東京などのビルの上をふと見たとき、釣りのような形の機械を見たことがあるでしょうか?
そのようなクレーンを操作して、荷物や資材を吊り上げて、安全に目標の位置まで運ぶ職業をクレーンオペレーターと言います。
今回はそんなクレーンオペレーターについて
・仕事内容は?きつい?
・どんな資格が必要?
・給料はどのくらい?
について解説していきます。
クレーンオペレーターについて興味がある方必見です!
きついと言われているクレーンオペレーターの仕事内容
きついと言われているクレーンオペレーターの仕事内容について、以下より解説します。
クレーンを使用して荷物や資材を吊り上げる
端的にいえばクレーンオペレーターとはクレーンの運転を生業としている方のことです。
そもそもクレーンとはどういうものなのかご存知でしょうか。
物を持ち上げたり、運搬したり為の装置や機械がそれに当たります。
イメージし易いのは、街中の工事でもよく見かけるタワークレーンでしょうか。
地面に置いてある鉄骨や資材をタワーの上まで運んでいます。
運搬物を高低差のある位置へ運ぶ
先の例のタワークレーンは高層ビルを建設する上で必須の設備です。
地面にあるもの重たい鉄骨を人力であげるのは無理とは言いませんが、沢山の人員が必要ですし、かなりきつい作業になるでしょう。
それがクレーンがあれば、クレーンオペレーター1名と、下で段取りする人員と上で受け取る人員で作業が可能になります。
その他、工場や港など様々な場面で状況に応じた色々なクレーンがあります。
たとえば、街中を見回してみても、大きなクレーンブームをつけたトラックが走っているのを一度は見たことあるのではないでしょうか。
また、運転席の後ろから伸びる小さなクレーンが付いた車などは比較的よく見ますよね。こちらはユニック車といいます。
工場などでは門型の天井クレーンがついています。
電車の整備車庫などを見学にいったことのある人などは見たことがあるのではないでしょうか。
低い位置にあるものを持ち上げて、高い場所へ移動したり、逆に高い位置の物を低い位置へ降ろしたりすることがクレーンの役割です。
その様々な場面で扱う荷物や場所が違えど、各クレーンを運転するクレーンオペレーター達がそれぞれの場所で活躍しています。
きついと言われるクレーンオペレーターの一日
仕事内容を解説しましたので、次に具体的なクレーンオペレーターの一日について流れを説明していきます。
【クレーンオペレーターの一日例】
5時15分~起床後に朝食を食べて仕事の準備などを行う。天気なども関係するためテレビでチェックする。
6時~会社に向けて出勤。現場が早く駐車スペースなどがある場合はラフターを近くにとめておいてそのまま現場に向かう場合もあります。ラフターの場合、細かい抜け道などは使えないため混雑しそうな日は早めに出る必要があります。
7時~現場に到着しゲートが開くまで待機しガードマンの誘導で決められた場所へ駐車する。
8時~ミーティング・朝礼に参加して全体の仕事の流れや注意事項などを把握した後にラジオ体操に参加する。
8時30分~クレーンの作業準備を行います。鉄筋屋さんの指示を聞いたり話し合って決められた場所にクレーンを駐車して鉄筋を吊って移動させていきます。高い場所など見えにくい場所は誘導や無線を使い操作します。
10時~休憩
10時15分~作業再開して操作をしていく
12時~お昼休憩を1時間とる。近くにコンビニなどがない場合、車が無いため事前に昼食は準備しておく必要があります。
13時~作業を再開する。ちょっとした油断が大事故につながるため昼食後などは特に集中して作業を進めます。
15時~職長ミーティングで作業の進行具合を確認し、明日の作業予定などを話し合う。
16時~他の作業を手伝うことは無いので、鉄筋などが上に上がりきった後は指示を待ちます。
16時30分~ブームを縮めてフックなどを格納し、クレーンを格納します。
17時~作業の終了を現場監督へ報告しその日の仕事が終了します。
17時30分~ガードマンの指示を受けながら現場を出ます。クレーンは車両サイズが大きいため、作業以外でも運転には高度な技術と集中が必要です。
あくまでも一例ですがこのような流れで仕事をこなしていきます。
関連記事:フォークリフトの仕事はきつい?作業内容や特徴を詳しく解説!
