大型トラックの方向転換はなぜ難しいのか、原因やコツを解説します。
また、大型免許の試験を受ける際の注意点も解説するので、大型免許を取得する予定がある方は参考にしてください。
大型トラックの方向転換はなぜ難しいのか?
大型トラックの方向転換の難易度は高いと言えるでしょう。しかしコツさえ覚えてしまえば難しくはありません。まずはトラックの仕組みについて説明します。
方向転換をする時に重要となるのがホイールベース(前輪の中心と後輪の中心を直線で結んだ距離)です。ホイールベースが長いほどハンドル操作が難しくなり方向転換には向いてません。
普通車のホイールベースは大きくて約3,5メートル、大型トラックは倍の約7メートルある事により大型トラックの方向転換が難しくなります。また普通車や中型トラックと比べると、ミラーや目視で確認出来ない場所(死角)が多いことも方向転換をする時に少なからず影響してくるでしょう。以上が大型トラックの方向転換が難しいと言われる理由です。
そこで今回は方向転換と目視について役に立つ情報を紹介します。大型免許に興味がある人や実技試験を控えている人はぜひ参考にして下さい。
大型トラックの方向転換における4つの注意事項
大型免許の試験を受ける時に特に注意しなければならない箇所について紹介します。
内輪差
右左折時に発生する前輪のタイヤと後輪のタイヤが違う場所を通る事を内輪差と言います。試験時には大型トラック1台分+αの場所で方向転換する事を求められるでしょう。試験前にハンドル操作を十分に行い内輪差の感覚をつかんだほうが良いと言えます。
ポールの接触
方向転換をする場所にはポールが立っています。大型トラックだとミラーや目視で見えない部分が多いので、うっかりぶつけて減点になることが考えられるでしょう。車両の大きさをミラーで把握出来れば防げるので、内輪差と併せて死角部分も意識して運転しましょう。
前輪の脱輪
大型トラックの試験では脱輪は1発で不合格になります。特に前輪は後輪と違って運転席に近いので意識が低くなるでしょう。
「バックで方向転換をしようとしたら前輪を脱輪してしまった」このようなケースは試験以外でも多いので方向転換の練習をする時に感覚を掴んでおきましょう。
後方感覚
大型免許の「後方感覚」では大型トラックでバックしていき、後方のポールとの距離50センチ以内に収めることができたら合格となります。
チャンスは2回あり、50センチより遠い場合は減点、接触すれば不合格となります。
この後方感覚を掴むためのコツとしては、自分なりの目印を見つけることです。
特に試験ではバックする場所が毎回同じなので「ここに来たタイミングでブレーキ」といった感じで覚えておくようにしましょう。
また、ポールと接触すると不合格となることから練習中であっても絶対にぶつけないようにする人がいますが、あえてぶつけてみてその感覚を掴むこともコツを掴む方法の一つです。
実際に仕事で運転するとなると、ぶつけて感覚を掴むといったことができないので教習所でいろいろと試して感覚を掴むようにしましょう。
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大型トラックで上手に方向転換をするコツ
大型トラックでも方向転換のコツが分かれば怖くありません。ハンドル操作や進入角度など大型トラックの方向転換に必要な知識を紹介します。
*教習所で使用される前1軸後2軸の大型トラックである事が前提となります。
軸タイヤを基準に
軸タイヤというのは後輪1軸目の中心です。後輪は2個タイヤが付いてますが、2個目は気にしません。右折したい時は後輪の運転席側、左折したい時は後輪の助手席側に気を付けましょう。
方向転換をすると内輪差により障害物との差が徐々に無くなります。しかし後輪の軸タイヤを過ぎてしまえば、それ以上どれだけハンドルを切ってもぶつかる事はありません。
スピードは関係ない
試験はスムーズな方向転換も必要に感じてしまいますが、合格基準は「安全性」です。ミラーや目視で障害物をしっかり確認出来ているかが大きなポイントとなるでしょう。
大型トラックが確実に止めれるスペースは十分ありますので、ゆっくりハンドル操作をして周りを良く見ながら方向転換しましょう。
向きを変えたい方向とは逆に寄せておく
大型トラックは内輪差の幅が広いので、方向転換したい方に寄り過ぎていると曲がれません。右に方向転換したい時は左に、左に方向転換したい時は右にトラックを寄せるようにしましょう。
また方向転換する時のスペースは広くありませんので、バック時に駐車位置を意識することがポイントになります。方向転換した向きとは逆側に車体を寄せて方向転換出来るスペースを確保しましょう。
左バックは後部の窓から目視
大型トラックでの左バックは死角が多いので、難易度が高いです。ポイントとしてはまず目視で確認することを最優先としましょう。ミラーで見えない場所は後部の窓から見えますので、確認してからハンドル操作をすれば安全にバック出来ます。
目印を自分で微調整する
方向転換をする時に教官がハンドル操作をする時に使う目印を教えてくれます。ただしこれは一般的な目安なので、微調整が必要になります。方向転換をする時は自分に合った目印を探しておくと試験を有利に進められます。
目印を自分で決める事が出来れば大型トラックの車両特性を掴めている証拠です。方向転換以外の運転技術も向上するでしょう。
大型トラックの方向転換についてよくある質問
他にも方向転換する時に知っておくと試験に役立つ事を紹介します。
方向転換は斜めになっていても大丈夫ですか?
方向転換の採点基準は、「大型トラックをぶつけないようにハンドル操作が出来ている」「障害物を確認している」「方向転換しやすいように大型トラックを停車している」などがポイントです。斜めになっていても方向転換出来れば良いので、無理してハンドルを真っすぐにするのはやめましょう。
バックの時に注意した方がいいことは?
大型トラックでバックをしていると死角が多いのでどうしても後方に目が行きます。
特に左バックをする時は後方に気を取られて、前輪を脱輪する事があります。方向転換する時に安全な場所はありませんので、全ての場所を細かく確認しましょう。
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大型トラックの方向転換についてのまとめ
大型トラックで方向転換するのは普通車に比べると難しいですが、コツを掴んでしまえばそれほど構える必要はありません。
試験までに大型トラックの内輪差を把握する
スピードや停車場所は方向転換の採点基準外である
方向転換時に左バックをする時は前輪の脱輪に注意する
方向転換さえ出来るようになれば大型トラックの免許取得に大きく近づきます。またタイヤ軸に関しても他の大型トラックとは違いますが、基本は前1軸後2軸なので運転する時には役立つでしょう。
ドライバー不足と言われる中で大型トラックの免許を持っていれば、仕事を選べるようになりますので試験に受かる為にも知識を蓄えておきましょう。
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