新たなキャリアに挑戦したいと、未経験でタクシー運転手として就職・転職を考えている人もいるでしょう。
その中で悩む人が多いのが履歴書内の「志望動機」欄です。
志望動機は、仕事に対する熱意や適性を判断するうえで重要な項目ですが、未経験で求人に応募する場合、過去の経験を踏まえて上手に自分をアピールすることが求められます。
しかしながら、未経験でどのような内容をまとめるとよいのか、未経験で採用されるにはどんな要素が必要かわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、未経験でタクシー運転手の求人に応募する際の、志望動機の書き方について解説します。
【この記事のまとめ】 ・未経験者の志望動機では、タクシー運転手を選んだ理由や当該企業に応募した理由を明確にすることが大切 ・未経験者の志望動機では、過去の情報よりも今後のビジョンや目標を伝えるとよい ・志望動機の添削など、転職活動全般のサポートを受けられる転職エージェントの活用がおすすめ |
タクシー運転手未経験者の履歴書:志望動機のポイント
未経験からタクシー運転手を目指す場合、志望動機には「なぜタクシー運転手を選んだのか」「なぜそのタクシー会社を選んだのか」などを具体的に示す必要があります。
以下に、効果的な志望動機の書き方を解説します。
タクシー運転手を選んだ理由を明確にする
志望動機では、他のドライバー職(トラック運転手やバス運転手など)ではなく、なぜタクシー運転手を選んだのかを明確に伝えることが重要です。
例えば、以下のような理由を含めると説得力が増します。
- 接客の楽しさを強調する
「人と話すのが好きで、多様なお客様と接する機会が多いタクシー運転手に魅力を感じたから」 - 運転技術を活かす意欲を示す
「車が好きで、丁寧な運転を褒められることに喜びを感じるため、運転を通じてお客様を快適に目的地までお届けしたい」
このように、タクシー運転手特有の魅力を志望動機に盛り込むことで、応募の意図が伝わりやすくなります。
エピソードを交える
志望動機に以下のようなエピソードを加えることで、自分の人柄や熱意がより伝わりやすくなります。
- 「以前、旅行中に利用したタクシー運転手の接客が印象的で、自分もそのような安心感を提供したいと思った」
- 「家族や友人から運転の丁寧さを評価され、これを仕事に活かしたいと思った」
エピソードが加わると、志望動機に説得力が生まれます。
その会社を選んだ理由を伝える
タクシー業界には多くの企業があるため、「なぜこの会社を選んだのか」を明確にすることが重要です。以下のようなポイントを盛り込むと良いでしょう。
- 独自の取り組みや経営方針を評価
「御社は地域密着型のサービスを展開しており、地元のお客様に信頼されるドライバーになりたいと思いました」 - 福利厚生や働き方の魅力を伝える
「御社では充実した教育制度が整っているため、未経験でも安心して成長できる環境に魅力を感じました」
具体的な会社情報をリサーチしたうえで志望理由に反映させると、採用担当者に好印象を与えられます。
タクシー運転手として活かせる経験をアピール
未経験でも、これまでの経験やスキルがタクシー運転手に役立つことをアピールしましょう。
- 接客経験
「これまで飲食店での接客経験を活かし、お客様の要望に柔軟に対応できるドライバーを目指します」 - 地道な努力を重視する姿勢
「前職では業務効率化のための改善提案を行い、成果を上げてきました。その経験をもとに、お客様の動線やエリア特性を研究し、売上向上に貢献したい」
こうした内容を志望動機に加えることで、自分の強みを企業に伝えられます。
将来像を示す
企業にとって、応募者がどのように成長し、自社に貢献してくれるかは重要なポイントです。以下のような将来像を伝えることで、採用の可能性が高まります。
- 地域で信頼されるドライバーを目指す
「地域の特性を深く理解し、多くのお客様に信頼されるドライバーとして御社に貢献したい」 - 営業成績の向上を目指す
「トップドライバーを目指し、売上アップに努めることで御社のさらなる発展に寄与したい」
志望動機は、タクシー運転手を目指す理由を明確にし、適性や強みをアピールする絶好の機会です。
応募する会社の魅力を理解したうえで、自分がどのように貢献できるかを示しましょう。
関連記事:
・タクシーの仕事は未経験者でも目指せる|なるための方法、求人の選び方
タクシー運転手未経験者の履歴書志望動機における注意点
