電気通信主任技術者

電気通信主任技術者の科目免除とは?免除科目や勉強方法について

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電気通信主任技術者の資格取得を目指している人の中には、科目免除について気になっている人もいるでしょう。

電気通信主任技術者とは、企業や事業所で利用される電話やインターネットなどの通信設備の工事、維持、運用を監督する際に必要な国家資格です。

科目免除は、資格や学歴に応じた実務経験や科目合格を果たすと受けられます。

電気通信主任技術者は試験範囲が広く難易度が高いため、科目免除を利用して計画的に合格することがおすすめです。

この記事では、電気通信主任技術者の科目免除や勉強方法、将来性について解説します。電気通信主任技術者の資格取得を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

電気通信主任技術者の資格を取得する方法

現場仕事をイメージした画像

電気通信主任技術者とは、企業や事業所で利用される電話やインターネットなどの通信設備の工事、維持、運用を監督する際に必要な国家資格です。

通信ネットワークの円滑な機能に欠かせない存在で、常に最新の技術動向や法規制に精通している必要があります。

具体的な業務は、通信設備の設計や工事の計画、作業員の指導、トラブルシューティングなどです。また、新しい通信技術の導入や、セキュリティ対策の強化なども求められています。

電気通信主任技術者の資格を取得する方法は2つです。

  • 国家試験に合格する
  • 養成課程校である大学を修了して試験を受ける

それぞれの方法について解説します。

国家試験に合格する

電気通信主任技術者の試験は、法規、電気通信システム、そして伝送交換設備または線路設備などについて深い知識が問われます。特に、法規に関しては電気通信事業法をはじめとした関連法規の理解が不可欠です。

また、試験の難易度も低くはありません。しかし、通信業界でキャリアアップを目指す人にとっては、取得すると高い専門性と責任ある立場を担当できる魅力的な資格と言えるでしょう。

養成課程校である大学を修了して試験を受ける

電気通信主任技術者資格を取得する方法のひとつに、大学などの養成課程を修了する方法があります。養成課程校である大学を修了して試験を受けるメリットは、国家試験の一部科目を免除される点です。

養成課程では、電気通信に関する専門知識を体系的に学べるので、国家試験対策も並行して行われます。そのため、独学に比べて効率的に資格取得を目指せると考えられてます。

ただし、すべての大学が養成課程を行っているわけではありません。総務省が認定している養成課程のある大学を選びましょう。

また、養成課程を修了した後も、国家試験に合格する必要があります。しかし、試験科目の一部免除により、合格の可能性を大きく高められるでしょう。

参考:よくある質問|一般財団法人日本データ通信協会

電気通信主任技術者の試験概要

遠くを見つめる作業員の様子

電気通信主任技術者の試験概要について、6つの視点で解説します。

  • 受験資格
  • 試験日程
  • 試験会場
  • 試験科目
  • 受験費用
  • 合格基準と難易度

受験資格

電気通信主任技術者の試験で、特段の受験資格は設けられていません

そのため、誰でも受験できるので、未経験からのキャリア形成も十分可能でしょう。

関連記事:電気通信主任技術者の難易度は高い?受験資格やメリット、合格のコツ

試験日程

電気通信主任技術者の試験は、7月と1月の年に2回開催されています。

具体的に、令和6年度の試験日程は第1回が令和6年7月14日(日)、第2回が令和7年1月26日(日)と定められています。

試験会場

電気通信主任技術者の試験を受験できる地域は次のとおりです。

  • 札幌
  • 仙台
  • さいたま
  • 東京
  • 横浜
  • 新潟(第2回のみ)
  • 金沢
  • 長野(第1回のみ)
  • 名古屋
  • 大阪
  • 広島
  • 高松
  • 福岡
  • 那覇

このように、開催地が限られているので、受験を検討する際はスケジュールに余裕を持っておくとよいでしょう。

また、会場は試験日の2週間前までに受験票に掲載されるので確認しておきましょう。

試験科目

電気通信主任技術者の試験種類は、伝送交換主任技術者と線路主任技術者の2つです。また、試験の種類によって、出題内容が異なります。

それぞれの試験科目は次のとおりです。

試験科目伝送交換主任技術者線路主任技術者
電気通信システム
(1)電気通信工学の基礎
(2)電気通信システムの大要
伝送交換設備および設備管理(伝送交換主任技術者に限る。)
伝送交換設備の概要並びに当該設備の設備管理、セキュリティ管理およびソフトウェア管理
線路設備および設備管理(線路主任技術者に限る。)
線路設備の概要、当該設備の設備管理およびセキュリティ管理
法規
(1)電気通信事業法およびこれに基づく命令
(2)有線電気通信法およびこれに基づく命令
(3)電波法およびこれに基づく命令
(4)不正アクセス行為の禁止等に関する法律およびこれに基づく命令
(5)電子署名および認証業務に関する法律およびこれに基づく命令
(6)国際電気通信連合憲章および国際電気通信連合条約の大要

