージを持ってもらうためと言われています。

タンクローリーを運転するのに必要な資格

様々な物を運搬するタンクローリーですが、サイズもいくつかの種類があるため運転する場合に必要な資格も違います。

免許ごとで、どのタンクローリーが運転できるのかを見ていきましょう。

普通免許の資格のみで運転できるタンクローリー

タンクローリーといえば大型のイメージがありますが、サイズによっては普通免許でも運転が可能なものもあります。

小型タンクローリーの運転に必要な資格は普通運転免許のみで、車両総重量は3.5t未満までとなり最大積載量は2t未満となります。

中型免許が必要なタンクローリー

中型のタンクローリー運転に必要な資格は準中型免許または、中型免許となります。

準中型免許では車両総重量が3.5t以上7.5t未満で最大積載量が2t以上4.5未満のタンクローリーが運転できます

中型免許では車両総重量が7.5t以上11t未満で最大積載量が4.5t以上6.5t未満のタンクローリが運転可能です。

ちなみに2007年に道路交通法が改正される前までは、中型免許という区分がなかったため普通免許でも中型サイズのトラックが運転可能となります。

そのため交通法改定前に普通免許を取得している場合であれば、車両総重量8t未満、最大積載量5t未満であれば運転することができます。

大型免許の資格が必要なタンクローリー

最も大きなサイズであり街なかで見かけるタンクローリーのほとんどが大型タンクローリーです。

4t以上のトラックは基本的に大型扱いとなり、積載可能な容量は6Kl~30Klとなります。

牽引免許の資格が必要なタンクローリー

大型タンクローリーの場合、運転席と荷台が別れている牽引車が多くそのような車両を運転する場合においては牽引免許が必要となります。

タンクローリー関連資格の取得方法

タンクローリーには様々なサイズがあり、その大きさによって必要な運転免許が異なり、牽引車を運転する場合は牽引の資格が必要です。

また、運搬物によっても資格が必要となる場合があります。

それぞれの資格について詳しく解説していきます。

普通運転免許

タンクローリーに限らず、乗用車などを運転するために最低限必要な資格としてあるのが普通免許です。

一般的には自動車教習所に入所したり、合宿免許で取得する流れとなります。

MT(マニュアル)とAT(オートマ)免許があるのですが、タンクローリーなどトラックを運転するのであれば、大型免許を取得する場合にMT免許でないと取得できません。

学科と技能について学び、試験に合格すると免許証が交付されます。

普通免許の取得にかかる費用は自動車教習所のMT免許の場合で約30万円ほどとなり、合宿免許であれば20万円~で取得が可能です。

資格の取得にかかる期間は、人にもよりますが約1ヶ月ほどとなり、遅い人で2~3ヶ月ほどとなります。

すでにATの免許を資格している人でMTも運転したいという場合は、自動車教習所で限定解除の申請を行い、技能講習後に試験に合格すれば取得が可能です。

限定解除にかかる費用は約5万円ほどになります。

大型免許

大型免許は取得するのに条件があり、普通免許や中型免許、大型特殊免許、準中型免許のどれかを取得してから運転経歴が通算3年以上でなけれは資格の取得ができません。

そのため資格の取得ができるのは、最低でも21歳以上となります。

取得にかかる期間は、取得済みの免許によってことなり、中型を取得している場合であれば約10日~ほどとなり、普通免許のみの場合は約14日~くらいになります。

技能講習などとは別に身体検査にも合格する必要があり、普通免許に比べても厳しくなります。

必要な視力は片眼で0.5、両眼で0.8以上となっており、メガネやコンタクトレンズは使用可能です。

また普通免許にはない深視力検査というものがあり、物体の遠近感や奥行きなどをしっかりと目で捉えることができるのかを確かめる検査となります。

そのほかにも聴力検査などがあります。

資格の取得に必要な費用は、自動車教習所に通う場合で普通免許所持であれば35万円前後、中型免許所持で25~30万円前後となります。

合宿免許であれば普通免許所持で25万円前後、中型免許所持で20万円前後となります。

教習所によっては「教育訓練給付制度」を利用できることもあり、資格の取得にかかる費用の一部を国が負担してくれるため、最大で20%(上限10万円)費用を抑えることが可能です。

