施工管理

2級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

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2級建築施工管理技士の記事に関するアイキャッチ

建築現場で働いている人の中には、資格を取得して昇格を目指す人もいるでしょう。

実際、2級建築施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者として請負金額4,000万円未満の現場を担当できるようになります。2級建築施工管理技士の試験は、第一次と第二次の2回に分かれています。

合格率は第一次・第二次ともに30%から50%程度です。そのため、努力次第で資格取得が可能です。

この記事では、2級建築施工管理技士の受験資格と試験内容について解説します。また、合格率や難易度についても詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。

1級建築施工管理技士と2級建築施工管理技士の違い

建築施工管理技士をイメージした画像

建築施工管理技士は、現場全体の統括や品質管理・安全管理・工期管理などのプロジェクトの全体を見渡す業務を担当できる資格です。

建築施工管理技士の資格は2級と1級の2種類あります。2級建築施工管理技士の資格があれば、主任技術者として請負金額4,000万円未満の現場を担当できます

一方、1級施工管理技士は2級の対象範囲に加え、請負金額の規模に関係なく特定建設業の営業所の監理技術者として各現場に配置可能です

施工管理技士の資格取得により、給与アップやキャリアアップがしやすくなったり、幅広い現場で活躍できたりするメリットがあります。施工管理技士の資格を取得するには、試験に合格しなければなりません。

参考:技術者制度の概要|国土交通省
参考:施工管理技術検定|一般財団法人建設業振興基金

関連記事:建築施工管理技士の受験資格とは?試験の難易度や合格のコツも併せて紹介!
関連記事:人気が高い1級建築施工管理技士とはどんな資格?受験資格や試験内容、難易度から勉強方法まで紹介!

2級建築施工管理技士の受験資格

遠くを見つめる作業員の様子

2級建築施工管理技士の受験資格は、一次検定と二次検定で異なります。

  • 第一次検定のみを受験する場合
  • 第二次検定のみを受験する場合

2つのパターンに分かれた受験資格について解説します。

第一次検定のみを受験する場合

2級建築施工管理技士の第一次検定を受験するにあたって、満たさなければならない要件は、「当該年度末時点で17歳以上」です。他に、学歴や実務経験などの要件は設けられていません

したがって、これから建築施工管理技士のキャリアを積みたい人でも受験できます。

第二次検定のみを受験する場合

2級建築施工管理技士の第二次検定は、第一次検定とは異なり誰でも受験できる試験ではありません。第二次検定を受験するには、実務経験を積まなければなりません。

また、令和6年度からは新受験資格が導入されています。しかし、経過措置期間として令和10年度までは旧受験資格を満たした上で、第二次検定に臨むこともできます。

新受験資格は次のとおりです。

実務経験
2級建築施工管理技士の第一次検定合格後、実務経験3年以上(ただし、建設機械種目は2年以上)
1級建築施工管理技士の第一次検定合格後、実務経験1年以上
1級建築士試験合格後、実務経験1年以上

このように、新受験資格では、指定された検定に合格した後の実務経験が求められています。

一方、旧受験資格は次のとおりです。

学歴実務経験
大学(指定学科)卒業後、実務経験1年以上
大学(指定学科以外)卒業後、実務経験1年6か月以上
短大・高専(指定学科)卒業後、実務経験2年以上
短大・高専(指定学科以外)卒業後、実務経験3年以上
高校(指定学科)卒業後、実務経験3年以上
高校(指定学科以外)卒業後、実務経験4年6か月以上
上記以外実務経験8年以上

これまでは、学歴に応じた実務経験が求められてきました。

したがって、新旧の受験資格を踏まえると、2級建築施工管理技士の取得難易度は以前より易しくなっていると言えるでしょう。

受験資格が緩和されている背景には、施工管理技士の高齢化や人材不足があると言われています。

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省
参考:令和6年度2級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金

関連記事:建築工事全体を束ねる建築施工管理技士とは?仕事内容や資格の取得方法などを紹介!

