工場や倉庫、大型スーパーなどで活躍しているフォークリフト。フォークリフトには種類があるということを知っていましたか?
今回はそのうちの1つ、リーチリフトについて紹介しています。
この記事を最後まで読み進めることで以下のことがわかります。
・リーチリフトの特徴
・リーチリフトの操作方法と上手く操縦するコツ
・リーチリフトとカウンターリフトの違い
・リーチリフトを運転するために必要な資格
・リーチリフトのメリット・デメリット
倉庫や工場で活躍するリーチリフト。その特徴や基本操作を知っておくと運転の際に役に立つので、覚えておきましょう。
関連記事:フォークリフトにはいくつも種類がある!それぞれの特徴や駆動方式、運転に必要な資格などを解説!
リーチリフトについて
リーチリフトとは、正式名称「リーチ式フォークリフト」を略した呼び名です。リーチフォークリフトやリーチフォークとも呼ばれ、大きく分けて2種類あるフォークリフトの1つとなります。
リーチリフトの特徴
リーチフォークリフトの特徴としては、まず立って操縦する点です。大きな特徴としてはツメの部分を上下だけでなく、前後に動かすことができる点です。リーチを日本語に訳すと手を伸ばすという意味がある通り、ツメの部分を前後に動かすことで荷物を移動しやすくなります。
また、ツメを縮めることでコンパクトにまとめることができる点やもともとのサイズが小さく、小回りが利きやすいので狭い場所でも活躍します。
リーチフォークリフトは使用できるのが屋内限定にはなりますが、ほとんどがバッテリー式で排気ガスが出ないので環境に優しいです。
カウンターリフトとの違い
2種類あるフォークリフトのもう1つがカウンターリフトと呼ばれるものです。カウンターリフトは座って操縦するタイプので、屋内外問わず活躍しています。
車体後部に重りが置いてあり、これによって重たいものを運んでもバランスが崩れにくいのが特徴です。
カウンターリフトはガソリンや軽油を使ったエンジンタイプのものやバッテリー駆動のものがあります。
カウンターリフトはサイズが大きいため、小回りが利かないですが、大きなものを運べる点や車体価格がリーチリフトよりも安いので、多くの作業現場で活躍しています。
リーチリフトの運転に必要な資格
リーチリフトを運転するためには資格(運転免許)が必要です。資格には、最大積載量1t未満のフォークリフトを操縦できるようになる「フォークリフト運転特別修了証」と最大積載量が1t以上のフォークリフトを操縦できるようになる「フォークリフト運転技能講習修了証」の2種類あります。
どちらも18歳以上であれば取得可能のもので、1t以上のフォークリフトを操縦できる「フォークリフト運転技能講習修了証」を取得することが一般的です。
フォークリフト運転技能講習修了証の受講費用は15,000円から50,000円で受講日数は2~5日と幅があります。それらは今所持している免許によって異なり、フォークリフト運転特別修了証や大型免許などを取得していると費用も日数も抑えることができます。
免許の取得までの流れは、学科講習→学科試験→(学科試験合格後)→実技講習→実技試験です。学科、実技ともに試験がありますが、合格率98%以上とほとんどの方が合格しているので、取得しやすい資格と言えるでしょう。
リーチリフトのメリット
フォークリフトの1つ、リーチリフトのメリットについて紹介していきましょう。
安全性に優れている
リーチリフトのブレーキ機構にはデッドマンブレーキという方式が採用されています。デッドマンブレーキとは、オペレーターがブレーキペダルから足を離すと車両が止まる仕組みを指します。
つまり、走行中に誤ってリーチリフトから落ちてしまうなど車両から離れてしまった場合でも車両がとまるため、安全性に優れているといえます。わざわざエンジンを停止しなくとも車両から離れられるため、手間がなくなる点でもメリットを感じるでしょう。
小回りがきく
前述でもリーチリフトは小回りがきくと紹介しました。小回りがきく理由はタイヤが90度回転するからです。タイヤが回転することで最小回転半径が小さくすむので、細い道や狭いところでも作業が可能となります。
倉庫内では荷物を置く場所が限られています。なるべく多くのものを置くためにも小回りが利くかどうかは重要です。
バッテリー式は需要が長い
リーチリフトの動力はバッテリー式を採用しているものがほとんど。ガソリンや軽油を使わないので、排気ガスが排出されないため、環境や作業員の健康にも優しい部分がメリットです。
また、バッテリー式はガソリンや軽油を動力とするタイプよりも需要が長いというメリットがあります。車体費用は高くなりますが、需要や燃料費などの総合的な面で見るとバッテリー式の方がお得です。
リーチリフトのデメリット
それではリーチリフトのデメリットについても見ていきましょう。
重たい荷物を運べない
ガソリン式と比較するとバッテリー式はパワーがないという特徴があります。また、カウンターリフトと違い、車体後部におもりをつけていないので、重量物を運ぶとバランスを崩して危険です。