牽引免許

牽引免許とは自走しない車両で総重量が750kgを超える車を牽引する場合に必要となる資格です。

今回はタンクローリーの関連資格で紹介していますが、取得することで大型トラックやキャリアカーなどの牽引運転も可能となります。

資格の取得条件としては満18歳以上であり、視力が0.8以上(片眼で0.5以上)であることなどがあります。

この他にも聴力や色彩識別能力、大型免許で紹介した深視力の検査も必要となります。

取得方法としては、自動車教習所に通う方法があり技能講習を受けたあと、技能卒業検定に合格すれば合格となります。

資格の取得費用は、学校によって違いますが教習所の場合で約13万円となり合宿免許で約12万円となります。

この他にも一発免許で取得する方法があり費用は6,100円ほどとかなり安いのですが、いきなり試験となるため経験者以外が合格することはほとんどありません。

資格の取得にかかる期間は教習所に通う場合は最短で6日位になり、合宿免許もほぼ同じくらいになります。

牽引車の運転技術はとても高く、試験が合格したからといってすぐに活躍できるわけではありません。

『いきなり運転しなくてはならないのでは?』と考える人もいますが、ほとんどの会社では練習が繰り返してからの業務となったり熟練運転手と同乗してある程度なれてから一人前になることがほとんどです。

危険物取扱者

危険物取扱者とは、消防法により定められている危険物の取扱いなどに必要な国家資格です。

今回のようなタンクローリーで燃料を運搬したりする場合はもちろん、石油などの燃料関係や薬品を取り扱う企業でも必要となる資格です。

危険物取扱者と言っても様々な種類があり、大きく分けると「乙種」「甲種」「丙種」の3つがあります。

それぞれの資格内容について見ていきましょう。

乙種

危険物取扱者の乙種はさらに第1類~第6類に分かれ合格すればそれぞれに指定された危険物が取り扱えるようになります。

実務を6ヶ月以上経験することで危険物保安監督者になることも可能で甲種防火管理者として活躍が可能です。

タンクローリーの運転手が最も多く取得しているのが乙種の4類になり、以下の危険物を取り扱うことができます。

・アルコール類
・ガソリン
・軽油
・灯油
・重油
・動植物油類など

乙種4類の資格取得費用はテキスト代で数千円と受験料4,600円掛かります。

資格の取得にかかる費用ですが、技能講習などは一切ないため勉強時間だけになり一般的には約1ヶ月~3ヶ月ほどになります。

甲種

危険物取扱者甲種とは危険物取扱者の中で最も難易度が高い資格であり、乙種で細分化された第1類~第6類まで危険物を取り扱うことが可能です。

甲種の受験には、以下のどれかを満たしている必要が受あります。

・化学系学科を大学などで修了し卒業している
・危険物取扱者乙種を取得しており、危険物取り扱いの実務経験2年以上、        または乙種の資格を4種類以上取得している。
・科学に関する科目を15単位以上大学などで取得している
・化学に関する学科、課程の修士、博士の学位を持っている

