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小売業での物流費削減の最適なやり方とは?見直すべきポイント4選

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少子高齢化が進み限られたパイの消費を奪い合う熾烈な闘いを余儀なくされている日本の小売業界。

もはや大量生産・大量消費の時代は終わり、生き残りを賭けて綿密な戦略と戦術が不可欠です。利益確保には売上増に力を入れるより物流費の削減が堅実であり即効性が見込めるということで、売り場のみならず物流工程全般において物流費の削減が各小売の最重要課題として取り組みが行われています。

今回は小売業における物流費について検証していきます。

 

小売業にかかる物流費の項目

 

モノが作られてから消費者の手に渡るまで様々な費用がかかっています。この一連の費用を物流費と呼び、商品価格の中に反映されています。

高度成長期には大量生産・大量消費が繰り返され、小売業も大量発注することで物流費をさほど気にせず売上げの中で消化できていました。
ところがバブルがはじけ消費者の購買欲にもブレーキがかかり、日本の経済の歯車がかみ合わなくなりだすと様相が一転します。

モノが売れなくなると物流費の存在感が増してきます。
売上が期待できない中で小売が生き残るには物流費の削減が必要不可欠。では物流費には一体どんなものがあるのでしょうか。

物流費というとすぐに思い浮かぶのが輸送費用ですが、実際には物流費には様々なものがありその全てを物流費と呼んでいます。

小売業における物流費は主に5つの項目からなります。
社員やパート・アルバイトといった人件費
商品を運ぶための輸送費
商品や材料を一時的に保管するためにかかる保管費
発注や在庫管理等に用いるPOSシステム等の情報処理費
事務所費や水道光熱費等のその他

これらは人件費や情報処理運用費・家賃といった社内物流費と保管倉庫費や輸送費等の外注先への支払物流費に大別できます。

物流費の全体像をしっかりと把握し細部まで意識していくことで、問題点と取り組むべきことが見えてくるのです。

では具体的に物流費のどこをチェックしていけば良いのでしょう?

 

物流費の見直すべきポイント

 

小売業における物流費の削減は利益を作り事業存続のための生命線です。
小売の形態や会社によって程度の差はあれど、概ね物流費として見直していくポイントは次のようなところになるでしょう。

まず一つ目が人件費
将来的にはAIや自動化が様々な分野に進出し物流費における人件費の部分では相当な削減が期待できますが、現状ではまだまだ人の手が必要になります。その中でも効率化を徹底し残業を無くしていくだけでも物流費の削減に成果があるでしょう。

次に輸送費
生産と販売の現場を繋ぐには輸送は必要になります。ただその輸送の方法や頻度についても切り詰める余地は十分にあるはずです。物量に対して無駄に大きなサイズの車両を使っていないか?余計な回数の納品をさせていないか?納期に余裕を持たせ有料道路を回避するルートを考えることはできないか?等。
昔からの慣習や業者を替えることで一気に物流費が削減できることは珍しくないのです。

3つ目は保管費
倉庫等の保管場所を自社で賄うのかレンタルするのか、費用対効果をしっかり見極めることが大事です。また閑散期と繁忙期で保管量が大幅に変わるような時に物流費を切り詰める方法はないか?保管場所(倉庫)は物流費を削減できる立地にあるか?
単なる箱物ではなくそこから発生するメリットを考えたい。

4つ目に情報処理費
数字の管理、データベースの活用について現在どのようなことが行われているか?それは世の中の流れや他社の動向と比較して遅れていないか?新しいシステムの導入についてどう考えているのか?
高速な情報処理は時間を生み出します。人員を削減できます。中長期的視点で見ると情報処理費の使い方次第で物流費を大きく削減することが可能になります。

最後にその他の物流費。店舗の家賃や店舗内で発生する水道光熱費等です。家賃に見合った売上げができているのか?無駄な水道光熱費はないか?等。
その他に関しては小売以外の仕事でも同じですね。

物流体制

 

売り場までは何かしらの輸送が絡みます。その間、倉庫に保管する工程を挟むこともあるでしょう。
文字通り物が円滑に流れ、余計な物流費を削減するためにはどのような物流体制を敷いていけばよいのでしょうか?

