軽貨物ドライバーとして活動したいけど、収入について不安や疑問を感じている方もいますよね。実際は、稼いでいる方も稼げていない方も両方いるでしょう。
本記事では、軽貨物ドライバーの手取り収入と業界事業に関してわかりやすく解説します。効果的な収入アップの方法や業界事業についても解説していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事のまとめ
・軽貨物ドライバーは業務委託が多い
・月100万円稼ぐドライバーもいる
・稼げるかどうかは委託料や手数料による
軽貨物ドライバー:配達件数を増やせば月100万円も目指せる
軽貨物ドライバーは状況にもよりますが、やり方次第では月100万円以上稼げる仕事です。しかし、流れに任せて仕事をしているだけでは簡単に稼げません。
軽貨物ドライバーの仕事は、軽車両で運べる荷物を指定された場所まで配達する仕事になります。大型トラックドライバーと比べて移動距離が短く、配達するエリアも限られているのが特徴です。
荷物の内容は個人・企業向けに「食料品・日用品・衣料品・工業用部品」などを届けています。軽貨物ドライバーの仕事は、荷物を届ける相手が個人か企業によって、配達ルートや再配達の有無に違いがあります。
個人宅に届ける場合は、配達日によって届け先が違うため、配達ルートは毎日異なるでしょう。一方、企業に荷物を届ける場合、基本的に毎回ルートが決まっていることがほとんどです。
また、再配達の有無に関しても、企業であれば営業中に従業員がいるため、受取人不在の状況にはなりません。
しかし、個人宅に届ける場合だと、自宅に居るとは限らないので、再配達の手間が発生します。同じ軽貨物ドライバーでも、個人と企業に配達するのでは状況が大きく異なることを理解しておきましょう。
軽貨物ドライバー:1日の流れ
軽貨物ドライバーの1日の流れは、大まかにわけると「荷物の積み込み・荷物の個数とルートの確認・荷物の配達」の3ステップになります。1日のスケジュールの事例をまとめてみたので、参考にしてください。
時間帯 |
仕事内容 |
6:00〜7:00 |
・出社する |
7:00〜8:00 |
・配送ルートと荷物の個数を確認する |
8:00〜9:00 |
・車両に荷物を積み込む |
9:00〜12:00 |
・荷物を配送する |
12:00〜13:00 |
・お昼休憩 |
13:00〜14:00 |
・発送後、一旦配送センターに戻る |
14:00〜15:00 |
・2回目の積み込みをおこなう |
15:00〜18:00 |
・配送する |
18:00〜19:00 |
・配送センターに戻り、必要があれば再配達する(なければ退社) |
軽貨物ドライバー:業務委託は仕事量によって収入が大きく変わる
軽貨物ドライバーは、運送会社に雇用された社員ではなく「業務委託」という形で配送を請け負うのが一般的です。
実際、2021年度に国土交通省がおこなった調査によると、軽貨物運送事業者は10年で3割以上増加しており、事業者数は20万9,250業者※1)にのぼります。なお、同省の見立てでは大半が個人事業主です。
また、業務委託ドライバーの収入は固定の額ではありません。稼げるかどうかは、どれだけの仕事量をこなしたかによって変わります。
配達する件数が増えれば増えるほど収入は多くなり、逆に件数が少なければ収入は減ります。軽貨物ドライバーの給料は良くも悪くも、自分次第と言えるでしょう。
※1)参考:自動車関係統計|国土交通省
軽貨物ドライバー:契約時は少しでも有利な条件にする
業務委託を受ける軽貨物ドライバーにとって重要なのは、できるだけ有利な条件で運送会社と契約を結ぶことです。軽貨物ドライバーが運送会社から受け取るのは、給料ではなく委託料になります。
委託料から運送会社の定める手数料を差し引いた額が軽貨物ドライバーの取り分となります。とはいえ、振り込まれた金額がそのまま手に入るわけではありません。
先述のとおり軽貨物ドライバーは個人事業主になるため、業務に用いる車両も自前であり当然ガソリン代もかかります。つまり、軽貨物ドライバーの手取り収入は「委託料-(手数料+諸経費)」という式で表せます。
軽貨物ドライバーとして働いて満足な手取り額を受け取るには、高い委託料で仕事を請けて所得を低く抑えるのが大切です。
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軽貨物ドライバーの手取り収入は約20〜28万円が相場
軽貨物ドライバーの手取り収入が、実際どのくらいなのかを見ていきましょう。
