建設・工事

設備管理とは?仕事内容や施設管理との違い、役立つ資格

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現場作業員の人

「設備管理」と聞いて、具体的な業務範囲のイメージができる方は少ないのではないでしょうか。

設備管理の仕事は、名前に「設備」と入ってはいますが、設備を整備・保全するだけではありません。

本記事では、設備管理の成り立ちや主に活躍する職場、よくある質問を解説します。

設備管理に役立つ資格や向いている人も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

設備管理とは

作業員が話し合う様子

まず、設備管理について、以下の3つに分けてお伝えします。

  • 設備管理の存在意義
  • 設備管理の成り立ち
  • 設備管理の業務範囲

一つずつ、順番に解説していきます。

設備管理の存在意義

設備管理の仕事内容は、施設や建物内の各種設備の運転・点検・保守・修理を行うことです。

具体的には、電気設備、空調設備、給排水設備、ボイラーなどの維持管理を担当し、設備が正常に機能するように定期的な点検やメンテナンスを実施します。

設備管理が正しく行われなかった場合、ロスが大量発生したり、リスクが増加する可能性があります。

そのため設備管理は、現場を支える大切な役割であると同時に、経営に直結するポジションでもあるのです。

出典:設備管理とは|公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会

設備管理の成り立ち

戦後、多くの工場が建設されると、アメリカから保全の技術が取り入れられました。

当初は、機械が壊れてから修理する「事後保全」が一般的でした。その後、修理が必要になる前に調整を行う「予防保全」へ、そして現在では、全員参加の生産保全「TPM」へと変化を遂げてきたのです。

しかし同時に、機械の老朽化が進んだり、長年勤めた社員が定年退職したりすることで上手く回らなくなる問題も発生し始めました。
この問題を解決するべく、設備管理は経営に直結していると認識されるようになったのです。

出典:設備管理とは|公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会

設備管理の仕事内容

設備管理の業務内容として、「機械のメンテナンス」をイメージした方も多いかもしれません。しかし、設備管理の業務範囲は、もう少し広いのが実情です。

具体的には、設計から機械の運転、検査やメンテナンスという全ての工程において、機械が健全な状態になるようにマネジメントをするのが正しい業務範囲です。

企業が継続的に経営ができる状態であり、利害関係者の利益を最大にするためのサイクルを担っています。

関連記事:設備管理に向いている人の特徴|仕事内容や役立つ資格、やりがい

設備管理が主に活躍する職場とは

製造業の安全教育とは?安全衛生との違いと安全教育のポイントも紹介

続いて、設備管理が主に活躍する職場を3つ紹介します。

系列系のビルメンテナンス会社

設備管理が主に活躍する職場の1つ目は、系列系のビルメンテナンス会社です。

系列系とは、親会社が、不動産(デベロッパー)、ゼネコン、勝者、銀行、保険会社といった大手企業であるビルメンテナンス会社です。

管理物件は、親会社が保有していることが一般的です。他社と競合することなく管理業務を獲得できるのが特徴の1つでしょう。

一方で、親会社のコンプライアンスや高い安全管理意識の影響を受けることや、忙しい現場が多い傾向があります。高い能力が求められ、業務に対して厳しい部分が多いことを理解しておく必要があるでしょう。

親会社が所有する物件の統括管理に関われるため、総合的な経験をしたい方が活躍できる環境といえます。

独立系のビルメンテナンス会社

設備管理が主に活躍する職場の2つ目は、独立系のビルメンテナンス会社です。

独立系とは、親会社を持たないビルメンテナンス会社です。

一般的には、設備管理だけでなく、清掃や警備業務までを請け負うことが多いのが特徴です。系列系では、専門知識が必要になる業務は外注するケースが多い一方で、独立系は自社で実施するケースも少なくありません。

また、独立系ビルメンテナンスは、系列系とは異なり親会社がいないため、自分たちで営業をして管理物件を獲得する必要があります。

幅広い業務に関われるため、実務を覚えたい方にとっては向いている環境です。

プロパティマネジメント会社

設備管理が主に活躍する職場の3つ目は、プロパティマネジメント会社です。

系列系や独立系が、建物内の設備を管理する一方で、プロパティマネジメント会社は賃貸業務をオーナーに代行して行います。

具体的には、オーナー代行として賃貸借契約書の締結、テナントを誘致するためのリーシングマネジメント、ビルの工事関連のコンストラクションマネジメントといった不動産経営全般が担当範囲になります。

入居者に対して快適な環境を提供すると共に、オーナーに対してキャッシュフローを最大化させる必要があります。経営面での知識を求められるため、設備管理よりも広い視野で考えることが大切です。

また、オーナー代行に変わって業務を行うため、責任が重いという一面もあります。

施設管理業務を経験したのちに、より高度な業務に関わりたい方は活躍できる職場といえます。

関連記事:設備管理がきつい?激務と言われる理由や目指すメリット、応募人の注意点

設備管理とは?に関連してよくある質問

作業員が遠くを見つめる様子

最後に、設備管理に関連してよくある3つの質問をお伝えします。

  • 設備管理に役立つ資格はありますか?
  • どういう人が設備管理の仕事に向いていますか?
  • 設備管理と施設管理の違いは何ですか?

順番に解説していきます。

設備管理に役立つ資格はありますか?

設備管理におすすめの資格は、第二種電気工事士、消防設備士甲種4類・乙種4類の2つです。これらの2つの資格は、業務独占資格となっています。

設備管理は有資格でないと携われない業務が多いため、企業も資格を持った人材を欲しているという背景があります。取得しておくだけで、現場で重宝される人材になれるでしょう。

第二種電気工事士は有資格者の高齢化が進み、人材不足しています。そのため、有資格者を喉から手が出るほど欲しがっている企業が多いのです。

消防設備士甲種4類・乙種4類を取得することで、「自動火災報知設備」の取付、設備が可能になります。マンションや学校など、自動火災報知設備の設置が義務付けられている建物は多く、安定した需要があるのが特徴です。

どういう人が設備管理の仕事に向いていますか?

設備管理に向いている人は、新しいことを学ぶのが好きで責任感がある人です。

よくある質問の1つ目でも紹介したように、設備管理では資格がないと携われない業務が数多くあります。

普段の業務と同時進行で、資格取得の勉強が進められる方はぴったりの仕事でしょう。

また、業務によっては、 消防に関わる設備や人命に関わる設備の保守・点検に関わることもあります。ルーティーンワークだと感じず、1つ1つ責任を持って丁寧に検査や点検ができる方が向いています。

設備管理と施設管理の違いは何ですか?

大きな違いとして、「設備管理」は主に建物の設備を保守・点検することが業務であるのに対し、「施設管理」はビルオーナーの代わりに運営を代行する仕事です。

施設管理は、建物のオーナーが行うマネジメント業務を代行するため「ビルマネジメント」と呼ばれることもあります。

建物のオーナーへの説明や、クレーム対応などコミュニケーションを求められる業務が中心となっているため、両者の業務範囲は全く異なるといえるでしょう。

設備管理とは?についてのまとめ

作業員が横並びに立っている様子

今回は、設備管理についてのまとめを紹介しました。

設備管理は設備の保全だけでなく、経営マネジメントを支える重要な役割をになっています。働く職場によって活躍できる場面が変わってくるので、自分がどのような働き方をしたいかをじっくりと考えてみるのがおすすめです。

資格を取得することで、現場で引く手あまたになれる可能性もあるので取得してみてはいかがでしょうか。

本記事を参考に、設備管理への理解を深めてみてください。

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