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電気工事施工管理技士の難易度は高い?電験三種との違いや合格率、勉強方法

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ヘルメットをかぶった男性

工事全体を管理する「電気工事施工管理技士」は、電気業界に欠かせない存在です。

キャリアアップを目的として、多くの技術者が取得を目指す資格の一つですが、試験の難易度が気になる人もいるでしょう。

電気工事施工管理技士の難易度は、決して低くありません。ただし、正しく対策すれば合格を誰もが目指せる資格です。

電気工事施工管理技士の難易度や、試験の制度について理解したうえで、効率良く資格取得を目指しましょう。

今回は、電気工事施工管理技士と他の資格の難易度や試験形式の違いを中心に解説していきます。

記事のまとめ
・電気工事施工管理技士試験の合格率は4~6割で決して低くはないものの、受験するには実務経験を満たす必要がある
・電験三種は施工管理技士資格よりも難易度が高い
・電気工事士は施工管理技士資格よりも難易度は低め
・受験勉強は通信講座で知識を身に着けながら、過去問で試験に慣れる方法がおすすめ

電気工事施工管理技士の難易度

技術者が腕を組む様子

電気工事施工管理技士は、電気工事全体を管理する役割を担っており、現役の技術者がより成長するための資格と言えます。

工事作業に関する内容だけでなく、工事申請に関する法律や環境や近隣住民に対する配慮の方法といった問題も出題されます。

電気工事における品質面や安全面に関する問題もあり、出題範囲が非常に広いことから、取得難易度は高めと言えます。

ここでは、1級試験と2級試験の難易度について、合格率を踏まえながら解説します。

1級電気工事施工管理技士の難易度

1級電気工事施工管理技士は、工事の規模に指定がなく、あらゆる電気工事を管理できます。2級資格よりも難易度が高く、専門的な知識と応用スキルが身についていなければ合格できません。

直近で実施された試験の合格率は、以下の通りです。

実施年度一次検定の合格率二次検定の合格率
2023年40.6%53%
2022年38.3%59%
2021年53.3%58.8%
2020年38.1%72.7%
2019年40.7%66.3%

直近5年間における一次検定の合格率平均は42.2%、二次検定は62%です。受験者のほとんどが現役の技術者ということもあり、合格率は高めで推移しています。

ちなみに、1級電気工事施工管理技士の偏差値は54とされています。簡単ではないものの、受験対策しながら学習を進めれば、十分合格を狙える資格と言えるでしょう。

2級電気工事施工管理技士の難易度

2級資格は、管理できる電気工事の規模に制限があり、1級資格に比べると難易度が低くなります。

ただし、1級と同じく工事全体を管理する重要なポジションで、工事の流れや管理に関する知識を幅広く身に着けておかなければなりません。直近で実施された試験の合格率は、以下の通りです。

実施年度一次検定の合格率二次検定の合格率
2023年43.8%43%
2022年55.6%61.8%
2021年57.1%50.4%
2020年58.5%64.1%
2019年56.1%61.3%

直近5年間における一次検定の合格率平均は54.2%、二次検定は56.1%です。合格率だけを見れば、1級試験と大きな差はありません。

試験の偏差値は、46とされており1級試験よりも難易度は低いものの、誰でも簡単に取得できるわけではありません。

試験は、1級・2級ともに受験資格が設けられており、二次検定では所定の実務経験を満たす必要があります。2級・二次検定における実務経験の詳細は以下の通りです。

・2級試験の一次検定合格後、3年の実務経験
・1級試験の一次検定合格後、1年の実務経験
・電気工事士、電気主任技術者試験に合格後、1年の実務経験

この受験条件は、令和6年度より改正された内容で、移行期間として令和10年度までは、過去の条件を満たしている人も受験できます。詳しくは、建設業振興基金の試験案内ページで確認してみてください。

参照:過去の受検状況・検定問題・合格基準|一般財団法人 建設業振興基金

電気工事施工管理技士と電験三種との難易度の違い

設計図を確認する様子

電気業界に関連する資格に「電験三種」があります。正式名称は、電気主任技術者と言い、工事が終った施設の電気工作物を保守・監督する役割を担っています。

どちらも、電気業界には欠かせない存在であり、将来性の高い資格と言えるでしょう。ここでは、各資格の難易度や試験内容の違いについて解説します。

難易度の違い

電気主任技術者には三種・二種・一種があり、三種が一番難易度が低いとされています。

しかし、電気工作物を適切に保守・監督するための知識を身に着けておく必要があり、試験の難易度はかなり高いと言えるでしょう。

直近5年で実施された試験の合格率は、以下の通りです。

試験実施年度全科目合格率科目合格者
2023年上期16.6%32.8%
2022年下期15.7%28.7%
2022年上期8.3%29.4%
2021年11.5%32.5%
2020年9.8%30%

合格率の平均は12.4%で、電気工事施工管理技士よりもかなり低い数値で推移しています。

科目別合格者とは、全科目ではなく複数の科目のみ合格基準を満たした人のことです。試験に落ちても、合格した科目があった場合は次の試験から最大2年間、当該科目が免除されます。

