バス運転手

バス運転手の大変なところは?実際の仕事と研修について紹介

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バス運転手 大変な様子

バス運転手への就職・転職を検討している人の中には、魅力だけでなく、大変なことも知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。特に就職してすぐには新人研修もあり、実務とは違った大変さがあります。

この記事では、実際の仕事や新人研修での大変なことを紹介します。

バス運転手の大変なところ8選

夜道を走るバス

バス運転手の仕事はただバスを運転するだけだと思われがちですが、実はそれ以外にも、車内の清掃・点検や運行記録への記入などの業務があります。ここでは、バス運転手の仕事を続ける上で大変なことを8つ紹介します。

  • 不規則な勤務形態になっている
  • 拘束時間が長い
  • 運転に神経を使う
  • 乗客へのクレーム対応に疲れる
  • 体調管理が難しい
  • 給料が安い場合がある
  • なかなかトイレに行けない
  • 肩こりや腰痛が起きるとつらい

1.不規則な勤務形態になっている

バス運転手の勤務形態は正社員以外にも、シフト制のアルバイトや派遣制など多岐にわたっています。また、勤務時間についても不規則になっていることが多いです。

勤務時間はあらかじめ決められていることが多いですが、渋滞や混雑が起きているときには休憩時間や終業時間が変わることもあります。

このように、勤務形態や勤務時間が不規則になっていることはバス運転手の大変なことの1つです。

2.拘束時間が長い

バス運転手は長距離の移動になると拘束時間が長くなります。勤務時間や休憩時間に関するルールはあるものの、長時間の勤務になることも少なくありません。

また、休憩時間といっても他の仕事ほど自由度は高くありません。自分のペースで働きたい人には、あまり向いていないと言えるでしょう。

3.運転に神経を使う

バスはたくさんの乗客が利用する交通機関です。自分だけではなく、乗客の命も預かっている重要な仕事です。

自分だけの運転と比べて、より神経や体力、気力を使います。バスの運転に慣れるまでは大変であると感じることも多いでしょう。

4.乗客へのクレーム対応に疲れる

バス運転手の仕事の1つに「乗客とのコミュニケーション」がありますが、質問や世間話だけではありません。いわゆるクレームを言ってくる乗客もいますから、それらへの対応も求められます。

理不尽な要求をされることもありますが、会社のイメージやブランドを崩さないためにも感情的にならずに適切に対応することが求められます。こういったクレーム対応も疲れたり大変さを感じたりする要因の1つでしょう。

5.体調管理が難しい

体調管理は社会人として最低限行うべきものですが、特に運転手は体調を崩した状態で運転すると大変危険です。安全に運転するためにも、食事や睡眠、飲酒などの生活習慣には気をつけましょう。

また、体への負担が大きいバス運転手は、風邪や病気だけでなく、腰痛や肩こりなどにも注意する必要があります。

6.給料が安い場合がある

バス運転手の給料は、平均的な収入と比べて低い傾向にあります。特に、役職などもない新人の場合、高い報酬を得ることは難しいです。

不規則な勤務形態、長い拘束時間、厳しい労働条件のわりに報酬が低いと長く続けるのは大変かもしれません。しかしその分、運転や接客が好きであればやりがいを感じられるでしょう。

7.なかなかトイレに行けない

バス運転手は勤務時間のほとんどをバスの中で過ごすため、なかなかトイレに行けません。休憩時間はありますが、バスストップや停留所、道の駅などが混雑していると行けないこともあります。同様に、食事や仮眠を十分に取れないことも考えられます。

8.肩こりや腰痛が起きるとつらい

バス運転手は長時間、座りっぱなしで運転をするため身体を壊しやすいです。特にひざや腰、肩、背中、首に負担がかかりやすく、痛みや症状を抱えている運転手も多くみられます。

正しい姿勢で運転したり、退勤後に身体のケアをしたりして身体を壊さないようにすることが大切です。中高年になってからだと回復にも時間がかかりますから、若いうちから気を付けることをおすすめします。

参考:バス運転者の人材確保・育成による改善事例|厚生労働省

バス運転手の新人研修は厳しい?

