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【取材レポート】大手アパレルBEAMSの物流戦略から見えるRFID導入の重要性

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物流業界においては、配送量の増加に対して人手が足りていない状態が続き、今後の課題としている企業は数多くあります。

アウトソーシングを導入しようにも、一度利用すれば今後内製化が難しいとされています。

今回は商品の保管から梱包、発送に至るまで、自社物流の内製化に成功したBEAMSの物流戦略セミナーを取材してきました。

キーポイントはRFIDです。具体的にどういったことか詳しくレポートしていきます。

自社の物流、今のままで大丈夫?

自社の物流において、以下のどちらか、もしくはいずれも当てはまっていないでしょうか?

  • 小口配送が増えた
  • 人手不足

近年ネットショッピングが増加したことで、物流業界はこれまで以上に活気づくようになりました。しかし、それと同時に仕事が激務化し、社員一人一人の負担が増えてしまう問題が発生していることも事実です。

嬉しいことに仕事量が増えているにも関わらず、人手不足に悩む企業も多いです。
さらには今後2024年問題もあり、この状態で業務を続けていくことは企業存続に対して危機感を覚える経営者も少なくありません。

今回、物流施設に特化した不動産会社シーアールイーが主催する、大手アパレルBEAMSが実践したEC物流の戦略が公開されたセミナーを取材してきました。
本セミナーでは、RFIDを活用して物流業務の効率化を図るための具体的な方法について、株式会社ビームスホールディングス ロジスティクス本部 本部長 竹川誠氏より、貴重な成功談を聞くことができました。

BEAMSの成功例をもとに、ぜひ自社における業務効率化の参考にしてください。

セミナー:RFIDを活用したアパレル大手BEAMSの物流戦略

店舗、ECサイトと2つの大きな販売チャネルを持つBEAMSでは、主に在庫問題人材不足という2つの課題を掲げていました。

特に在庫においては、ECと店舗の在庫を分けたことによる、横持ち問題、倉庫の確保、片方の在庫切れによる機会損失などがありました。

これらを解決するために活用したのがRFIDです。

RFIDとは?

電子タグ(RFID)は、電波を利用して非接触で個体を識別するツールです。バーコードのように、ほぼ全ての商品に電子タグが貼付されれば、電子タグの情報を電波で読み取ることで、いつ、どこに、何の商品が、どの程度流通しているかを簡単に把握できるようになります。電子タグを利用することで、小売事業者としては、レジ・検品・棚卸業務の高速化、防犯ゲートを用いた万引防止、消費期限管理の効率化による食品ロス削減など、様々な波及効果が期待されます。さらに、電子タグから取得された情報をメーカー・卸を含むサプライチェーン上で共有することができれば、市場に流通している在庫量を踏まえてメーカーが生産量を柔軟に調整したり、トラックの空き情報を共有して共同配送を進めたりするなど、製造・物流・卸・小売の垣根を越えたムダの削減を実現することが可能です。

経済産業省HP

これまでは、バーコードを一つ一つスキャンして商品を読み取ることが一般的でした。しかし、RFIDでは複数のタグを同時にスキャンすることができるため、大幅な時間短縮が可能です。また、バーコードのように商品を近づけなくとも、電波の届く距離であれば離れていても読み取ることができるため、作業負担の軽減にもつながります

RFIDの活用①在庫の一元化

BEAMSは以前、店舗とECの在庫を分けて管理していましたが、一元管理を行うようになりました。

一元化によって得られたメリットは以下の通りです。

  • 保管スペースを広げずに済み、横持ちが発生しない。追加作業が発生しない。
  • 在庫補充のタイムラグがなくなる
  • 在庫切れを減らすことで売上アップに繋がる。

以上のメリットがある一方、一元管理では2つの販売ルートから商品を取り合うため、在庫の精度を高くしておく必要があります。それらを可能にするためには複雑なロジックが求められます。

これらの問題を解決したのがRFIDです。

在庫の精度は、RFIDによって検品作業が簡単になったため、場面場面の作業を増やすことで精度を高めることができました。

在庫のリアル化を進めたことで在庫の増減タイミングを正確に捉えることができるようにもなりました。

RFIDの活用②EC物流の内製化

BEAMSでは、RFIDを活用し、EC物流の内製化を進めていきました。

内製化を進めていくうえで、一般的には大きく5つの作業における課題が挙げられます。①ピッキング②製品検品・物流加工③荷合わせ④梱包⑤発送です。BEAMSでは、これらの課題に対して着実に解決させることに成功しました。