軽貨物ドライバー1日の売上:平均1〜1.4万円程
契約する運送会社や配送するエリアによって変動はありますが、軽貨物ドライバーの1日の売上は平均1万円〜1.4万円程と言われています軽貨物ドライバーの平均的な収入をまとめると、以下のようになります。
収入の種類 |
金額 |
1日の平均売上 |
・1万~1.4万円程 |
月の平均売上(月25日稼働を想定) |
・約25万〜約35万円程 |
手数料(20%相場) |
・約5万〜約7万円程 |
月の手取り(平均) |
・約20万〜28万円程(諸経費を引いた後の目安) |
平均年収(専属契約の場合) |
・約400万円前後 |
ただし、フリーランスの軽貨物ドライバーの場合は、案件を多数こなす方もそうでない方も含まれるため、平均はあくまで目安にしかなりません。
配送件数を多くこなすドライバーであれば、年収400万円を大きく上回る方もいるでしょう。
軽貨物ドライバー:個人事業主の場合(月収・年収)が変動しやすい
軽貨物ドライバーの収入は、配達件数に大きく左右されます。宅配需要が増加傾向にあるとはいえ、都市部と地方とでは案件数に差があるのが現状です。
さらに言えば、月ごとの案件数が安定しているわけでもなく、繁忙期や人手不足などで配送件数の多い月もあれば、逆に少ない月もあります。
サラリーマンのように毎月一定額を得られることは軽貨物ドライバーではありません。とはいえ、収入が不安定ということは、自分次第でサラリーマン時代より収入を大きく上げられる裏返しにもなります。
年収という括りでは平均400万円と言われていますが、実際の収入に関しては自分次第であると覚えておきましょう。
どれくらい働けば手取り30万円になるのか
ひとり暮らしで生計を立てるとすると、月の手取りが30万円あるかどうかをボーダーラインにする方も多いのではないでしょうか。
仮に軽貨物ドライバーとして手取り月30万円を得るためには、以下のようなスケジュールが必要です。
月の稼働日数 |
・22日 |
1日の売上(100個配達) |
・2万円 |
月の売上 |
・44万円 |
仲介手数料(20%) |
・8.8万円 |
経費 |
・4〜5万円 |
手取り |
・約30万円 |
効率よく配送をおこなうことができれば、月30万円は決して難しい目標ではないでしょう。
月収100万も不可能ではない
マンションや集合住宅の多い都市部の軽貨物ドライバーであれば、案件を多数こなして月収100万円以上を稼ぐことも決して不可能ではありません。
月に25日稼働すると考えると、1日あたり4万円を稼げば月収100万円に到達する計算です。配送単価が200円なら、1日に200件の配達をおこなうことで4万円になります。表でまとめてみると、以下のとおりです。
月の稼働日数 |
・25日 |
1日の目標売上 |
・4万円 |
配送単価 |
・200円 |
1日の配達件数 |
・200件 |
月の総配達件数 |
・5,000件 |
1日の平均配達件数 |
・100件 |
もっとも、1日200件配達というのはかなり大変ですし、繁忙期でなければそこまで多くの仕事が回ってこないです。事実として、軽貨物ドライバーの1日あたりの配達件数は平均100件程度であると言われています。
軽貨物ドライバーが月収100万円を得ることは不可能ではないものの、継続的に月収100万円を維持するのはかなりハードルが高いことを理解しておきましょう。
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軽貨物ドライバーの経費や税金事情
軽貨物ドライバーは、売り上げ金額がそのまま自分の手取り収入となるわけではありません。
さまざまな経費や保険料、税金の支払いがあります。まず経費に関してですが、車を使って配送をおこなうため、車に関する経費が発生します。
経費の内訳としては「車の購入・レンタル費用・ガソリン代・車検料・固定資産税・駐車場代」などがあります。他にも必要に応じてオイルやタイヤ、バッテリー交換などの費用も発生します。
上記の経費は、確定申告の際に売り上げから差し引くことが可能です。確定申告の際に領収書が必要になるので、大切に保管しておきましょう。
その他の出費に関しては、車にかかる保険料や自分自身の健康保険、所得税など多くの支払いがあります。
個人事業主として軽貨物ドライバーの仕事をする場合は、経費や税金がどの程度かかるのか把握した上で取り組むようにしましょう。
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軽貨物ドライバーになる4つのメリット