きついと言われるクレーンオペレーターの年収相場:約450〜550万円
例えば、「クレーンオペレーター 求人」で検索してみてください。
だいたいその職務内容や所有資格によって、違いはあるかと思いますが
大体年収で450~550万程度です。
ただし、建設現場の求人などはその工程受注に大きく左右されるので月毎の月収に大きく幅が出てしまう場合もあります。
また、深夜の工場への機械搬出入など、通常稼働時間外での勤務になることもあります。
時間に振り回されることが多いため、きついと感じる人もいるかと思います。
給与面が充実している分、きつい仕事であることはご理解いただけるかと思います。
機械の操作になるので、長時間の拘束や時間帯的な肉体的にきつい部分もあります。また、現場の出来不出来を背負っているという精神的にきつい部分、さらに自分の操作ミスや不注意が大惨事を招くこともありプレッシャーもあります。こうした面をきついということはできるでしょう。
しかしながら、クレーンオペレーターは有資格者でなければならないという職制から重宝される為、きつい仕事ではありますが給与は足回りの現場作業員より高くなる傾向があります。
また会社によっては資格による手当が付くところもあります。大きな重機を動かす仕事ですので、責任も重大です。そうした仕事にやりがいを見出すことができる人には天職になり得るでしょう。
きついと言われるクレーンオペレーターの求人例
実際に過去に募集されていたクレーンオペレーターの求人をいくつか紹介します。
【重機オペレーター】
雇用形態:正社員
仕事内容:ユンボやクレーンなどの重機の運転や操作、メーカーで使用される原材料の仕分けと配送
勤務時間:7:00~15:00、19:00~翌7:00
休日:月6日、夏期、年末年始、GW休暇あり
応募条件:学歴不問、業界未経験者歓迎
給与:18万6000円~30万円
手当:住宅手当(月4万円)、入社準備制度(10万円)通勤手当、乗務手当、残業手当等
【大型・移動式クレーンオペレーター】
雇用形態:正社員(試用期間3ヶ月)
仕事内容:愛知県内の地場メインの作業
勤務時間:7:00~16:00、8:00~17:00
休日:日曜、夏期、年末年始、GW休暇あり
応募条件:未経験可、要普通免許
給与:月給25万円~40万円
手当:交通費、残業手当、家族手当、住宅手当等
【移動式クレーンオペレーター】
雇用形態:正社員
仕事内容:各現場での重量物の移動や河川の補修、橋をかけるなど
勤務時間:8:00~17:00
休日:週休二日制、年末年始、お盆休み(年間休日94日)
応募条件:移動式クレーン運転士、大型特殊自動車免許必須
給与:月給279,700~427,800円
手当:通勤手当、残業代、休日手当
きついと言われるクレーンオペレーターの給料はクレーンの種類で変わる
クレーンは1tくらいしか上げる能力のないものから500t上げる能力のあるものまで、設備やその大きさによって様々です。
許容重量が大きくなればなるほど、操作も難しく気を配らなければならないことが沢山増えます。
扱うクレーンや貨物の重量が大きくなればなるほど、操作ミスへの許容範囲が狭くなります。
僅かな気の緩み、余所見、操作ミスが大惨事を引き起こし、最悪の場合人の命を奪う事故になってしまう可能性さえあります。
なので、基本的には大きなクレーンを動かして仕事をしている方が責任が重くなる分、給料は高くなる傾向があります。
先に一般的な検索でいけば、年収450-550万くらいだと
記載しましたが、港に設置してあるガントリークレーンのクレーンオペレーターなどは年収600万に手が届くくらいになります。
ただし、下積みも長く、それこそ船が着岸すれば朝も昼も夜も関係ないので、かなりきつい職場ではあります。
しかし工事受注案件と違い、各船会社が全世界でのスケジューリングを行っているコンテナ船が一年を通じて定期的に巡航している為、収入の安定性はあります。
関連記事:重機オペレーターはきつい?必要な資格、仕事内容を徹底解説!