冒頭でもお伝えしたとおり、志望動機は仕事に対する熱意や考えをアピールできる重要な項目で、採用の合否に大きく影響します。
経験値に問わずですが、採用担当者にマイナスな印象を与えないためにも、以下3つのポイントを意識しましょう。
- 履歴書の志望動機は職務経歴書の要約なので「200文字程」で簡潔に書く
- 待遇面のことばかり書かない
- 面接で話す志望動機と履歴書の内容に一貫性を持つ
なぜこのようなポイントが重要なのか、面接時の対策も踏まえながら解説します。
履歴書の志望動機は職務経歴書の要約なので200文字程で簡潔に書く
志望動機は、なぜその企業、業界で働こうと思ったのかに対する考えをまとめ、採用担当者に興味を持ってもらうことが大切です。
熱意を伝えるあまり長くなりすぎてしまうと、読む側が疲れてしまい、反対に短すぎると熱意が伝わりにくくなります。
端的にしっかり自分の考えを伝えるためには、200文字程度を目安にして文章を考えてみましょう。
志望動機に文字数の指定はないものの、履歴書の志望動機欄の枠でいうと、200文字程度の文章で8〜10割を埋めるのが理想です。
待遇面のことばかり書かない
待遇面に魅力を感じてタクシー運転手を目指していたとしても、志望動機として記載するのは避けましょう。
待遇面で転職先を選ぶこと自体は決して悪くないものの「待遇の良い求人を見つけたら辞めるのでは?」と思われてしまう可能性があります。
志望動機で待遇の良さを記載する場合は、直接的な表現を避けて考えてみましょう。
・NG例:他社と比べても基本給が高く、賞与の支給実績も良かったため入社したいと思いました。
・訂正後:資格取得支援制度などが福利厚生としてあり、運転手としてさらに成長できる環境が整っていることに魅力を感じました。 |
ちなみに、待遇面以外では、前の会社の不満も志望動機として話さないようにしましょう。
ネガティブな内容は、採用するうえで好印象を与えられません。
面接で話す志望動機と履歴書の内容に一貫性を持つ
志望動機で好印象を与えようとしてしまい、実際の志望動機と全く内容が異なってしまうことにも注意しましょう。
内容が異なっていると「好印象を与えようとして嘘をついているのでは」と思われる可能性があります。
アピールするために内容を膨らませる程度であれば問題ないものの、事実と異なる内容の記載は避けましょう。
志望動機の内容に関しては、面接時に質問される可能性が高いため、詳しく説明できるように対策しておきましょう。
運転技術だけに頼らないアピール
運転技術を強調するだけでは他のドライバー職との差別化が難しく、高い評価を得られません。
タクシー運転手ならではの特徴(接客力、柔軟性、地域密着型のサービスなど)を絡めた内容を意識しましょう。
・NG例:運転が得意だから応募しました。 ・訂正後:丁寧な運転を心がけることでお客様の信頼を得られるタクシー運転手の仕事に魅力を感じました。 |
具体的なエピソードを交える
志望動機に説得力を持たせるには、自分の経験や性格を具体的なエピソードとともに伝えるのが効果的です。
たとえば、以下のように過去の接客経験や困難を乗り越えたエピソードを盛り込みましょう。
良い例: 以前接客業で働いていた際、常連のお客様に名前を覚えていただき信頼関係を築けた経験があります。このような経験を活かしてお客様一人ひとりに寄り添うタクシー運転手を目指したいと思っています。 |
ポジティブな内容を心がける
ネガティブな理由や待遇面の話ばかりに偏ると、採用担当者に悪い印象を与える可能性があります。転職理由や志望動機は、前向きな表現でまとめることが大切です。
・NG例:前職の待遇に不満があり転職を決意しました。 ・訂正後:貴社の資格取得支援制度に魅力を感じ、運転手として成長できる環境で働きたいと思いました。 |
参考:【ドライバー就職向け】履歴書の書き方の基本!志望動機・自己PRの例文付き|一般財団法人 日本海事協会
タクシー運転手未経験者の履歴書志望動機の例文
志望動機を上手く文章にできない場合は、例文を自分に当てはめて考えてみるのもおすすめです。
タクシー運転手未経験で転職する場合の志望動機例を3つ紹介します。
・例文①実体験をもとにした志望動機
・例文②運転手経験をアピールする志望動機
・例文③接客スキルをアピールする志望動機
過去の経験や仕事に対する考えで当てはまるものを見つけて、作成時の参考にしてみてください。
履歴書に書く志望動機の例文①
