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大型特殊自動車免許で運転できる車両は3つ。取得条件と日数、費用は?

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フォークリフト運転している様子

身の回りを見渡せば、普通の乗用車では運転できない特殊な車両が数多く存在します。建設現場で活躍する重機やクレーン車、大型トラックなどがその代表例でしょう。

こうした大型で特殊な車両を運転するには、普通自動車運転免許だけでは不十分で大型特殊自動車免許の入手が欠かせません。

本稿では、大型特殊自動車免許を所持すれば運転が可能となる車両を3種類取り上げ、ご紹介いたします。

代表的な大型特殊車両の例を知ることで、この免許の重要性がより理解できると思います。

大型特殊自動車免許で運転できる車両3選

大型車両

大型特殊免許を所持していれば運転できる車両には、車両の大きさなどに関する一定の基準があります。大型特殊免許で運転できる車両は以下の3種類です。

  • 大型特殊自動車
  • 小型特殊自動車
  • 原動機付自転車(原付)

では、1つずつ解説します。

大型特殊自動車

大型特殊自動車免許を所持していれば運転できる車両の1つ目は、大型特殊自動車です。

項目内容
車両の大きさ全長12.0m以下、全幅2.5m以下、全高3.8m以下
使用場所工事現場、道路整備、農業など
具体的な車両クレーン車、ブルドーザー、ショベルカー、ロードローラー、除雪車など
公道での運転自賠責保険への加入が必須

大型特殊自動車は、その大きさと機能から、建設や土木、農業などの特定の業務で使用されています。クレーン車、ブルドーザー、パワーショベル、道路ローラー、除雪車などがこれに該当します。

小型特殊自動車

大型特殊自動車免許を所持していれば運転できる車両の2つ目は、小型特殊自動車です。

項目内容
車両の大きさ全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0〜2.8m以下
使用場所農作業
具体的な車両田植え機など
公道での運転自賠責保険への加入が必要

小型特殊自動車は主に農業用の特殊車両、例えば田植え機などが該当します。小型特殊自動車の最高速度は通常時速15km以下に制限されていますが、農作業用の車両については例外的に時速35km未満までの運転が許可されています。

原動機付自転車(原付)

大型特殊自動車免許を所持していれば運転できる車両の3つ目は、原動機付自転車です。

項目内容
車両の大きさ原動機の総排気量が125cc以下または定格出力が1.00kw以下の二輪車、原動機の総排気量が50cc以下または定格出力が0.6kw以下の三輪以上の車両
使用場所道路上
具体的な車両原動機付自転車
公道での運転自賠責保険への加入が必須

原動機付自転車は私たちが日常生活でよく目にする原動機付自転車、一般的には原付バイクと呼ばれているものが該当します。三輪以上の車両は、キャタピラ・そりを備えたものを除きます。

出典:免許の種類と運転できる自動車など|大阪府警察

大型特殊免許を取得する3つのメリット

トラック

大型特殊自動車免許の取得によって、日常生活を支える重要な仕事に携わることができるようになります。大型特殊免許を取得するメリットは、以下の3点です。

  • 運転できる免許区分が増える
  • 仕事の幅が広がる
  • 受講費用の20%(最大10万円)が支給される可能性がある

では、1つずつ解説します。

運転できる免許区分が増える

大型特殊免許を取得するメリットの1つ目は、運転できる免許区分が増えることです。

大型特殊免許の取得により、運転可能な車両の範囲が大幅に広がります。普通自動車免許では乗用車や軽自動車しか運転できませんが、大型特殊免許があればクレーン車やトラター、除雪車にも乗れるようになり、運転手として活躍できる職種の選択肢が格段に増えます。

また、大型特殊免許は他の運転免許を持っていなくても単独で取得することができます。これから運転免許にチャレンジする方でも、最初から大型特殊免許を目指すこともできます。キャリアプランに合わせて大型特殊免許の取得を検討するのも一案かもしれません。

仕事の幅が広がる

大型特殊免許を取得するメリットの2つ目は、就業の選択肢が広がることです。

大型特殊免許の取得により、自身のキャリアに新たな可能性が開けてきます。建設業や土木業では、大型特殊免許が必要とされる機会が多く、工事現場で使用される特殊車両や建設機械の運転が可能になります。

農業分野でも大型特殊免許は大いに活かせます。コンバインやトラクターなどの大型農機具を運転できるため、農業従事者としてのスキルを広げられます。農業人口の高齢化が進む中で若い世代が大型特殊免許を持つと、新たな担い手として即戦力となるでしょう。

