Gマーク取り消しは単なる規制違反ではなく、自社の信頼性に関わる深刻な問題です。実際、どのような条件でGマークの取り消しがされるのか気になりますよね。
本記事では、Gマークの取り消し条件と違反の種類、チェックポイントについて解説します。Gマークの取得を考えている運送事業所の方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
・Gマークの取り消し対象となる期間は、認定期間中の5年間
・Gマークの取得は取り消しから2年経過していないと再取得できない
・Gマーク取り消しの違反(行政処分)は3種類ある
Gマークの取り消し対象となる累積期間は3年
Gマークの取り消し対象となる、累積期間は3年※1)です。3年間に違反点数が累積すると、事業の取消しや事業の停止、違反事業所名の公表などの処分が実施されます。また、Gマークの有効期限は2年間※1)となっているため、更新には注意が必要です。
なお、Gマークの取り消しを受けた運送事業所は、再認定申請ができます。ただし、再認定申請をおこなうためには、認定基準を満たした状態を証明する必要があります。
関連記事:Gマークとは?取得条件やメリット・デメリットを徹底解説
Gマーク取り消しの主な3つの条件
Gマーク取り消しの主な3つの条件は、以下のようになります。
・取り消しから2年経過していない ・偽造したGマーク認定証を提出した日から3年以上経過していない ・行政処分を受けてから3年経過していない |
詳しく解説します。
取り消しから2年以上経過していない
Gマークの取り消しを受けた運送事業所は、取り消しから2年※1)以上経過しないと再認定申請をおこなえません。そのため、取り消し後2年※1)未満での再申請は認められず、この期間はGマークのメリットを受けられないでしょう。
Gマークの取り消しを避けるためには、安全基準の維持と遵守が重要です。もし、取り消しを受けた場合、再申請の条件を満たすまで、安全管理体制の見直しをして再取得する必要があります。
偽造したGマーク認定証を提出した日から3年以上経過していない
偽造したGマーク認定証を提出した運送事業所は、Gマーク認定証を提出した日から3年※1)以上経過しないとGマークの再認定申請ができません。
Gマークは、安全性優良事業所の認定を証明する重要な証です。そのため、偽造した認定証を提出する行為は、自社の信用を著しく低下させ認定の取り消しにつながります。
このように偽造行為はGマークの取り消しだけではなく、事業の信頼性を大きく損なう行為であり、厳重なペナルティが課されるため絶対におこなってはいけません。
運送事業所はGマークの認定と維持に関して、正直かつ適切な手続きをして長期間Gマーク認定が受けられる運送事業所を目指してみてください。
行政処分を受けてから3年経過していない
行政処分を受けてから3年※1)経過していない事業所は、Gマークの再認定申請ができません。Gマークは安全性優良事業所の認定マークであり、運送事業所が安全基準を維持できず行政処分を受けた場合、一定期間はGマークの再取得が制限されます。
そのため、行政処分を受けた事業所がGマークの再申請をする場合、処分から3年経過するまで待たなければいけません。もし、行政処分を受けたときは、安全基準を見直し改善できるようにしましょう。
Gマーク取り消しの違反(行政処分)の種類
Gマーク取り消しの違反(行政処分)の種類は、以下3つあります。
・自動車の使用停止処分(いわゆる日車) ・事業の全部または一部の停止処分 ・許可取消処分 |
それぞれ解説します。
自動車の使用停止処分(いわゆる日車)
自動車の使用停止処分(いわゆる日車)は、運送事業所に対して国土交通省が実施する行政処分の中でもっとも軽い処分です。
自動車の使用停止処分は、運送事業所が安全性に関する管理体制に問題があると判断された場合に実施されますが、事業自体に大きな影響を与えません。
とはいえ、自社の信用問題に関わることなので、違反はしないように注意してみてください。
事業の全部または一部の停止処分
事業の全部または一部の停止処分の違反は、運送事業所が安全基準に重大な違反を犯した場合に発生します。
事業が停止してしまっては、まともに営業もできないので、大きな損害を出す事態になるでしょう。そのため、事業停止処分にならないよう基準に基づいた運営を心がけておいてください。
許可取消処分
許可取消処分は、国土交通省がおこなう行政処分の中で、もっとも重い処分です。許可取消処分は、運送事業所が安全性や運送に関連する法律に対して、深刻な違反をした際に発生します。
この結果、運送事業に必要な許可が取り消される可能性があり、それに伴いGマークの取り消しも実施されるでしょう。会社運営自体ができなくなるおそれもあるので、十分な注意が必要です。
Gマーク取り消しに関する違反(行政処分)の点数制度
Gマークの取り消し条件のひとつに、過去3年間の行政処分による違反点数の累積が20点を超えることがあげられます。
そのため、行政処分による違反点数が20点を超えると、安全性に関する基準を満たしていないと判断され、Gマークの取り消し対象となります。
違反点数の累積が20点を超えないように、安全運転の徹底や安全管理体制の整備など、違反点数を減らすための対策を講じてみてください。
