近年、運送業界では人手不足が続いています。空前の売り手市場となっており、中でも大型トラックドライバーの成り手不足は深刻で業界に暗い影を落としています。
その原因は様々ありますが、一つは新免許制度が始まり大型免許取得のハードルが上がったことが挙げられます。大型免許を取得して、大型トラックの運転手を目指したいけど資格にかかる費用が気になりチャレンジできない!なんて方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめなのが、教育訓練給付金制度です。この制度を利用すれば中型免許や大型免許の取得費用を抑えることができます。
この記事では、現在転職を考えている方や、今の職場でスキルアップの為に大型免許の取得を検討している方々に向けて、教育訓練給付金制度の適用条件や利用方法をわかりやすく解説していきたいと思います。
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教育訓練給付金制度とは
教育訓練給付金制度は主に厚生労働省が管掌している雇用に関わる助成金の一つで、働く方のスキルアップやキャリア形成を支援、雇用の安定と再就職を促す事を目的とした雇用保険の給付制度です。
働たらいている人や求職者が資格の費用を一旦自分で負担して、厚生労働大臣が指定した教育訓練講座を受講、修了した後に、資格取得にかかった費用の一部を助成金として返してくれる制度になっています。
中型免許や大型免許の取得にはそれなりの金銭的負担がかかります。この助成金はそういったこれからトラック運転手を目指し、資格の取得を考えている方に、とても相性がいい制度と言えます。
教育訓練給付金制度の利用方法
一口に教育訓練給付金制度を利用するといってもどういった手続きを踏んでいけば良いかわからない人がほとんどだと思います。ここではその申し込みの仕方から大型免許を取得して助成金を受け取るまでの流れを解説していきます。
1.お近くのハローワークで支給資格の照会
まずはお住まいの管轄のハローワークにて自分が給付の条件を満たしているか確認する必要があります。大型免許の教習を受ける1ヶ月前にハローワークへ行き教育訓練給付金支給要件照会票に必要事項を記入して、受給要件を満たしているか照会しましょう。
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2.入校の手続き
教育訓練給付制度の受給要件を満たしていることが確認できたら、教育訓練給付制度の対象になっている指定教育訓練校(教習所)への入校手続きを行います。
教習所では、教育訓練給付制度を利用して教習を希望している事を伝えて、入校手続きを行います。その際費用の支払いが生じますが、領収書の受け取りを必ず行い、しっかり保存しておいて下さい。
教習終了後にハローワークで給付金申請手続きをする際に必要になります。
3.教習開始
教習が始まったら大型免許取得を目指して頑張りましょう。大型免許の教習にかかる費用は一旦自己負担し、あとで助成金を受け取る形になります。
4.教習所卒業
大型免許の教習が修了したら指定教育訓練校(教習所)から教育訓練給付金支給申請書と教育訓練修了証明書、返還金明細書、教習受講料の領収書を交付してもらいます。
5.給付金の申請手続き
大型免許の教習が修了した翌日から1ヶ月以内に必要書類を揃えハローワークに行き教育訓練給付金の申請を行いましょう。その際、指定教育訓練校(教習所)に作成してもらった書類および離職票、または雇用保険受給資格者証、本人確認証も提出します。
6.助成金の支給
ハローワークの審査が無事に通れば、教育訓練給付金を受け取ることができます。
教育訓練給付制度の対象になっている指定教育訓練校は一例として以下があります。ご参考にしてください。
都道府県 |
訓練校名 |
秋田県 | |
秋田県 | |
秋田県 | |
栃木県 | 那須自動車学校・那須クレーン教習所 |
栃木県 | |
長野県 | |
新潟県 | |
京都府 | |
鳥取県 | |
徳島県 | |
愛媛県 |
給付条件
教育訓練給付金制度は資格取得費用の一部を補助してくれる、良い制度ですが、給付にはいくつか条件があります。どんな条件があるか見ていきましょう。
1.雇用保険に3年以上の加入されている方(在職者)
現在お勤めの方は雇用保険の被保険者期間が3年以上ある事が給付条件になります。仮に途中で転職しても継続して雇用保険に加入していれば期間は通算されますが、加入期間のブランクが1年以上あった場合は通算されません。
注意したいのは勤務歴ではなく、雇用保険の被保険者の期間である点です。間違えないようにしましょう。
2.離職してから1年以内の方(離職者)
すでに会社を退職されて、失業中の場合、教習の受講開始日が被保険者の資格を喪失した日(離職日)から1年以内でなければなりません。また、被保険者であった期間が1年以上ある事が給付条件になります。
3.前回の給付から3年以上経過している事
今までに教育訓練給付金の給付を受けた事がある場合は、前回の助成金の給付から、今回の受講開始日前までに3年以上経過している必要があります。
大型免許の助成金申請までの流れ
ここまで教育訓練給付金の利用法や給付の条件について解説してきました。ここからは大型免許取得に関わる助成金申請の必要書類、また申請までの流れを解説していきたいと思います。
助成金を受けるために必要な書類
教育訓練給付制度の助成金を受けるには、受講が終わってから、数多くの必要書類を提出しなければなりません。まずは大型免許の講座(教習)を受講した指定教育訓練校(教習所)から「教育訓練給付金支給申請書」「教育訓練修了証明書」「返還金明細書」をもらいます。また、受講料を支払った際の領収書も必要になります。
クレジットカードで支払いを行なった場合はクレジット契約の明細書がもらえますので、紛失しないよう大事に保管しておきましょう。あとは本人確認と住所の確認で「運転免許証」「健康保険証」「雇用保険受給者資格者証」「住民票の写し」のいずれかが必要になります。
最後に「雇用保険被保険者証」「雇用保険受給資格者証」の原本もしくはコピーが必要になりますので用意しておきましょう。
助成金を申請できる場所
必要書類が準備できたらハローワークで助成金の受け取りの申請を行います。
ハローワークで給付金の申請手続き
ハローワークでの助成金申請の手続きは講座終了の翌日から起算して1ヶ月以内になりますので早めに申請するようにしましょう。ハローワークで先述した必要書類を揃えて助成金の申請を行うと1ヶ月以内に助成金の交付が行われます。
まとめ
近年、国内の少子高齢化、海外メーカーとの競争の激化で企業業績の悪化、またAIの普及などで自動車業界や電機業界、銀行などではリストラや終身雇用の崩壊など報道で伝えられるようになってきました。そういった中、今運送業界では、アマゾンや楽天などの通販の拡大もあり、景気も上向きで人が足りない状態が続いています。
更に、働き方改革、運賃の値上げも浸透しつつあり、トラックドライバーの給料や労働時間など労働環境も改善しつつあります。こういった状況は今後も続くとみられており、転職やスキルアップを考えている方にとって、おすすめな業界になってきています。
大型免許の取得費用はそれなりの金額がかかり、負担にはなりますが、助成金を使う事でその負担を軽減する事ができます。こういった制度を使って頂いて、ご自分の将来のために大型免許取得を目指してみてはいかかでしょうか。
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国際基督教大学卒。エン・ジャパンの新規事業企画室でHRTech(SaaS)の事業企画と営業を経験。シード期のHR系スタートアップでインサイドセールスとキャリアコンサルタントに従事し全社MVPを獲得。その後、5年で300名と急成長するベンチャー企業ネクストビートにて、高所得女性向け情報メディア事業、ホテル向け人材事業の立ち上げを行う。