機械の監視・操作・保全に携わる製造オペレーターですが、その具体的な仕事内容はあまり知られていません。
工場の製造現場で作業をする仕事というイメージはあるものの、「現場の技能職とはなにが違うの?どんな機会を使用するの?」と感じる人も多いでしょう。
例えば、製造オペレーターは下記のような機械を使用します。
- プレス加工機
- ラッピング加工機
- 切断機
本記事では、製造オペレーターの仕事内容や使用する機械、給与相場、やりがい、必要な資格などについて解説します。
製造オペレーターの仕事に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
製造オペレーターとは
製造オペレーターとは、製造業の現場で機械の操作や監視を行う人です。
多くの工場には製品を加工するための設備が数多くあります。
それらを正しく操作して、効率よく製品を生産するのが主な役割です。
製造オペレーターの仕事内容
製造オペレーターの仕事内容は、大まかに分けると以下の3つです。
- 機械の監視
- 機械の操作
- 機械の保全
それぞれの内容を詳しく解説していきます。
機械の監視
製造オペレーターの仕事内容の1つ目は、機械の監視です。
製造オペレーターは、工場の機械が正しく動いているかを監視する仕事があります。
機械に異常が発生すると、適切な製品が作れず工場の生産ラインが機能しません。
そのため、工場の機械が正常に稼働しているかを常にチェックすることが求められています。
機械の操作
製造オペレーターの仕事内容の2つ目は、機械の操作です。
製造オペレーターが機械を正確に操作し制御することで、工場の生産活動は保たれています。
また、機械のトラブル発生時に対処するのも仕事の1つです。
機械の保全
製造オペレーターの仕事内容の3つ目は、機械の保全です。
機械のメンテナンスをしたり点検や整備を行ったりする機械の保全も、製造オペレーターの仕事です。
具体的には、機械の稼働前の点検や稼働修了後の清掃や洗浄が挙げられます。
製品の不良品を出さないためには、製造オペレーターによる機械の保全が欠かせません。
関連記事:製造オペレーターの仕事内容は?扱う機械の種類や魅力
製造オペレーターが使用する機械
製造オペレーターが使用する主な機械は以下の4つです。
- プレス加工機
- ラッピング加工機
- 切断機
- NC旋盤
- マシニングセンタ
ここではそれぞれの機械について1つずつ解説していきます。
プレス加工機
製造オペレーターが使用する機械の1つ目は、プレス加工機です。
プレス加工機とは、金属に圧力をかけて曲げたり引っ張ったりする「プレス加工」を行う機械のことです。
金属の大きさは製品によってさまざまで、細かい部品もあれば、かなり大きな板金を加工する場合もあります。
ラッピング加工機
製造オペレーターが使用する機械の2つ目は、ラッピング加工機です。
ラッピング加工機は、完成した製品を包装する機械です。
具体的には、コンビニのおにぎりなどの食品や雑誌などの印刷物を包装するために使われます。
食品を扱う現場では、異物が混入しないよう衛生管理が厳重に行われていることが一般的です。
切断機
製造オペレーターが使用する機械の3つ目は、切断機です。
切断機は、木材や鉄といった建材を切断するために使われる機械です。
製品によって切断機は使い分けられており、機械ごとに違う操作を覚えなくてはなりません。
切断機を使う現場は、粉塵や金属のくずが飛び散るため汚れることが多いです。
NC旋盤
製造オペレーターが使用する機械の4つ目は、NC旋盤(せんばん)です。
先に解説した機械は手作業での操作ですが、NC旋盤はこれらと系統が異なります。
「NC」は「数値制御」という意味の略語で、NC旋盤とは製品を加工する際にコンピュータープログラミングで制御を行う機械です。
主に細かい部品の製造に使用されるため、設定の微調整が必要なことが多く、デリケートな作業が必要になります。
マシニングセンタ
製造オペレーターが使用する機械の5つ目は、マシニングセンタです。
マシニングセンタとは、工具を自動で交換する装置を使って多種類の加工を連続して行える機械です。