バスを運転する外国人運転手

ここまで、バス運転手の「実務」における大変なことを紹介してきました。ここからは「新人研修」に関するお話をしていきます。まずはバス運転手の新人研修が厳しいのかどうか、その実情をお伝えします。

  • 以前は厳しい研修があった
  • 指導運転手によって感じ方はさまざま

以前は厳しい研修があった

以前行われていた研修は体力的にも精神的にも厳しい面がありましたが、現在は多くの企業で改善がみられます。なぜなら、社会全体で、ハラスメントとして認められるケースが増えてきたりドライブレコーダーによって言動が記録されるようになったりしているためです。

しかし、改善されたとはいっても、中小企業ではまだ体育会系の考え方や文化が残っている可能性もあります。

指導運転手によって感じ方は人さまざま

指導者によって研修での教え方はそれぞれです。また、教えに対する感じ方も人によって異なります。

例えば、指導者が一方的に話す「講義式」の方が合っていると感じる人もいれば、自分たちで考えたり話し合ったりしながら進める「対話型」の方が合っていると感じる人もいます。同じ講義式でも、黒板やホワイトボードを使う形式や動画を見せる形式、資料・レジュメの有無など、さまざまなやり方があります。

バス運転手の新人研修は本社が実施するものと各営業所が実施するものがあり、座学と実技研修にも分けられるため、自分に合った形式だけということはないでしょう。しかし、資料にマーカーを引く、メモを取るなど、自分でできることもあるはずです。研修を受ける際は覚えやすいように自分で考えて工夫しましょう。

バス運転手の新人研修が厳しくなくなった3つの理由

笑顔を見せるバス運転手

最近の新人研修は以前よりもゆるくなっているようです。時代の動きやテクノロジーの発展などが主な理由です。

  • パワハラが社会問題になったから
  • ドライブレコーダーで記録されているから
  • 運転手の接客レベルが向上したから

パワハラが社会問題になったから

ここ数年で、パワーハラスメント(パワハラ)が社会問題として認識されるようになってきました。もちろんバス業界も例外ではありません。

その結果、バス会社で実施されている新人研修も見直されました。

ドライブレコーダーで記録されているから

近年はドライブレコーダーの技術も発展しており、バスにドライブレコーダーを搭載しているバス会社も増えているようです。

バスに乗り込んでの実務研修では、言動がドライブレコーダーに記録されるため、指導者もより一層気を付けるのです。

運転手の接客レベルが向上したから

バス業界全体で運転手の接客レベルが上がったことにより、研修で覚えるべき内容が増えました。これまでも接客レベルの高い人はいましたが、あくまでも個人のスキルに依存していました。それらの知見が属人的にならないよう、マニュアルや研修内容に組み込まれるようになったのです。

また、最近ではマニュアルにとらわれずに「自分の頭で考えて判断する」ことも重要視されています。そのため、想定されるさまざまなケースに対してどう考え、行動するかを問うロールプレイングを行う会社も多いようです。

バス運転手の新人研修でおこなう5つの流れ

乗客を案内するバス運転手

バス運転手になったら、まずは新人研修を受けます。研修のカリキュラムや時間などはバス会社によって異なりますが、多くの場合、以下の流れで進んでいきます。

  1. 労働条件の説明や座学を実施する
  2. 実技研修を実施する
  3. 営業所への配属が決まる
  4. 指導運転手と現場研修をする
  5. 研修を終えるとひとりで運行をする

労働条件の説明や座学を実施する

大手のバス会社の場合、まずは本社で研修を行うこともあります。労働条件や業務の大まかな流れ、会社の規則などを覚えてもらうために座学を行います。覚えることは多いですが、どれも基本的かつ重要な事柄ばかりですのでしっかり覚えましょう。

実技研修を実施する

業務の流れや規則などの基本事項を座学で学んだあとはバスに乗り込んで実技研修を行います。実技研修では、バスの運転技術や乗客とのコミュニケーションの取り方などを学びます。

どのような状況でも臨機応変に対応できるようになるため、実際の乗務で起こりうるシチュエーションを想定してのロールプレイングをします。

乗客に不快な思いをさせないためにも、実技研修で適切な接し方をしっかりと学びましょう。

営業所への配属が決まる

本社での座学・実技研修が全て完了したらいよいよ各営業所に配属されます。配属先が決まったら、営業所ごとに実施している研修を受けることになります。

指導運転手と現場研修をする

各営業所に配属されたら、配属先で現場研修を実施します。配属先での研修では「本社での研修のおさらいや補足」「営業所ごとの規則や決まりごと」などを学びます。

研修を終えるとひとりで運行をする

研修の全カリキュラムを一通り終えたら、そこからはひとりで運転しなくてはいけません。運転手として働いている以上、運転しているときに起きた出来事には責任を負わなくてはいけません。

