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機械設計エンジニアにおすすめの資格10選|メリットや難易度も

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機械設計エンジニアを目指すにあたって、どのような資格が必要なのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

機械設計エンジニアに役立つ資格は、「機械設計技術者」・「技術士(機械部門)」・「機械・プラント製図技能士」・「CAD利用技術者」です。

この記事では、機械設計エンジニアに必要なおすすめの資格10選について解説します。機械設計エンジニアを目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

機械設計エンジニアにおすすめの資格10選

機械設計技術者の取得を目指している人

機械設計エンジニアのキャリアを形成するにあたって、役に立つ資格10選を紹介します。

機械設計技術者1級〜3級

機械設計技術者は、一般社団法人日本機械設計工業会が運営する技術力を公認する資格です。したがって、機械設計技術者は国家資格ではなく民間資格です。

機械設計技術者は1級から3級までの3種類があります。

また、それぞれの資格の難易度や試験の目的は異なります。

機械設計技術者3級は入門資格になる

令和5年に開催された機械設計技術者試験3級の合格率は47.1%です。受験者数は1,838人で、そのうち合格者数は865人でした。

機械設計技術者3級は、1級および2級の資格を持たない初心者向けの資格です。したがって、試験の受験要件は特に設けられていません。

試験科目は機械工学基礎分野のみです。具体的には次のとおりです。

分野
1機構学・機械要素設計
2機械力学
3制御工学
4工業材料
5材料力学
6流体・熱工学
7工作法
8機械製図

令和5年の試験は2時限に分かれており、時間は12:00~16:20でした。

新入社員や学生の技術レベルを適切に評価し、公認する目的を担っています。
また、3級を取得すれば、実務にスムーズに移行できるようになり、さらなる技術習得につながります。

機械設計技術者2級は3〜7年の実務経験が必要になる

令和5年に開催された機械設計技術者試験2級の合格率は40.8%です。受験者数は574人で、そのうち合格者数は234人でした。2級の受験者数は、3級と比較して1/3以下です。

機械設計技術者2級を受験するには、3年から7年の実務経験が求められます。

具体的に必要な実務経験は次のとおりです。

最終学歴3級取得ありの場合の実務経験3級取得なしの場合の実務経験
工学系の大学もしくは大学院・高専専攻科・高度専門士・職業能力開発大学校2年3年
工学系の短大・高専・専門学校・職業能力開発短期大学・職業能力開発校3年5年
その他4年7年

試験科目は3級と異なり、複数の分野があります。具体的な出題科目は次のとおりです。

1機械設計分野
2力学分野
3熱・流体分野
4材料・加工分野
5メカトロニクス分野
6環境・安全分野
7応用・総合

令和5年の試験は3時限に分かれており、時間は9:30~16:30です。

機械設計技術者2級は、技術者のスキルや地位向上を図ることを目指しています。

機械設計技術者1級は5〜10年の実務経験が必要になる

機械設計技術者のうち、1級は最も難易度の高い資格です。令和5年に開催された機械設計技術者試験1級の合格率は36.4%です。受験者数は143人で、そのうち合格者数は52人でした。

機械設計技術者1級を受験するには、おおむね5年から10年の実務経験が求められます。ただし、2級を取得した場合、次年度から1級を受験できます。

具体的に必要な実務経験は次のとおりです。

最終学歴2級取得なしの場合の実務経験
工学系の大学もしくは大学院・高専専攻科・高度専門士・職業能力開発大学校5年
工学系の短大・高専・専門学校・職業能力開発短期大学・職業能力開発校7年
その他10年

試験科目は2級で求められる内容に加えて、次の3つです。

具体的な出題科目は次のとおりです。

科目
1設計管理課題
2機械設計基礎課題
3環境経営課題

令和5年の試験は3時限に分かれており、時間は9:30~16:30です。

機械設計技術者1級も2級と同じく、技術者のスキルや地位向上を図る狙いがあります。

参考:試験の必要性と目的|機械設計技術者試験|一般社団法人日本機械設計工業会
参考:令和5年度 機械設計技術者試験受験者数と合格率|一般社団法人日本機械設計工業会
参考:試験概要と出題科目|機械設計技術者試験|一般社団法人日本機械設計工業会

技術士(機械部門)

技術士は科学技術に関連する専門知識やスキル、さらには実務経験を公認する国家資格です。技術士は基本的に20部門あります。

20部門のうち機械部門は機械設計エンジニアにおすすめです。

部門一覧は次のとおりです。

部門
1機械部門
2船舶・海洋部門
3航空・宇宙部門
4電気電子部門
5化学部門
6繊維部門
7金属部門
8資源工学部門
9建設部門
10上下水道部門
11衛生工学部門
12農業部門
13森林部門
14水産部門
15経営工学部門
16情報工学部門
17応用理学部門
18生物工学部門
19環境部門
20原子力・放射線部門