受講費用の20%(最大10万円)が支給される可能性がある

大型特殊免許を取得するメリットの3つ目は、受講費用の一部が支給される可能性があることです。

雇用保険の教育訓練給付制度では、国が指定した教育訓練を修了した場合、受講費用の一部が支給されます。この制度は労働者のキャリア形成を支援し、雇用の安定を目的としています。

大型特殊免許は、この教育訓練給付制度の対象となっており、条件を満たす受講者は、受講費用の20%(最大10万円)が支給される可能性があります。

教育訓練給付金の支給を受けるためには、雇用保険に1年以上(2回目以降の給付を受けたい場合は3年以上)加入していること、退職している場合は離職日から1年が経過していないことが必要となります。

出典:教育訓練給付金等について|厚生労働省

大型特殊免許を取得する方法

大型車両

次に、大型特殊免許の取得方法について説明します。大型特殊免許を取得する方法は以下の3つです。

  • 一発試験
  • 指定の教習所に通学
  • 合宿形式の講習

では、1つずつ解説します。

一発試験

大型特殊免許を取得する方法の1つ目が、一発試験方式です。

一発試験とは、教習所を経由せずに直接試験場に赴き、学科試験と技能試験に一度に合格することを目指す方式です。時間やコストを大幅に節約できる可能性がある半面、高い学習能力と十分な事前準備が必要不可欠です。

しかし、一発試験はその名の通り、合格するためには一度の試験で全科目をクリアする必要があり、高い学習能力と充分な事前準備が求められます。

一発試験は、合格率が一般的な教習所を通じた試験よりも低い傾向にあるため、挑戦者は十分な自信と準備がある場合にのみ選択すべきです。

指定の教習所に通う

大型特殊免許を取得する方法の2つ目は、指定の教習所に通学する方式です。

教習所では、大型特殊車両の運転に関連する法規、安全運転の原則、車両の操作方法など、免許取得に必要な幅広いカリキュラムが提供されます。また、実際の運転技能を身につけるための実技教習も行われ、個々の進捗や理解度に応じて適切な指導がなされます。

そのため、指定の教習所に通学することで、プロの指導のもと、必要な学科知識と技能を体系的に学べます。

教習所で学ぶ最大のメリットは、経験豊富な指導員から直接指導を受けられる点にあります。これにより、初心者や大型特殊車両の運転経験が少ない人でも、必要な知識と技術を効率的に習得することが可能となります。また、教習所では、試験に特化したトレーニングを受けることができ、試験でよく出題されるポイントや実技試験での注意点など、合格に向けた具体的なアドバイスを得られます。

合宿形式の講習

大型特殊免許を取得する方法の3つ目が、合宿形式の講習です。

合宿形式の講習では、受講者は指定された教習所の宿泊施設に滞在しながら、日常の生活から離れて免許取得に必要な学科と技能の講習に専念します。合宿に参加することで、短期間で集中して学習する環境が整い、短い日数での免許取得が可能になります。

合宿形式の講習では、1日の授業スケジュールがタイトに組まれており、毎日講義や実技教習が計画的に行われ、受講者は一貫して免許取得に向けた訓練を受けることができます。また、同じ目標を持つ仲間と共に過ごすことで、互いに励まし合い、学習へのモチベーションを高め合うこともできます。

合宿形式の講習は、時間的な制約や日常生活の中で学習時間を確保するのが難しい人にとって、特に有効な方法です。

大型特殊自動車免許を取得する際の注意点3選

大型車両

大型特殊自動車免許の取得を検討する際には、いくつか注意すべき点があります。主な注意点は以下の3点です。

  • 大型特殊自動車免許だけでは作業ができない場合がある
  • 大型特殊自動車免許のみでは普通乗用車の運転はできない
  • 大型特殊自動車免許の取得には7〜13万円程度の費用がかかる

