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1級電気工事施工管理技士の受験資格や実務経験、試験の難易度

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電気施工管理技士をイメージした画像

電気工事全体を管理する役割を担う電気工事施工管理技士になるには、試験に合格しなければなりません。

資格取得を検討する際に、気になるのが受験資格や試験の難易度です。また、取得することで得られるメリットが知りたい方もいるでしょう。

受験前に難易度や取得のメリットを理解することで、最適なキャリアアッププランとよりよい学習スケジュールを組み立てられます。

今回は、1級電気工事施工管理技士の受験方法を中心に、資格の難易度や取得メリットについて解説していきます。

【記事のまとめ】
・1級試験は年に1回開催され、受験するには施工管理に関する所定の実務経験を満たす必要がある
・資格取得することで、主任技術者・監理技術者として従事できるようになる
・電気工事に関するスキルや知識の証明になり、昇格や転職に役立てられる
・試験の合格率は低くないものの、実務経験を満たす必要があり、取得難易度は高め

1級電気工事施工管理技士の概要

技術者が腕を組む様子

1級電気工事施工管理技士とは、建設工事における電気工事を管理する立場の人のことです。予め定められた工期や予算内を守り、事故なく工事を終わらせる役割を担っています。

資格は1級と2級に分けられており、1級資格を取得すれば工事の規模に関係なく、全ての電気工事を管理できます。

1級電気工事施工管理技士の試験情報

会議をしている様子

1級電気工事施工管理技士になるには、建設業振興基金が実施する試験に合格しなければなりません。

試験に挑戦する際には、概要を理解したうえで受験スケジュールを立てることが大切です。

ここでは、試験の概要について詳しく解説します。受験資格など細かく定められているため、条件を満たしているかチェックしてみましょう。

受検資格

電気工事施工管理技士として工事を指揮するには、電気工事における管理業務の経験が必要不可欠です。そのため、以下の実務経験を満たしておきましょう。

一次検定試験実施年度末までに19歳になっていること
二次検定1級の一次検定に合格後に、以下の条件を満たしている
・5年間の実務経験
・1年の特定実務経験を含んで3年以上の実務経験
・監理技術者補佐として1年の実務経験

特定実務経験とは、監理技術者か主任技術者による指導のもと、請負金額が4,500万円(建築一式では7,000万円)を超える工事での業務を指します。

2級資格を取得後に、主任技術者として従事した経験も含まれます。

このルールは2024年以降の受験者に適用されます。新しいルールへの移行措置として、2028年度までは、改正前の資格要件を満たすことでも受験可能です。

具体的なルールや実務経験の範囲に関しては、都度変更される可能性があります。建設業振興基金の試験情報を必ず確認するようにしましょう。

出典:令和6年度以降の技術検定制度概要(改正概要)|国土交通省

試験地

令和6年度の試験予定地は、以下の通りです。

札幌・仙台・新潟・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

会場詳細については、申請後に案内が届きます。試験の都合上、上記以外の県で開催されることもありますので、必ず案内を確認しましょう。

試験日程

令和6年度の試験スケジュールは、以下の通りです。

検定区分申請の受付期間試験実施日
一次検定令和6年2月22(木)
~3月8日(金)まで新規受験でネット申請のみ
4月5日(金)まで
7月14日(日)
二次検定一次試験と同じ10月20日(日)

一次試験の合格発表は8月23日(金)で、合格を確認してから二次検定の受験申請はできません。二次検定まで受験する場合は、必ず上記期間内に申請を済ませておきましょう。

実施年度によって、日程が前後する可能性がありますので、必ず実施機関の案内を確認してください。

受検手数料

試験の受験手数料は、一次検定・二次検定とも13,200円で、非課税です。

両方受験する場合は、先に一次検定の料金を振込み、試験の合格を確認してから、二次検定の料金を振り込む流れです。(締め切りは9月6日)

申請方法

試験の申請方法は、受験する検定区分によって詳細が異なります。

 一次検定のみ二次検定のみ一次二次同時受験
新規受験ネット申請のみ書面申請書面申請
再受験ネット申請のみネット申請か書面申請ネット申請か書面申請

二次検定を受験する場合、実務経験の審査があるため、書面にて必要書類を提出します。平成15年以降で二次試験を受けたことがある人は、過去の書類で実務経験を参照します。

参照:令和6年度1級 電気工事施工管理技術検定のご案内|一般財団法人 建設業振興基金

1級電気工事施工管理技士とは

設計図を確認する様子

施工管理技士は、あらゆる工事に欠かせない存在です。しかしながら、具体的な役割や工事における立場がよくわからないという方もいるのではないでしょうか。

ここでは、施工管理技士がどのような資格なのか、取得にはどのようなメリットがあるのか、解説します。

建設業法に基づく国家資格

電気工事施工管理技士は、建設業法に基づいた国家資格です。

建設工事における電気工事で、品質・工程・原価・安全を管理します。予め決められた予算や工期内で事故なく工事を終わらせる役割を担っています。

工事を適切に進めるうえで欠かせない存在であり、施工管理技士には他にも以下のような種類が存在します。

・建築施工管理技士
・建設機械施工管理技士
・土木施工管理技士
・管工事施工管理技士
・電気通信工事施工管理技士
・造園施工管理技士

2級との違い

1級と2級では、工事の管理内容に大きな違いはないものの、以下のような違いがあります。

【2級の場合】
工事現場ごとに設置が義務付けられている「主任技術者」と、建設業の営業所における「専任技術者」として従事できる【1級の場合】
工事現場ごとに設置が義務付けられている「監理技術者」と、特定建設業の営業所における「専任技術者」として従事できる