このように、電気通信主任技術者の試験に合格するには、広範囲にわたる学習をしなければなりません。

また、試験時間は次のとおりです。

  • 10:00〜12:30:伝送交換設備(線路設備)および設備管理
  • 13:50〜16:30:法規と電気通信システム

受験費用

令和6年8月1日の試験申請分から、受験費用が改定されました。具体的に、電気通信主任技術者の新旧受験費用は次のとおりです。

旧受験費用新受験費用
3科目受験18,700円29,000円
2科目受験18,000円29,000円
1科目受験17,300円29,000円
全科目免除申請9,500円14,700円

受験科目にかかわらず1科目以上受験する場合の費用は一律29,000円となっています。受験申請の際は注意しましょう。

参考:試験手数料改定のお知らせ|一般社団法人日本データ通信協会

合格基準と難易度

電気通信主任技術者試験の合格基準は次のとおりです。

  • 法規・電気通信システム:100点満点中60点以上
  • 伝送交換設備および設備管理・線路設備および設備管理:150点満点中90点以上

令和5年度第1回の電気通信主任技術者の合格率は次のとおりです。

試験種別申請者数受験者数合格者数合格率
伝送交換2,519人2,042人570人27.9%
線路1,167人968人326人33.7%
3,686人3,010人896人29.8%

伝送交換ならびに線路のいずれも合格率は約30%です。そのため、比較的難易度の高い試験と考えられます。

また、令和5年度第2回の電気通信主任技術者の合格率は次のとおりです。

試験種別申請者数受験者数合格者数合格率
伝送交換2,862人2,257人578人25.6%
線路1,272人1,048人439人41.9%
4,134人3,305人1,017人30.8%

第2回の試験でも合格率は、約30%で推移しています。試験回によって、合格率は上下しますが、30%程度で推移することが一般的です。

出典:電気通信主任技術者とは|一般財団法人日本データ通信協会
参考:統計情報|一般財団法人日本データ通信協会

関連記事:電気通信主任技術者の難易度は高い?受験資格やメリット、合格のコツ

電気通信主任技術者の免除科目

危険物を点検する様子

電気通信主任技術者の試験には科目免除の制度が設けられています。次のいずれかの場合、科目免除を受けられます。

  • 資格と実務経験
  • 科目合格
  • 学歴と実務経験

科目免除について見ていきましょう。

資格と実務経験

伝送交換主任技術者(旧第二種伝送交換主任技術者)または線路主任技術者の資格を持っていて、他の試験種別を受験する場合、電気通信システムの免除を受けられます

さらに、実務経験があれば他の科目免除も申請できます。

必要な実務経験年数は基本的に4年です。ただし、旧第二種伝送交換主任技術者が伝送交換主任技術者を目指す場合に限り、必要な実務経験は2年です。

科目合格

伝送交換主任技術者または線路主任技術者の試験では科目合格の制度が設けられています。

電気通信システム・伝送交換設備および設備管理・法規のいずれかの合格歴がある場合、次回は科目合格として対象科目の受験を免除できます。

科目免除の申請には期限が設けられていますので、注意しましょう。

学歴と実務経験

次の学歴に応じた事業用電気通信設備に関わる実務経験がある場合も科目免除を受けられます。また、免除される科目は電気通信システムもしくは設備です。

  • 大学または同等以上と認められる教育施設で電気通信工学に関する学科を修めて卒業した者
  • 短期大学もしくは高専、専門学校または同等以上と認められる教育施設で電気通信工学に関する学科を修めて卒業した者
  • 高校もしくは中学校、または同等以上と認められる教育施設を卒業した者

認定学校の単位を修得した人が学歴に応じた実務経験を積んだ場合も、電気通信システムの科目免除が受けられます。

詳細は「受験の手引き」で確認できます。科目免除を有効に活用できると、合格する可能性が高まるでしょう。

電気通信主任技術者の勉強方法

作業員が話し合う様子

電気通信主任技術者の勉強方法は主に3つです。

  • 過去問を使用する
  • 参考書やテキストを活用する
  • 通信講座を利用する

それぞれの勉強方法について解説します。

過去問を使用する

試験合格に向けて過去問の使用は有効な学習方法のひとつです。過去問を解くと、出題傾向や問題のパターンを把握できます。

特に、試験に頻出する分野や設問形式を理解できると、効率よく対策を進められるでしょう。また、解答を確認する際には、答え合わせをするだけでなく、間違った問題の分析が重要です。

過去問を繰り返し解くことにより、知識の定着と理解が深まるでしょう。

参考書やテキストを活用する

参考書やテキストの活用も有効な勉強方法のひとつです。試験範囲は広いため、過去問だけでなく、基礎的な知識を網羅する参考書やテキストでの学習が必要です。

専門的な内容を理解しやすく整理されており、試験で問われる理論や実務的な知識を身につけるための強力なツールとなります。

過去問は試験時点の法律やルールなどに基づいて作成されているため、最新の情報ではありません。したがって、過去問だけでは不十分なケースが一般的です。

また、イラストや図表を使った解説があるテキストは、視覚的に理解しやすく、複雑な技術や原理を整理できるでしょう。

通信講座を利用する

通信講座を利用する方法も有効な勉強方法のひとつです。独学が難しいと感じる場合や、学習計画を立てるのが苦手な人にとって、通信講座はおすすめです。

講座では、専門講師による指導が受けられ、効率的に学習を進められます。特に、自分のペースで学べる点は、時間に余裕がない社会人や、集中して短期間で合格を目指す方に適していると言えるでしょう。