マシニングセンタの主な機能は「ATC(自動工具交換装置)」です。
ATCの機能により1回の工程で複数の工具を使用できるため、作業員がその都度工具を交換する必要がなく、効率的な生産活動が行えます。
関連記事:製造オペレーターは楽なのか?機械の種類ごとの仕事内容や向き・不向き
製造オペレーターの給与相場
厚生労働省の調査によると、鉄鋼製造オペレーターに絞った場合、製造オペレーターの平均年収は502.3万円です。
年齢別の平均年収では、50~54歳の606.63万円が最も高くなっており、最も低い19歳以下は282.78万円となっています。しかし、製造オペレーターはスキルや経験を積めば昇給できる可能性が高い職業であるため、頑張り次第ではこの数字より多くの給料を稼ぐことも可能です。
出典:鉄鋼製造オペレーター|職業提供情報サイト(日本版o-net)jobtag
関連記事:【2024年度版】製造オペレーターの平均年収を一挙公開
関連記事:大卒で製造オペレーターはあり?リアルな年収事情、目指すメリット
製造オペレーターに向いている人とは
ここでは、製造オペレーターに向いている人の特徴を5つ解説します。
機械いじりが好き
製造オペレーターに向いている人の特徴の1つ目は、機械いじりが好きなことです。
製造オペレーターは工場の中で一日中機械と向き合う仕事です。
そのため、機械いじりが好きな人は向いている職業です。
機械の細かい調整の差で製品のクオリティが変わる場合もあり、機械への熱意があれば面白さを感じられるでしょう。
集中力がある
製造オペレーターに向いている人の特徴の2つ目は、集中力があることです。
製造オペレーターは、機械の監視や操作などの作業を毎日コツコツと行う仕事です。
そのため、集中力がある人に向いていると言えるでしょう。
単調な作業であっても、製品の不良を起こさないために集中して取り組むことが大切です。
体力に自信がある
製造オペレーターに向いている人の特徴の3つ目は、体力に自信があることです。
製造オペレーターは、立ちながらの機械操作やシフト制の不規則な勤務など、体力が求められる環境にあります。
働く上で健康を維持するにはある程度の体力が必要なため、体力に自信がある人は向いているでしょう。
1人で作業をするのが好き
製造オペレーターに向いている人の特徴の4つ目は、1人で作業をするのが好きであることです。
製造オペレーターは、周囲とコミュニケーションをとって協力するというよりは、個々で黙々と取り組むことが多い仕事です。
そのため、1人で作業をするのが好きな人に向いている仕事です。
責任感がある
製造オペレーターに向いている人の特徴の5つ目は、責任感があることです。
製造オペレーターが行う仕事は工場の生産活動に大きく影響するため、責任感がある人が向いています。
単調な作業でも1つのミスが大きなトラブルに繋がる場合があり、生半可な気持ちでは取り組めません。
そのため、工場の安全を支えるという意識で責任感を持って働ける人は適性があるでしょう。
関連記事:製造オペレーターに向いている人の特徴は?年収や将来性も解説
製造オペレーターのやりがいとは
ここでは、製造オペレーターのやりがいについて2つ解説します。
ものづくりに直接関われる
製造オペレーターのやりがいの1つ目は、ものづくりに直接関われることです。
ものづくりに直接関われることが、製造オペレーターのやりがいとして挙げられます。
製造オペレーターは、材料を加工して完成品になるところまでを間近で見られる仕事です。
ものづくりに直接関われることで、企業や社会に貢献しているという実感が得られるため、やりがいを感じやすい仕事と言えるでしょう。
自分の成長を実感しやすい
製造オペレーターのやりがいの2つ目は、自分の成長を実感しやすいことです。
製造オペレーターは一般的に毎日同じ内容の作業を行うため、自分の成長を実感しやすいこともやりがいの1つです。
「効率的に機械を操作できるようになった」「操作できる機械の種類が増えて多くの製品を加工できるようになった」といった、自分自身の成長が実感しやすい仕事と言えます。
