設備管理は、建物や施設内の機械設備や電気設備、空調システム、給排水設備など、建物に設置されている設備の運転・保守・管理を行う仕事です。
設備管理の仕事は、建物が存在する限り仕事に困らないうえに、仕事とプライベートの両立がしやすいなどのメリットがあります。
設備管理の仕事に向いている人の特徴として、以下が挙げられます。
- 向上心がある
- 人と関わるのが好き
- 細かな配慮ができる
本記事では、設備管理に向いている人の特徴や、目指すうえで知っておきたい仕事内容や1日の流れ、おすすめの資格などを解説します。
設備管理に向いている人の特徴
まずは、設備管理に向いている人の特徴を8つ紹介します。
向上心がある
設備管理の仕事に向いている人の特徴として、向上心があることが挙げられます。
設備管理の現場では、常に新しい設備やシステムが導入されるため、日常的に最新の情報を取り入れることが求められます。
向上心があれば、新しい技術や知識を積極的に学び、自身のスキルを高める努力に抵抗がないため、効率的かつ効果的に設備管理の業務を遂行できるでしょう。
人と関わるのが好き
1人で黙々と点検していくイメージのある設備管理ですが、仕事では複数人のチームで作業することが多いため、人と関わるのが好きな人が向いています。
これは設備管理のほぼすべての業務に当てはまることで、メンテナンスなどはもちろん、日々の業務においても2人以上で行うことがほとんどです。
そのため、一緒に働く人たちや建物を所有しているオーナーや管理人などと関わることに抵抗がない人が望ましいです。
設備管理の仕事が未経験でも、わからないことを積極的に聞きに行ける人材は、設備管理の仕事の適性があると言えます。
細かな配慮ができる
設備管理の仕事は、時に細心の注意を払う必要があるため、細かな配慮が役に立つ部分が多いです。
もちろん、設備管理の仕事に置いて異常が発生しないことが最も理想的な状態ですが、原因不明の故障や機械トラブルが発生することも珍しくありません。
細やかな配慮ができる人の場合、些細なことでもすぐに疑問に思って周りに相談するなど、トラブルを未然に防げます。
「細かいことに気が付く」と言われたことある人は、設備管理を行う上でもプラスになるのです。
素直である
設備管理を行うにあたって、素直であることも重要な要素です。
なぜなら、設備管理の仕事では教えられたことを忠実に行うことが重要になるからです。
時には自分の意見を持つことも大切かもしれませんが、言われたことを守らずに業務を行った場合、大きなトラブルを引き起こす可能性が出てきます。
そのため、上司の教えをきちんと守れる素直な性格の人を、企業側も求めていることが多いのです。
潔癖ではない
設備管理の仕事では、機械や装置のメンテナンス、修理、点検作業などの作業でしばしば汚れた環境や油汚れ、ほこり、錆びた部品などに触れる機会が多々あります。
そのため、常に清潔さを保つことが難しく、多少の汚れは許容する必要があります。
したがって、潔癖ではない人は、そのような環境でも冷静に作業を続けることができるため、業務に適応しやすいでしょう。
ワークライフバランスを重視する
設備管理に向いている人の特徴としては、ワークライフバランスを重視することも挙げられます。
設備管理の仕事は、労働時間がきっちり決まっていて、仕事とプライベートの時間をうまく両立させやすいと言われています。
そのため、ワークライフバランスを重視し、趣味や家族との時間を充実させたい人にはピッタリです。
手先が器用
設備管理の仕事では、機械や装置の細かい部品を扱うことが多く、正確で繊細な作業が求められます。
そのため、手先が器用であれば、これらの業務をスムーズに行えます。
例えば、小さなネジの取り付けや複雑な配線の処理などは細かい手作業が多いため、手先の器用さは大きな強みです。
また、手先の器用さは作業のスピードにも影響し、迅速かつ正確に作業を進められます。
ルーティンワークが好き
設備管理の仕事は、定期的な点検やメンテナンス作業が多く、その多くが決まった手順に従って行われます。
そして、ルーティンワークが好きな人は、こうした定型的な作業を楽しんで取り組むことができるため、設備管理の仕事に向いているでしょう。
また、ルーティンワークを着実に遂行することで、設備の状態を常に把握しやすくなり、異常が発生した際にも迅速に対応できるようになります。
関連記事:設備管理とは?仕事内容や施設管理との違い、役立つ資格
設備管理に向いている人が押さえておくべき情報
ここからは、設備管理の仕事に転職を考えている人のための、抑えておくべき情報を紹介していきます。
設備管理の仕事内容
設備管理の仕事は、主に建物や工場で使われている機械や設備を動かすために点検・メンテナンスなどを行うことです。
機械がちゃんと動くかどうかを毎日点検し、もし壊れてしまったら速やかに修理したり、日常に支障が出ないように対応したりします。
また、機械が動き続けるために定期的にメンテナンスを行い、設備についての理解を深めたり、新しいシステムにアップロードすることも必要です。
設備管理の1日の流れ
設備管理の1日の流れは、設備管理を行う場所によって異なる場合があります。
【日勤】9:00~18:00(実働時間8時間・休憩1時間)の例 |
出社:朝礼後に当日のスケジュールを確認する午前:各種設備の点検や、連絡があればその箇所の点検・修理昼休憩午後:各種設備の点検や打ち合わせ、オーナーに提出する資料を作成退勤 |
【夜勤】17:00~9:00(休憩・仮眠含む)の例 |
