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自動車整備士として外国人技能実習生を採用できる3つの在留資格

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外国人の自動車整備士

自動車整備士の人材不足を踏まえて外国人技能実習生を検討しているものの「在留資格に関してよくわからない」と感じている人も多いのではないでしょうか。

自動車整備士の技能実習生を採用できる在留資格は、次の3つです。

  • 技能実習
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能

また、実習生の採用には、メリットならびにデメリットがあります。

今回の記事では、自動車整備士の実習生を採用できる3つの在留資格について詳しく解説します。人材不足に悩んでいて実習生の受け入れを検討しているのであれば、ぜひ最後まで読んでみてください。

自動車整備士として外国人技能実習生を採用できる3つの在留資格

技能実習を活用して在留している人

自動車整備士の技能実習生を受け入れられる在留資格は主に3つです。

  • 技能実習
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能

それぞれについて解説します。

技能実習

技能実習とは、法律に基づき、特定の技能習得のために在留資格を取得する制度です。技能実習制度は、開発途上国などの外国人を日本で一定期間受け入れ、OJTを通じてスキルを移転する国際貢献を目的としています。

OJTとは、On the Job Trainingの略で、上司が部下などに対して、業務を通じて知識やスキルの指導をする方法です。

技能実習は、技能実習1号・2号・3号のいずれかに該当します。在留期間は、1号が1年・2号と3号が2年です。最長は1号から3号までを合計した5年です。

実習生は、令和5年6月時点で約36万人在留しています。

参考:外国人技能実習制度について|法務省
参考:自動車整備分野における外国人の受入れ (在留資格:特定技能)|国土交通省

技術・人文知識・国際業務

技術・人文知識・国際業務は、高度な専門知識やスキルを有する外国人が、日本国内で国際性を活かして業務に従事する際の在留資格です。自動車整備士は、在留資格の「技術」の区分に該当します。

在留期間は最長5年です。また、3年もしくは1年、3か月のいずれかも選択可能です。

参考:在留資格「技術・人文知識・国際業務」 | 出入国在留管理庁

特定技能

特定技能は、2019年4月に創設された新しい在留資格です。この制度は、国内人材の確保が困難な状況に陥っている産業分野で、一定の専門性・スキルを有する外国人の受け入れを目的としています。

特定技能は、特定技能1号と2号の2種類です。1号の在留期間は最長5年ですが、2号であれば、制限はありません。

令和5年12月時点で、1号を保持して在留している人数は約21万人にも上ります。

参考:自動車整備分野における外国人の受入れ (在留資格:特定技能)|国土交通省
参考:特定技能在留外国人数|出入国在留管理庁

自動車整備士として外国人技能実習生を受け入れるための要件3選

自動車整備士として活躍する技能実習生

自動車整備士の実習生を採用するためには、一定の労働環境を整えておかなければなりません。求められる条件は3つです。

  • 日本人と同等以上の雇用条件と社会保険の完備
  • 技能実習指導員が2級自動車整備士以上の資格保有者
  • 地方運輸局長から認証工場

3点について解説します。

日本人と同等以上の雇用条件と社会保険の完備

外国人技能実習生を受け入れるには、日本人と同じ水準の給与・労働時間・休暇などを提供する必要があります。

技能実習制度は、スキル習得を目的としており、人件費の削減を主眼に置いた制度ではありません。

実習生に対して不当な低賃金で働かせたり、長時間労働を強制したりすると、法令違反に加えて、制度全体の信頼失墜につながる可能性もあります。

技能実習指導員が2級自動車整備士以上の資格保有者

実習生に適切な指導をするには、十分な知識と経験を持った指導員が必要です。したがって、指導員の基準に自動車整備士の1級もしくは2級の資格取得を必須にしています。

加えて、技能実習生を5年にわたって受け入れたい場合は、指導員が次の条件を満たしていなければなりません。

  • 自動車整備士1級を取得している
  • 自動車整備士2級を取得して3年以上の実務経験がある

参考:自動車整備技能実習ガイドライン|国土交通省

地方運輸局長から認証工場

技能実習生を受け入れるには、地方運輸局長から自動車分解整備事業の認証を受けた工場でなければなりません。

ただし、取り扱う自動車の種類が二輪の小型自動車のみの場合は、実習生を受け入れられません。

参考:自動車整備技能実習ガイドライン|国土交通省

自動車整備士として外国人技能実習生を採用するまでの5ステップ

自動車整備士として働く技能実習生

自動車整備士の実習生を採用するまでのステップは次の5つです。

  • 求人票を提示する
  • 実習生が案内される
  • 書類選考と面接をする
  • ビザ申請と入国の準備をする
  • 入国後に講習をおこない実習が開始される

それぞれについて解説します。

求人票を提示する

まず、実習生の採用に向けた求人票を作成しましょう。
求人票とは、募集する職種や条件、待遇などを明確に記載した資料です。

実習生を案内する送出機関や受け入れる企業をまとめる管理団体に、作成した求人票を提示しましょう。

実習生が案内される

求人票をもとに、送出機関や管理団体から実習生が案内されます。

書類選考と面接をする

案内された実習生の情報をもとに書類選考しましょう。そして、書類選考をクリアした実習候補生と面接します。

ビザ申請と入国の準備をする

受け入れる実習生が決まれば、ビザの申請をしましょう。ビザ申請後、入国管理局による審査があります。

ビザの発給が完了すれば、航空券や住居の手配などの入国準備をしましょう。

入国後に講習をおこない実習が開始される

無事、実習生の入国後、管理団体が約2か月間にわたって講習を実施します。その後、実習が開始されます。

自動車整備士として外国人技能実習生を採用するメリット3選

人材不足に悩む自動車整備工場

自動車整備士として外国人技能実習生を採用するメリットは主に3つです。

  • 3年間は安定的な労働力が確保できる
  • 社内が活性化される
  • 国際貢献活動としてイメージアップができる

それぞれについて解説します。

3年間は安定的な労働力が確保できる

外国人技能実習生は、最長5年間の在留資格を得て働けます。自動車整備士に限定すると、技能実習期間は3年間です。人手不足が深刻化する中で、安定的な労働力を確保できる点は大きなメリットです。