まずは組織全体の意思統一。商品を「早く売りたいのか?」「数多く売りたいのか?」「高く売りたいのか?」。それらを実現するために優先順位の設定や数字的な目標を関わる者すべてが共有しておくこと。

自前の人員や倉庫だけで完結するのが果たして物流費削減にベストなあり方なのだろうか?場合によっては設備やシステムをレンタルしたり業務をアウトソーシングした方が物流費削減に良い結果を生み出すこともある。
最も効果的な物流体制を考えることは売上・物流費削減において重要です。

商品管理

 

商品の発注や在庫、売上に至る管理を誰がやるのか?
責任の所在を明確にしておかないとトラブルの元になる。

FCの場合は本部が、個人商店の場合はお店が売上・物流費について管理するのが一般的ですが、最近は管理業務を一括してアウトソーシングするケースも見られるようになってきました。

そのメリットは
アウトソーシング費用をかけても人件費の削減効果が大きい。
自社でシステムを導入しなくても済むこと。

売上や拠点のスケールが大きい小売ほど物流費削減が期待でき、事業全体が伸びてきているのであれば商品管理・情報処理関係を外部に委託してしまうのも一つの物流費対策として有効です。

発注や在庫数確認等の商品管理をいちいち人の目で確認し記入していくのとPOSシステム等を用いるのとでは、作業時間に大きな差が生まれます。正確性も含めてバーコードを読み取るだけという手軽さは物流費削減のためには欠かせません。

小売業の物流費削減のやり方

 

小売業の物流費を削減するには「効率化」がキーワードになります。

物流費の問題点の洗い出しは多角的な視点で行うべきです。
例えばそれは肩書きや部署、ときには会社を離れた第三者目線で見ること。古くからの商慣習や偏った思い込みという陥りがちな呪縛から解き放たれ、新鮮な気付きに繋がります。
特に小売は複雑に取引が絡んでいる事も多い。取引の一つ一つを紐解いていくことにより物流費の削減が一気に進むことも考えられます。

基本的に小売での物流費削減のためにやるべきことは

  • 各工程での作業時間の短縮を目指し人件費を削減する。
  • 在庫の調整に注力して倉庫スペースを減らす。
  • 納品回数を減らし走行ルートの工夫で燃料費や有料道路代を節約する。
  • POSシステム導入等で発注のタイミングの適正化と情報管理の猥雑さを解消する。
  • 資料のペーパーレス化や照明のLED化・センサー点灯&消灯を進める。空調の温度設定を徹底する

などしていけば、水道光熱費だけでも目に見えて効果が表れるはずです。

もう少し細かく見ていきましょう。

物流費の項目ごとの効率化

 

物流費削減に向けての大まかな考え方は先に述べてきました。
それでは各項目においての効率化とはどのようなことでしょう?

まずは人件費を考えていきましょう。
物流費の調整弁として人件費は効果が見えやすい。業務をマニュアル化・単純化することで労働時間を短縮し残業を極力発生させない。また、パートやアルバイトの人員構成を高めることでも人件費を圧縮することが可能になります。適材適所に配置することも作業効率が高まります。

次に輸送費の効率化
毎日行われる輸送において取引量に見合ったサイズの車両を利用しているか?
納品回数・頻度をもっと減らすことはできないか?
輸送ルートや納品時間の見直しは可能かどうか?
ただ単に運べばよいのではなく、納品先(小売売り場)の作業負担を減らすことも考慮した輸送が望まれます。

保管費の効率化
輸送の考え方と同様に取引量に見合った倉庫で運用しているか?
商品の出し入れがスムースにできているか?
繁忙期・閑散期の荷量の変化に無駄なく上手く対応できているか?
ストックという位置付けですが物流を止めない工夫が必要になります。

情報処理費の効率化
発注・在庫・売上等の管理方法が昔ながらの人海戦術や長時間労働を発生させていないか?
POSシステムの導入で時間短縮という物流費削減のテーマを理解しているか?
作業時間短縮は人件費の節約にも繋がります。物流費削減においては一時の支出も中長期に考えると効果が期待できることが多いです。

その他の効率化
事務所や店舗の家賃が売上に見合っているかどうか?
今の場所が売上にどう寄与しているか?
水道光熱費の見直しできる部分はどこか?

