本記事では、免許の期限が切れた場合にどうなるのか、運転が可能か、そして再取得の手続き方法について解説します。
免許更新は、免許を持つ全ての運転者が3〜5年に一度必ず行わなければならない手続きです。しかし、うっかり更新を忘れたり、突発的な事情で更新手続きができなかった場合もあるでしょう。
本記事ではそのようなケースにおける対処法や、免許期限が切れることで生じるデメリットについても触れます。
また、免許の期限切れに関するよくある質問とその回答も紹介します。免許の期限切れ後の運転や、免許を再取得する際の注意点について知りたい方は参考にしてください。
免許の期限が切れたら運転できない?
免許の期限が切れて更新しなかった場合、運転免許が無い状態になります。
免許の期限が切れていることに気づいたときは、まず期限が切れてどのぐらいの日数が経っているのかを確認しましょう。
免許の期限が切れてからの日数で、免許証を更新する際の内容などが変わってきます。
ただし、期限が切れている免許証は、正式な身分を証明するものとしては使用できないので注意しましょう。
無免許運転になり運転ができなくなる
免許の期限が切れて更新しなかった場合、無免許運転になり運転ができなくなります。
免許の期限が切れている状態は、車の運転をするのに有効な免許を持っていないのと同じです。
もし免許の期限が切れたまま車の運転をしてしまうと、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金などの刑罰を課せられる可能性があります。
失効手続きをした上で新規受験が必要になる
免許の期限が切れた後、免許を再取得したい場合は、免許の執行手続きをした上で新規受験が必要になります。
失効手続きとは、通常の免許更新とは異なる手続きで、免許の期限が切れた際に行うものです。
この失効手続きでは、免許が失効した理由と期間が重要なポイントです。
免許が失効した理由と期間によっては、免許を再取得する際の一部試験が免除になる可能性があります。
免許の失効理由や期間によって免除内容が異なる
免許の期限切れで再取得を希望する場合、免許の執行理由や期間によって再取得試験の免除内容が異なります。
まず免許を更新できず失効した理由は、大きく「やむを得ない理由がある」と「やむを得ない理由がない」に分けられます。
それぞれの手続きの方法は下記の通りです。
期限切れ理由 | 失効から6ヶ月以内 | 失効から6ヶ月〜1年以内 | 失効から1年以上 |
やむを得ない理由がない(うっかり更新忘れなど) | 学科試験・技能試験の免除 | 仮免許試験の学科・技能試験の免除(大型・中型準中型・普通)
※本免許試験は免除にならない |
試験の免除なし |
期限切れ理由 | 失効から6ヶ月以内 | 失効から6ヶ月〜3年以内 | 失効から3年以上 |
やむを得ない理由がある(海外居住・入院・災害など) | 学科試験・技能試験の免除 | 理由を証明する書類を添付して、やむを得ない理由が終わった日から1ヶ月以内に申請すると、学科・技能試験が免除 | 試験の免除なし
※ただし、平成13年6月19日以前からやむを得ない事情が継続し、失効手続きができないまま有効期間を経過して3年を超えた方は、やむを得ない事情が終わった日から1ヵ月以内であれば、技能試験が免除 |
免許の期限切れでやむを得ない理由がない場合は?