また、技能実習生は日本での生活や技能習得に強い意欲を持っているケースが多く、離職率が低い傾向にあります。

社内が活性化される

外国人技能実習生は、異なる文化や価値観を持つ人材です。実習生の働きや考え方に触れると、社内の雰囲気やコミュニケーションが活性化されるでしょう。

国際貢献活動としてイメージアップができる

技能実習は国際貢献活動の一環です。したがって、技能実習生を受け入れると、国際貢献活動として企業のイメージアップにつながる可能性があります。

また、国際的な人材を受け入れる企業として、グローバルなイメージも確立できるでしょう。

自動車整備士として外国人技能実習生を採用するデメリット3選

自動車整備工場の一部

自動車整備士として外国人技能実習生を採用するデメリットは主に3つです。

  • 文化や言葉の問題がある
  • 従事できる業務や期間に制限がある
  • 受け入れ人数に制限がある

それぞれについて解説します。

文化や言葉の問題がある

外国人技能実習生は、日本の文化や職場の慣習になじむまで時間がかかるケースが一般的です。

また、日本語が得意でない技能実習生の場合、日々のコミュニケーションや作業指示の理解に苦労するでしょう。その結果、業務効率や作業品質に影響をおよぼす可能性があります。

従事できる業務や期間に制限がある

技能実習生は最長で5年間しか在留できません。また、自動車整備士の場合、技能実習期間は3年間です。

また、技能実習の期間以外に、業務内容にも厳格な制限があります。その結果、従事できる業務に制限があるかもしれません。

受け入れ人数に制限がある

企業ごとに技能実習生を受け入れる枠に限りがあります。したがって、企業は枠内で技能実習生を採用しなければなりません。

外国人技能実習生が自動車整備分野の特定技能1号を取得する3つの要件

日本語レベルN4以上の試験に合格した技能実習生

外国人技能実習生が自動車整備分野の特定技能1号を取得する要件は次の3つです。

  • 日本語レベルN4以上の試験に合格する
  • 自動車整備分野の特定技能評価試験に合格する
  • 自動車整備分野の2号技能実習を修了した場合は無試験で移行できる

それぞれについて解説します。

日本語レベルN4以上の試験に合格する

日本語の理解度を測る試験は次の2つです。

  • 日本語能力試験(JLPT)
  • 実用日本語技能検定(JNOK)

2つの試験のいずれかで、N4以上の試験に合格しなければなりません。N4レベルは日常会話レベルの日本語を理解できる水準です。

自動車整備分野の特定技能評価試験に合格する

特定技能評価試験とは、日本での就労を希望する外国人の日本語能力と技能を評価する試験です。

試験は学科と実技に分かれています。試験は自動車のシャシやエンジンに関する範囲から出題されます。

参考:特定技能評価試験 Specified skills evaluation test|日本自動車整備振興会連合会

自動車整備分野の2号技能実習を修了した場合は無試験で移行できる

外国人技能実習生が自動車整備分野の2号技能実習を3年以上修了している場合は、日本語レベルN4以上の試験や特定技能評価試験を受験せずに特定技能1号に移行できます。

自動車整備士の在留資格に関するよくある質問

技能実習生を採用するか迷っている人

自動車整備士の在留資格に関するよくある質問は主に3つです。

  • 自動車整備の特定技能ビザの申請に必要な書類は?
  • COEとビザの違いは何ですか?
  • 外国人技能実習制度の廃止はいつからですか?

それぞれについて解説します。

自動車整備の特定技能ビザの申請に必要な書類は?

自動車整備の特定技能ビザの申請に必要な書類は、人によって異なりますが次のいずれかが必要です。

  • 自動車整備分野特定技能2号評価試験の合格証明書写し
  • 自動車整備士技能検定2級の合格証明書の写し
  • 自動車整備分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書
  • 自動車整備分野特定技能協議会入会届出書兼構成員資格証明書(受付印必要)
  • 自動車整備分野特定技能協議会構成員資格証明書発行申請書(受付印必要)

参考:在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁

COEとビザの違いは何ですか?

COE(Certificate of Eligibility)とビザ は、どちらも日本に入国・滞在に必要な許可証ですが、役割と有効期限が異なります。

COEはビザ取得のための事前許可証です。一方のビザは、パスポートに貼付される入国・滞在許可証です。

外国人技能実習制度の廃止はいつからですか?

外国人技能実習制度は2024年3月時点で近々廃止される予定ですが、時期は確定していません。

また、技能実習制度が廃止され育成就労制度が設立される見込みです。

参考:政府の技能実習制度廃止で見直し案 自民 特別委員会で了承 | NHK

まとめ

故障した車をレッカーしている様子

今回は、自動車整備士として外国人技能実習生を採用できる3つの在留資格について解説しました。

外国人技能実習生を採用できる在留資格は次の3つです。

  • 技能実習
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能

また、外国人技能実習生を採用するには、日本人と同等以上の雇用条件と社会保険を完備

したり、技能実習指導員が2級以上の自動車整備士資格者を保有したりしなければなりません。

今後、人材不足に悩んでいるのであれば、外国人労働者の採用を検討してはいかがでしょうか。

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