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大型トラックにはクラッチ調整が必要|放置するリスクとは

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クラッチ

大型トラックには、今でもクラッチを操作してギアを切り替えるマニュアルトランスミッションが多く普及しています。

そのため、クラッチの整備を怠ると大きなトラブルとなることがあります。そこで、大型トラックのクラッチについて滑りの不具合や、クラッチの調整方法を詳しく解説していきます。

大型トラックにクラッチ調整が必要な理由⑴滑り

大型トラック

大型トラックには、まだマニュアルトランスミッションが多く搭載されており、ギアチェンジにはクラッチを操作します。

そのため、走行距離が長くなるとクラッチを構成する部品が消耗し、クラッチの遊びがなくなって最終的に滑り始めます。

大型トラックのクラッチが滑る症状は、低いギアで走行する時より高いギアで走行したときに症状が現れます。

例えば、6速や7速といった高いギアで走行中に、アクセルを踏み込んでもエンジン回転だけ上がり、トラックがアクセル開度に合わせて進まない時にはクラッチが滑っている状況です。

この状態のまま走り続けると次第に低いギアでもクラッチの滑りが発生します。

高いギアほどクラッチの滑りが強くなる原因は、変速付の自転車を思い浮かべてみるとその理由がわかります。変速付の自転車で平坦路を速く走るギアは非常に重たいことに気が付くでしょう。

そのため漕ぎ出しで速く走るギアにしておくと非常にペダルが重く漕ぐのが大変です。これをトラックのギアに当てはめると高いギアになります。

そしてこの重たいギアを動かすために大きなトルクを必要としますが、クラッチが消耗しているとエンジンのトルクを伝達するクラッチが耐え切れずに滑り出します。

クラッチ滑りが発生する原因とは?

クラッチが滑る原因は、人為的操作ミスによる滑り経年劣化による滑りの大きく分けて2種類となります。

クラッチは、エンジンの出力をギアに伝えるための大事な部品です。クラッチディスクは、スプリングの力によりエンジン側に取り付けられているフライホイールに押し付けられています。

この押し付けるスプリングの力が弱まったり、クラッチディスクに張り付けられているフェーシングと呼ばれる摩擦材がすり減ると、エンジン側のフライホイールに押し付けられなくなりエンジンの動力がトランスミッションに伝えられなくなります。

このクラッチディスクは消耗品なので、いずれ交換しなければなりませんが、大型トラックで運転の上手な方が使っていれば10万キロ以上持たせることも可能です。

しかし、半クラッチを多用した乗り方をしたり、左足をクラッチペダルに常に載せているような運転はクラッチを過度に擦り減らし、クラッチが滑り始めるでしょう。

 こんな症状があったらクラッチ調整が必要?

大型トラックは、クラッチが自動調整ではないので手動調整です。調整は、クラッチペダルに遊びが大きくなったり、滑りが発生したときに必要となります。

まず、クラッチペダルの遊びとクラッチが切れたときの床との隙間を点検します。クラッチペダルを抵抗を感じるまで押してみます。この抵抗を感じるまでがクラッチの遊びとなり、この遊び量が規定の範囲か確認します。

次にエンジンを始動し、サイドブレーキを引きます。クラッチペダルを踏み込みギアを1速にいれてから徐々にクラッチペダルを戻してきます。クラッチが繋がる直前のクラッチペダルと床までの距離を測定し、規定値の範囲かどうか確認します。

この2つを確認して規定値から外れていればクラッチを調整します。

クラッチは徐々につながる位置が変わってきて、毎日乗車しているトラックの場合、クラッチ調整の時期を感じにくいことがあります。ただ、ベテランドライバーになれば、クラッチの位置の変化に気が付き調整時期を見極めることも可能となります。

クラッチ調整が必要かわからない時には、同型のトラックに乗ってクラッチ操作をして比べることで、クラッチ調整が必要なのか知ることができます。

関連記事:エアブレーキの踏み方のコツと仕組みを徹底解説!