まず1つ目の例文は、実体験をもとにした志望動機です。
私は祖母と同居しています。祖母は少し前まで自分で出かけていましたが、2年前に足を怪我して以来、タクシーを利用しています。
それまでタクシーと聞くと、移動手段の1つとして思っていましたが、毎回丁寧な接客で祖母は運転手のことを楽しそうに話しています。 地方での高齢化が進む中で、私もタクシー運転手として人を乗せるだけでなく、楽しませてあげられるようになりたいと思い始め、志望いたしました。 気軽に頼ってもらえるような、優しい接客ができるタクシー運転手を目指したいと考えています。 |
なぜタクシー運転手を志望したのか、入社後にどのような運転手を目指したいのか、明確にできています。
当該企業を志望した理由についても、質問される可能性があるため、面接までに答えられるように対策しておきましょう。
履歴書に書く志望動機の例文②
2つ目は、運転手経験をアピールする志望動機です。
私は昔から運転が好きで、宅配運転手として運送会社で5年間従事してきました。
常に安全運転を心掛けており、過去5年間で交通違反を起こしたことは一度もありません。 さまざまな地域へ配達していたため、地理に関する知識にも自信があります。 運転手として身に付けた知識で、多くの人の役に立ちたいと思うようになり、直接お客様と触れ合う機会の多いタクシー運転手を志望しました。 安全運転で、指定の目的地まで最短で送り届けられるようなタクシー運転手を目指したいと考えています。 |
過去に運転手としての経験がある場合は、タクシー運転手の業務にも活かせる内容が多いため、積極的にアピールしましょう。
特に安全運転や地理に関する知識は、実際の業務で役立てられます。
履歴書に書く志望動機の例文③
3つ目は、接客スキルをアピールする志望動機です。
前職では、バス会社でバスガイドとして5年間従事してきました。
昔から人と話すのが大好きで、旅行が趣味だったことからバスガイドとして働いていました。 これまでに多くの人の旅行をサポートしてきており、お客様に楽しい時間を提供することに自信があります。 もっとお客様と近い距離で繋がり、多くの人を喜ばせたいと強く思うようになりタクシー運転手を志望しました。 運転手の経験はありませんが、普段からドライブに出かけることが多く、これまでに交通違反は一度もありません。 |
タクシー運転手は、運転技術や地理知識だけでなく、接客スキルも必須と言えます。
過去に接客業務経験があったり、接客に関連するエピソードがある場合は、志望動機に取り入れてみましょう。
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タクシー運転手未経験で履歴書や志望動機が不安:転職のプロにお任せ添削
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タクシー運転手に必要なスキル
タクシー運転手として活躍するには、企業が求めるスキルを理解し、それに応じた準備をすることが重要です。
以下では、タクシー運転手に求められるスキルについて解説します。
地理を把握する能力
タクシー運転手は職業上、地域の地理に詳しくなる必要があります。目的地を乗客から伝えられた際、道順を毎回調べると時間を浪費し、乗客の満足度も下がる可能性があるためです。
- 求められる場面:
- 近道を依頼された場合や観光地でのおすすめスポットの案内。
- 渋滞を回避するための代替ルート選択。
入社時に完璧な地理知識を持つ必要はありませんが、日々の勤務で少しずつ地域の情報を覚えていく努力が大切です。
冷静な判断力
タクシー運転手は、予期しない状況に直面することも少なくありません。その際、冷静に対応するスキルが重要です。
- 具体例:
- 乗客から急ぐよう求められた場合でも、安全運転を維持する。
- 交通事故や渋滞で予定ルートが使えなくなった場合に代替ルートを即座に選択する。
どのような状況でも落ち着いて最適な判断を下せる能力が必要です。
接客力と気配り
タクシー運転手には特別な接客スキルは求められませんが、乗客に快適な時間を提供するため、最低限の接客力と気遣いが求められます。
- 具体的な例:
- 手を挙げている乗客をいち早く見つけて対応する。
- 大きな荷物を持った乗客を見たら、積み下ろしを手伝う。
- 丁寧な言葉遣いで乗客とコミュニケーションを取る。
これらの気遣いが、リピーターの獲得や顧客満足度向上につながります。
