「大型特殊自動車免許」は、クレーン車やブルドーザー、トラクターなど、主に工事や道路整備、農作業などに使われる特殊車両を、公道で移動運転するために必要な免許です。
土木や建設、運輸などの業種に興味がある人の中には、大型特殊自動車の免許取得費用を知りたい人も、多いのではないでしょうか。
本記事では、大型特殊自動車免許の取得費用が平均7〜13万円程になる理由や大型特殊自動車免許の受験条件などを解説します。
大型特殊自動車免許の取得を考えている人は、参考にしてみてください。
大型特殊自動車の免許取得費用の平均は7~13万円程
大型特殊自動車の免許を取得するには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
前提として、大型特殊自動車の免許を取得する方法は、下記の3種類があります。
- 教習所で取得する方法
- 合宿で取得する方法
- 試験場で一発本番で取得する方法
どの方法で取得するかによってかかる費用は変わりますが、およそ7〜13万円程とされています。
【取得方法別】大型特殊自動車免許取得にかかる費用
続いては、大型特殊自動車免許取得にかかる費用について、取得方法別にご説明します。
教習所:10〜20万円程
まずは、教習所で大型特殊自動車免許を取得するときの費用について、解説していきます。
教習所で大型特殊免許を取得する場合、費用は教習所によっても異なりますが、およそ10〜20万円程とされています。
しかし、これは普通自動車免許を取得している場合であり、普通免許を取得していない場合は、17万円〜20万円程となり、少し高くなります。
教習所で取得するメリットは、何と言っても仕事の合間や休みの日など、自分のペースに合わせて取得を目指せるところです。
反対にデメリットは、大型特殊免許を取り扱っている教習所が少ないところです。特に都心部は教習所のスペースが限られているため、大型特殊免許を取り扱っていない教習所が多く、免許取得時には注意が必要です。
合宿:8〜13万円程
次に、合宿で取得するときの費用について解説します。
合宿の費用は、8〜13万円程となっており、教習所に通うよりも安くなっています。
合宿のメリットは、やはり短期間で免許を取得できることです。最短で4日程度で取得できる教習所もあるため、GWや夏休みなどにまとまった休みがあれば、そのタイミングで取得できます。
反対にデメリットは、まとまった休みが取れない人は参加しにくいところです。
また、合宿に参加したからといって、必ず最短で取得できるとは限りません。そのため、余裕を持って多めに休暇を取れる仕事でなければ、合宿で大型特殊免許を取得するのは難しいでしょう。
試験場:4万円程
最後に、試験場で取得するときの費用について解説します。
大型特殊免許の取得にも普通自動車免許同様、試験場で一発試験を受ける方法があり、費用は4万円程となっています。
以前は、最短1日、費用も6700円程度で大型特殊免許を取得できていた時代があり、人気のある取得方法でした。しかし、平成19年6月の法改正により、取得期間が9日程度、費用は4万円となり、一発試験を受ける人はかなり減りました。
それでも3種類の中では最も費用が少ないため、運転技術に自信があり、費用を最小限に抑えたい人は、検討してみてもいいかもしれません。
大型特殊自動車免許の5つの受験条件
大型特殊自動車免許を取得するための受験条件は、基本的には普通自動車免許と変わりません。大型特殊自動車免許の受験条件は下記の5つです。
- 満18歳以上になっている
- 片眼で0.3以上・両眼で0.7以上ある
- 日常の会話を聴取できる
- 赤・青・黄の識別ができる
- 車両の運転に支障をきたすような四肢や体幹の障害がない
では、一つずつ解説します。
1.満18歳以上になっている
大型特殊自動車免許の受験条件の1つ目は、満18歳以上になっていることです。
これは普通自動車免許と同じです。しかし、普通自動車免許の場合は仮免許取得時までに18歳になっていれば17歳でも教習所に入れるのに比べ、大型特殊免許の場合は18歳になっていなければ、教習所に入ることはできません。
2.片眼で0.3以上・両眼で0.7以上ある
受験条件の2つ目は、片眼で0.3以上・両眼で0.7以上あることです。
視力検査の際、眼鏡やコンタクトの着用は許可されています。
3.日常の会話を聞き取れる
受験条件の3つ目は、日常の会話を聞き取れることです。
両耳の聴力が、10メートルの距離で90デシベルの警報音が聞こえることが条件とされており、補聴器の着用も許可されています。
4.赤・青・黄色の識別ができる
受験条件の4つ目は、赤・青・黄色の識別ができることです。