関連記事:製造オペレーターはやめとけ?そうとも言えない意外な理由、転職事情
製造オペレーターに必要な能力や資格とは
未経験から製造オペレーターを目指す場合、どのようなスキルが必要か知っておくべきでしょう。
ここでは製造オペレーターに必要な能力や資格について解説します。
技術力
製造オペレーターに必要な能力の1つ目は、技術力です。
近年、工場は自動化やマニュアル化されていることが多く、製造オペレーターに技術力は必要ないというイメージを持たれがちです。
しかし、中には巧みな技術力が求められる仕事もあります。
技術や知識の向上のために努力を続けている製造オペレーターは、現場のみならず企業からも重宝されるでしょう。
安全監理能力
製造オペレーターに必要な能力の2つ目は、安全監理能力です。
工場の設備を扱う製造オペレーターは、少しの転倒が大怪我に繋がる可能性もあり、安全監理が重要な仕事のためです。
製造現場では安全に関する規則を設けていることが一般的で、それに従って働くことにはなりますが、自己の安全監理能力も求められています。
あると有利な資格
製造オペレーターを目指す上で、あると有利な資格は以下の3つです。
- フォークリフト資格
- 機械加工技能士
- 玉掛け免許
それぞれの資格について詳しく解説します。
フォークリフト
製造オペレーターに必要な資格の1つ目は、フォークリフトです。
この資格は、フォークリフトを運転するための国家資格です。
その中でも、荷物量1トン未満が運転できる「フォークリフト運転特別教育」と荷物量1トン以上が運転できる「フォークリフト運転技能講習」の2つに分けられています。
多くの製造現場で重宝されるため、持っていると有利な資格の1つです。
機械加工技能士
製造オペレーターに必要な資格の2つ目は、機械加工技能士です。
機械加工技能士は工作物の加工技術に関する国家資格です。
製造現場の特殊な工作機械は、特定の資格取得者のみ扱えるよう定められている企業もあり、重宝される資格と言えるでしょう。
玉掛け免許
製造オペレーターに必要な資格の3つ目は、玉掛け免許です。
玉掛け免許は、製造現場でクレーンを使用する際にフックに荷物をかけたり外したりする「玉掛け作業」の国家資格です。
重量がある製品を別の場所に運ぶ際は玉掛け作業を行いますが、必ず玉掛け免許が必要なため取得していると有利です。
正式には「玉掛け特別教育修了」と「玉掛け技能講習修了」という名称で、1トン未満は玉掛け特別教育修了、1トン以上は玉掛け技能講習修了と分けられています。
関連記事:製造オペレーターにおすすめの資格3選|役立つスキル、向いている人の特徴
製造オペレーターのキャリアプランとは
製造オペレーターのキャリアプランとは、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、製造オペレーターのキャリアプランについて2つ解説します。
管理職になる
製造オペレーターのキャリアプランの1つ目は、管理職になることです。
管理職は、全体をマネジメントして作業の効率化やコスト削減に取り組むことが求められる立場です。
部下や設備を管理して生産の最適化をはかる役割は、スケールが大きく充実感を得られるでしょう。
スペシャリストになる
製造オペレーターのキャリアプランの2つ目は、スペシャリストになることです。
スペシャリストは、より専門的な技術を持ったプレイヤーとして機械操作に携わるポジションです。
管理職よりも技術を極めたいタイプの人は、スペシャリストとして特定分野で活躍する選択肢があります。
関連記事:製造オペレーターの将来性が高い理由とは?スキルの強み、キャリアアップ
製造オペレーターについてのまとめ
今回は製造オペレーターとはどのような仕事なのかが知りたい人のために、仕事内容や給与相場について解説しました。
製造オペレーターは未経験でも活躍が期待できる仕事です。
機械いじりが好きな人やものづくりに直接関われることに魅力を感じる人は、大きなやりがいを持って働けるでしょう。
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