そのため、電験三種は一発合格ではなく、複数回にわけて全ての科目に合格し資格取得する人が多い傾向です。

ちなみに、電験三種の偏差値は58とされており、1級電気工事施工管理技士よりも若干高めです。

参照:一般財団法人 電気技術者試験センター

試験形式の違い

試験形式は、電気工事施工管理技士の試験は一次・二次に分かれているのに対して、電験三種は二次試験がありません。

出題科目に関しては、電気工事施工管理技士は大きく分けて2科目、電験三種は4科目です。

電験三種の場合、試験に落ちたとしても、合格基準を満たしていた科目が以降の試験で免除される(最大2年間)ことが大きな違いと言えるでしょう。

電気工事施工管理技士と電気工事士との難易度の違い

技術者が腕を組む様子

電気工事士は、電気工事に従事するうえで欠かせない資格で、第二種と第一種に分かれています。電気工事士が作業する現場をまとめて管理するのが電気工事施工管理技士です。

ちなみに、工事全体を管理する電気工事施工管理技士だからといって、電気工事士の資格がなければ工事作業に従事することはできません。

電気工事士として経験を積み、キャリアアップを目指して電気工事施工管理技士を取得する人が多い傾向です。

難易度の違い

電気工事士には第二種と第一種があり、携われる電気工事の規模が異なります。難易度は、ビルや病院など、大規模な電気工事に携われる第一種の方が高くなります。

直近で実施された試験の合格率は、以下の通りです。

【第二種電気工事士試験】

実施年度筆記試験の合格率技能試験の合格率
2023年度(下期)58.9%68.8%
2023年度(上期)59.9%73.2%
2022年度56%72.6%

【第一種電気工事士試験】

実施年度筆記試験の合格率技能試験の合格率
2023年度(下期)61.6%60.6%
2022年度58.2%62.7%
2021年度53.5%67%

第一種・第二種ともに、合格率は60%前後で推移しています。受験するうえで特別な条件が設けられているわけでもないため、難易度は施工管理技士よりも低めと言えるでしょう。

第一種電気工事士に関しては、3年以上の実務経験を経て免状が交付されます。試験の偏差値は第二種が44、第一種が52とされています。

参照:一般財団法人 電気技術者試験センター

試験形式の違い

電気工事士の試験は筆記試験と技能試験に分かれています。技能試験では図面が配布され、支給された材料で図面通りに配線します。

知識を身に付けるだけでなく、道具の取り扱いや材料の加工方法にも慣れておかなければならないことが、一番の違いと言えるでしょう。

電気工事施工管理技士の勉強方法

女性社員がデスクワークする様子

電気工事施工管理技士の資格は、現役の技術者がキャリアアップを目指して取得するケースがほとんどです。限られた時間で効率良く学習を進めていくことが大切です。

ここでは、効率良く受験勉強を進められるおすすめの勉強方法について解説します。

過去問の活用

過去問を活用することで、出題傾向を把握しながら知識を身に着けられます。各年度の試験を繰り返し解きながら、苦手な科目を中心に学習を進めていきましょう。

試験が近づいてきた際には、実際の試験時間で問題を解くようにして、ペース配分の感覚も掴んでおくことも大切です。

過去問は、建設業振興基金の公式ページで公開されています。解説付きの参考書も多く市販されていますので、活用してみてください。

通信講座

技術者としての経験が浅く、ほとんど知識がない場合は、通信講座の活用をおすすめします。効率良く学習できるカリキュラムが組まれており、分からないことがある場合は質問もできます。

eラーニング講座が増えてきており、携帯やタブレットがあればいつでも好きなタイミングで学習を進められることも、大きな魅力と言えるでしょう。

学習期間や料金は、講座によって異なるため、自分のスケジュールと合いそうなものを選んでみてください。

電気工事施工管理技士の難易度に関してよくある質問

スマホを操作する様子

最後は電気工事施工管理技士に関する、2つのよくある質問に答えていきます。

受験資格や保有資格による難易度の違いに関する内容ですので、受験を検討するうえで参考にしてみてください。

電気工事施工管理技士の受験資格は何ですか?

電気工事施工管理技士の二次検定を受けるには、所定の実務経験を満たす必要があります。

【二級試験・二次検定の場合】

・2級試験の一次検定合格後、3年の実務経験
・1級試験の一次検定合格後、1年の実務経験
・電気工事士、電気主任技術者試験に合格後、1年の実務経験

実務経験の内容などに関しては、建設業振興基金の試験詳細ページで確認できます。

他の資格取得によって電気工事施工管理技士の難易度は下がりますか?

前述した通り、関連資格となる電気工事士や電気主任技術者を既に取得している場合、必要な実務経験が短くなります。

電気工事施工管理技士の難易度についてのまとめ

作業員が遠くを見つめている様子

電気工事施工管理技士の試験合格率は4〜6割で推移しており、低いわけではありません。ただし、受験するには所定の実務経験を満たす必要があり、取得難易度は高めと言えるでしょう。

電気工事士や電気主任技術者で、従事できる業務が異なるため、今後のキャリアプランを踏まえたうえで取得を目指す資格を決めていきましょう。

今回紹介した資格は、電気業界にとって欠かせない存在であり、将来性も高いと言えます。転職や就職を検討している方は、受験を検討してみてください。

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