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バス運転手の一日の流れは出社後のアルコール検査から始まる

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バス運転手の日課

バス運転手の一日の流れは出社後のアルコール検査から始まる

バス運転手への就職・転職を考えている人の中には、1日のスケジュールを知りたい人もいるのではないでしょうか。今回は、バス運転手がやることを1日の流れに沿って紹介していきますので、ぜひ自分が働いている姿をイメージしながら読んでください。

バス運転手の一日の流れ

乗客を案内しているバス運転手

バス会社によって若干異なる部分はあるかもしれませんが、バス運転手の1日はおおよそ以下のような流れになっています。

  1. 出社する
  2. アルコール検査を実施する
  3. 運転車両の確認をする
  4. 運行前の車両点検をする
  5. 始業点呼をとる
  6. 出発して運行する
  7. 運行後に車内清掃をする
  8. 車内清掃が終わったら車両点検をする
  9. 乗務記録を記入する
  10. 終業点呼をとる

実はバス運転手の仕事はバスの運転だけではなく、車両の点検・清掃や乗務記録への記入などの事務作業などもあるのです。乗客の安全を第一に考えられない人や時間通りに運行できない人はバス運転手にあまり向いていないと言えるでしょう。

1.出社する

バス運転手の1日は、勤務しているバス会社に出社することから始まります。出社後は着替えの時間などは設けられていませんので、自宅で制服に着替えてから出社しましょう。また、もちろん忘れ物もしないようにしましょう。

ちなみに、財布やスマートフォンなどの私物はバス会社のロッカーに入れておきます。

参考:バス事業における飲酒運転の防止に係る緊急対策について|国土交通省

2.アルコール検査を実施する

バス運転手は乗客の命を預かる仕事です。安全に走行するために、毎朝、アルコール検査を実施しています。バス運転手はアルコール検査に引っかからないよう、検査の8時間前までしかお酒を飲んではいけない、という決まりがあります。もし検査に引っかかってしまった場合、その日は運転できません。

また、通勤などですでに車を運転していることが明らかな場合、警察に通報されます。

3.運転車両の確認をする

アルコール検査を通過したら、その日に乗車するバスを確認します。毎日同じ車両に乗る場合は改めて確認する必要はないかもしれません。しかし、日によって担当車両が違う場合は点検などの前に、自分の担当する車両を確認しておく必要があります。

4.運行前の車両点検をする

乗務開始前にバス内外の点検をします。万が一、不備があると事故につながる恐れがあります。安全に乗客を目的地まで運ぶためにも、運行前にしっかり点検をすることが重要です。

また、この時、車内に危険物がないかや汚れている個所がないかなども確認します。

5.始業点呼をとる

担当車両の確認・点検が済んだらいったん社内に戻り、点呼をとります。会社によってはアルコールチェックと点呼を同時に行い、車両の点検後はすぐに出発する所もあるかもしれません。

6.出発して運行する

バスの出発予定時刻になったらいよいよ運行開始です。バスに乗り込み、規定のルートを走行し、時間通りにバス停や目的地に向かいます。また、お昼などは決められた範囲で休憩もとります。

7.運行後に車内清掃をする

その日の運行業務がすべて完了したら会社に戻り、バス車内の清掃をします。

8.車内清掃が終わったら車両点検をする

車内清掃と合わせて点検もします。このとき、翌日の運行に備えるとともに、乗客の忘れ物がないかも確認します。もしも忘れ物を見つけたら、会社の規定にしたがって保管します。

運行前にも点検はしますが、安全に走行するためにも、運行後の点検も気を抜かずしっかり行いましょう。

9.乗務記録を記入する

運行業務やバス車内点検を終えたら、その日の乗務記録を記入します。乗務記録には以下のような項目があり、それぞれ記入していきます。

  • 乗務開始時刻
  • 乗務終了時刻
  • 担当車両の情報(車種、登録番号など)
  • 走行距離
  • 主な経過地点とその時刻
  • 休憩を取った場所
  • 事故が起きた場合は、その概要