令和5年度第一次試験の技術士(機械部門)の合格率は35.6%です。受験者数は1,692人で、そのうち合格者数は603人でした。

技術士を取得するための受験要件は求められていません。

また、試験科目は4つの分野です。

分野
1材料力学
2機械力学・制御
3熱工学
4流体工学

技術士制度は人材育成を目指しています。

参考:技術士第一次試験の科目|公益社団法人日本技術士会
参考:令和5年度技術士第一次試験統計|公益社団法人日本技術士会

機械・プラント製図技能士

機械・プラント製図技能士は機械設計で製図するスキルを認定する国家資格です。令和4年に開催された機械・プラント製図技能士全体の合格率は43.2%です。受験申請者数は4,612人で、そのうち合格者数は1,996人でした。

ただし、機械・プラント製図技能士は特級・1級・2級・3級の4種類に分かれています。特級が一番高く、3級が最も易しい難易度です。

3級は誰でも受験できますが、2級以上は受験要件が定められています。

受験要件の詳細は次のとおりです。

資格受験要件(1)受験要件(2)
特級1級合格後5年以上の実務経験
1級7年以上の実務経験2級合格者は2年、3級合格者は4年
2級2年以上の実務経験3級合格者

試験科目は次のとおりです。

科目
1製図一般
2材料
3材料力学一般
4溶接一般
5関連基礎知識
6機械製図法・プラント配管製図法
7選択科目実技

参考:機械・プラント製図(機械製図 CAD 作業)|中央職業能力開発協会
参考:令和4年度「技能検定」実施状況|厚生労働省

CAD利用技術者

CAD利用技術者とは、製図や設計に必要なCADシステムの理解度を評価する資格です。CAD利用技術者の種類は次のとおりです。

  • 2次元CAD利用技術者試験基礎
  • 2次元CAD利用技術者試験:1級(建築・機械・トレース)・2級
  • 3次元CAD利用技術者試験:1級・準1級・2級

2次元CAD利用技術者は設計に必要な知識や図面読解力、CADによる設計・技術力を測る試験です。一方で、3次元CAD利用技術者の試験では3D空間でCADを使用して、モデリング・設計・製図するにあたっての必要な知識やスキルを測定しています。

2024年4月時点での、直近の受験者数・合格者数・合格率は、次のとおりです。

受験者数合格者数合格率
2次元CAD利用技術者試験基礎613人437人71.29%
2次元CAD利用技術者試験1級(建築)138人64人46.38%
2次元CAD利用技術者試験1級(機械)206人64人31.07%
2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)34人12人35.29%
2次元CAD利用技術者試験2級3,778人1,978人52.36%
3次元CAD利用技術者試験1級266人68人25.56%
3次元CAD利用技術者試験準1級333人121人36.34%
3次元CAD利用技術者試験2級2,611人1,714人65.64%

就職する業界によって活かせる種類は異なりますので、業務に応じた資格取得を検討しましょう。

また、試験分野も資格種類によって異なります。たとえば、3次元CAD利用技術者試験1級の試験分野は次のとおりです。

試験分野
1CADリテラシー・形状認識能力
2アセンブリモデリング能力
32次元図面からのパーツモデリング能力

参考:2024年度 3次元CAD利用技術者試験 概要|ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
参考:統計情報 - CAD利用技術者試験|ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

計算力学技術者検定

この検定は、日本機械学会が実施するもので、計算力学(CAE: Computer Aided Engineering)に関する技術レベルを評価する認定資格です。

CAEは、コンピュータを用いて現象や構造を解析する技術であり、仮想実験を行うためのシミュレーション技術が中心となります。

検定は、固体分野、熱流体分野、振動分野の3つに分類され、受験者は数学や力学の知識を基に正確な解析を行う技術が求められます。

参考:計算力学技術者資格認定とは|一般社団法人日本機械学会

IoTシステム技術検定

機械設計者にとって、もはや機械関連の知識だけでは不十分で、IoTに関する技術理解が求められる時代です。近年の機械設計とネットワーク技術が、密接に結びついていることから注目されている資格です。

参考:IoTシステム技術検定[基礎]CBT方式|MCPC

G検定

日本ディープラーニング協会が実施する検定で、AIや機械学習の学び始めに適した資格です。

試験は専門家でなくても十分受験可能なレベルであり、AI、機械学習、ディープラーニングに関する知識が問われます。これらの技術は、今後の機械設計者にとっても必須のスキルとなりつつあります。

参考:G検定とは|日本ディープラーニング協会

3Dプリンター活用技術検定

3Dプリンターの技術に関する検定です。3Dプリンターは、製造業におけるものづくりのプロセスを大きく変革しつつあり、今後さらに幅広い分野での活用が期待されています。

