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自動車整備士の残業時間は月40時間?残業が増える7つの理由

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ブレーキパットを整備する様子

あらゆる車両を整備する自動車整備士は、人々の生活に欠かせない存在であり、将来性のある職種の1つです。

整備士不足を受けて、各企業では待遇面や労働環境の改善が積極的に進められており、未経験者を歓迎する求人も増えています。

しかし、整備士は残業時間が長いと言われており、転職すべきか迷っている人もいるのではないでしょうか。

今回は、整備士の残業時間について、整備業界の労働事情も踏まえながら詳しく解説していきます。

この記事で分かること
・整備士の残業時間
・整備士の残業時間が増える主な原因
・職場別の休日事情
・残業時間が多い場合の対処方法

自動車整備士の残業時間は月20〜40時間になる場合が多い

エンジンオイルをチェックする様子

整備士の残業時間は、就業先にもよるものの一般的に月20〜40時間と言われており、1日に換算すると2時間前後です。

最も忙しいとされているのは、大型の整備工場やディーラーの整備工場で、扱う台数が多く仕事内容も幅広いため、残業時間が多い傾向です。

一方で、中小の民間整備工場は、お得意先からの仕事が多く急な仕事が入りにくいことから、残業がほとんどない職場も珍しくありません。

自動車整備士の残業時間が増える7つの原因

タイヤ交換の様子

自動車整備士の残業時間が増える理由は、主に7つあります。

・人手が不足している
・車検やキャンペーン中などの繁忙期になっている
・複雑な修理作業がある
・部品が届かず作業が遅れる
・緊急の修理依頼がある
・整備工場内の仕組みが整っていない
・お客さんのクレーム対応がある