関連記事:Gマークのついたトラックで運送する場合のメリットと取得までの流れ
Gマークの取り消しには過失割合が高い事故か確認される
Gマークの取り消しには、過失割合が高い事故か確認されます。運輸支局へ事故報告が必要となる評価項目としては、以下の2つです。
・事故報告が必要な内容 ・速報が必要な事故内容 |
それぞれ見てみましょう。
事故報告が必要な内容
Gマークの取り消しを避けるためには、過失割合が高い事故に関する正確な報告が必要です。Gマーク申請前の3年間に事故報告がないか、運輸支局により確認されます。具体的な事故の内容は、以下のとおりです。
事故内容 | 説明 |
転覆 | ・トラックが35度以上傾斜している |
転落 | ・トラックが0.5m以上の道路外に落下している |
路外逸脱 | ・トラックの車輪が道路外へ逸脱している(転落を除く) |
火災 | ・トラックまたは積荷で火災が発生している |
踏切 | ・トラックが踏切で鉄道と衝突、接触している |
衝突 | ・トラックが鉄道、自動車と衝突や接触している |
死傷 | ・死者または重傷者が発生している |
危険物 | ・危険物※1の飛散や漏洩が発生している |
飲酒・違反運転 | ・酒気帯びや違反運転※2をしている |
健康起因 | ・運転者の病気により運転ができなくなっている |
車両故障 | ・装置の故障により運転ができなくなっている |
交通障害 | ・交通施設損傷※3による運転休止になっている |
大量負傷 | ・10人以上の負傷者が発生している |
多重衝突 | ・10台以上の自動車の衝突や接触している |
落下 | ・コンテナが落下している |
脱落分離 | ・車輪の脱落やけん引車両が分離している |
※1.火薬類・高圧ガス・核燃料物質など
※2.酒酔い運転・無免許運転・無資格運転・麻薬運転など
※3.橋脚、架線、鉄道施設を損傷させて、3時間以上本線で鉄道の運転を休止させた場合
過失割合が高い事故は、とくに事故内容が詳しく調べられます。また、事故発生時には事故の原因や過失割合、発生状況などの詳細情報を報告しなければいけません。
Gマークの取得を維持したい運送事業所は、すべての事故について適切に記録しておきましょう。
速報が必要な事故内容
運輸支局へ速報が必要になる事故は、以下のケースです。
事故内容 | 説明 |
死者2人以上 | ・事故により2人以上が亡くなっている |
重傷者5人以上 | ・事故で5人以上が負傷している |
負傷者10人以上 | ・事故により10人以上が負傷している |
重大な事故 | ・転覆や転落、火災が発生している ・踏切での衝突や接触、積載物の漏洩をしている |
酒気帯び運転事故 | ・酒気帯び運転による事故が発生している |
健康問題による事故 | ・心疾患や脳血管疾患により事故を起こしている |
報道による影響 | ・事故が報道機関により報道された、または取材がある |
社会的影響 | ・事故が社会的に大きな影響を与えている |
速報が必要な場合は、すぐに運輸支局へ連絡するようにしてみてください。
Gマーク取り消しに関するよくある質問
Gマークの取り消しに関するよくある質問を、以下3つ紹介します。
・Gマークの違反点数はいくつですか? ・Gマーク更新は何年ごとにありますか? ・Gマークの弁明書は何をおこなうものですか? |
Gマークの違反点数はいくつですか?
Gマークの申請では、違反による点数が20点を超えると、違反(行政処分)の実績の評価は0点となります。Gマークの事故や違反状況の配点は40点で、基準点は21点です。基準点に達しない場合は、他の評価項目が満点でもGマーク認定を受けられません。
違反点数は基本的に3年間で消えますが、監査実施により行政処分を受け、その後3年以内に再違反をした場合は処分日数が倍になり、加算される違反点数も倍となります。
Gマーク更新は何年ごとにありますか?
Gマークは、2年ごとに更新があり、更新のたびに認定申請が必要です。有効期限は、Gマーク認定を受けた年から2年後の12月31日までのため、覚えておきましょう。
更新前に全国トラック協会から案内のハガキが運送事業所まで郵送されます。更新申請を怠るとGマークは失効するため注意が必要です。
安全性優良事業所として認定されたあとも、2〜4年ごとに更新審査が設けられています。そのため、Gマークを認定された運送事業所は、1度認定されたら終わりではなく安全対策に取り組み継続的な活動を実施しましょう。
Gマークの弁明書は何をおこなうものですか?
Gマークの弁明書とは放置車両が警察に確認され、運転者が警察署に出頭することなく、運転者責任が追及できなかった場合、車両の使用者に送付される文書です。
関連記事:Gマークとは安全認定の証明?申請条件と更新方法、メリットについて説明
Gマーク取り消しに関するまとめ
Gマークの取り消しは、違反の点数制度や行政処分の種類、および事故報告の内容に基づき実施されます。本記事からGマークの取り消し条件についてしっかり理解し、Gマークの取得を目指してみてください。
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