自動車整備の業界では、1級自動車整備士を取得してキャリアアップを目指す人が多くいます。また1級取得を目指すにあたって、試験に向けて過去問の内容や傾向などを探っている人もいるでしょう。
実際、1級の試験では、2級や3級と比較して過去問と似た問題が出題される確率が低いと言われています。
この記事では、過去問の重要性から効率的な学習方法・分析方法・解答テクニックまで、合格に必要なノウハウを徹底解説します。1級自動車整備士を目指しているのであれば、ぜひ参考にしてください。
1級自動車整備士試験の過去問傾向を徹底解説
1級自動車整備士試験では、2級や3級と比較して過去問と似た問題が出題される確率が低いと言われています。また、特に、近年改正された法令や技術に関する問題は出題されやすい傾向があります。
試験は、学科と実技の2種類です。また、学科は筆記と口述に分かれています。
学科は選択式、実技が記述式のケースが一般的と言われています。
筆記は問題数が50問あり、試験時間は100分です。詳細は次の通りです。
筆記 | 口述 | 実技 | |
試験時間 | 100分 | 10分 | 30分 |
問題数 | 50問(50点満点) | 2問(20点満点) | 4問(40点満点) |
合格基準 | 40点 | 16点 | 32点 |
※筆記と実技は、それぞれの分野で40%以上の正答率がなければ、基準を超えていても不合格
長期的な対策としては、まず参考書を熟読・問題集を解き理解度を高めます。その後、実際の試験時間に合わせて過去問を解き対策を講じましょう。
参考:令和4年度第2回|一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
1級自動車整備士試験で過去問対策をするメリット
1級自動車整備士の過去問は、インターネット・無料アプリ、学習ツールなどで入手可能です。過去問の入手方法は後ほど詳細に解説します。
過去問を解くことで、自分の習熟度を幅広く把握できます。参考書や問題集で勉強していても、過去問に挑戦すると選択肢の絞り込みに迷ったり詳細に理解できていなかったりする部分に遭遇するでしょう。
過去問を活用して、理解の浅い箇所を復習すれば強固な知識習得につながります。
実際に、1級自動車整備士を取得した人からは「過去問で2択で迷う問題などを排除しておかなければ合格は難しい」などの声が上がっています。
2024最新|1級自動車整備士試験対策
1級自動車整備士の試験は入念な対策が不可欠です。
- よく出るテーマと対策のポイント
- 新しい規則と変更点
1級自動車整備士の試験対策に関して、上記の2点を解説します。
よく出るテーマと対策のポイント
筆記の出題分野は大きく分けて5つです。
また、出題される問題数の内訳の例は次の通りです。
- エンジン(15問)
- シャシ(15問)
- 故障診断(10問)
- 環境・安全(5問)
- 法令(5問)
エンジンやシャシの問題が多く出題されていますが、すべての分野で40%以上の正答率が求められるので全体的に対策しましょう。
筆記は選択式の問題です。一般的には、選択肢から選ぶだけでなく、各文章のどの箇所が誤っているのかまで答えられるレベルになると合格の可能性が高まると言われています。
新しい規則と変更点
昨今の自動車の技術発展や整備士不足を踏まえて、自動車整備士技能検定規則が改正される予定です。令和9年1月1日に以下に施行される内容は次の通りです。
- 1級自動車整備士の資格区分変更
- 1級自動車整備士の口述試験廃止
- 担当できる業務範囲の変更
それぞれについて解説します。
1級自動車整備士の資格区分変更
1級自動車整備士の資格は、大型・小型・二輪の3種類です。しかし、令和9年からは、大型と小型の区分がなくなり、1級自動車整備士(総合)と1級自動車整備士(二輪)の2種類になります。
ちなみに、2級と3級も1級と同様に、総合と二輪の2種類に変更されます。
1級自動車整備士の口述試験廃止
1級自動車整備士の試験は、学科と実技の2種類です。また、学科は筆記と口述の2種類に分かれています。しかし、改正により廃止されることになりました。
また、口述に含まれている内容は、形を変えて実技に反映される見込みです。
担当できる業務範囲の変更
現行の自動車整備士の資格では、電子制御装置を取り扱える人材が少数です。しかし、改正により、2級でも電子制御装置整備が担当できるようになります。
参考:自動車技術の進化に対応する自動車整備士の育成を促進します~自動車整備士技能検定規則の一部改正について|国土交通省
1級自動車整備士の過去問を無料で学ぶ方法
1級自動車整備士の試験に合格するには過去問を活用した苦手分野の対策が不可欠です。過去問を無料で学ぶ方法は主に2つです。
- インターネット上の無料過去問題集をチェックする
- 無料アプリと学習ツールを活用する
それぞれについて解説します。
インターネット上の無料過去問題集をチェックする
1級自動車整備士の過去問は、インターネット上に無料で公開されています。たとえば、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会のホームページでは、平成16年以降の過去問をすべて掲載しています。
過去問はPDFで掲載されているので、印刷して問題を解くとより試験本番の雰囲気に近づくでしょう。
また、他のサイトでは、ブラウザ上で問題を解くサービスを展開しているページもあるようです。
参考:令和4年度第2回|一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
無料アプリと学習ツールを活用する
RESOLUTION Co.,ltd.からは、平成24年から平成28年までの過去問が無料アプリで展開されています。
無料アプリを活用すると、効率的に学習できるでしょう。
参考:自動車整備士資格試験/過去問題集 アプリ|RESOLUTION Co.,ltd.