また、最新の試験情報や模擬試験も提供されるため、実際の試験に備えた実践的な準備ができます。

電気通信主任技術者の仕事内容

作業員が腕を組む様子

電気通信主任技術者の仕事内容は資格によって異なります。電気通信主任技術者の資格は次の2つです。

  • 伝送交換主任技術者
  • 線路主任技術者

それぞれの資格ごとの仕事内容について解説します。

伝送交換主任技術者

伝送交換主任技術者は、主に情報伝送のルートを担う設備の監督を行います。

具体的には、電話交換機、ルーター、スイッチなどのネットワーク機器や、光ファイバーケーブルなどの伝送路が対象です。

線路主任技術者

線路主任技術者は、主に情報伝送の媒体となる設備の監督を行います。

具体的には、電話線、同軸ケーブル、光ファイバーケーブルなどの物理的なケーブルや、無線基地局などの設備が対象です。

参考:電気通信主任技術者とは|一般社団法人日本データ通信協会

電気通信主任技術者の将来性

電気通信主任技術者取得に向けて学習する様子

電気通信主任技術者の将来性は、次の2点が予想されています。

  • 需要が増えてくる
  • AIやロボットに代替できない

それぞれについて解説します。

需要が増えてくる

電気通信主任技術者の需要は、ますます増えてくるでしょう。デジタル化や通信技術の進化が進む中、5Gや光ファイバー通信の普及が加速しています。

また、IoT(モノのインターネット)技術の発展により、日常生活や産業界の多くの分野でより高度な通信インフラが必要です。

その結果、通信設備の設計や構築、保守管理を行う電気通信主任技術者の役割は一層重要になっており、技術者の需要はこれからも増えていくでしょう。

AIやロボットに代替できない

電気通信主任技術者はAIやロボットに代替できない職種とも言われています。昨今、AI技術が進化して、さまざまな業務が自動化されています。

一方で、電気通信主任技術者の仕事は、現場での実践的な判断力や高度な技術的知識が必要です。そのため、完全な自動化は難しいとされています。

通信設備に問題が発生した場合、技術者が状況を即座に分析し、適切な対策を講じる必要があるので、AIではまだ十分に代替できません。

電気通信主任技術者の免除に関するよくある質問

防災設備を点検する様子

電気通信主任技術者の免除に関するよくある質問は次のとおりです。

  • 電気通信主任技術者の全科目免除とは?
  • 電気通信主任技術者は役に立つ?
  • 電気通信主任技術者資格者証はどのくらいで届く?
  • 電気通信主任技術者の年収は?

それぞれの質問について解説します。

電気通信主任技術者の全科目免除とは?

電気通信主任技術者の試験は、3つの科目から構成されています。

全科目免除とは、科目試験をすべて免除され、実務経験などの要件を満たすだけで資格を取得できる制度です。

電気通信主任技術者は役に立つ?

電気通信主任技術者資格は、電気通信設備の設計、施工、保守管理などに携わる上で有用な資格です。

資格を取得すると、キャリアアップや年収アップなどにつながると言われています。

電気通信主任技術者資格者証はどのくらいで届く?

資格者証の交付は申請から1ヶ月程度の時間が必要です。

もし、1ヶ月以上経過しても資格者証が届かない場合は、申請書の提出先に連絡しましょう。

参考:関東総合通信局|電気通信主任技術者資格証及び工事担任者資格者証の手続きのご案内|総務省

電気通信主任技術者の年収は?

令和5年賃金構造基本統計調査の結果を踏まえたデータによると、電気通信主任技術者の平均年収は558.3万円です。ただし、企業規模・勤務地・経験年数・担当業務などによって大きく異なるでしょう。

一般的に、大企業や都市部勤務の場合、中小企業や地方勤務の場合よりも高収入が期待できます。また、専門性が高く、責任のあるポジションを担うほど、年収は高くなる傾向にあります。

参考:電気通信技術者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

科目免除を利用して計画的に電気通信主任技術者に合格しよう

工場

この記事では、電気通信主任技術者の科目免除や勉強方法などについて解説してきました。

電気通信主任技術者とは、企業や事業所で利用される電話やインターネットなどの通信設備の工事・維持・運用を監督する際に必要な国家資格です。

また、資格は伝送交換主任技術者と線路主任技術者の2種類あります。

電気通信主任技術者の試験では、要件を満たせば科目免除を受けられます。具体的には、次のいずれかを満たさなければなりません。

  • 資格と実務経験
  • 科目合格
  • 学歴と実務経験

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