親子の黒猫マークでお馴染みのヤマト運輸株式会社。全国に事業所を展開する大手宅配便会社のひとつとして、様々なニーズに合ったサービスを提供している運送会社です。
ヤマト運輸は多角的なサービス展開に応じて多様な種類のトラックを保有し、配送業務を行っています。ここではヤマト運輸の保有するトラックを元に、クロネコヤマトで働くために必要な免許と事前に確認しておきたい注意点をご紹介していきます。
ヤマト運輸のトラックドライバーとして働くことを検討している方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
ヤマト運輸が保有するトラックの種類と求められる免許
ヤマト運輸の一番の特徴としてトラックの種類が豊富に揃っていることが挙げられます。当然ながらトラックの大きさによって求められる免許も変わってきます。ヤマト運輸の場合はどの免許が必要になるのでしょうか。
そこでヤマト運輸が保有するトラックの種類ごとにそれぞれ必要な免許をご紹介していきます。現在取得している免許でどのトラックの運転が可能なのかを確認していきましょう。参考までにヤマト運輸で実際に使用される車種も一緒にまとめてみました。
小型トラック・軽四輪自動車:普通免許
まずはヤマト運輸で主に使われている小型トラック・軽四輪自動車からみていきましょう。
一般的な車種はスズキのエブリィやホンダのアクティ、三菱のミニキャブなどコンパクトな大きさのトラックやバンが並びます。聞きなじみのある車種も多く、一見すると普通免許でも支障がない印象を受けますが実際はどうなのでしょうか。
トヨタのダイナや日野のデュトロなどのトラックは2tグレードのタイプも展開されているため、普通免許で運転できるトラックの種類なのか見分けがつきにくい場合もあります。三菱ふそうのキャンターといすゞのエルフについても同様です。
またクロネコヤマトのイメージが強いトヨタのクイックデリバリーの場合は最低でも準中型免許(5t)が必要となります。
結論としてヤマト運輸が保有する小型トラック・軽四輪自動車は普通免許では運転できない車種も含まれるので注意しなければなりません。小型トラック・軽四輪自動車でも大きさだけではなく、運転する車種の総重量も必ずチェックしておくことも大切です。
中型トラック・準中型トラック:中型免許
次に工業地域で活躍する中型トラック・準中型トラックです。ヤマト運輸ではいすゞのフォワードや日野のレンジャーといった車種を取り扱っています。
中型トラック・準中型トラックを運転するために必要な免許は、その取得時期が大きく関係してきます。
2007年までに普通免許を取得していれば普通免許で中型車の運転が可能です。つまり総重量8tまでのトラックが対象になることから、中型トラック・準中型トラックを運転できることになります。
問題はそれ以降に取得した免許の場合です。まず2007年6月2日以降2017年3月11日に取得した普通免許は道路交通法改正に伴い準中型免許(5t限定)に設定されているため、総重量5t未満のトラックの運転にしか対応できません。
2017年以降だとさらに範囲が狭まり、総重量3.5t未満の車種しか運転できないことになっています。
これらの場合は総重量11tまで運転可能な中型免許か、新設された7.5tまで対応の準中型免許が必要になるのです。このためヤマト運輸における中型トラック・準中型トラックを普通免許で運転するには免許の取得時期が大きなポイントとなっています。
大型トラック・トレーラー:大型免許
最後にヤマト運輸で使われている大型トラック・トレーラーの種類について確認していきましょう。
使用される車種は日野のプロフィアやいすゞのギガ、UDトラックスのクオンなどの大型車なので、前提として大型免許が必要不可欠です。
大型トラック・トレーラーは主にターミナル間の輸送に使用され、ヤマト運輸ではダブル連結トラックが使われることもあります。そうなると大型免許だけでなく、けん引免許も求められることになるのです。
自転車:免許なし
ヤマト運輸では自転車での配送も積極的に行われています。街中でクロネコヤマトの自転車や台車を見かける機会も多くなったのではないでしょうか。
もちろん自転車での配送に特別必要な免許はありません。そのため普通免許を持っていない学生や主婦などがメインとなって自転車での宅配サービスを行っています。
女性を積極的に採用すると共に自転車で短時間に配達することでドライバーの負担を減らし、効率的な宅配サービスを実現することを目的に取り組まれているのです。
関連記事:小型トラックの種類・形状・寸法・免許・価格相場は?徹底解説!
