電気工事施工管理技士とは、電気工事現場において作業員や環境の安全管理や、進捗の確認・調整、計画の作成や作業品質の管理を行う職種です。
そして、電気工事施工管理技士は1級と2級に分かれており、電気工事の現場においては工事担当者以外に管理担当者が必要となるため、電気工事施工管理技士の資格には一定の需要があります。
しかし、電気工事施工管理技士の資格の取得方法や詳しい年収についてご存じない人もいるのではないでしょうか。
本記事では、2級電気工事施工管理技士とは何か、仕事内容や年収事情などを解説します。
また、1級との違いや試験の難易度、令和6年度から変更された受験資格についても紹介します。
2級電気工事施工管理技士を受験予定の人は、参考にしてください。
2級電気工事施工管理技士とは
初めに、2級電気工事施工管理技士の概要について解説します。
電気工事施工管理技士とは
電気工事施工管理技士は、電気工事現場において作業員や環境の安全管理や、進捗の確認・調整、計画の作成や作業品質の管理を行います。
工事現場をまとめる人とイメージすると良いでしょう。
法令により、電気工事の場においては電気工事施工管理技士の配置が義務付けられているため、需要が高い職種の一つです。
また、電気工事施工管理技士は資格を持っていないと務まらないうえに、資格保有により実務経験があることも示すことができるため、工事現場や施工管理に密に携わりたい人にとっては必須の資格と言えます。
1級電気工事施工管理技士との違い
1級と2級の大きな違いは、許可されている業務範囲の広さにあります。
2級では一般建設業において主任技術者としての施工の管理が可能ですが、1級になると一般に加えて特定建設業での管理が可能です。
また1級を持っていると、規模が大きい建設工事の監理技術者にもなることができます。
主任技術者と監理技術者の業務内容に大きな差はありませんが、将来建設業でのキャリアアップを考えている方は、2級の取得後1級も取るのがおすすめです。
関連記事:電気工事施工管理技士の難易度は高い?電験三種との違いや合格率、勉強方法
2級電気工事施工管理技士の年収
2級電気工事施工管理技士の平均年収は487万円となっており、建設業界と国内全職種の平均年収と比べると高い傾向にあります。
電気工事施工管理技士は勤務年数やスキル、資格の有無によって給料が変動しやすいため、経験を重ねれば重ねるほど給与アップの見込みがある職種です。
また、資格手当や工事内容によって手当を支給する企業もあるため、やりがいも多くあります。
なお、地域別で比較すると最も平均年収が高い県は東京都で549万円です。一方で、最も給与水準の低い都道府県は387万円の長崎県で、東京都との差は162万円となっています
関連記事:電気工事施工管理技士の年収相場|キャリアアップや収入アップのコツ
出典:電気工事施工管理技士関連の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス 給料ナビ
2級電気工事施工管理技士の試験内容
2級電気工事施工管理技士の試験は一次と二次に分かれており、合格ラインは一次が60問中36問以上の正解、二次は正解率60%になっています。
一次はマークシート方式で、出題範囲は主に電気工学、施工管理法、法規です。
二次は記述式で、主に施工管理法について問われます。
2級電気工事施工管理技士の難易度
2級電気工事施工管理技士の合格率は、令和4年に少し下がったものの、約6割となっています。
合格率の推移は以下の表の通りです。
年度 | 第一次検定(%) | 第二次検定(%) |
令和2年度 | 58.5 | 64.1 |
令和3年度 | 58.8 | 68.7 |
令和4年度 | 55.6 | 61.8 |
参考:令和2年度2級建築・電気工事施工管理技術検定「学科のみ試験(後期)」合格者の発表 - 国土交通省
参考:令和2年度2級建築・電気工事施工管理技術検定「実地試験」の合格者の発表 - 国土交通省
参考:令和3年度 建築・電気工事施工管理技術検定(1級・2級)「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表
参考:令和4年度 建築・電気工事施工管理技術検定(1級・2級) 「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表 - 国土交通省
参考:令和4年度 建築・電気工事施工管理技術検定(1級・2級)合格者の発表|国土交通省