出社:作業工程の確認後に夕食を取る宿直:夜間の設備機器の巡回点検を行い、仮眠を取る夜中:仮眠中に設備機器の異常が検知された場合、復旧作業にあたる起床:朝の設備機器の巡回点検を行い、警備員と夜間に発生したことについて確認する。朝礼:昨夜の業務報告と引継ぎを行う退勤 |
このように、設備管理の仕事の流れは、日勤と夜勤で大きく異なります。
設備管理の大変さ
仕事とプライベートの両立がしやすいなどのメリットがある一方で、設備管理を行うにあたって以下の大変な部分があります。
責任が重い
設備管理の仕事では、建物や機械が安全に使えるように維持することが重要です。
もし設備に問題があれば、大きな事故や他人を巻き込むトラブルにつながることもあります。
そのため、設備管理の仕事には大きな責任が伴い、常に注意を払う必要があります。
継続的なインプットが必要
設備管理の仕事では、新しい技術や方法を常に学び続けることが求められます。
なぜなら、設備に使われている機械やシステムは常にアップデートされていくからです。
古い考えやマニュアルのままだと、新しい機会や技術に対応できなくなるケースが多々あるため、設備管理の仕事では継続的なインプットが必要です。
定期的な研修や勉強会に参加して最新の知識を取り入れるなど、状況の変化に順応していく能力が求められるでしょう。
設備管理のやりがい
設備管理の大変さを知った一方で、設備管理には以下のようなやりがいも感じられます。
仕事の意義を実感しやすい
設備管理の仕事は、建物や機械が問題なく動いていることを確認する役割です。
そのため、自分の仕事が多くの人の安全や快適さにつながっていることを感じやすいです。
毎日の仕事が、多くの人の役に立っていると実感できることで、仕事の意義を実感できます。
成長を実感しやすい
設備管理の仕事では、日々新しい知識や技術を学ぶ必要がある大変な仕事かもしれません。
しかし、一方で新しいことを学び、それを実際の仕事に活かすことで、自分自身の成長を感じられます。
経験を積むほどにスキルが向上するだけでなく、自信もつくため、自身の成長を実感しやすい仕事です。
関連記事:設備管理がきつい?激務と言われる理由や目指すメリット、応募人の注意点
設備管理に向いている人におすすめの資格
設備管理を仕事に考えている人は、以下の仕事を取得しておくとより有利になります。
電気工事士
電気工事士は、建物や設備の電気配線や電気機器に関する専門家です。
この資格を取得すると、電気設備や配線に関する専門知識と技術が身につくだけでなく、現場で起きた電気トラブルに対処できます。
設備管理の仕事は機械のメンテナンスだけでなく、電気回路なども扱う可能性があるため、この資格を持っておくと仕事のしやすさが変わってきます。
電気主任技術者
電気主任技術者は、電気設備の安全管理を担当する専門家です
電気主任技術者の資格を持つことで、法的に必要とされる立場で電気設備の保安監督を行えるため、企業や施設内での責任あるポジションに就けます。
これにより、設備管理を行う上でのキャリアアップや安定した収入が期待できます。
ボイラー技士
ボイラー技士は、ボイラーと呼ばれる温水や蒸気を生み出す装置を操作・管理する専門家です。
ボイラーはさまざまなビルや病院などに設置されているため、ボイラー技士の活躍の場は多いです。
この資格を持っていることで、設備管理における業務の中でボイラー室に関する業務にも携われるため、業務を行う上で重要なポジションを任されることが増えます。
危険物取扱者
危険物取扱者は、特定の業務において危険物を扱う際に必要な資格です。
設備管理は基本的には管理する設備に問題がなければ、毎日繰り返しの業務になりがちですが、機械の故障や緊急事態に直面する場合もあります。
危険物取扱者の資格を持っていることで、そういった緊急時の対応をスムーズに行うことができるでしょう。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、建築物や施設の運営管理において、環境衛生や安全衛生管理に関する専門知識を持つ資格です。
ビル管理士の資格を持つことで、建物の長寿命化や快適な居住環境の提供、そして災害時の迅速な対応などが可能です。
そのため、設備管理を行う上でもトラブルが発生する前に異変に気付いて対応したり、事前に対策ができたりします。
冷凍機械責任者
冷凍機械責任者は、冷凍設備や冷凍機械の運転や保守管理を担当する専門資格を持つ人です。
設備管理を行う中で、冷凍機械を扱う際にこの資格が重宝されます。
冷凍機械に関するこの資格は、合格率が低いことから所有している人が少ないため、冷凍機械がある施設での業務の強みになります。
消防設備士
消防設備士とは、火災から建物や人々を守るために必要な消防設備を設置、点検、整備する専門技術者です。
建物の安全を守るために欠かせない消防設備の知識と技術を身につけることができるので、火災対策の設備を設置したり、点検したりする際に大いに役立ちます。
設備管理の仕事で求められる総合的な安全管理能力を高められるため、キャリアの幅が広がり、より多くの職場で活躍できるようになります。
設備管理に向いている人についてのまとめ
今回は、設備管理に向いている人について解説しました。
設備管理に向いている人は、技術的な知識と実務経験を活かし、安全性や効率性を追求する姿勢を持っています。
問題解決能力や責任感があり、継続的な学びを通じて専門性を深められます。
設備管理に向いていると思っている人は、ぜひ設備管理を目指してください。
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