電気工事を行う場合、全ての工事に主任技術者を配置しなければなりません。工事の下請金額が4,500万円を超える大規模な工事に関しては「監理技術者」の設置が義務付けられています。

1級資格を取得できれば、工事の規模に関係なく、あらゆる電気工事の管理に携われます。

取得するメリット

施工管理技士の種類に関係なく資格を取得することで、作業する立場から工事全体を管理する立場に変わります。新たな経験を積みながら技術者として成長できるでしょう。

また、電気工事士など現場で働いている人がキャリアアップする際に取得を目指す資格でもあります。

施工管理技士の資格を取得することで、他にもさまざまなメリットがあります。

監理技術者・主任技術者になれる

建設工事では、工事ごとに必ず主任技術者か監理技術者を配置しなければなりません。

この2つのポジションは、知識や経験があれば誰でもいいというわけではなく、施工管理技士の保有者のみが就けるポジションです。

資格取得することで、新たな経験を積みながら、技術者としてさらに成長できるでしょう。

技術力を公的に証明できる

資格取得は、自身のスキルや知識の公的な証明にも役立ちます。資格取得に向けた努力もアピールできるため、社内での評価を上げやすくなるでしょう。

また、各建設企業を客観的に評価する「経営事項審査」では、施工管理技士の在籍が加点項目の1つとして定められています。

施工管理技士の在籍数が多いほど、優良企業として評価を受けやすくなり、工事を受注しやすくなります。

就職や転職で有利になる

建設工事では、工期や予算に合わせて安全に工事を進めるために、主任技術者や監理技術者の設置が義務付けられています。

そのため、施工管理技士は建設業界に欠かせない存在であり、今後も需要が落ちることはないでしょう。

関連の求人も多くあり、資格取得後に経験を積んでいくことで、より条件の良い企業への転職もしやすくなります。

施工管理技士として経験を積んだうえで、個人事業主として独立する人も中にはいます。経営者として施工管理以外の業務をこなす必要がある一方で、仕事量を調整できるだけでなく、高収入を目指せることも魅力です。

1級電気工事施工管理技士の試験内容

男女の作業員が立ってこちらを見ている様子

1級電気工事施工管理技士の試験は、一次検定と二次検定に分かれています。ここでは、各検定の出題内容や解答形式を紹介します。

合格に向けた学習スケジュールを組むうえで参考にしてみてください。

一次検定

一次検定は、午前中に2時間30分・午後に2時間の計4時間30分で試験が実施されます。

検定科目検定の基準解答形式
電気工学・適切に施工管理を進めるのに必要な電気通信工学、機械工学、土木工学、電気工学の知識を有しているか

・適切に施工管理を進めるのに必要な設計図書に関する知識を有しているか

・適切に施工管理を進めるのに必要な、変電設備、発電設備、送配電設備、構内電気設備に関する知識を有しているか

四肢択一
施工管理法・監理技術者補佐として、施工管理を進めるための施工計画の作成や品質、工程、安全管理方法に関する知識を有しているか四肢択一
・監理技術者補佐として、施工管理を進めるための応用能力を有しているか五肢択一
法規適切に施工管理を進めるための法令について、知識を有しているか四肢択一

合格基準は、全体の正答率が6割以上で、施工管理法の正答率が5割以上です。

二次検定

二次検定は、午後から開始となり試験時間は3時間です。

検定科目検定の基準解答形式
施工管理法・監理技術者として、適切に施工管理を進めるための知識を有しているか五肢択一
・監理技術者として、変電設備、発電設備、送配電設備、構内電気設備の性能を確保するための設計図書について正確に理解しているか

・各電気設備の施工図を適切に作成し、必要な機材の配置や選定をできる応用能力を有しているか

記述

二次試験は、全体の正答率6割以上で合格です。

1級電気工事施工管理技士の合格率と難易度

サラリーマンがほほ笑む様子

1級試験の合格率は、以下の通り推移しています。

実施年度一次検定の合格率二次検定の合格率
令和5年40.6%53%
令和4年38.3%59%
令和3年53.3%58.8%

一次検定の合格率は約4割、二次検定の合格率は約6割前後で推移しています。

合格率自体は高いものの、受験者のほとんどが実務経験を満たした技術者であることを踏まえると、難易度は高いと言えるでしょう。

出典:電気工事施工管理技術検定合格者の発表|国土交通省

1級電気工事施工管理技士についてのまとめ

作業員が遠くを見つめる様子

1級電気工事施工管理技士は、年に1回試験が実施されており、一次・二次検定に合格することで資格取得できます。

二次試験に挑戦するには、所定の実務経験を満たしておく必要があり、誰でもすぐに受験できるわけではありません。

資格取得することで、仕事の幅を広げられるため、技術者としてキャリアアップを目指す人におすすめの資格と言えるでしょう。

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