ピッキング

ピッキングで目指したことは、「人海戦術にならないこと」です。

ピッキングにおいては、単品購入であっても、複数購入であっても1受注ごとにリストピッキングを行うことが一般的です。そのため、物流が多い時期は人海戦術で対処しなければいけなくなり、倉庫内で渋滞が発生するという問題があります。

BEAMSでは、単品でも複数でもRFIDカートを使用することで、一度にまとめてピッキングができるようになりました。特に複数の場合は最大32人までのお客様ごとにバッチを作成することができ、効率化が一気に進みました。

製品検品・物流加工

製品検品・物流加工でBEAMSが目指したことは、「B品の返品率を5%以下にすること」です。

ECサイト販売では、センターで保管したものをそのまま送る、つまりメーカーから直接仕入れたものを送っているために店頭販売と比べてB品返品率が多く発生するという課題があります。

BEAMSでは、製品検品をリアル店舗と同じような気持ちで1つ1つ検品することでB品返品率を4%以下まで抑えることに成功しました。返品率を抑えることで返品作業に追われることなくなり、コスト削減面でも効果がありました。

物流加工では、商品を畳み直すことで荷姿が美しくなるだけでなく出荷サイズを統一でき、後工程の簡略化に成功しました。

荷合わせ

荷合わせで目指したことは、「高精度・効率的なフロー」です。

BEAMSでは、マテハン機器(SAS)を使用し、1回につき最大32名までのオーダー分をまとめてピッキングされた商品を仕分けることができます。

ここでもRFIDを活用しています。ピッキングされた商品を近づけると仕分け先のランプが光り、該当のBOXが開きます。スタッフはそこに商品を投入するだけで仕分けが完了します。

ここで注目されるのは、読み取り機に視線を向けることなく仕分け先を判別できるという点です。RFIDだからこそ、いちいちバーコードにタグを読み取らせる工数がかかりません。ここでも大幅に効率化が進み、1時間当たり600点もの商品の仕分けを実現しました。

梱包

梱包で目指したことは、「コンパクトなレイアウトで省スペース化を実現すること」です。

一般的に梱包は最も人が集中するところであるため、スペースの問題が発生しやすくなります。

また、梱包するダンボールはサイズの選択に熟練度を求められることが多く、梱包したダンボールの保管場所もサイズ別で分ける必要があります。このため、梱包資材に多くの場所を取られるといった課題もしばしば挙げられます。

そこでBEAMSでは、e-Cubeを採用しました。e-Cubeとは、自動的にダンボールのサイズを調節できる機械です。1サイズのダンボールを供給するだけで済むため、選ぶ手間と組み立てる作業の負担がなくなります

また、e-Cubeが梱包の80%をカバーしています。1時間あたり480ケースが作成可能となるため、作業の効率化と省スペースが図れるようになりました。

発送

発送で目指したことは、「適切な箱サイズによる配送料の抑止」です。

商品に対してダンボールが大きい場合、緩衝材などを使用してすき間を埋めます。そうするとお客様にゴミを届けてしまうことになるほか、開封する際、最初に視界に入るのが商品ではなく緩衝材のため喜びが半減してしまう、とBEAMSは考えました。

BEAMSのe-Cubeでは、自動的に商品の厚みを自動的に計算し、ダンボールの耳の部分を改変します。商品に合わせたジャストサイズで梱包できるため、上部の緩衝材が不要になります。

また、荷姿(底面積)が統一されるので、すべての荷物がヤマト運輸専用のコンテナにピッタリ収まります。積載効率が上がることで、発送前荷物の保管スペースも減らすことができました

今後の展望について

EC配送においては、お客様のエンゲージメントを高める為にも、「なるべく早く届く」「ミスなく届けられる」といった配送力が重要です。物流業界の2024年問題も踏まえ、今後は複数の配送業者様と協力体制をとっていく必要を感じています。

また、2024年に現在使用しているセンターが契約満了を迎えるため、新たなセンターの利用も検討しています。
サステナブルパーク構想をテーマとして、拡張性の高いフレキシブルな対応が実現できるセンターを探しているんだとか。

RFIDのフル活用によって自社の物流を最大限に効率化していくうえで、倉庫選びは欠かせない重要な選択と言えます。

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X Workマガジン編集部のまとめ

物流の業務効率化を進める中でRFIDがキーとなることは間違いないでしょう。業務の効率化だけでなく、ケアレスミスの削減、顧客満足度向上など業務改善や売上アップにつながる非常に便利なツールです。

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