ヤマト運輸のトラック運転手が確認すべき注意点
では実際にヤマト運輸でトラック運転手として働きたい人が注意しなければならない点はなんでしょうか。
普通免許や準中型免許でも場合によっては別の免許への切り替えが必要になることも珍しくありません。事前に確認しておくべき事柄を免許ごとにみていきましょう。
普通AT車限定のケース
普通AT社免許でも応募できるケースは増えていますが、ヤマト運輸含む物流業界で使われるトラックはMT車が一般的です。ほとんどAT限定車の免許では運転できない車種が多いといっても過言ではないでしょう。したがって残念ながら普通AT車限定免許ではトラックの運転には対応できないことがほとんどです。
免許をAT限定車からMT車に変更するには、AT車の限定解除を行う必要があります。限定解除は教習所か免許センターで行われます。
免許センターでは1日という短期間での限定解除が可能ですが、限定解除の審査である技能試験を受けなければならないのでMT車未経験の方には難易度が高めです。
教習所では4時間程度の技能講習を経てから技能審査が行われます。数日間の時間を要しますがMT車に慣れるためには教習所での限定解除のほうが適しているかもしれません。
準中型免許(5t限定)のケース
続いて準中型免許(5t限定)のケースです。これは先述した通り2007年6月2日以降2017年3月11日の間に取得した免許の区分となり、車両総重量5tまで、最大積載量は3t未満のトラックしか運転できません。そのため車両総重量が5tを超えるトラックには対応できないのです。
2017年度に改定された新免許制度の区分である準中型免許ならば最大総重量7.5t、最大積載量4.5tまでのトラックを運転できるようになります。そのため準中型免許(5t限定)の場合はヤマト運輸で保有されている2tトラックに対応できるように準中型免許への切り替えをしなければなりません。こちらもAT車の限定解除と同様の対処が必要となってくるのです。
ヤマト運輸は免許取得をバックアップしてくれている
上記2つのケースで限定解除に触れましたが、もちろんこの限定解除にも費用がかかります。
準中型免許(5t)を限定解除する場合、準中型AT免許では平均して10万前後、準中型MT免許でも7万円前後の費用が必要となるのです。ドライバーとして働くうえで免許の切り替えが重要だと分かっていても、個人では重い負担金額になるため頭を悩ませている方も一定数いるのではないでしょうか。
そこで知っておきたい大事なポイントはヤマト運輸の免許取得のバックアップ制度です。
人手不足の運送業界では働きやすい労働環境の整備がどんどん進められています。それに加えて2017年度に準中型免許が設定され、配送業務に欠かせない免許になったことから普通免許の切り替え費用の補助が行われるようになりました。
対象者は新卒と第二新卒採用者で、採用内定後の補助も行えるように制度が拡充されています。初めて免許を取得する対象者には普通免許との差額分相当の10万円の補助が、すでに普通免許を持ち準中型免許に切り替えるケースでは15万円の補助が受けられるのです。
これからドライバーとして働くことを考えている対象者には有益な情報といっていいでしょう。どこで働くのか決めかねている方はこのような制度の内容も確認しておくことをおすすめします。
ヤマト運輸トラックの種類に関するまとめ
以上、トラックの種類が豊富なクロネコヤマトで働くために必要な免許や注意点をご紹介してきました。
大型トラックだけでなく普通免許で運転できると思っていた小型トラック・軽四輪自動車にも総重量という重要なポイントがあります。中型トラック・準中型トラックを運転する場合も免許の取得時期によって取り扱い区分が変化するため、自分がどのトラックを運転できるのか事前に認識しておかなければなりません。
ケースによっては免許の限定解除が必要になってきます。ヤマト運輸のバックアップ制度の対象者に当てはまる方はうまく活用して多様な種類のトラックに対応できるようにするのもいいでしょう。
いずれにしても自分の免許はどの種類でどのトラックの運転に対応できるのかを把握したうえで行動を起こすことが重要です。思い違いがないようにいま一度、しっかり確認しておきましょう。
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