参考:バス運行管理者の業務(旅客自動車運送事業運輸規則第48条)|近畿運輸局

10.終業点呼をとる

1日の仕事を全て終えたら最後に点呼をとって退勤します。「始業前にも点呼をとるのに終業後もまた点呼をとるの?」と思われるかもしれませんが、これは運転手が無事に会社に帰ってきているかを確認するためです。万が一、事故に合っていたり行方不明になってしまったりしても、その日のうちに気づくことができます。

バス運転手の勤務サイクルの事例

装置を操作する男性

ここでは、あるバス運転手の勤務サイクルを紹介します。

  1. 出勤
  2. アルコールチェック
  3. 担当車両の点検

タイヤなどに異常がないか、エンジンオイルや冷却水の量は適切か、運賃箱、運賃表などはあるべき場所にあるか、車内機器の状態は良好か、などをチェックします。

  1. 点呼

一般企業でいう「朝礼」にあたります。運行管理者から、当日の運行に関する注意事項が伝えられます。

  1. 運転業務
  2. お昼休憩
  3. 洗車機での洗車

車両が汚れていたら洗車機で洗車します。

  1. 給油

会社に戻った後、燃料が減っていたら給油しておきます。次に乗る人がスムーズに仕事できるようにするためです。

  1. 退勤

バス運転手に関するよくある質問

窓から顔をのぞかせるバス運転手

ここでは、バス運転手に関するよくある質問に答えていきます。

  • バス運転手に学歴は必要ですか?
  • バス運転手は減っていますか?
  • バス運転手の年収は低いですか?
  • 日本のバス運転手は何人くらいいますか?
  • バス運転手は1日何時間運転できますか?

バス運転手に学歴は必要ですか?

バス運転手になるのに学歴は不要ですが、大型第二種自動車運転免許が必要です。大型第二種自動車運転免許を取得するためには「普通・中型・大型・大型特殊のいずれかの自動車の第一種免許を取得」しており、なおかつ「運転経験が3年以上」あることが必要です。

そのため、すでにトラックやタクシーの運転手から転職する人が多いと言われています。

バス運転手は減っていますか?

バス運転手の数は年々減少しています。平成10年以降、8万人を切っています。

参考:『運転者不足問題』に対する 今後の対応方策について|公益社団法人 日本バス協会 

バス運転手の年収は低いですか?

厚生労働省によるとバス運転手の年間所得額は令和3年が404万円、令和2年が428万円と、いずれも平均年収よりも低い金額となっています。

参考:統計からみるバス運転者の仕事|厚生労働省

日本のバス運転手は何人くらいいますか?

国土交通省によると、2021年時点で約12万人いるようです(運転手・整備要員含む)。トラックやタクシーの運転手数と比較すると少ないです。

参考:令和5年版 国土交通白書 第Ⅱ部 関連データ集 〇第1章 ・地域交通の現状|国土交通省

バス運転手は1日何時間運転できますか?

基本的に、1日の拘束時間は13時間までと決められています。もし渋滞などで想定よりも運行が遅れた場合でも、最大16時間が限度であり、それ以上の拘束は違法になります。

また休息時間については、継続8時間以上が必要です。

参考:バス運転者の労働時間等の改善のための基準|厚生労働省

まとめ

横に並んだバス

バス運転手の一日は、出社後のアルコール検査から始まります。アルコール検査はその日、運転業務ができるかどうかを判断する重要な検査です。検査後は車内の点検や清掃、点呼をしてから乗務を開始します。

乗務を完了したら乗務記録を記入したり車内の清掃や点検、給油をして退勤となります。

バス運転手は乗客の命を預かる責任重大な仕事です。毎日同じ作業の繰り返しですが、どれも安全運転のためには欠かせない大切なものなのです。

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