軽貨物ドライバーになる上でのメリットは、以下のように複数あります。
・職歴や学歴は関係ない |
詳しく解説します。
職歴や学歴は関係ない
軽貨物ドライバーに限らず、ドライバー職の採用では職歴や学歴は重視されません。重要なのは確かな運転技術を持っていることや丁寧に荷物の扱いができ、基本的なコミュニケーションが取れれば問題ないことです。
軽貨物ドライバーの仕事はいわゆる頭脳労働ではないため、学歴によって足切りされることも少ないです。
就職や転職の際、学歴に不安があって著名な企業に応募できないという方も多いですが、軽貨物ドライバーには関係ありません。積極的に企業へ求人応募してみてください。
ルールを守れば働き方は自由
これまで解説してきたとおり、軽貨物ドライバーは運送会社に雇用されているわけではなく、個人事業主として業務委託契約で配送をおこなっているパターンが大半です。
業務委託契約は、会社の就業規則に縛られずに仕事ができることを意味します。もちろん業務をする上での基本的なルールを守る必要はありますが、正社員として働くよりも自由度は高いと言えます。
サラリーマンが性に合わないという方は、軽貨物ドライバーを検討してみてもよいのではないでしょうか。
人間関係の悩みがなくなる
職場内の人間関係に悩まされる心配がないのも、軽貨物ドライバーのメリットです。職場でおこなうことは、荷物を積み込んで伝票の受け渡しをするだけなので、職場で他人との接触機会はほとんどありません。
配送がメイン業務になるので、当然職場にいる時間より、運転している時間のほうが長くなります。
職場で必要最低限のやり取りで済ませたのち、早々と配送に向かえるのは、軽貨物ドライバーの大きなメリットのひとつになるでしょう。
女性やシニアでもチャレンジしやすい
軽貨物ドライバーが扱うのは、衣類や食料品、日用雑貨など小型の荷物がほとんどです。
したがって、積み込みや配達の際に力を求められることはあまりなく、肉体労働でありながら女性やシニア世代でも働きやすい環境になります。
「腕力に自信がない・できる範囲で働きたい」と考えている方にとって、軽貨物ドライバーはおすすめの仕事と言えます。
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軽貨物ドライバーになる2つデメリット
反対に、軽貨物ドライバーの仕事に関するデメリットも確認してみましょう。軽貨物ドライバーになる上でのデメリットは、以下の2点になります。
・安定した収入や働き方は望めない |
それぞれ解説していきます。
安定した収入や働き方は望めない
個人事業主である以上当然のことですが、軽貨物ドライバーは出勤さえしていれば給料をもらえるような職種ではありません。売上を立てるためには、自分で運送会社に営業をかけて仕事を獲得する必要があります。
また、無事に仕事が取れたとしても、充分な利益を出すためには多くの配送数が必要です。安定した収入を優先したいという場合には、軽貨物ドライバーは向いていないと言えます。
体力的にきつい面がある
軽貨物ドライバーは腕力をさほど要求されないのは事実ですが、一方で体力は必要不可欠になります。件数を回って多くの荷物を処理しなければ、満足な収入を得られません。
夏場の暑い中や冬の寒い時期の配送では、体力を消耗し、配達をおこなう地域が都市部であればマンションにある階段の上り下りも発生するでしょう。
腕力は特別必要ないものの、体力的には多少きつい仕事であることを理解した上で挑戦してみてはいかがでしょうか。
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軽貨物ドライバーとして働く際の注意点
軽貨物ドライバーとして働く上での注意点をいくつか紹介します。
いざ現場に出て「思っていた感じと違うな......」とならないように、しっかりチェックしてみてください。
荷主によっては単価が変わる場合がある
軽貨物ドライバーが収入を増やすためには、できるだけ高い委託料で契約することが大切です。
しかし、ゼロから仕事をスタートする場合や経験が浅い場合だと、提示された単価が適正なのか判断することは難しいでしょう。上記の場合、複数の運送会社の単価を比較するのをオススメします。
会社ごとの単価を比べることで、どの会社を選ぶべきかハッキリし、相場を学ぶことにも繋がります。評判だけで選ぶのではなく、自分の目で条件を比較して決めることが大切です。
総支給からいくら天引きされるか把握しておく必要がある
