2tトラックを初めて運転することが不安な方や久しぶりに運転するので運転方法を確認したいという方におすすめの記事です。
この記事を読めば、
- 2tトラックの運転で意識すべきこと
- 普通車との違い
- 故障・事故の対応
- バックの方法
がわかります。ではまずは運転時に気を付けることを見ていきましょう。
2tトラックを初めて運転する初心者が気をつけるべき6つの点
2tトラックと言ってもいろいろあります。まず最初に自分の持っている免許証で乗れる車の確認をしてみましょう。
現在普通運転免許証を取得したばかりの方が乗れる2tトラックは、最大積載量が2t未満であり、車両総重量が3.5t未満になっています。実際には2tトラックには乗れません。
最低2007年6月2日までに普通自動車運転免許証を取得したかもしくは、準中型普通自動車運転免許証を取得した方のみが乗れます。
車体の大きさ
一般的な2tトラックの大きさは
- 車両総重量5t未満
- 最大積載量が2tから2.9tまで
の小型のトラックです。
また、2tトラックの車両形状は、大きく分けると平ボデイ車とアルミの箱が荷台についたバンタイプとがあります。
(一部車両の大きさが同じ2tトラックでも冷蔵、冷凍車は車両総重量がオーバーするため準中型普通免許では乗れません)
これは運ぶ荷物によって分けられています。
バンタイプは、高さをよく認識していないとアルミの箱の角を建物や高架下でぶつけたりしますので運転には注意しましょう。
運転席が高い
2tトラックは、運転席が普通乗用車に比べて高いので前方の見晴らしはいいので運転しやすいです。
しかし、2tトラック運転席が前輪の上に位置するので車体の一番前方に乗り運転しているようになります。
乗用車では運転席は通常前輪より後ろにあり、またエンジンなどが前に置かれている為、前方のバンパーなどを意識しながら運転します。
2tトラックは、エンジンルームの上に自分が乗っている為自分より前には何もない状態での運転になるので少し運転にはコツが入ります。
荷崩れ
2tトラックの運行目的は、荷物を運ぶことです。そのため注意しながら運転しないと荷崩れや平ボデイの2tトラックでは荷物の落下事故などを起こしてしまいます。
運転のコツは、「急」の付く運転をしないことが一番です。
バンタイプであれ平ボデイであれロープやバンドといったもので荷物を固定します。固定がゆるくても荷崩れは起こします、荷物を固定するコツをつかみましょう。
初めて運転するときには、急ハンドルや急ブレーキなどが荒い運転が荷崩れの大きな原因になっています。このため運転する時は、速度やハンドル操作に十分に気を付けましょう。
横転
2tトラックのバンタイプは荷台にアルミの箱がついた状態のトラックなので、強風時には横風を受けて横転することもあります。
また、平ボディタイプでも重量物や嵩の高い荷物を積んで走るときも荷物の固定が甘いと積載物の横転で車両も横転するなどの事故も多く起こっています。
2tトラックを初めて運転するときは慎重なハンドルさばきが必要です。道路を曲がるときのハンドルさばきにはコツが入ります。
車両をできるだけまっすぐ交差点に進入しゆっくりと後輪を中心に回転する感覚を覚えるまで練習してみましょう。
道幅
2tトラックの車幅は、約1.7~2.1mほどです
ショートボディとワイドボディとで少し車幅に差があります。
初めて運転するときは、市街地でも少し大きさが気になるかもしれません。
その上ワイドボディの2.1mの車幅だと行き先の道路幅なども意識しておかないと曲がれないなどの弊害もあり危険を伴うこともあります。
普段から車幅を意識しながら運転し、狭い道路にも慣れていきましょう。
高さ制限
2tトラックに荷物を積んで走行する際には高さも意識しておきましょう。
特にアルミの箱バンタイプには注意しましょう。車両の高さが約3.1mあります。
高さを意識しておかないと街角の看板や低い高架下で接触事故を起こすこともあります。
初めて運転するときは車検証の車両の高さをよく確認してから運転してください。
2tトラックの運転は普通車とは違う理由と注意点
上記の写真を見てください。2tトラックは、乗用車とは全然違う形状だとわかります。
エンジンは、運転席の下に置かれています。そのため運転席が高い位置にあり、前輪の上に載っているような形状です。
ミラーも車体からかなり出ていますので気御付けないと左のサイドミラーをこすったり、当てたりする事故も多いです。
写真を見ると乗用車との違いがよく分かります。初めて運転するときは、左のミラーを注意してください。