それでは、やむを得ない理由がない場合の失効手続きの方法を詳しく説明していきます。
「免許更新のハガキが来なかった」「仕事が忙しくて行けなかった」などは、やむを得ない理由に該当しないので注意してください。
やむを得ない理由がない場合の失効手続の免除内容は、次の3つの期間に分けられます。
- 失効から6ヶ月以内
- 失効から6ヶ月〜1年以内
- 失効から1年以上
また、失効日は、例えば免許の更新期限が9月10日ならば、その翌日9月11日から免許が失効したと計算されます。
以下で、それぞれの期間の申請方法についてわかりやすくお伝えします。
失効から6ヶ月以内
やむを得ない理由がなく、免許失効から6ヶ月以内であれば、学科試験と技能試験は免除されて、適性検査(視力・聴力・運動機能)と講習のみで免許再交付の対象です。
申請は、各地域の運転免許試験場や免許センターなどで行いましょう。
【申請の流れ】
申請→適性検査→講習→免許証作成・交付
失効から6ヶ月〜1年以内
やむを得ない理由がなく、免許失効から6ヶ月〜1年以内の場合、すぐに本免許証の再取得とはなりません。
失効手続きを申請すると、仮免許証の学科試験と技能試験、講習が免除され、「仮免許取得」の状態となります。
ここから路上教習を行い、本免許の学科試験、技能試験、適性検査、取得時講習をクリアして、本免許証の交付の流れです。
【申請の流れ】
申請→適性検査→仮免許証の作成・交付→所定の路上教習→学科・技能・適正試験→取得時講習→本免許証の作成。交付
失効から1年以上
やむを得ない理由なく免許が失効してから1年以上経った場合は、失効手続きなどの救済措置はありません。
免許を新たに取得する必要があるため、再度教習所に通い、仮免許、本免許と、規定の要件をパスして交付となります。
免許の期限切れでやむを得ない理由がある場合は?
続いて、やむを得ない理由がある場合の失効手続きの方法を下記の期間別に解説します。
- 失効から6ヶ月以内
- 失効から6ヶ月〜3年以内
- 失効から3年を超える
失効から6ヶ月以内
やむを得ない理由があり、免許失効から6ヶ月以内であれば、学科試験と技能試験は免除されて、適性検査(視力・聴力・運動機能)と講習のみで免許再交付となります。
また、やむを得ない理由が承認されれば、失効する前の免許の経歴を継続させることが可能です。
すなわち、前回の更新から無事故・無違反を5年間継続していれば、失効した場合でもゴールドカードの免許を再取得することができます。
【申請の流れ】
申請→適性検査→講習→免許証作成・交付
出典:運転免許証の有効期限が切れてしまった方へ(失効手続等)|警視庁
失効から6ヶ月〜3年以内
やむを得ない理由があり、免許失効から6ヶ月〜1年以内の場合は、やむを得ない事情が終了して1ヶ月以内であれば失効の手続きが可能です。
また、この期間の条件を満たしていれば、学科試験と実技試験が免除となり、適性検査と講習のみで免許の再交付を受けることができます。
ただし、やむを得ない事情が終了して1ヶ月を過ぎてしまった際は、やむを得ない理由で失効した場合と同じく試験の免除は受けられなくなるため注意が必要です。
出典:運転免許証の有効期限が切れてしまった方へ(失効手続等)|警視庁
失効から3年を超えた場合
やむを得ない理由があり、免許失効から3年を超えてしまった場合は、救済措置は設けられていません。
ただし、法改正前の平成13年(2001年)6月19日以前にやむを得ない理由で免許が失効してしまっている場合にのみ手続きが可能です。
その際は、やむを得ない理由が終わって1ヶ月以内の手続きで、運転技能試験のみ免除の上、免許の再交付が行われます。
出典:運転免許証の有効期限が切れてしまった方へ(失効手続等)|警視庁
免許の期限が切れたら更新に必要な書類
免許の期限が切れて更新する際に、必要な書類は以下のとおりです。
- 運転免許申請書(手続き場所で記入)
- 本籍が記載されている住民票(6ヶ月以内のもの)
- 失効した運転免許証
- 健康保険証やマイナンバーカード(失効した免許証がない場合)
- 申請用写真(縦3cm×横2.4cm)
- やむを得ない理由を証明する書類(該当する方)
- 各種手数料
- メガネ、コンタクト(適性検査で必要)
申請は各地域の運転免許試験場や免許センターなどで行っています。