色識別のテストは比較的簡単なものであり、軽度の色覚障害がある方でも答えられるレベルであると言われています。
5.車両の運転に支障をきたすような四肢や体幹の障害がない
受験条件の5つ目は、車両の運転に支障をきたすような四肢や体幹の障害がないことです。
身体に障害がある場合でも、障害を器具で補うなどして運転に支障がないと認められれば、条件をクリアできます。
また、警視庁のホームページには、電話やファックスなどから相談できる窓口もあります。
【地域別】大型特殊自動車免許の費用目安3選
続いては、大型特殊自動車免許の費用目安を「東京」「北海道」「大阪」の3地域別に紹介します。
東京の場合
まず、大型特殊免許を東京で取得する場合の費用目安をご紹介します。
東京は広大な土地が少ないため、教習所内に広い敷地を用意することが難しくなっています。そのため、大型特殊免許を取り扱っている教習所が少なく、費用も高めに設定されています。
具体的な費用目安は、以下の通りです。
- 教習所A:税込120,940円
- 教習所B:税込150,994円
- 教習所C:税込121,480円
東京の教習所の中でも費用にはばらつきがあるため、いくつかの教習所を比較し、条件に合った教習所を選択することをおすすめします。
北海道の場合
次に、北海道で取得する場合の費用目安をご紹介します。
北海道は土地が非常に広いため、教習所内に広いコースが設計されていることが多いのが特徴です。そのため、東京に比べ、大型特殊免許を取り扱っている教習所も多くなっています。
そんな北海道の教習所の費用目安は以下のようになっています。
- 教習所A:税込104,976円
- 教習所B:税込110,700円
- 教習所C:税込95,580円
10万円を下回る教習所もあるなど、東京に比べるとかなり安めに費用が設定されていることが分かります。
大阪の場合
最後に、大阪で取得する場合の費用目安をご紹介します。
大阪も東京同様、教習所内に広いスペースを確保することが困難なため、教習所を選ぶ際には、大型特殊免許を取り扱っているかきちんと確認する必要があります。
大阪の教習所の費用目安は、以下の通りです。
- 教習所A:税込137,160円
- 教習所B:税込108,324円
東京と比べると若干安め、もしくは同程度の費用が設定されていることが分かります。
どの地域の教習所に通う場合でも、教習所選びの際はいくつかの教習所を比較してから慎重に決める必要があります。
大型特殊自動車の免許取得費用に関するよくある質問
ここからは、大型特殊自動車の免許取得費用に関するよくある質問に回答します。大型特殊自動車の免許取得費用に関するよくある質問は以下の3つです。
- 大型特殊免許は何日で取れますか?
- 大型特殊免許は難しいですか?
- 大型特殊免許は無料で取れますか?
では、一つずつ解説します。
大型特殊免許は何日で取れますか?
大型特殊免許は、2種類の取得方法の中で最も期間の短い「合宿」の場合、最短4日程で取得可能とされています。
最も期間の長い教習所でも2週間程で取得可能とされており、普通自動車免許や大型自動車免許などと比べると、かなり短くなっています。
普通自動車免許や大型自動車免許と違って仮免許がないことが特徴であり、6時間の技能教習を受ければすぐに卒業検定を受けることができます。
大型特殊免許は難しいですか?
大型特殊自動車免許の取得自体は、普通自動車免許を取得済の方であれば、そこまで難しいものではないでしょう。
しかし、大型特殊免許はあくまでも大型特殊自動車で公道を運転するための免許であり、実際に現場で仕事として大型特殊自動車を運転するには、それぞれの車両の「作業免許」も必要になります。
操作する予定の車両や働く現場に合わせて、どのような資格が必要になるのか、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
大型特殊免許は無料で取れますか?
大型特殊免許を無料で取得するのは、基本的には難しいでしょう。
しかし、免許を取得する際に他の免許と合わせて取ったり、キャンペーン中に取得したりすることで、割引を受けられることがあります。
免許合宿中に農作業アルバイトをし、そのアルバイト代を免許取得費用に充てる「0円免許合宿」というプランを立てている団体などもあります。
大型特殊自動車の免許取得費用に関するまとめ
今回は、大型特殊自動車の免許取得費用に関して解説しました。
これから大型特殊自動車の免許取得を検討している方は、本記事を参考にして、ぜひ大型特殊自動車の免許取得に挑戦してみてください。
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