2級建築施工管理技士の実務経験に基づく受験資格

危険物を点検する様子

2級建築施工管理技士の資格を取得するには、第一次検定と第二次検定の両方に合格しなければなりません。そのため、一定の実務経験を積む必要があります。

ただし、実務経験が無くても取得できる資格もあります。

  • 実務経験無しで得られる資格
  • 実務経験が必要な条件

2つの視点から見ていきましょう。

実務経験無しで得られる資格

令和3年度から実務経験が無くても取得できる資格が新設されました。施工管理技士補と呼ばれる資格は、第一次検定に合格するだけで取得できます

したがって、第二次検定を受験するにあたって必要な実務経験が無くても取得可能です。

施工管理技士補としてキャリアを積み、2級建築施工管理技士を取得するケースも増えてくるでしょう。

実務経験が必要な条件

2級建築施工管理技士の資格を取得するには、実務経験が不可欠です。新受験資格の場合、第二次検定を受験するにあたって必要な実務経験は次のいずれかです。

実務経験
2級建築施工管理技士の第一次検定合格後、実務経験3年以上(ただし、建設機械種目は2年以上)
1級建築施工管理技士の第一次検定合格後、実務経験1年以上
1級建築士試験合格後、実務経験1年以上

したがって、2級建築施工管理技士を取得するには、少なくとも1年以上の実務経験が求められています。

参考:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省
参考:令和6年度2級 建築施工管理技術検定のご案内||一般財団法人建設業振興基金

関連記事:建築工事全体を束ねる建築施工管理技士とは?仕事内容や資格の取得方法などを紹介!
関連記事:建築施工管理技士の受験資格とは?試験の難易度や合格のコツも併せて紹介!

2級建築施工管理技士の申込方法

確認作業をこなす様子

2級建築施工管理技士の試験を申し込む方法は2つあります。ただし、令和6年の前期試験では、インターネット申込のみ受け付けていました。

  • 書面申込
  • インターネット申込

それぞれの方法について解説します。

書面申込

2級建築施工管理技士の申込方法のひとつが書面申込です。

書面申込の場合、まずは一般財団法人建設業振興基金のホームページ内にある「2級 建築施工管理技術検定 願書請求」のページから願書を請求しなければなりません。

他にも、窓口や郵送で願書を手に入れることも可能です。

願書を提出するにあたって、次の4点も準備しなければなりません。

  • 証明写真
  • 住民票
  • 実務経験証明書 ※第二次検定を受験する場合
  • 受験料払込証明書

必要な資料を準備できたら、申込受付期間内に願書を提出しましょう。

インターネット申込

2級建築施工管理技士のもうひとつの申込方法がインターネット申込です。

インターネット申込の場合、まずは一般財団法人建設業振興基金のホームページ内にある「2級 建築施工管理技術検定インターネット申込」にアクセスしましょう。

インターネットから受験申込をするにあたって、必要な資料は次の2点です。

  • 証明写真
  • 住民票

また、証明写真はJPEG形式のファイルを準備しなければなりません。さらに、縦531ピクセル×横413ピクセルのサイズに加工する必要があります。

その後は、画面の手順に従って必要事項を入力、決済をしましょう。

対応手順の詳細は、一般財団法人建設業振興基金のホームページ内にある「インターネット申込の流れ」で確認できます。

参考:建設業振興基金 施工管理技術検定 受検申込書請求|一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部
参考:インターネット申込の流れ|一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部

2級建築施工管理技士の試験日|2024年

施工管理技士が仕事をこなす様子

2024年の2級建築施工管理技士の試験は、前期日程と後期日程の年2回です。

  • 前期日程
  • 後期日程

それぞれの日程におけるスケジュールを紹介します。

前期日程

前期日程の概要は次のとおりです。

検定日6月9日(日)
受検申請区分第一次検定に限定
申請受付期間ネット申請:2月9日(金)から3月8日(金)まで
合格発表7月10日(水)