残業時間が増える各理由の詳細について、整備士の仕事内容にも触れながら解説していきます。

人手が不足している

自動車整備業界は、若手人材の参入が年々減少傾向にあり、人手不足が課題となっています。

自動車整備振興会連合会が平成26年に実施した、人材不足に関する実態調査の結果は以下の通りです。

不足状況にない45.2%
不足しているが影響は少ない37%
不足していて支障をきたしている10.9%
不明6.9%

全体の約半数ほどが不足していることが分かります。

現役整備士の平均年齢は、年々上昇しており将来さらに人手不足が深刻化すると言われています。

一方で、整備需要が大きく落ちることは考えにくく、整備士の残業時間が増えていく可能性があります。

参照:あなたの整備工場は、若い人材の確保に困っていませんか?|国土交通省

車検やキャンペーン中などの繁忙期になっている

ディーラーでは、車の販売台数を増やすため、さまざまなキャンペーンを開催しています。

車検や各種部品の交換が割引の対象になることも珍しくなく、キャンペーンの開催期間中は、整備台数の増加により残業時間が増えやすくなります。

複雑な修理作業がある

自動車整備士が扱う車の中には、劣化による故障や事故車両もあり、修理して納車するまでに数ヵ月かかるようなケースもあります。

複雑な修理を要する車両が立て続けに入ってくる日もあり、このような場合は残業が増えがちです。

塗装やコーティングなど、整備以外の工程がある場合は外注先に預けるため、理想の時間に作業できず残業になることも珍しくありません。

部品が届かず作業が遅れる

外注先に車を預けて、理想の時間に作業できないのと同じく、時間はあるのに部品待ちで作業が遅れることも珍しくありません。

例として、翌日納車の車で部品が17時に届いた場合、その日中に修理を終わらせなければならず、夜遅くまで残業となる日もあります。

緊急の修理依頼がある

車検や定期的な点検整備の場合、事前に作業情報が入っていますが、故障や事故は急に修理依頼が舞い込んでくるため、対策ができません。

急な仕事の為にスケジュールを空けておくわけにもいかず、予定外の依頼があった場合は他の車両の納車日を確認したうえで、残業で調整するのが一般的です。

整備工場内の仕組みが整っていない

中小の整備工場では、働き方の仕組みが整っていなかったり、労働環境が悪く作業効率が悪くなっているケースもあります。

経営者の仕事時間に対する意識が薄く「その日の仕事が終わったら帰る」といった考えであるため、サービス残業になりがちです。

また、重い部品を運べる機材が整っておらず、空調設備がないような職場は、整備士への負担が大きく、作業効率の低下により仕事が定時内に終わりにくくなります。

お客さんのクレーム対応がある

お客様の大切な車を扱う整備士は、感謝の声をかけてもらえる一方でクレームへと発展することも珍しくありません。

「高い修理代を払ったのに車の調子が悪い」「変な音がする」といった内容です。

クレームがあった場合、再度細かく点検したうえで原因を見つけなければなりません。

対応するには長い時間がかかるため、残業せざるを得ない日もあります。

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自動車整備士の一日の流れ

エンジンオイルの色をチェックする様子

整備士は、基本的に日勤であり以下のような流れで仕事をこなします。

8:45出社後に作業着に着替え、整備作業の準備をする
9:00朝礼が行われ、その日の作業や手順を確認する
9:15~13:00お店の営業が始まり、車の点検や修理など担当業務を進める
13:00~14:00お昼休憩
14:00~17:00整備業務を再開する。来店があった場合は車の症状についてヒアリングを行い修理のアドバイスをする
17:00~18:00作業を終えて工場内の片付けや作業報告書などを作成する
18:00退社するが、納車日程に間に合わなさそうな場合は残業する

