管工事施工管理とは、管工事のプロフェッショナルとして活躍する仕事です。
しかし、管工事施工管理の仕事内容を、具体的にイメージできる方は少ないのではないでしょうか。
本記事では、管工事施工管理の仕事内容や目指すうえで押さえておきたいポイント、よくある質問について解説していきます。
管工事施工管理に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
管工事施工管理の仕事内容
まず、管工事施工管理の仕事内容について、以下の4つに分けて解説します。
- 空調設備工事
- 給排水衛生設備工事
- 消防設備士との違い
- 建築設備士との違い
順番にお伝えしていきます。
空調設備工事
管工事施工管理の仕事内容の1つ目は、空調設備工事です。
空調設備工事とは、室内の温度や湿度、空気環境を整えて生活しやすくするための工事のことです。
私たちの生活で1番身近なものとして、エアコン工事が挙げられるでしょう。その他には、ボイラーやヒートポンプといった設備の新設や取り替えなどが該当します。
これらの業務の主軸は、機器をつなぐための配管工事です。
例えば、エアコンの場合、ガスが通っている管と空気が通っている管が異なります。それぞれの仕様に合わせて、適切な配管をつなぐことが求められます。また、接続部分からガスが漏れないような工事も必要です。
空調設備工事にまつわる管工事やそれに付随する工事が、管工事施工管理の仕事内容の1つです。
給排水衛生設備工事
管工事施工管理の仕事内容の2つ目は、給排水衛生設備工事です。
給排水衛生設備工事の「給排水工事」とは、給水管や排水管、給水に関わる給排水設備の工事のことです。例えば、水を取り込むための給水管や給水ポンプ、お湯を引くための給湯器などの設備のための工事です。
一方で「衛生設備工事」とは、給排水設備を衛生的に使用するための衛生器具工事のことです。例えば、蛇口やシャワー、トイレ便器の設置などの取り付け工事です。
それぞれの違いを明確にする必要はありませんが、水に関わる工事を行っています。
給排水の管工事も、管工事施工管理の仕事内容の1つです。
消防設備士との違い
管工事施工管理の仕事内容の3つ目として、消防設備士との違いを解説します。
消防設備士の主な業務は、消防設備の設計・点検・保守です。具体的には、消防ポンプやスプリンクラー、消化器などの設備に関わっています。
消防法に基づいた適切な設備管理が、メインの役割といえるでしょう。
一方、管工事施工管理は、管工事における施工計画を立案したり、施工管理業務全般を担当したりしています。配管工事の技術的責任者として、品質と安全性を確保することが役割です。
簡単に言うと、消防設備士は消防の専門家で、管工事施工管理は配管工事における責任者といった違いがあります。
そのため、水道関連の設備にも携わりたい消防設備士が、管工事施工管理技士の資格を取得しステップアップするケースが多いでしょう。
建築設備士との違い
管工事施工管理の仕事内容の4つ目として、建築設備士との違いを解説します。
建築設備士は、設計図を確認しながら、実際の工事が正しく実施されているのかを確認する「工事監理」を行います。建築設備に関する知識が深く、建築士に対して設計・工事監理に対するアドバイスができる資格者です。
工事監理を行う建築設備士と、施工管理を行う管工事施工管理では役割が異なります。
建築設備士は、管工事施工管理から次のキャリアアップとして目指すのがおすすめといえます。
関連記事:管工事施工管理は何がきつい?仕事内容やリアルな体験談
管工事施工管理技士になるなら押さえておきたい仕事内容以外のこと
続いては、管工事施工管理技士になる際に、仕事内容以外で押さえておきたいことをお伝えします。ポイントは以下の4つです。
- 管工事施工管理の主な就業先
- 現場で必要とされる知識
- 管工事の需要は上昇傾向にある
- 2級管工事施工管理の合格率
では、一つずつ順番に解説していきます。
管工事施工管理の主な就業先
管工事施工管理技士になるなら押さえておきたいことの1つ目は、主な就業先です。
管工事施工管理は、建築物には欠かすことができません。そのため、需要が高いのが特徴です。ここでは、主な就職先を2つ紹介します。
サブコン
管工事施工管理の主な就業先の1つ目は、サブコンです。
サブコンとは、一般的にゼネコンの下請け企業のことを指しています。ゼネコンが工事一式を請け負う一方で、サブコンは設備工事の部分のみを請け負っています。
主な業務は、工程管理から品質管理、予算管理までの施工管理全般業務です。
サブコンで働く管工事施工管理は、管工事の専門として依頼を受けているため、現場に出る機会が多いのが特徴です。現場の職人と接する機会や設備工事に、より深く関わることが求められます。