トラックの死角について
2tトラックには、死角が乗用車よりも多く存在します。
真後ろは荷台があるためバックミラーでの確認ができません。
最近はリアモニターなどの装備がついている車両があるのでついている場合はモニターで死角は無くなります。
その他、左右の後方に死角が存在します。また左サイドミラーの真下なども死角になります。
交差点では、左助手席方向も死角になり見にくい為初めて2tトラックを運転する際には注意が必要です。
トラックの車幅間隔
2tトラックは、車体が乗用車より大きいため車両感覚が大切です。
2tトラックは、車幅も1.7mから2.1m、全長も4.7mから6.0mと乗用車に比べてかなり大きいです。
このため2tトラックの運転には慎重さが入ります。
しかし乗用車の大型セダンに比べるとボンネットがないために車幅間隔に慣れるのには長く時間はかからないと思います。
坂道発進
通常2tトラックの運転には1速のギアはあまり使いません。
坂道発進の際は荷台に荷物を積んでいて前進しにくいので1速ギアを使用ししっかりと走り出してからギアチェンジしましょう。
初めての運転のときは坂道発進は気を使いますが2tトラックの方が乗用車よりトルクがあるので慣れれば楽にこなせるようになります。
バック時の注意点
乗用車と違いバックミラーで見ながらのバックができません
サイドミラーのみしか後ろを確認する物がありません。(バックモニターがあるときはバックモニターも見ます)
そのため真後ろは、事前に確認する。
そのあとはサイドミラー右にバックする際は右側のサイドミラーで後方の障害物を確認し、左のサイドミラーも参考にしながらゆっくりとバックします。
初めて2tトラックを運転する際は、十分に練習をする必要があります。また、深視力がよくないとミラーで見ている障害物との距離感がつかみにくいことがあります。
初めて2tトラックを運転するときは深視力の検査も受けた方がよいです。
トンネルの高さ制限に注意
2tトラックの運転には、高さを十分に理解してから運転するように心がけてください。ついうっかり手前の標識や注意看板を見落としトンネルを通れないなんてこともあります。
Uターンしたり引き返すなど無駄な時間をなくすためにも2tトラックを運転するときには自分が運転するトラックの高さには十分周知しておいてください。
オーバーハングに注意
オーバーハングとは、前輪や後輪からはみ出したボディの部分の事です。
本来はオーバーハングの規定は、ホイルベースの2分の1以内と決められていましたが近年規制緩和などによりアルミバンなどの箱車及び車載専用車のみは3分の2まで認められています。
気を付けないといけないのはリアオーバーハングの事で後輪より後ろの車体が、対向車や後続車と接触することです。
しかし、ゆっくりとハンドルを切るか左にしっかり幅寄せすれば防げる事故が多いです。
初めて2tトラックの運転をする際にはゆっくりと交差点を曲がる、左端に寄せてから左折するなど基本的な運転を心掛けていればオーバーハングは、あまり気にする必要はありません。
内輪差に注意
初めての2tトラックの運転で一番気を付けなければいけないのは内輪差の事故です。
ホイルベースが長いために起こる内輪差は、2tトラックに限らずトラックや大型車でよく起きます。
後輪が内側に入ってくることで起こります。ホイルベースが長いほど内輪差が大きくなりこのような事故が発生します。
2tトラックを初めて運転するときは、内輪差を十分理解し練習してください。内輪を脱輪し大きな事故になる事もあります。十分内輪差を理解しましょう。
強風に注意
最近は、台風や突風でトラックや乗用車が転倒している映像をよく見かけると思います。
普段2tトラックなどの車体の大きいトラックに乗っていると台風など以外にもトンネルの出口や山間部で強風が突然吹い横滑りを起こすことがあります。
高速道路などでもできるだけ制限速度内で走行し強風による転倒、ハンドルが取られての接触事故などを起こさないように気を付けてください。
関連記事:トラック事故は多い?事故防止やあおりへの対処を事例とともに紹介
2tトラック故障時の対処法|2選
2tトラックの故障がなぜ起こるかですが、故障の症状を見逃さないことが大切です。
毎日の始業点検時をしっかりと行い走行中(配送中)に故障で仕事に支障が起こることが無いようにしましょう。
それでも故障が起きたときは、他の自動車の走行の妨げにならないように左端に止め早急に現在地を会社に連絡し台車の手配や修理の手配を行ってもらいましょう。
その際できるだけ詳しく故障の状況を伝えるように工夫してください。