収入を増やすためのポイントのひとつに「手数料を低く抑える」という条件があります。委託料が高くても、引かれる手数料が高くては意味がありません。
手数料の相場は委託料の15〜20%ですから、範囲に収まっているかどうかは契約を結ぶ際にしっかりとチェックしておきましょう。
配属エリアはいつもと同じか確認する必要がある
軽貨物ドライバーの働きやすい条件のひとつとして、配属されるエリアにまつわる問題があります。
軽貨物ドライバーは、大型トラックや中型トラックのように長距離の移動をすることはほとんどありません。原則的として担当エリア内での配達がメインになります。
では、何が問題かと言うと、いつも同じエリアに配属されるのか、それとも日ごとに別のエリアに配属されるのか状況に応じて変わると、再度ルートを覚える必要があり大変になります。
いつも同じエリアに配属されるのであれば、ルートを覚えるのも比較的簡単です。しかし、毎日違うエリアで仕事するとなると、毎回ルートを覚える必要があるため、精神的な疲れに繋がる可能性があります。
配属されるエリアはどこか把握しておく
配属されるエリアに関しては、どういった地域に配属されるのかも大きなポイントです。
人口の多い都市部であればマンションやアパートが建ち並んでいるため、荷物の量も比例して多くなるのが想定されます。稼げる反面きつい業務になるでしょう。
一方、地方では高層マンションは少なく、戸建の家同士の距離も比較的離れている傾向にあります。したがって荷物の量も少なくなるので、仕事として楽な反面、収入面では稼ぎにくいでしょう。
勤務時間は何時から何時までか確認しておく
軽貨物ドライバーは運送会社の社員ではなく「請負業務」であるため、労働時間に制約がかかりません。とはいえ、非常識な時間に配達するわけにはいかないため、早朝や深夜の勤務になることは基本ないでしょう。
なお、こうした長時間労働は、企業向けよりも家庭向けの配達で発生する可能性が高くなるようです。
稼ぎたい方なら家庭向けを選ぶのもありですが、ワークライフバランスを意識したい方は、企業向けの配達をおこなっている会社から委託を受けるとよいでしょう。
運送会社によって休日は異なる
何曜日が休日になるかは、運送会社によって異なります。どのような会社と委託契約を結ぶかで休みの予定も左右されるため、自分の生活スタイルと相談して取引先を選んでみてください。
駐車代金に気をつける
軽貨物ドライバーは、自前の車両を用意しなければなりません。そのため、車を停めておく駐車場が必要になります。
軽貨物ドライバーとして開業する際、事業所(これは自宅で構いません)から2km以内に駐車場がなければ、事業許可を取りつけられません。そのため、基本的に自分で駐車場を契約することになります。
しかし、近くに駐車場がなく仕方ない理由で駐車場を契約できない場合もあるでしょう。そのような場合には運送会社と交渉し、車両を置かせてもらう工夫が必要です。
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関連記事:【徹底解説】軽貨物輸送のための車両の種類と特徴、選び方
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軽貨物ドライバーがやってはいけないこと|3選
軽貨物ドライバーが注意すべきやってはいけないことは、3つあります。
・非効率なルートの設定 |
1日の配送件数を増やすことで収入を増やそうとすると、効率的なルート設定が必要になります。適切なルート設定を怠ると、積み降ろしや待機時間が増えてしまい、結果として収入が減少してしまいます。
また、案件の獲得に関しても 荷物の重量や大きさ、配送距離などによって、単価は異なります。高単価の案件を獲得しないと、収入が低くなるため自分を安売りしすぎないように注意してみてください。
軽貨物ドライバーを仕事にする場合、ガソリン代や保険料などは、しっかりと経費とし落として税金対策にも備えておき、手取り収入を減らさないようにしておきましょう。
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まとめ:軽貨物ドライバーは頑張るだけ収入が増える魅力的な仕事
軽貨物ドライバーの働き方やメリット・デメリット、手取りはどうなのか注意点を交えながら解説してきました。
軽貨物ドライバーは一般的に業務委託契約であり、頑張った分だけ収入が増えるので、精力的に働いて稼ぎたい方にとっては魅力的な選択肢と言えます。
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