免許の期限が切れたら更新にかかる手数料
免許の期限が切れて更新する際に、手数料がかかります。
失効後6ヶ月以内の更新には、試験手数料、講習手数料、交付手数料などが必要です。
手数料の種類 | 金額 | |
試験手数料 | 1,900円(1種目ごと) | |
講習手数料 | 優良運転者 | 500円 |
一般運転者 | 800円 | |
初回更新者・違反運転者 | 1,350円 | |
交付手数料 | 2,050円(1種目追加ごとに併記手数料200円) |
出典:運転免許証を失効してしまったら?|おとなの自動車保険ホームページ
また、免許の失効後6ヶ月〜1年以内の場合は、試験手数料1,550円と交付手数料1,150円がかかります。
免許の期限切れは誕生日の前後1ヵ月は注意する
運転免許の更新期限は誕生日の前後1ヶ月ですので、この期間は注意が必要です。
よくある勘違いとして、誕生日の前1ヶ月しか期限がないと思い込んだり、更新期限が誕生日の月のみと思っていたりする人も多くいます。
また、引っ越しで住所が変わったなど、免許更新のハガキが届かなくて更新をし損ねても、失効手続きの際のやむを得ない理由には該当しません。
様々な場所で免許証の提示を求められる際などを利用して、次回の免許更新の日にちを自身で把握しておく必要があります。
免許の期限が切れたら運転できない?に関連してよくある質問
ここからは免許期限切れの更新に関して、よくある質問に回答していきます。免許期限切れの更新に関するよくある質問は下記の3つです。
- うっかり免許証を失効したらどうなりますか?
- 免許が失効した場合の裏技はありますか?
- 免許更新忘れても半年以内なら大丈夫ですか?
うっかり免許証を失効したらどうなりますか?
うっかり免許証を失効したら、無免許の状態になり、車の運転ができなくなります。
免許の失効に気づいたら、急ぎ失効の手続きをしましょう。
また、うっかりして免許の失効に気づかずに運転をした場合は、刑法や条例の罰則を受ける可能性があります。
道路交通法により、無免許運転は2年以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられます。
免許が失効した場合の裏ワザはありますか?
免許が失効した場合、失効を取り消したり、更新の期限を伸ばすような魔法の裏ワザはありません。
これまでに説明してきた手順で、一つ一つ手続きや試験をクリアしていくのが一番の早道です。
また、免許の失効に気づくのが早いほど、手続きなどが簡単に済みます。
免許の更新は期限内に行うのが一番ですが、もし失効してしまったら予定を最優先にして失効手続きを早めに行いましょう。
免許更新忘れても半年以内なら大丈夫ですか?
免許更新を忘れても、「半年以内なら大丈夫」ということはありません。
免許更新は、期限内に行うことが原則です。
また、免許が失効している間は無免許状態となり、車の運転をすると法律で罰せられます。
免許が失効して半年以内ならば、学科試験や実技試験などなく、適性検査のみで免許の取得ができますが、車の運転を日常的に行う必要がある人は、必ず期限内に更新を済ませましょう。
免許の期限が切れたら運転できない?についてのまとめ
今回は、免許の期限切れで更新手続きができなかった場合の対処法について解説しました。
免許が失効して6ヶ月以内は比較的容易に再取得ができますが、6ヶ月〜1年以内、異年以上もの間失効してしまうと、再度の取得がかなり面倒な状況になります。
また、うっかり免許が失効していることに気づかずに車を運転してしまった場合、刑罰や条例違反の罰則を課せられる可能性もあります。
日常的に車の運転が必要な人は、免許更新のお知らせハガキなどに頼らず、自身で誕生日前後1ヶ月の更新期限を把握しておくようにしましょう。
それでも免許の期限切れで更新手続きができず失効してしまった方は、本記事を参考にして、急ぎ失効の手続きを行ってください。
ドライバーの仕事をお探しの方へ
ドライバーキャリアは、運送・物流業界に特化した転職支援サービスです。
- 希望条件に合う求人のご紹介
- 履歴書など書類作成のサポート
- 企業との条件交渉/面接日程の調整
無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
求人を検索する(無料)