このように、検定を受けるには、3~4か月前に申請しなければなりません。申請が間に合わなかった場合は受験できないので注意しましょう。

後期日程

後期日程の概要は次のとおりです。

検定日11月24日(日)
受検申請区分第一次検定/第一次・第二次同時/第二次検定
申請受付期間ネット申請:6月26日(水)から7月24日(水)まで書面申請:7月10日(水)から7月24日(水)まで
合格発表第一次検定:1月10日(金)/第二次検定:2月7日(金)

このように、申請方法によって受付期間が異なります。受付期間の長さだけでなく、手間や労力を踏まえても、ネットでの申請がおすすめです。

参考:令和6年度2級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部

2級建築施工管理技士の過去問を用いた効果的な学習方法

施工管理技士取得に向けて学習する様子

2級建築施工管理技士の試験に合格するには、過去問を活用した学習が効果的です。ただし、過去問を解くだけでは十分ではなく、効率的かつ効果的な学習法を取り入れる必要があります。

2級建築施工管理技士の試験は、法規や施工管理、構造など多岐にわたる分野から出題されます。

過去問を用いた学習にあたってのポイントは次のとおりです。

  • 試験範囲と出題形式を把握し、自分の得意分野と不得意分野を明確にする
  • 試験時間などは本番に合わせて過去問を解く
  • 過去問を解いた後は、必ず解説を読み込む
  • 過去問は、最新の情報や改訂された内容が反映されていない可能性を認識しておく

過去問は試験に合格するにあたって、有効なツールです。活用する際のポイントを押さえて、効率よく効果的に学習を進めましょう。

参考:令和6年度2級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部
参考:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省

2級建築施工管理技士の試験傾向と合格のポイント

工場設備について作業員が話し合う様子

2級建築施工管理技士の試験は、第一次検定と第二次検定の2つに分かれています。

第一次検定の傾向

第一次検定では、建築施工に関する幅広い知識が問われます。具体的に、検定科目は建築学等・施工管理法・法規の3種類です。

基本的な知識だけでなく、近年の法改正や技術的なトレンドに関する問題も出題される場合もあり、日々の業務での知識更新が重要です。

また、解答方法はマークシート方式が採用されています。

第二次検定の傾向

第二次検定では、施工管理法・躯体施工管理法・仕上施工管理法の問題が出題されます。解答方法は一部マークシート方式もありますが、基本的には記述式です。

過去の施工現場での経験を振り返り、的確に表現できるかが合否に直結するでしょう。

試験の難易度

2級建築施工管理技術検定に合格するには、第一次検定と第二次検定の両方で60%点以上の得点が必要です。

しかし、試験の難易度や受験者の全体の成績など、さまざまな状況によって合格ラインが変動する可能性があるようです。

合格ラインに左右されることのないよう、確実に60%以上の成績を残せるように、計画的に学習しておきましょう。

合格率

2級建築施工管理技士の合格率は例年、第一次・第二次ともに30%から50%程度で推移するケースが一般的です。そのため、3人に1人、多くて2人に1人は合格できます。

令和5年度における2級建築施工管理技士の合格率は次のとおりです。

受験者数合格者数合格率
第一次検定40,763人18,537人45.4%
第二次検定21,859人6,999人32.0%

2級建築施工管理技士の難易度は決して易しいとは言えません。しかし、資格を取得した後は、施工管理技士として重宝され年収アップに影響する可能性が十分にあります。

したがって、2級建築施工管理技士の資格は、時間をかけてでも取得する価値はあるでしょう。

参考:令和6年度2級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金
参考:技術検定の受検者数、合格者数の推移|国土交通省

関連記事:建築施工管理技士の受験資格とは?試験の難易度や合格のコツも併せて紹介!