安全運転の意識と高い運転技術
安全運転はタクシー運転手にとって最も重要なスキルの一つです。どのような状況でも、乗客を安全かつ快適に目的地へ運ぶことが求められます。
- 注意点:
- 法定速度や交通ルールを厳守する。
- 急発進や急停止を避け、乗客が快適に過ごせる運転を心がける。
さらに、小道や急なカーブの多い道、縦列駐車など、状況に応じた運転技術も必要となるため、日々の運転技術向上への努力が重要です。
これらのスキルを意識して磨くことで、タクシー運転手としての信頼性と顧客満足度を高められます。
タクシー運転手の仕事内容
タクシー運転手の仕事は運転だけに限らず、さまざまな業務を伴います。その主な内容を紹介します。
3つの運転スタイル
タクシー運転手の運転業務は以下の営業形態に分かれます。
- 付け待ち営業:駅やホテル、オフィスビルなどのタクシー乗り場で、乗客が来るまで待機します
- 流し営業:街中を走行しながら乗客を探します
- 無線配車営業:電話やアプリからの配車依頼に対応し、乗客を迎えに行きます
車両点検と洗車
乗務開始前に車両の点検を行い、タイヤの空気圧やエンジンオイル、ライトの状態を確認します。また、車内清掃や洗車も仕事のうちです。
帰庫後も同様にガソリンを補充し、車両を整備します。
道路状況の確認
その日の天候やイベント情報、工事や事故による渋滞状況を把握し、効率的な運行を計画します。迂回ルートの確認も重要です。
健康管理
乗客の安全を守るため、ドライバー自身の健康管理が求められます。乗務前後のアルコールチェックや年1回の健康診断を受け、体調を整えておく必要があります。
営業関連の書類作成
営業終了後には、売上の集計や乗務日誌の記録、クレジットカードやタクシーチケットの処理など、事務作業を行います。
タクシー運転手未経験の履歴書志望動機に関するよくある質問
最後は、タクシー運転手の志望動機に関する、3つのよくある質問を紹介します。
・タクシーの面接でよく聞かれることは何がありますか?
・タクシー運転手の面接時はスーツで行くべきですか?
・タクシー運転手が不人気な理由は何ですか?
面接対策の内容やタクシー業界の実情に関する内容ですので、参考にしてみてください。
タクシーの面接でよく聞かれることは何がありますか?
面接の中では、タクシー運転手としての適性を判断するため、以下のような内容についてよく質問されます。
・記載されている志望動機の詳細 ・過去の交通違反歴や事故歴 ・自分の長所や短所 ・持病など健康問題に関する内容 ・仕事や会社に対する逆質問 |
未経験の場合、交通違反は普段の運転での違反歴を答えます。嘘をついてしまうと採用が取り消されてしまう可能性が高いため、正確に答えましょう。
仕事や会社に対する逆質問は、コミュニケーション能力や入社後のビジョンを知るためのものです。
企業理念や社風、仕事内容をリサーチしたうえで、3つほど考えておくようにしましょう。
未経験者として応募する場合、自分の長所や短所は運転以外のことでも問題ありません。
タクシー運転手の面接時はスーツで行くべきですか?
面接は企業から指示がない限り、スーツで受けるのが基本です。
「普段着でお越しください」と指示があった場合には、派手な色を避けたジャケットとシャツを選ぶようにします。
服装に指定がなかったとしても、Tシャツに短パンといったカジュアルな服装は避け、オフィスカジュアルでいきましょう。
タクシー運転手が不人気な理由は何ですか?
タクシー運転手は、隔日勤務といった長時間労働や平均収入の低さが、不人気の理由としてあります。
しかしながら、近年は労働環境の改善に取り組む企業が増えてきており、待遇面も改善されてきています。
また、インバウンド需要も高まってきており、今後人気が高まっていく可能性も高いと言えるでしょう。
タクシー運転手未経験の履歴書志望動機のまとめ
未経験でタクシー運転手に応募する場合、志望動機でなぜこの仕事を選んだのか、なぜこの会社なのか明確に伝えることが大切です。
目指すきっかけとなった実体験や、これまでに身に付けたスキルを踏まえながら、仕事に対する熱意や適性をアピールしましょう。
ただし、待遇面や前の会社の愚痴を書いてしまうと、相手にマイナスな印象を与えてしまいます。
考えた志望動機に自信がない場合は、転職エージェントで添削を受けてみることをおすすめします。
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