では、1つずつ解説します。

大型特殊自動車免許だけでは作業ができない場合がある

大型特殊自動車免許を取得する際の注意点の1つ目は、免許があれば必ずしもすべての作業ができるわけではないことです。

大型特殊自動車免許は、その名の通り特殊車両を一般道路で運転するための免許にすぎません。将来就きたい職種や業務内容に合わせて、必要な資格を併せ持つ必要があります。

例えばフォークリフトの運転は、大型特殊免許があれば公道を走行できますが、荷役作業を行うには「フォークリフト運転技能講習」を別途受講しなければなりません。

同様に、クレーン車や除雪車を業務で使用する際も、作業に関する許可が別途必要になります。

大型特殊自動車免許のみでは普通自動車を運転できない

大型特殊自動車免許を取得する際の注意点の2つ目は、大型特殊自動車免許のみでは普通自動車を運転できないことです。

大型特殊車両免許で運転可能なのは、大型特殊車両、小型特殊車両、そして原動機付二輪車のみです。一般道路を走行する普通乗用車を運転するには、別途普通自動車運転免許、準中型自動車運転免許、または大型自動車運転免許の取得が必須となります。

大型特殊車両免許単体では、日常的に使用される一般乗用車の運転は許可されていないのです。

大大型特殊自動車免許の取得には7〜13万円程度の費用がかかる

大型特殊自動車免許を取得する際の注意点の3つ目は、取得に際して相当の費用がかかることです。

大型特殊自動車免許の取得には相当の費用がかかることを覚悟しなければなりません。費用の目安は以下のとおりです。

  • 一発試験:試験料、車両使用料、免許交付手数料を合わせて、約6,100円が必要。
  • 教習所を通した場合:7万円〜13万円程度(免許が無い方はさらに高額)
  • 合宿形式の場合:宿泊費・食費も含めると教習所並みの費用がかかる可能性がある。

このように、大型特殊自動車免許の取得には一定の費用負担が発生することを前提に検討する必要があります。

大型特殊自動車免許を取得するための目安期間

大型車両

大型特殊自動車免許を取得するための目安期間は下記の通りです。

取得方法必要日数
指定の教習所に通学(普通免許有りの場合)最短4日
指定の教習所に通学(普通免許なしの場合)6日以上
一発試験1日
合宿形式の講習最短4日

一発試験ほどではありませんが、教習所への通学も合宿も、最短で1週間程度で取得ができるため、普通自動車免許よりは短期間での取得が可能です。

大型特殊自動車免許で運転できる車両に関するQ&A

大型車両

最後に、大型特殊自動車免許で運転できる車両について、代表的な3つの質問とその回答を紹介します。

  • Q. 大型特殊自動車免許で大型トラックやバスは運転できますか?
  • Q. 大型特殊免許があればフォークリフトに乗れますか?
  • Q. 中型自動車免許を持っていれば、大型特殊自動車を運転できますか?

Q. 大型特殊自動車免許で大型トラックやバスは運転できますか?

A. 残念ながら、大型特殊免許を所持していても大型トラックやバスの運転はできません。大型自動車を運転するには、別途「大型自動車運転免許」の取得が必須です。大型特殊免許と大型自動車免許とでは、運転可能な車両の範囲が異なるためです。

Q. 大型特殊免許があればフォークリフトに乗れますか?

A. 大型特殊自動車免許を取得していれば、フォークリフトを公道で運転することは可能です。ただし、フォークリフトで荷役作業を行うためには、さらに「フォークリフト運転技能講習」を別途受講する必要があります。

講習を受けていない場合は、単に運転するだけなら可能ですが、作業はできません。

一方で、ローリフトトラックやハンドリフトなどの小型フォークリフトについては、講習や免許を必要としないものもあり、比較的自由に使用できます。

Q. 中型自動車免許を持っていれば、大型特殊自動車を運転できますか?

A. 中型自動車免許を所持していても、大型特殊車両の運転はできません。

中型免許ではマイクロバスや中型トラックは運転可能ですが、大型特殊車両の運転には大型特殊自動車免許が別途必要です。

大型特殊自動車免許で運転できる車両に関するまとめ

大型車両

本稿では、大型特殊自動車免許で運転できる車両についてご説明してまいりました。

大型特殊自動車免許は、その名の通り特殊な大型車両の運転を許可する資格です。

クレーン車やブルドーザー、農業トラクターなど、日常生活を支える重要な車両の運転が可能になります。

一方で、大型特殊免許を所持しているからといって、すべての作業ができるわけではありません。

作業内容によっては追加で講習の受講が義務付けられている場合があります。また、一般的な乗用車を運転するには、別途普通自動車運転免許が必要になります。

大型特殊自動車免許の取得には7万円から13万円程度の費用がかかること、取得期間は最短で1週間程度と普通免許より短いことなども、合わせてご説明させていただきました。

本記事が、大型特殊自動車免許に関する理解を深める一助となれば幸いです。皆様のキャリア形成の一環としてこの免許取得を検討されてはいかがでしょうか。

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