きついと言われるクレーンオペレーターのキャリアに関して
きついと言われるクレーンオペレーターのキャリアに関して、それぞれ解説します。
初心者のキャリアアップ
クレーンオペレーターとして仕事に従事するには、クレーンの周りで作業を行う内容を全て把握しておかなければなりません。
まず、初心者はクレーンの足回りで実作業に従事し、作業の流れを覚えなければなりません。
その上で、危険予知能力を磨く必要があります。
なぜならクレーンを使う現場は例外なく危険な場所だからです。
また、きつい作業環境であることにも慣れなければなりません。
- 炎天下での作業が続くのできつい
- 凍える風にさらされるのできつい
- 深夜の作業で眠くてきつい
- 同じ作業の繰り返しが単一できつい
- 臨機応変に対応しなければならない場面がかなり多くきつい
- 現場監督の口調がきつい
- 現場作業員の風当たりがきつい
- 職場の環境がきつい
- 高所での作業がきつい
- 急な便意に対応しづらいのできつい
- そもそもクレーンオペレーターとして従事できるまでが長くきつい
- 注意を配る所が常に多過ぎてきつい
- 工期が決まっているのできつい
- ゆっくり安全に作業しているだけではダメなのできつい
- 効率と安全性の両立がきつい
これはきつい部分の一例ですが、こういったきつい環境にも体を適応させなければ、クレーンオペレーターとしての仕事は続かないでしょう。
ちなみに少し補足しますと、全員が全員とは言いませんが、現場作業員の口調や風当たりがきついのは現場が危険な場所で命に係わることだということに起因しています。
そういった場面でやさしい物言いは無意味で、単純明快な言葉で即座に伝える必要がある為、きつい物言いになるのです。
悪意がある人はあまりいません。
その証拠に現場を離れると、人当たりのよく、気のいいおっちゃんに早変わりします(笑)
話は少しそれましたが、更にそれと並行して、クレーン免許取得に向けた勉強を進めておくと以後スムーズにいくことでしょう。
中級者のキャリアアップ
クレーン免許を無事取得し、足回りの仕事を覚え、危険予知能力にも磨きがかかってきたころクレーンオペレーターとして第一歩を踏み出すことでしょう。
先輩に横乗りしながら、実際の操作や作業に慣れていく必要があります。
そこで、足回り作業員時代には気づかなかった、クレーンオペレーターならではの危険な部分や気を配る部分が沢山でてくることでしょう。
ここで私の経験談から申しますと先輩からの指導がまたきついです。
何がきついかというと、クレーンには荷を振れさせないようにしたり、安全に荷役するための秘密の技術が沢山あります。
これらにマニュアルなんてものはありません。
この場面ではこういう操作が有効だとか、そういったことを盗まないといけません。
それがまたきついんです。
勿論聞けばよっぽどでない限り教えてくれるはずです。
ただし、正直素人目線だと簡単に作業しているように見えるはずです。
どこまでが基本動作で、どこに応用技術が入っているのか。
それが分かるようになるまでがきついきつい道のりなのです。
独学だけではいくらセンスがあっても成り上がれないのがこの業界です。
そうやってきつい場面を乗り越え、技術を身につけていくのです。
また、それらを足回り作業員へと還元することで初めて一人前のクレーンオペレーターへと近づいていきます。
また、クレーンオペレーターはクレーンオペレーターとして従事できた時がゴールではありません。
そこが高みを目指すクレーンオペレーターとしてのスタートであることを自覚してください。
きつい道のり、終わりなき技術向上への旅ではありますが、第1歩を踏み出して下さい。
そして、クレーンオペレーターとして実際に従事することにより、手当などが会社から支給され、給与的にも充実することかと思います。
関連記事:ユニック車やクレーンの運転に必須な資格・免許は?どちらを取得するべき?
きついと言われるクレーンオペレーター:腕を磨くと信頼される
先にも述べたように、クレーンオペレーターは一生涯、その任についている限り成長しつづけなければなりません。
より速く
より正確に
より安全に
より効率的に
目指すべき高みは青天井です。
ほぼ例外なく、信頼されるクレーンオペレーターは腕のあるクレーンオペレーターです。
いくら人が良くても、腕の無いクレーンオペレーターは皆から敬遠されます。
信頼なきクレーンオペレーターの回す現場は色々な意味で通常のきつい部分が増し増しです。
皆から信頼されるということは会社からも信頼されています。
どうせ目指すならば、皆から信頼されるクレーンオペレーターを目指しましょう。
関連記事:クレーン運転手の仕事内容と年収とは?なるにはどんな資格がいる?
きついと言われるクレーンオペレーターによくある質問
クレーンオペレーターは操作する車両が特殊であり、身近な職種ではないため転職を考えている場合など疑問に思うことなどがあるのではないでしょうか。
クレーンオペレーターに対する、よくある疑問について説明していきます。
クレーンオペレータに力仕事は必要ですか?