この検定を通じて、3Dプリンターの基本技術から応用までを学ぶことができ、製造業における活用に役立つでしょう。

参考:3Dプリンター活用技術検定試験概要|コンピュータ教育振興協会

ドローン検定

無人航空従事者試験とも呼ばれ、ドローン技術を扱う者の知識レベルを評価する資格です。ドローンは、まだ発展途上の技術でありながら、その応用範囲は広がり続けています。

製造業にも大きな影響を与えることが予想され、ドローンに関する基礎知識を身につけることは将来的に大きなメリットとなるでしょう。

参考:ドローン検定|ドローン検定協会 株式会社

工作機械検定

この検定は、日本工作機械工業会が実施しており、工作機械に関する知識を問われるものです。

工作機械は「マザーマシン」とも呼ばれ、他のすべての機械を生み出す源となる重要な技術です。この検定を通じて、工作機械に対する理解を深めることができます。

参考:工作機械検定|日本工作機械工業会

関連記事:機械設計で勉強すべき4大力学とおすすめの勉強方法

機械設計エンジニア関連の資格を取得するメリット

試験

機械設計エンジニア関連の資格を取得する3つのメリットを紹介します。

就職やキャリアアップに有利

資格を取得することで、機械設計エンジニアとしての知識とスキルを客観的に証明できます。

特に、新卒や転職時には「即戦力」として見なされ、企業側にとっても指導の負担が軽減されるため、採用面で有利になります。

また、資格を取得していることが採用条件や優遇措置となる企業も多く、より良い転職先を選べる可能性が広がります。

技術力の証明

資格取得は、技術力の証明になります。実務経験の有無にかかわらず、試験に合格するためには一定レベルの知識が求められるため、技術者としての信頼性を高めることが可能です。

また、資格を持つことで、顧客や上司に対してもスキルを示しやすくなり、プロジェクトへの参画や昇進に繋がる可能性が高まります。

段階的なスキルアップ

機械設計エンジニア関連の資格は、基礎から応用まで、段階的にスキルを習得することが可能です。

特に、難易度が高い資格を目指す場合、まずは基礎的な資格から取得してステップアップしていくことで、スキルを着実に向上させられます。

関連記事:機械設計エンジニアがやめとけと言われる理由|派遣社員から脱出する方法

機械設計エンジニア関連の資格を活かせる業界

家電業界で資格を活かして働く人

先ほど紹介した役立つ資格を特に活かせる業界は3つです。

  • 自動車業界
  • 家電業界
  • プラント業界

それぞれの業界について解説します。

自動車業界

自動車業界で、機械設計の業務は自動車を構成するさまざまな部品の設計や研究です。自動車の安全性・快適性・燃費向上などに向けて、機械設計エンジニアが活躍しています。

家電業界

家電業界で、機械設計の主な業務は電化製品の構造設計・機構設計・部品設計です。機械設計エンジニアは使いやすく、省エネで、デザイン性の高い製品開発が求められています。

プラント業界

プラント業界で、機械設計の業務はプラントを構成する設備や装置の設計です。機械設計エンジニアは、さまざまなプラントの設計・建設・メンテナンスに寄与しています。

機械設計エンジニアの資格に関してよくある質問

機械設計エンジニアとして働く人

機械設計エンジニアの資格に関するよくある質問は次のとおりです。

  • 機械設計に向いている人は?
  • 機械設計技術者試験は国家資格ですか?
  • 機械エンジニアになるためにはどんな知識が必要ですか?

それぞれについて解説します。

機械設計に向いている人は?

機械設計エンジニアに向いている人の特徴は、「細かい作業が得意」・「高いコミュニケーション能力がある」などです。

また、自分で調べながら改善ができたり同じ職場の人から積極的に学べたりできる人が機械設計エンジニアに向いているでしょう。

関連記事:機械設計エンジニアは30代未経験でもなれる?転職成功のコツ

機械設計技術者試験は国家資格ですか?

機械設計技術者は、一般社団法人日本機械設計工業会が運営する技術力を認定する資格です。つまり、機械設計技術者は国家資格ではなく民間資格です。

機械エンジニアになるためにはどんな知識が必要ですか?

機械設計エンジニアになるにあたって、機械力学・材料力学・流体力学・熱力学の4大力学の知識が特に重要です。他にも、CADに関する知識・技術があると、業務に活かせるでしょう。

機械設計エンジニアの資格についてのまとめ

資格を取得してキャリアアップした人

機械設計エンジニアにおすすめの資格を取得することは、キャリア形成や業務スキル向上に大いに役立ちます。

資格取得を通じて、技術的な知識や実務経験を体系的に学び、より専門性の高い分野での活躍が期待できるでしょう。

また、資格の選定や勉強に取り組む際は、業務に直結するものを選び、実際に現場でどう活かせるかを意識して学ぶことが大切です。ぜひ自分に合った資格を取得し、スキルアップに活用してみてください。

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