2級電気工事施工管理技士の受験資格
次に、2級電気工事施工管理技士の受験資格について以下の二つに分けて解説します。
- 令和6年度以降は受験資格が変更
- 第二次検定は古い受験資格でも受験可能
では、一つずつ解説します。
令和6年度以降は受験資格が変更
変更前の受験資格においては長い実務経験や学歴が必要であり、取得までにかなりの時間を要していました。
しかし、条件の差を無くすために令和6年度以降からは受験の条件が緩和されています。
現在、一次検定は試験実施年度末において17歳以上であれば誰でも受験可能となっています。
二次試験の条件は、2級の一次検定合格後に実務経験が3年以上あること、または1級の一次検定合格後に実務経験が1年以上あることです。
第二次検定は古い受験資格でも受験可能
検定条件が改定される前は、一定の条件に当てはまれば一次検定が免除されて二次検定のみ受験することが可能でした。
また、受験資格の移行期間ということもあり、令和10年度までであれば改定前の受験資格で二次検定を受けることができます。
令和6年度以前と以降の条件については、調べた上で受験をしましょう。
【令和6年度】2級電気工事施工管理技士の申込方法
次に、令和6年度以降の2級電気工事施工管理技士の申し込み方法について、以下の四つに分けて解説します。
- 試験日程
- 申請方法
- 受験手数料
- 試験地
では、一つずつ解説します。
試験日程
試験は1年の内で前期と後期に分かれており、今年中に受験を考えている人は後期試験の受験となります。
受験申込期間は、2024年6月26日~7月24日(WEB申し込み)または7月10日から7月24日(書面申し込み)です。
試験日は2024年11月24日で、合格発表は一次検定が2025年1月10日、二次検定が2025年2月7日です。
申請方法
申請方法は、WEB申し込みと書面申し込み(願書)の二つがあります。
受験方法も、一次検定のみの受験、一次二次同時受験、二次検定のみの受験と三つのパターンに分けられます。
申請の注意点として、一次検定のみを受験する場合は原則WEB申し込みになるため、あらかじめ確認しましょう。
受検手数料
受験手数料は、一次二次共に6,600円(税抜き)です。
一次二次を同時受験する際は、13,200円(税抜き)が必要になります。
また、願書での申し込みの場合は別途で費用がかかるため、こちらも確認しておきましょう。
試験地
令和6年度の後期試験の試験地は、以下の通りです。
札幌、青森、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、沖縄(学校申請者むけに、上記以外に試験地を8つ配置)
また、会場確保の都合により近郊の府県を含む周辺自治体で開催される場合もあるため、公式のページにて確認しましょう。
2級電気工事施工管理技士に関してよくある質問
最後に、2級電気工事施工管理技士に関するよくある質問として、以下の二つの質問に回答します。
- 試験の過去問はどこで見れますか?
- オススメの試験対策の方法はありますか?
それでは、順に回答します。
試験の過去問はどこで見れますか?
過去問は、一般的にWebからのダウンロードか書籍にて入手の2パターンがあります。
ただし、掲載されているのはマーク式である一次検定の試験問題のみであり、記述式の二次試験は公開されていない場合がほとんどです。
また、令和6年度より試験問題が改定されたため、それより前の過去問を解く際は出題範囲と出題目的に注意しましょう。
直近1年間の過去問はWEB上で確認することができます。
オススメの試験対策の方法はありますか?
勉強法としては、独学、通信講座、講習の3パターンがあります。
生活が不規則であったり、コストを抑えたい人は独学が向いていると言えます。
通信講座は試験対策の教材が用意されており、受験へのタイムパフォーマンスが優れていることがメリットです。
講習は講師から直接学ぶことができるため、書籍には載っていない合格のノウハウや二次試験に対してもアプローチができます。
関連記事:電気施工管理はきつい?やめとけ?そうとも言えない4つの理由
2級電気工事施工管理技士についてのまとめ
今回は、2級電気工事施工管理技士の資格について解説しました。
これから2級電気工事施工管理技士を取得しようと考えている方は、本記事を参考にして、ぜひ資格合格を目指してみてください。
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