取得費用に関してはテキスト代に加え受験手数料として6,600円が必要です。

資格の取得にかかる時間は条件を満たしている場合、勉強時間として~3ヶ月ほどかかる人が多いです。

丙種

危険物取扱者の丙種はガソリン、軽油、重油、灯油など特定の危険物のみ取り扱いが可能で定期点検が可能です。

比較的難易度は低いのですが、取り扱える危険物が限られているため丙種ではなく乙種を受験する人の方が多いです。

受験資格はなく、資格の取得費用はテキスト代と試験手数料として3,700円必要となります。

資格の取得にかかる期間は数十時間ほどです。

高圧ガス移動監視者

高圧ガス移動監視者とは、高圧ガスの輸送時に安全に輸送できるように管理や監視を行う人のことをいいます。

資格の取得方法としてはまずはじめに、高圧ガス保安協会の講習を受講します。

高圧ガスの輸送は事故などが起きた場合にとても危険なため、技術や知識を身に付けなければなりません。

次に筆記試験を受け合格すれば資格が取得できます。

高圧ガス移動監視者は国家資格であり難しいイメージを持つ方もいますが、合格率は平均で85%ほどあります。

資格取得にかかる期間は講習と試験で2日となっており、費用は受講料13,200円に加えテキスト代などが必要となり合計で18,000円ほどになります。

危険物を運搬する場合に必要なもの

上記で紹介した関連資格とは別に、危険物を運搬する場合には「イエローカード」と呼ばれる資料の携行が必要となります。

イエローカードとは、事故などの緊急時に必要となるもので以下のような項目について詳しく記載されています。

・事故が発生したときの応急処置方法
・緊急連絡先や通報先
・運搬物が漏洩したり飛散した場合の処置方法
・周辺で火災が起きた場合の処置方法
・救急措置

燃料やガスは衝撃や熱により爆発したり、水をかけると発火したりするものもあります。
そのため、間違った処置を行わないためにイエローカードは必ず携行されています。

資格取得を支援してくれる会社もある

現在、物流業界は深刻なドライバー不足となっており、特に大型トラック運転手は現役ドライバーの高齢化も深刻となっています。

そのため運送会社などではその解消対策の一つとして、資格の取得支援をしている会社が多くあります。

大型免許や牽引免許、関連資格を一度に取ろうとするとかなりの時間と費用が掛かってしまい大変です。

資格を持っている方が就職しやすいのはもちろんなのですが、持っていない場合でも求人情報などの詳細を確認してみるようにしましょう。

※資格取得してすぐに退社した場合などは、費用を支払わなければならない等の規則がある場合もあります。

タンクローリー運転手について

タンクローリー運転手になるためにはどのような免許が必要で、取得しておくと活かすことができる資格について詳しく紹介してきました。

次は、実際にタンクローリー運転手になった場合の収入などについて解説していきます。

タンクローリー運転手の仕事内容

トラック運転手と聞いて多くの人が持つイメージとしてあるのが「体力仕事」「拘束時間が長い」の2つです。

特に大型トラック運転手は長距離配送が多く、積荷作業もあり体力的に大変なのですが、タンクローリーの場合は少し異なります。

積荷は基本的に液体などで手積みの必要がなく荷降ろし作業も準備はあるものの体力はそこまで必要ではありません。

配送距離に関してもある程度配達先が決まっており、長距離の配送はほとんどないようです。

基本的な1日の流れは以下の通りとなります。

1.出社して配送内容や配送先を確認し各種免許証の確認とアルコールチェック
2.タンクローリの車両点検
3.荷物の積み込み準備を行い、完了したら配達先に向けて出発
4.配達先に到着したら漏油や混油に細心の注意を払い積み下ろし作業を行う
5.帰社したあとは就業点検を受けて、日報などを提出、次の日の準備等を行い退社

仕事時間に関しては、他の大型トラック運転手に比べると比較的短くはなるのですが、油槽所の順番待ちが発生したり天候や事故により配送中に渋滞に巻き込まれることで退社が遅くなることがあります。

タンクローリー運転手の収入

タンクローリー運転手の収入は、トラック運転手の中で最も高いと言われています。

その理由としては大型免許手当の他に、牽引免許や危険物取扱者などの資格手当がつくことがあるからです。

何を運ぶか、就職する会社によって給料は違いますが、月収は30~50万円ほどで年収は400~600万円ほどになります。

また、灯油などを運ぶタンクローリードライバーは季節によってその消費量が大きく変わることから、夏場と冬場で給料が変わることもあります。

賞与に関しては会社によって支給されない会社もあれば、支給される会社もあるのですが、基本的に大手企業になるほどその支給額は増える携行にあります。

タンクローリーの求人例

タンクローリードライバーと言っても運転するトラックのサイズに種類があり、運搬物によっても必要な資格が違うことがわかりました。

それぞれでどのような求人があるのか、いくつか紹介していきます。

【小型タンクローリードライバー】

雇用形態:正社員
仕事内容:4t車で工業薬品を1日に4件前後配送、残業はなく年間休日は124日
応募条件:中型免許以上を持っていること
給与:200,000~230,000円

【大型タンクローリードライバー】

雇用形態:正社員
仕事内容:危険物輸送がメインで指定可燃物などの配送もあり、件数は1日で2~3件ほど
応募条件:大型自動車免許、危険物免許(乙種4類)
給与:340,000~400,000円(年収450ほど)

【大型タンクローリードライバー】

雇用形態:正社員
仕事内容:石油化学製品の輸送
応募条件:大型自動車免許、危険物(乙種4類)
給与:325,000~500,000円

【大型タンクローリードライバー】

雇用形態:正社員
仕事内容:ケミカル・LPGなどをタンクローリーで輸送
応募条件:未経験可(大型自動車免許があると優遇)
給与:300,000~500,000円

まとめ

タンクローリーとはガソリンや軽油などの燃料や高圧ガス、小麦粉や資料など様々なものを運搬するために使用されます。

運搬物によってタンクローリーの種類は違い、積み下ろしに置ける作業や事故防止のための設備などもそれぞれで違います。

タンクローリーのサイズが大型の場合は大型免許が必要となり、牽引する場合は別にけん引免許が必要となります。

また運搬物が燃料などの危険物である場合、危険物取扱者や高圧ガス移動監視車の資格が必要です。

運転免許や関連資格の取得はタンクローリー運転手になる上で必須となりますが、必ず持っていなければならないというわけではありません。

最近ではドライバー不足が深刻化しており、資格取得にかかる費用などを入社後に負担して取得させる会社が増えてきているからです。

高度な運転技術や運搬物に関する知識などが必要となる職業ですが、その分トラック運転手の中では最も収入が高くやりがいのある仕事と言えるでしょう。

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