サブコンの就職は、設備工事の知識をより掘り下げて仕事をしたい人に向いているでしょう。
ゼネコン
管工事施工管理の主な就業先の2つ目は、ゼネコンです。
ゼネコンの管工事施工管理の業務は、設備工事にとらわれず幅広いのが特徴です。サブコンのように管工事の専門というよりは、電気設備工事や建設工事といった多岐にわたる知識が求められます。
工事一式を請け負うゼネコンでは、1つの分野での深い知識だけでなく、広く浅くさまざまな知識が求められるのです。
さらに、元請けとしての業務も欠かせません。例えば、発注者と設計管理者との打ち合わせなど、円滑な人間関係を築くことも業務の1つといえるでしょう。
会社にもよりますが、大規模な工事に関わりたい人は、ゼネコンへの就職が向いているでしょう。
現場で必要とされる知識
管工事施工管理技士になるなら押さえておきたいことの2つ目は、現場で必要とされる知識です。
管工事のスペシャリストである管工事施工管理ですが、管工事だけを熟知していればいいわけではありません。エアコンやトイレといった設備には、必ず「電源」が必要です。そのため、電気設備工事の知識が必須となります。
どのような電源が必要か、どのような太さでつなぐのか、電気工事業者が困らないように説明しなければなりません。
また、配管を通すスリーブを開講する際にも、建築基準法を理解して工事を進めることも求められます。
管工事施工管理は管工事の専門家ですが、電気や建築工事の基礎知識が現場では必要となるのです。
管工事の需要は上昇傾向にある
管工事施工管理技士になるなら押さえておきたいことの3つ目は、管工事の需要は上昇傾向にあることです。
管工事は、建物を建築する際には欠かすことができません。しかし、高齢化が進み、若手の有資格者が減少しているという現状があります。
さらにコロナ禍以降、換気設備工事は増加し、猛暑による空調設備工事への需要も高まっています。
今までは空調設備がなくて当たり前だった学校の体育館にも新設されており、今後も需要は拡大していく見込みです。
2級管工事施工管理の合格率
管工事施工管理技士になるなら押さえておきたいことの4つ目は、2級管工事施工管理の合格率です。
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
学科試験の合格率 | 62.2% | 49.8% | 56.8% |
実地試験の合格率 | 57.8% | 67.7% | 59.7% |
平成30年〜令和4年度までの学科試験の平均合格率は、58.21%です。
令和3年度以降の合格率が平均を下回っているのは、その年に合った試験制度の大幅変更によるものかもしれません。
実地試験の合格率は、学科試験合格者と学科試験免除者の合計から合格率を算出しています。令和2年からの3年間では、平均61.7%の合格率で推移しています。
関連記事:施工管理技士試験の難易度ランキング|受験資格や勉強時間、取得のメリット
管工事施工管理の仕事内容に関連してよくある質問
最後に、管工事施工管理の仕事内容に関連してよくある質問を紹介します。
管工事施工管理の資格を取得するとどういうメリットがありますか?
管工事施工管理を取得するメリットとして、転職に有利なことが挙げられます。
高齢化が進み、若手の有職者が減少しているため、管工事施工管理を保有する人材を確保したい企業は少なくありません。資格を取得することで、転職活動を有利に進められるでしょう。
また、資格取得によって、管工事における重要な役割に就くことも可能です。
キャリアアップにもつながり、結果的に収入増加が見込めることも大きなメリットの1つといえます。
管工事施工管理に向いているのはどういう人ですか?
管工事施工管理に向いているのは、コミュニケーション能力が高い人です。
管工事は、大きなプロジェクトの一部分です。建築物を完成させるには、他工事の施工管理や発注者との調整など、多くの関係者とのやりとりは欠かせません。
自分の担当業務だけでなく、工事全体が円滑に進められるようなコミュニケーション力を備えた人が向いているといえるでしょう。
管工事施工管理の仕事内容についてのまとめ
今回は、管工事施工管理の仕事内容について紹介しました。
すべての建築物に欠かすことができない管工事施工管理は、管工事のプロフェッショナルとして活躍することができます。さらに、有職者の減少や空調機器工事の増加に伴い、需要も上昇傾向です。
本記事を参考に、管工事施工管理の仕事内容について理解を深めてみてください。
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