参考:「自動車整備士資格試験/過去問題集 by Resolution」|App Store
参考:自動車整備士資格試験/過去問題集 by Resolution|Google Play
1級自動車整備士の過去問試験の勉強方法
1級自動車整備士の過去問は、先ほど紹介した通り、インターネット上やアプリで入手できます。合格に向けた勉強方法は主に2つです。
- 試験までの勉強スケジュールを立てて計画的に進める
- デジタルツールを活用してスキマ時間に学ぶ
いずれも駆使した勉強方法が望ましいので、活用できるように解説します。
試験までの勉強スケジュールを立てて計画的に進める
過去問の学習は、試験までのスケジュールを逆算して計画的に進める必要があります。試験直前に試しで過去問を解くだけでなく、それぞれの分野の理解度を高めなければなりません。
そのためには、各過去問を複数回繰り返せる余裕をもった計画を立てましょう。
デジタルツールを活用してスキマ時間に学ぶ
椅子に座り机に向かって勉強できると理解も深まるでしょう。しかし、1級自動車整備士の取得を目指す人の中には、日々忙しくしている方も多いはずです。
したがって、通勤・通学などのスキマ時間に、デジタルツールを活用した勉強も取り入れましょう。デジタルツールは先ほど紹介したインターネット上やアプリで確認できる過去問です。
1級自動車整備士試験の過去問に関してよくある質問
1級自動車整備士の試験対策に関するよくある質問は次の通りです。
- 現役で働きながら資格取得はできますか?
- 過去問はどれくらい解けば合格できますか?また、どれくらいの正答率が必要ですか?
- 勉強時間はどのくらいですか?
- 1級自動車整備士はこの先1級にしかできない仕事が増えて需要が高まるのでしょうか?
それぞれについて解説します。
現役で働きながら資格取得はできますか?
現役で働きながらの1級取得は可能です。
一般的に、1級の資格要件を満たす方法は次の2つです。
- 専門学校に通う
- 自習するケース
数は限られていますが、働きながら通える専門学校もあります。
過去問はどれくらい解けば合格できますか?また、どれくらいの正答率が必要ですか?
過去問をどれくらい解けば合格できるかは、学習方法や理解度によって異なります。
しかし、最低でも5年分は解いておきましょう。
また、学科・実技ともに合格基準は正答率8割です。
さらに、筆記では、すべての分野で4割以上の正答率を確保しなければなりません。
したがって、すべての分野で9割程度の正答率を目指しましょう。
勉強時間はどのくらいですか?
1級取得に必要な勉強時間は人によって異なります。
そもそも受験要件を満たすために、独学であれば2級取得後、3年の実務経験が必要です。専門学校に進学する場合でも複数年通うことになるでしょう。
1級自動車整備士はこの先1級にしかできない仕事が増えて需要が高まるのでしょうか?
1級自動車整備士の需要は今後ますます高まると予想されています。
背景には、自動車技術の高度化・自動運転の普及・環境規制の強化などがあります。
幅広い車両を取り扱える1級自動車整備士は、引き続き重宝されるでしょう。
1級自動車整備士試験の過去問についてのまとめ
今回は、1級自動車整備士試験の過去問対策を中心に解説しました。
過去問を解くことで、自分の習熟度を幅広く把握できます。
また、過去問でエンジンやシャシの問題が多く出題されていますが、すべての分野で4割以上の正答率が求められています。
したがって、限定的に山を張るのではなく全体的に勉強しましょう。
これから1級自動車整備士を目指しているのであれば、過去問で試験対策を講じてはいかがでしょうか。
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