建設関係の現場と言えば力仕事のイメージを多くの人が想像します。
クレーンオペレーターも中にはそのような作業があるのでは、と思うかもしれませんが力仕事はほとんどありません。
仕事中はクレーンの操作を行うのみで、操作も立ちっぱなしということはなく座ってボタンなどの操作をします。
鉄筋などの移動が終わった後に関してもその後の作業を手伝ったりということもないので、体力に自身がない人でも問題ありません。
クレーンオペレーターに関する資格は更新が必要ですか?
クレーンオペレーターになるためには『移動式クレーン運転士免許』が必要となりますが、この免許には有効期限が無いため更新する必要はありません。
移動式クレーン運転士免許は現場での作業において操作の仕方や安全に対する知識を証明するためのものなので、公道の運転には別で自動車運転免許が必要です。
自動車運転免許はクレーンサイズによって変わるのですが、基本的に大型免許となり定期的な更新が必要となります。
クレーンオペレーターは年齢を重ねていくときついですか?
力仕事がほとんどないクレーンオペレーターですが、人が運べないような大きなものや重いものを運搬するため、ちょっとした油断が大事故に繋がります。
そのため、運搬における操作や確認では間違いが許されず高い集中力が必要です。
体力とは別にメンタル面など歳をとるときついのでは、と考えるかもしれませんが、経験を積んでいくことでオペレーターとして成長できるため問題ありません。
50代など20年、30年続けている人も多くいます。
車両も進化を続けており、買い替えたりしたときには操作方法などを覚える必要がありますが、大きく変化することはほとんどありません。
クレーンオペレーターは女性でもなれますか?
建設関係の現場となると女性が働いている姿などほとんど見かけません。
いたとしても書類の仕事などが多く、大工や職人の仕事をしている人はほぼいない状況です。
クレーンオペレーターの場合は、女性でも活躍することが十分に可能です。
また、女性ならではの細かい視点や丁寧さがあるので、逆に向いているといったこともあるようです。
周りが男性ばかりでコミュニケーションを少し取りにくいと感じるかもしれませんが、作業などにおいて女性だからできないというようなものはありません。
クレーンオペレーターの操作環境は過酷ですか?
建設現場は屋外がほとんどであり、屋内に関しても完成していないため電源はなく、もちろんクーラーはありません。
そのため夏は暑く、冬はとても寒い中で作業をしなければなりません。
クレーンオペレーターの場合でも、屋外での作業なので直射日光がきつかったり、体を動かさないから寒いのでは、と考えるかもしれませんがそんなことはありません。
最近のオペレーター室は空調があり冷暖房完備となっているため、季節関係なくある程度快適に作業を行うことが可能です。
関連記事:建設機械オペレーターの仕事内容と年収とは?なるにはどんな資格がいる?
クレーンオペレーターに夜勤はありますか?
建築現場では高所での作業があったり、機械の操作で大きな音がするため近隣への迷惑などもあって夜間の作業は基本的にありません。
そのためクレーンオペレーターでも基本的に夜間の作業は無いのですが、中には夜間の工事でクレーンが必要になることがあります。
夜間での作業は視界が悪く、近くの電線や障害物なども認識しずらいため特に危険となります。
そのため、はじめのうちから夜間での作業となることはないのですが、慣れてくると夜の作業を任されるということはあります。
関連記事:ユニック車の吊り上げ荷重は?専門用語、2t/4t/10tサイズ別に徹底解説
きついと言われるクレーンオペレーターに関するまとめ
クレーンオペレーターは俗にいう楽に稼げる仕事ではありません。
控えめに言っても、きつい仕事です。
職場の環境もきつく、現場作業員の人当たりもきつい。
ただし、頑張れば稼げる仕事です。
国家資格なので、取得すればどの企業でも通用する資格です。
クレーンオペレーターとしてひと花咲かせることが出来るかどうかはあなたの努力次第。
その現場がうまく回るか次第はクレーンオペレーターの腕に掛かっています。
今の環境を見ても、クレーンオペレーターが世の中に飽和している状況ではありません。
希望するならば、その任につくことは可能な職業でキャリアアップもできると思います。
ただし、クレーンオペレーターとして従事したその時から、努力を怠ることのできないきつい仕事、その現場で働く全員の命を預かるきつい仕事、社会的責任の重いきつい仕事だということは理解しておいてくださいね。
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