もし不安なことや疑問に思っていることがあれば、研修中に確認しておきましょう。

バス運転手の新人研修で大変な出来事3選

車内の装置を操作するバス運転手

ここでは、新人バス運転手が研修で「大変だ」と感じることを3つ、紹介します。

  • 乗客からのクレームがある
  • 覚えることが多くパニックになる
  • 運転中に怒られる

乗客からのクレームがある

研修とはいえ、運転中に何かあると乗客からクレームが出る場合があります。乗客からすると、あなたが新人・研修生かどうかは関係ありません。お金を払っている以上、プロの運転手としてふさわしい、丁寧な対応、サービスを提供する必要があります。

バス運転手としての心構えも身につけましょう。

覚えることが多くパニックになる

研修期間は会社によって異なりますが、どこもあまり長くはありません。スケジュールもハードに組まれていることも少なくありません。研修期間中に全てを覚えようとするとパニックになってしまうこともあります。

まずは要点だけをおさえておき、実務が始まってからも復習すると良いでしょう。

運転中に怒られる

運転中にも怒って話しかけてくる乗客もいます。マニュアルでは、「安全のために運転中は話しかけられても対応しない」とされていることが多いですが、対応しないでいるとさらに怒ってしまうこともあります。

パニックになってしまうかもしれませんが、むしろ実務前の研修中にトラブルに遭遇できたということで学べるチャンスだと捉えるようにしましょう。

バス運転手が天職に感じる人の特徴3選

子どもに手を振るバス運転手

これまで実務中や研修中に大変だと感じることを紹介してきましたが、そればかりではありません。どんな仕事にも向き・不向きがあるように、バス運転手にも向いている特徴があります。

ここでは、バス運転手が転職だと感じる人の特徴を3つ紹介します。

  • 運転が純粋に好き
  • 乗客と触れ合うのが好き
  • ひとつの会社に長く勤務したい

運転が純粋に好き

バス運転手は勤務時間のほとんどをバスの運転に費やします。いくら他の仕事があるからといっても、バスの中で過ごす時間が長いのは否定できない以上、運転が好きでないと、長くは続けられないでしょう。

また、バス運転手になる前にも、タクシーやトラックの運転手をしている人もいますから、純粋に運転が好きな方が向いています。

乗客と触れ合うのが好き

乗客の中には、運転中に怒ってくる人やクレームを言ってくる人もいますがそんな人ばかりではありません。気さくに話しかけてくれる人や感謝の気持ちを伝えてくれる人もたくさんいます。

バス運転は乗客とのコミュニケーションを通じて、暖かい気持ちになることも多いでしょう。人と触れ合うのが好きな人におすすめです。

ひとつの会社に長く勤務したい

現在、バス業界は人手不足であり、会社の経営者は一度入社した人を手放したくないと考えています。そのためトラブルや問題を起こさない限り、契約は継続するとみてよいでしょう。

バス運転手が大変に関するよくある質問

山道を走行するバス

ここでは、バス運転手の大変さや新人研修に関するよくある質問を紹介します。

  • サラリーマンからバス運転手になれますか?
  • バス運転手の年収は低いですか?
  • バス運転手はどんな人が向いていますか?

バス運転手への就職・転職を検討している人は、ここで不安や疑問をなくしておきましょう。

サラリーマンからバス運転手になれますか?

サラリーマンからバス運転手に転職することはできますが、免許が必要なため、持っていない人がいきなり転職するのは難しいです。

逆に、免許を持っていて運転の実務経験がある人であれば、スキルや経験を活かせるでしょう。

バス運転手の年収は低いですか?

バス運転手の年収は日本人の平均年収と比べると低いです。厚生労働省によると、バス運転手の年間所得額は令和3年が404万円、令和2年が428万円と、いずれも平均年収よりも低い金額となっています。

参考:統計からみる運転者の仕事|厚生労働省

バス運転手はどんな人が向いていますか?

運転することや乗客と触れ合うのが好きな人はバス運転手に向いています。

まとめ

横に並ぶたくさんのバス

今回紹介してきたように、バス運転手には実務・研修それぞれに大変なことがあります。しかし、それ以上に楽しみややりがいもあります。

運転や乗客とのふれあいが好きな人、ぜひバス運転手になりませんか?

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