そのため、運ぶ荷物が限られる、大量の荷物を一度に運べないなどといったデメリットがあります。
稼働時間が短い
バッテリー式は稼働時間が短いというデメリットがあります。また、ガソリン式のように燃料をすぐに補充ができません。充電時間が必要である点だけでなく、すぐに充電してはいけないという特徴があります。
走行によって電解液が50℃を超えている可能性があり、このまま充電すると過充電となる場合があるからです。
また使用し続けるとバッテリー液が減っていくため、こまめに補充していく必要があります。
長時間の操作だと足腰がキツイ
リーチリフトは立ったままの操縦となります。そのため、長時間操縦し続けると足腰を痛める恐れがあります。重労働ではありませんが、疲れは蓄積していくものなので、日頃からのケアをしていくようにしましょう。
リーチリフトの操縦方法
リーチリフトの大まかな概要知ったところで操縦方法について紹介していきましょう。ただし、リーチリフトはメーカーや車種によって操作レバーの位置などが異なるので、参考程度にしておいてください。
搭乗時
リーチリフトの操縦席であるフロアデッキに乗ったら、左手はハンドルグリップ上に置いておきましょう。このハンドルグリップでタイヤを曲げる操作を行います。
右手はアシストグリップに添えておきましょう。右手は操作レバーを操り、前進や後進、フォーク(ツメ)の上げ下げの操作などを行います。
前進と後進
前進や後進を行うために必要な操作は2つあります。
1つ目は左足でブレーキペダルを踏んでブレーキを解除させること。リーチリフトは常にブレーキがかかっている状態です。ブレーキペダルを踏むことでブレーキが解除されます。
2つ目はアクセルレバーを倒すことです。リーチリフトには3つのレバーがあります。その中の右側にあるバーをアクセルバーと言い、これを前後に動かすことによってリーチリフトが動きます。
前に倒すと前進、後ろに倒すと後進します。このレバーを倒すほどスピードが上がるため、最初はゆっくりと控えめに倒すようにしましょう。
右左折
カーブを曲がる際や右左折はハンドルグリップを操作して行います。ハンドルグリップを右に回すとタイヤが右に動くので、リーチリフトも右に曲がります。左に回すと左方向に動きます。
グリップを回すほど曲がる角度が大きくなるので、最初は回す量を加減しましょう。
フォークを上下に動かす方法
フォーク(ツメ)を上下に動かす際もレバーを使って操作します。マスト(フォークと一体化している)を上下させることでフォークも動きます。この際、レバーを後ろに倒すと上がり、前に倒すと下がります。
フォークの角度を変更する方法
チルトと呼ばれるフォークの角度を変える操作が可能です。荷物の重さによってフォークの角度を変えないといけない際に使用します。前に倒すとツメの先が下を向き、後ろに倒すと上に向きます。
リーチリフトのなかには角度だけでなく、フォークを左右に動かすことができるタイプがあります。普通入れないような狭い場所にフォークが入るため、小さな倉庫などでは重宝される機能です。
フォークを伸縮させる方法
リーチフォークとも呼ばれるだけあって、フォークを伸縮させることも可能です。フォークを前に伸ばしたり、縮めたりできるため、大きな荷物を持ち上げる際や狭い場所での旋回する際などに活躍します。
荷物を持ち上げる方法
リーチリフトの操作方法の概要を知ったところで実際に荷物を持ち上げる方法を紹介しましょう。
1.持ち上げる荷物の前まで移動します。この時はリフトが荷物にあたらないように、なるべく荷物に近いところまで来るためにゆっくりと近づくようにしましょう。
2.荷物の前で停車し、荷物が崩れていないかなどおかしな点がないか確認します。
3.マストを垂直にフォークを水平にして、フォークをパレットの差し込み部分に入るよう高さを合わせます。
4.リーチリフトを前進させてフォークをパレットの差し込み位置からいれていきます。
5.フォークをあげてマストを引っ込めて後進します。
6.リーチリフトを操縦し、目的のところまで移動します。
リーチリフトを上手く運転するコツ
リーチリフトの基本的な操作を紹介しました。ここではリーチリフトの運転のコツについて紹介していきます。上手く操縦するだけでなく、気を付けるポイントも一緒に解説していきましょう。
正しい姿勢をキープする
リーチリフトを運転しているときは姿勢をキープして目線の高さを一定することが重要です。走行中に揺れが起きることがありますが、姿勢を崩すことなく同じ視点であれば、パレットを重ねる際にズレが起きにくくなり、距離感もズレが起きにくいでしょう。
また視線の高さばかりに気を取られて周囲に視線を配ることを忘れないようにしましょう。周囲には作業員や荷物、機械類があるのでぶつかって事故などが起きないようにしなければいけません。
スピードを出さない