情報処理やその他に関しては小売業に限ったことではなく全業種に共通する課題ですね。

物流工程の円滑化

 

物流には様々な作業が行われています。
小売、特に売り場においては接客と納品対応と陳列が同時に行われることもあります。時間帯によっては作業が上手く機能しないこともあり現場が混乱します。

売り場内やバックヤードのレイアウトを工夫し各作業が滞ることなく行える配慮が望ましい。売り場での作業工程を楽にするためにも、輸送の納品時間を考慮したり売り場での開梱作業が簡易に行える輸送梱包方法も有効になります。

輸送においては渋滞を避ける工夫や輸送先でのトラックの駐車場所が確保され、迅速に作業を開始できれば物流費の削減に繋がります。

同様に倉庫内でも商品の出し入れが誰でも容易にできるようなレイアウトが求められます。倉庫の立地も物流工程を考える上では重要になってきます。

情報管理は在庫登録や発注・売上処理まで一括してバーコード一つこすればできるようになると、人がいちいち数字とにらめっこする手間が省けます。データの共有も楽になり縦横の動きがスムースになることは、物流工程全体のストレスを軽減し物流費を削減することにもつながります。

システムや物流機器の導入

 

売場への納品にはカゴ台車に積んでカゴ台車でそのまま納品できるやり方は便利です。
カゴ台車リフト昇降付トラックを活用することで作業時間を短縮でき物流費削減が期待できます。

また狭い店内や通路の商品移動にはドーリーも重宝します。保管場所もとらず軽いので女性でも楽に取り扱えるメリットがあります。

バーコードを読み込むだけで発注・在庫・売上げ等を一括管理できるPOSシステムは今や小売の必需品とも言えましょう。
無人レジやAIによる売上予測等、物流費・人件費を大幅に削減することが期待できるシステムもすでに一部で実験や導入が始まっています。

小売の形態もどんどん変化・進化を続けており、新しいシステムはライバルの動向とともに目が離せません。

取引業者との連携もチェック

 

内輪の事情だけでは商売は成り立ちません。
小売は自前で工程が全て完結するような個人商店でもなければ必ず物流関係の取引業者と接点を持つことになります。
外部の取引業者だけでなく自社内の他のセクションとの連携も物流費や売上に関して重要になります。ありとあらゆる工程・接点が商売上のキーポイントとも言えましょう。

特に外部に委託している輸送料の引き下げや貸し倉庫料等の値段交渉も時には必要です。
費用対効果を注視しつつ、サービスの品質や使い勝手を維持・継続できるかどうかも物流費と売上を左右する大事なポイントになってきます。

いくら取引業者との連携が必要とは言っても、長年の付き合いだからとなれあいの関係でいることが必ずしも良いとは限りません。
ビジネスとしてドライにチェックをすることも大事です。

信頼はしても無条件に信用することが危険を伴うのは、商売や人間関係の鉄則とも言われていますから。

 

まとめ

 

普段あまり意識しない物流の全体像ですが、いざ物流費を削減するとなると組織や工程の隅々まで知っていないと有効な対策を打つことができません。

物流費を削減するにあたっては主に5つの項目があり、各項目ごとに物流費のポイントや削減のためのやり方がありました
テクニック的なことは小売の規模や商売エリアなどで多少違ってくる部分もありますが、物流費削減の考え方は全国共通です。

元号が変わったり消費税が上がったり海外を含めた社会情勢が不安定な今、小売の世界も競争が激しく将来的展望も予断を許さない状況が今後も続いていくと思われます。
そんな中でも足元をしっかり固め前へ進んでいくために、物流費の削減という揺るぎない目標をしっかり設定しやれることは確実に実施する。

売上が苦しくても物流費削減は売上と同等の効果があります。
見た目の売上の数字にとらわれず、経営の中身で勝負していきましょう!

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