一般道で故障した場合
一般道での故障時は、速やかに道路の左端により他の自動車の走行の妨げにならないように停車しましょう。
また、エンジンの故障が原因のときは煙などが出ていないか車両火災が起こらないように対処しましょう。その後会社に連絡しその後の対処方法の指示を受けましょう。
高速道路で故障した場合
高速道路での故障時は、急停車せずに速やかに減速し左側の路側帯や非常停車帯などに2tトラックを停車させましょう。
その後、後続車に気を付けながら車両を降り、発煙筒や停止表示板などで後続車に故障車の存在を知らせましょう。
追突の事故などに巻き込まれないように道路の外側などに避難して待機してください。
故障の際の連絡先は#9910にまず連絡し故障車の処理の手配をお願いしましょう。
その後会社などに連絡するようにしてください。絶対に故障車の中でレッカー車などを待たないでください。後続車との追突事故に巻き込まれる危険があり死亡事故も起こっています。
初めての2tトラック:事故を起こしたら119番しよう
万一交通事故を起こしてしまったときは、落ち着いて必ず警察に通報しましょう。
もし、けが人がいる場合は、119救急に連絡しましょう。その場合は、救急から警察にも通報が入りますから事故現場を離れずに待機しましょう。
その後に会社に連絡し現在地、事故の大きさ、事故車が走行可能かどうかなどを会社に連絡しましょう。必ず会社などよりも警察や救急に連絡を入れて支持を待ちましょう。
関連記事:大型トラックの運転テクニック向上のための7つのコツ(左折/右折)
初めての2tトラック:バックをするときはサイドミラーを見よう
2tトラックのバックは、乗用車とは違いバックミラーが使用できません。乗用車では、バックミラーや後ろを向きながらなどでバックできますが2tトラックは後ろが基本的には見えません。
サイドミラーのみを見ながらしかできません。曲がる方向のサイドミラーを見ながらゆっくりとバックします。
慣れれば全然怖くないのですが慣れるまでがなかなかできないかもしれません。
自分の乗用車で練習するか、会社の車庫などで練習するか2tトラックのバックに慣れるまで練習していくしかないです。
しかし、最近は事故防止の意味合いでバックモニター付きの車両も増えてきているのであまり神経質にならずに少し慣れるまで頑張ってみてください。
初めての2tトラック:サイズによって車両間隔が異なることを知ろう
2tトラックといってもサイズがかなり違います。
乗用車でも小型車と大型セダンとサイズが違うように2tトラックでは、車幅が1.7mから2.1mまであり全長がなんと4.9mから6.0mまであります
この違いは、「標準サイズ」車幅が広い「ワイドサイズ」全長も車幅も広い「ワイドロング」などで呼ばれています。
まずは、車幅ですが4㎝程度と思うかもしれませんが2tトラックの乗車位置から左サイドミラーまでの距離が4㎝違うとかなり大きさを感じます。また、全長に関しては1.1m違います。
こうなるともう次元の違う車としか感じるかもしれません。
内輪差、オーバーハングなど考えるとこの全長の差は、初めて運転する人には無理かもしれません。
車両感覚がかなり違うのでまずは、「標準サイズ」の2tトラックから始めるのが得策だと思います。
脱輪などの事故は、起こしてからでは取り返しがつきません。まずは、乗れる2tトラックを選んで乗ってみることです。
関連記事:4トントラックの運転のコツは?難しいポイントや練習方法を紹介
2tトラックを初めて運転するについてのまとめ
2tトラックは、乗用車と形状も運転に潜む危険も違いがあります。初めて運転するときは、車両感覚の違いでかなり違和感を感じると思います。
でも2tトラックの運転や車両感覚はなれていくしかないものです。
「標準サイズ」「ワイドサイズ」「ワイドロングサイズ」と慣れながら運転していくとうまくなれていけます。
運転席の高さ、ボディ形状、強風、内輪差、オーバーハングなどいろいろ乗用車との違いはあります。その上荷物を満載にした時とからの時とは運転する感覚が違います。
ブレーキのかけるタイミングではヒヤリとすることもあると思います。
これらは、すべて経験と慣れで解決できます。慎重な判断、集中した運転を心がければ解決できます。
普通自動車運転免許証、準中型普通自動車運転免許証を持っているのなら給料アップやスキルアップのために一度2tトラックの運転の仕事なども経験してみましょう。
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