大型トラックにクラッチ調整が必要な理由⑵摩耗

ハンドル操作を行う様子

大型トラックで、クラッチが摩耗してくるとギアの入りが悪くなったり、クラッチの切れが悪くなるなどの症状が現れてきます。

そして、そのまま走行しているといずれクラッチは滑り出してくるでしょう。

そこで、クラッチの寿命を延ばす方法と、クラッチ調整を放置した場合の危険性について詳しく見ていきます。

クラッチの寿命をできるだけ長くする方法

クラッチの寿命をできるだけ長くするには、普段の運転でクラッチをいたわる運転を心がけることです。

クラッチは、使用すればするほど摩擦材が減っていきますから、できるだけクラッチディスクに負担がかからない運転を行います。それには、半クラッチを多用しないことと、荷物を積んでいるときや少しでも登り勾配がついている道路では、1速発進を心がけることです。

また、クラッチを繋ぐときにショックが起きるような繋げ方は、クラッチディスクにダメージを与えますから、静かに繋ぐ事を心がけるとともに、半クラッチの使用は控えます。

に慣れないドライバーは、1速発進で半クラッチを多用してしまいます。1速発進は、トラックを最初に少しだけ動かすことが目的です。そのため、過度なアクセルワークは必要なく、平坦であればアクセルを踏まなくても1速はエンストせずに繋がります。

クラッチの使い方とアクセルペダルの使い方で、クラッチは長持ちしますから運転の仕方を工夫するとよいでしょう。

クラッチ調整を放置している危険性

大型トラックのクラッチ調整は、クラッチを長持ちさせるために重要な整備です。

クラッチ調整は、クラッチディスクを最適に使用するために必要で、もしクラッチ調整をせずにそのまま走り続けていると、クラッチの消耗が激しくなります。

クラッチ調整を放置するということは、トラックを安全に走行させることは難しく、仕事先でクラッチが切れないといった症状や、いきなりクラッチが滑り出し、走行不能となる危険性があるでしょう。

関連記事:エアブレーキの踏み方のコツと仕組みを徹底解説!

大型トラックのクラッチの調整方法や対策は?

夕方走るトラック

大型トラックのクラッチの調整方法は、クラッチハウジングの横についているレリーズシリンダーを確認します。そのプッシュロッドにねじ切ってあれば、調整が可能となります。

クラッチ調整には、クラッチの遊びが少なくなっているか、そして滑りが発生しているか確認しますが、このような不具合があった場合、自分でも対処できるのか解説していきます。

クラッチ滑りが起っているか

大型トラックでクラッチディスクが摩耗してくると、次第にクラッチの遊びが少なくなってきます。そして、そのまま乗り続けると次第にクラッチに滑りが出てくるでしょう。

クラッチ滑りは、大型トラックを運転していると、アクセルとスピードの関係が不自然になりますからすぐにわかります。

このような症状が出たら、一刻も早くクラッチ調整を行うことです。

自分でも対処できる!?クラッチ調整の方法

クラッチ調整は、レリーズシリンダーの調整で行うことができます。

レリーズシリンダーで調整するには、ロックナットを緩めてから右回しにねじ込んでいきますが、調整と半クラッチの確認をしながらの作業となります。調整の基本は、遊びが少なければロッドを縮めて短くし、反対に遊びが多い場合はロッドを長くします。

ロッド調整には経験が必要なので、自分で調整を行おうとはせずに整備工場で行ってもらうことが基本です。もし間違った調整をするとギアが入らないトラブルに見舞われることになる可能性があります。

関連記事:大型トラックの方向転換のウラ技をここだけ紹介!コツや注意点を徹底解説!

定期的なクラッチ調整で大型トラックの長寿命と安全性を実現

走行中のトラック

クラッチは消耗品なので、定期的に点検をしなければ安全に走行することができません。

2トン車以下であればクラッチは自動調整となっているので、特にメンテナンスは必要はありませんが、大型トラックは手動で調整しなければなりません。

クラッチの遊びを確認して定期点検を確実に行えば、クラッチを長持ちさせ安全性も確保されます。

関連記事:大型トラックの各部位(パーツ)の名称や使い方は?

大型トラックのクラッチ調整についてのまとめ

大型トラッククラッチ調整について解説してきました。

大型トラックは、自重もさることながら、たくさんの荷物を載せるので運転の仕方一つでクラッチへの負担を軽減できます。

ベテランドライバーといわれるように、日々運転技術を鍛錬することでクラッチを長寿命することができます。またクラッチの定期点検で日々の安全な運航も約束されるでしょう。

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