どの勤務先でも、基本的に同じような流れで作業が進みます。

ディーラーの場合、車の修理や点検以外が目的での来店もあるため、営業マンと連携しながら、フロント業務などを手伝うこともあります。

【転職先別】自動車整備士の休日事情について

大型車両

プライベートとのバランスを保つうえで、残業と別に気になるのが整備士の休日事情です。

お客様に合わせているため、職場によって休み方が若干異なります。

各職場における自動車整備士の休日事情について、解説していきます。

カーディーラーの場合

カーディーラーは、車の販売をメイン事業としており土日の来店が最も多いため、平日休みが一般的です。

営業所の休みと、自分が希望する日に休みを取り、月に6~8日ほど休日があります。

年始は、新年キャンペーンなどを開催するディーラーが多く、他の業種より早く休みを取り、早めに仕事始めとなる傾向です。

民間整備工場の場合

民間の整備工場は、企業からの整備依頼が多いこともあり、一般のお客様ではなく仕事を受ける企業に合わせて休む傾向があります。

そのため、土日のいずれかが休みになる職場が多く、シフト制ではなく全員で一緒に休みを取ることが特徴と言えるでしょう。

ただし、一般のお客様からの依頼が多い職場などに関しては、ディーラーと同様にシフト制で休みを調整している会社もあります。

年末年始や夏季休暇に関しては、他の業種と同じタイミングで休みになります。

会社によるものの、ディーラーと比べて年間休日は少ない傾向です。

カー用品店の場合

カー用品店は、一般のお客様が多く土日や祝日の来店が多いため、ディーラーと同様に平日休みが一般的です。

大手カー用品店の場合、お店の休みを不定休としていることが多く、シフト制で休みを調整します。

急な故障などに対応するために、お盆や年末年始などに合わせて営業するお店も多く、他の業種とはズレて長期休暇を取ります。

ガソリンスタンドの場合

ガソリンスタンドも、カー用品店と同様に休みを不定休としているお店が多く、シフト制で休みを調整します。

年末年始や夏季休暇なども、他の業種と同じタイミングで休むものの、帰省に向けた給油や洗車需要が高まるため、店休日は短めです。

ちなみに、セルフで24時間営業しているガソリンスタンドもありますが、整備作業は日中のみの受け付けであるため、深夜勤務はありません。

自動車整備士の残業時間に関する注意点3選

デスクワークの様子

自動車整備士の残業時間は、勤務先によってことなるものの、長時間労働が当たり前になっている会社も少なくありません。

整備士として就職した会社での残業が多かった場合、以下のように対策しましょう。

・休日はしっかりと休む
・残業時間が多すぎる場合は転職を検討する
・休日が少なすぎるときは転職を検討する

各対処法の詳細について、解説していきます。

休日はしっかりと休む

車を良好な状態で維持するための整備業務は、些細なミスが重大な事故を引き起こす可能性があり、人の命にも関わります。

また、整備業務は重い物を持ち上げたり中腰などでの作業が多く、身体的な負担が大きい仕事でもあります。

長時間の残業による疲労の蓄積は、整備ミスに繋がるため休日はしっかり休むことを意識しましょう。

ストレスの蓄積も普段の仕事に影響を及ぼすため、定期的に連休を取るなどしてリフレッシュできる機会を設けることが大切です。

残業時間が多すぎる場合は転職を検討する

長時間の残業により、整備士の仕事が嫌になり体調を崩してしまっては長く整備業界で働けなくなります。

休日だけで疲れが取れなかったり、リフレッシュできていなかったりする場合は、我慢の限界を迎える前に転職を検討しましょう。

ここまで解説してきた通り、整備士はさまざまな会社で活躍できる職種であり、求人によっては残業がほとんどないものもあります。

休日が少なすぎるときは転職を検討する

整備業界は、人手不足により残業が多いだけでなく、休日の少なさも問題となっています。

繁忙期などに多少の休日出勤があることは仕方がないかもしれませんが、ワークライフバランスを保てない状況が続く場合は、転職をおすすめします。

休日に関する情報は、必ず求人票の詳細に記載があるため、休み方や年間休日をチェックしながら転職先を探してみましょう。

ちなみに、求人票で目にする「週休二日制」と「完全週休2日制」では、休み方が異なるため注意が必要です。

週休二日制:月に1回以上は週に2日休みがあり、他の週は1日のみの休みが保証されている
完全週休二日制:曜日に指定はないものの、必ず毎週2日の休みが保証されている

関連記事:【現役整備士98人に聞いた】転職理由と面接・履歴書での言い換え

自動車整備士の残業時間に関するよくある質問

タイヤ交換の様子

最後は、自動車整備士の休みや残業に関する、5つのよくある質問に答えていきます。

・自動車整備士は何曜日が休みですか?
・自動車整備士が忙しい時期はいつですか?
・自動車整備士は帰りが遅いですか?
・自動車整備士が不足している理由は何ですか?
・ディーラー自動車整備士の年間休日はどの程度ですか?

自動車整備業界への就職や転職を検討するうえで、役立つ内容ですのでぜひ参考にしてみてください。

自動車整備士は何曜日が休みですか?

自動車整備士の休みは、勤務先によって異なりますが、ディーラーやカー用品店などは平日休みが基本です。

民間の整備工場に関しては、土日のどちらかを休みにしていることが多いと言えます。

自動車整備士が忙しい時期はいつですか?

整備士の繁忙期は、勤務先によって異なりますが、車で出かけることが多くなる年末は特に忙しくなりやすいと言えるでしょう。

また、ディーラーの場合は、年度末決算前のセールを実施するため、3月が一番の繁忙期です。

自動車整備士は帰りが遅いですか?

整備士の残業時間の平均は20〜40時間であり、1日2時間の残業があったとして帰宅時間は20〜21時頃になると推測されます。

繁忙期の場合は、これよりも遅くなる可能性がありますが、日付が変わるほどの長時間残業は稀と言えるでしょう。

自動車整備士が不足している理由は何ですか?

自動車整備士が不足している理由は、主に2つあります。

・労働環境や待遇の悪さによる現役整備士の転職
・若手人材の参入不足

整備業界は、他の業界と比べても労働環境の整備が遅れており、待遇面の悪さも問題となってきました。

これにより、現役整備士の転職が増えてしまい人材不足となっています。

近年は、交通網の発達により若者の車離れが進んでおり、整備士の労働環境に対して悪いイメージを持たれていることもあって、若手人材の参入が減少しています。

これを受けて、各企業では労働環境や待遇面の改善を積極的に進めている状況です。

結果、整備士の休日や収入は年々改善されてきています。

ディーラー自動車整備士の年間休日はどの程度ですか?

整備士としてディーラーで働いた場合の年間休日は、105〜110日が一般的です。

中には、年間休日が120日を超えており、有給休暇の取得率向上に力を入れているディーラーもあります。

自動車整備士の残業時間についてのまとめ

トラックが走行している様子

自動車整備士と聞くと、残業時間が長くきついというイメージを持たれがちですが、月の残業時間は20〜40時間と突出して多いわけではありません。

ただし、繁忙期である12月や3月にかけてはさらに残業が増える可能性はあります。

全ての企業において残業が多いというわけではないため、ワークライフバランスを重視したい場合は、事前に残業時間を調べた上で求人に応募するようにしましょう。

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