リーチリフトはレバーを倒すほどスピードがあがる仕組みになっています。効率よく荷物を運ぶためや時間に追われているからと急スピード出してはいけません。人が飛び出てきた際に急ブレーキをかけると反動で操縦席から落下し、ケガをしてしまう危険性があります。
また、旋回時にスピードを出すほど遠心力が強くなるのでパレットに載せてある荷物が崩れ落ちたり、オペレーターが操縦席から落下してしまったりする恐れがあります。
スピードを出すほど旋回時に大回りとなってしまいます。自分の感覚以上に大きな軌道を描くことになるため、何かに衝突するリスクがあります。
スピードをあげるということは事故の危険性をあげていることになります。リーチリフトを操縦しているときは、常に落ち着いて速度を落として操縦していきましょう。
急旋回をしない
リーチリフトの操縦の際は旋回時も気をつけないといけません。旋回はハンドルグリップを回すことでできるのですが、回しすぎると急旋回となってしまいます。急旋回をすると遠心力が働いて荷物が崩れることやオペレーターが操縦席から落下する危険性があります。
ハンドルグリップの回し加減は慣れとともに体に染みこんでくるものです。特に運転初心者の時はゆっくりと回して、ゆっくりと旋回するように心がけましょう。
ブレーキの効き具合に注意
リーチリフトのブレーキはブレーキペダルから足を離すことで自動的にかかるデッドマンブレーキという仕組みです。このブレーキについて知っておくことが3つあります。
1つ目はブレーキの効き具合は前進時と後進時で効き目が違うことです。実は前進時よりも後進時の方がブレーキが利きやすいという特性があります。
2つ目は荷物の重量が重たいほどブレーキが効きやすいという特性があります。
3つ目はブレーキペダルをパッと離すと急ブレーキになることです。そのため、ゆっくりと離す必要があります。
この3つの特性を理解しておくことで急ブレーキや荷物の落下などのリスクを下げることになるので、覚えておきましょう。
また、ブレーキはペダルだけでなくレバー操作でも可能です。前進時にレバーを後ろに倒すと後進しようとするため、車体がとまります。後進時は逆の操作を行えばいいのです。
レバー操作の方がゆっくりとブレーキがかかることもあるので、操作になれてきたらレバーでのブレーキ操作を行ってみましょう。
荷物の運搬時はリーチインを心がける
フォークを伸ばした状態をリーチアウト、フォークを縮めた状態(車体側によせた状態)をリーチインと言います。
パレットから荷物を持ち上げる際はリーチアウト操作を行うため、めんどうくさいからと運搬時にもリーチアウトしたまま運ぶ人が多くいます。しかし、リーチアウトした状態で荷物を持ち上げていると、後ろのタイヤが浮き気味になるため、ブレーキやハンドル、アクセルが利きにくい状態となります。
つまり、事故が起こりやすい状態で走行していることになるので、荷物を持ち上げた後はリーチインをしてから目的ところまで運ぶようにしましょう。
バッテリーに優しい操作を心がける
リーチリフトはバッテリー駆動です。そのバッテリーに負荷をかけずに操縦することでリーチリフトは長持ちします。
バッテリーに負荷をかける運転方法は
①急発進
②同時操作(走行しながらリフトアップ)
③最大荷重の荷物を持った状態での長時間作業
④押し込み作業
⑤フォークの先で荷物の引き出し
の5つです。
リーチリフトは高価なため、優しい運転を心がけることで事故を防ぐだけでなく、経費削減にもつながります。
以上のコツを頭に入れて運転していくことで操縦が上手くなっていくでしょう。
リーチリフト業は未経験からでも働くことができる?
これまで操縦経験がない、免許を持っていないけど大丈夫?など未経験からでも採用されるのか?は気になるところかと思います。
結論から言えば未経験から働くことができます。求人を検索した際に未経験歓迎という文言が書かれている企業は多くあります。もちろん経験者が優遇されますが、未経験でも採用されるでしょう。
会社の中には資格取得の支援制度を採用しているところがあります。最初は倉庫内作業などを行うことで仕事の基礎を学んで、フォークリフトの資格を取得してもらうという制度を組んでいます。
工場や倉庫内作業では派遣社員も多く活躍しています。派遣も同様に未経験から入社することができます。派遣会社の中にも資格取得支援サポートを行っているところがあるので、免許を取っていない方は一度調べてみるといいですよ。
まとめ
リーチリフトはカウンターリフトと比較すると操作が難しいと言われています。しかし、その分、自由に操作ができるようになると会社から重宝されるでしょう。
リーチリフトの求人倍率は高くないことから未経験の方でもチャンスのある職業です。安定した仕事に就きたい、手に職をつけたい人にピッタリなので、興味のある方はぜひ挑戦してはどうでしょうか。
関連記事:カウンターフォークリフトやリーチフォークリフト事故を防ぐための危険予知訓練方法を紹介!
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