2級建築施工管理技士の合格発表のタイミングと確認方法

合格発表について調べる様子

2級建築施工管理技士の合格発表は、試験実施後、一般財団法人建設業振興基金のホームページ内で確認できます。

合格発表日は試験日程とともに公表されており、試験の種類(第一次・第二次)や実施回によって異なります。

試験実施から1か月後以降に発表されるケースが一般的です。

令和6年度の試験に関するスケジュールは次のとおりです。

試験日合格発表日
前期(第一次のみ)6月9日(日)7月10日(水)
後期11月24日(日)第一次:1月10日(金)第二次:2月7日(金)

また、合格発表は、合格者の受検番号を掲載する形式で行われます。そのため、合否を確認するには、受検番号が必要です。受検番号は、受験票に記載されていますので、忘れずに保管しておきましょう。

合格発表日になると、一般財団法人建設業振興基金のホームページにアクセスし、受験地を選択すると、合否を確認できます。

参考:令和6年度2級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金

2級建築施工管理技士に関するよくある質問

設備を点検する様子

2級建築施工管理技士に関するよくある質問は次のとおりです。

  • 2級建築施工管理技士になるには何年必要?
  • 2級建築施工管理技士は誰でも取れる資格?
  • 2級建築施工管理技士の資格取得に必要な勉強時間は?
  • 2級建築施工管理技士の将来性は?

それぞれの質問について解説します。

2級建築施工管理技士になるには何年必要?

2級建築施工管理技士になるために必要な期間は、過去のキャリアによって異なります。

極めて短期間で取得するステップの場合でも、約5年は必要です。具体的には、次のとおりです。

  • 第一次検定に一発合格:1年
  • 3年の実務経験:3年
  • 第二次検定に一発合格:1年

したがって、施工管理技士としてのキャリアビジョンは長期的な視点で捉えておくとよいでしょう。

2級建築施工管理技士は誰でも取れる資格?

2級建築施工管理技士は誰でも受験できるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。具体的には、少なくとも1年以上の実務経験が必要です。

一方で、施工管理技士補の資格は第一次検定に合格すると取得できます。したがって、実務経験が無くても17歳以上であれば、誰でも取得できる可能性があります。

ただし、第二次検定の受験資格を満たすために必要な実務経験は、以前と比較して緩和されました。そのため、誰でも取得できる可能性は高まりつつあります。

2級建築施工管理技士の資格取得に必要な勉強時間は?

2級建築施工管理技士の資格取得に必要な勉強時間は、個々の知識や経験によって異なりますが、一般的には300時間から500時間程度が目安と言われています。

また、試験範囲は広く、法規や施工技術、安全管理など、多岐にわたるため、計画的な学習が必要です。過去問題の反復や、実務経験を活かした学習方法を取り入れて、効率的な勉強を意識しましょう。

2級建築施工管理技士の将来性は?

2級建築施工管理技士の資格は建築業界で重宝されており、将来性のある資格と言われています。

具体的には、2級建築施工管理技士の資格があれば、主任技術者として請負金額4,000万円未満の現場を担当できます。

建設業界は全体的に担い手不足のため、施工管理の専門知識を持つ人材の需要も高く、2級建築施工管理技士の資格はキャリアアップや転職の際にも有利に働くでしょう。

関連記事:建築施工管理技士の転職理由11選。オススメの転職先とは?

2級建築施工管理技士の資格取得のためにしっかりと対策しよう

施工管理技士として働く人

この記事では、2級建築施工管理技士の受験資格と試験内容、合格率、難易度について解説してきました。

2級建築施工管理技士の資格があれば、主任技術者として請負金額4,000万円未満の現場を担当できます。

令和6年度から採用されている受験資格は次のとおりです。

実務経験
2級建築施工管理技士の第一次検定合格後、実務経験3年以上(ただし、建設機械種目は2年以上)
1級建築施工管理技士の第一次検定合格後、実務経験1年以上
1級建築士試験合格後、実務経験1年以上

合格率は第一次・第二次ともに30%から50%程度で推移しており、努力次第では取得できるでしょう。

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