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大型トラックの各パーツの名称や役割・使い方は?

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大型トラックは、荷物を運搬することを目的とした車のため、専用のパーツが多く使われています。名称も独特なものが多く、一度聞いただけでは何を意味しているのか分からないことも少なくありません。

トラックに何かしら不具合が起きた時にメンテナンスを行う整備員とのやりとりなどもあります。そのような時にトラックの各パーツについて詳しければ、スムーズにメンテナンスへと移ることができるでしょう。

そこでこの記事では、大型トラックの各パーツの名称と使い方、その働きをご紹介します。トラックを正しく扱うためにも各パーツの役割を正しく把握しておきましょう。

大型トラックの主要なパーツ

まずは、トラックの外装部分に使われているパーツの名称と働きのご紹介です。

「キャブ」:運転席

「大型トラック 運転席」の画像検索結果

引用:【はたらくクルマ】大型トラック 日野プロフィア (画像No.33 )|MOTA

運転席がある箱の部分を「キャブ」または「キャビン」と呼びます。

トラックドライバーは、就業時間のほとんどをこのキャブで過ごすことになります。狭い空間で「居心地が悪そう」という印象を持たれがちですが、実はそうでもないんです。

まず、長時間座ることになるトラックのシートですが、人間工学の研究のもとに角度や形状を決められています。トラックの運転が長引いても疲れにくいようになっているんです。

またトラックの中には、運転席の後ろに仮眠用のベッドが備え付けられているものもあります。トラックドライバーが必要に応じて睡眠を取れるように設計されているトラックもあるんですね。

トラックのキャブは、運転をするためだけの空間と思われがちですが、意外と過ごしやすい空間が広がっています。

「エアデフレクター」:空気抵抗を抑制する

「エアデフレクター」とは、キャブ上部についている流線型のパーツを指します。このエアデフレクターには、二つの役割が存在しています。

一つは、空気の抵抗をできるだけ下げることです。トラックのように四角形状では空気抵抗が高くなってしまいますから、少しでも抵抗を和らげるために流線型のエアデフレクターをとりつけています

空気抵抗が下がればトラックを走らせるための燃料消費を抑えることができます。トラックは長距離運搬が基本ですから、少しでも燃費を抑えることがとても大切です。空気抵抗の抑制はトラックにおいて重要な役割を担っていると言えます。

また、トラックのデザイン性を高める役割も果たしています。見栄えを良くするためにトラックで最も目立つ箇所である正面上部に取り付けられているんです。

これらは、新幹線やスポーツカーなどの前面が流線型になっているのと同じ理由ですね。トラックにおいても燃費やデザイン性を高めるという役割を果たしています。

詳しくはトラックの生産で有名なISUZUが解説記事を公開していますのでお読みになるとわかりやすいでしょう。

「ステップ・グリップ」:運転席に乗るための補助

「ステップ・グリップ」とは、トラックの乗り降りを補助する役割を果たすパーツの名称です。

トラックはかなりの高さがありますから、一般の乗用車のように気軽に乗り込むことができません。そのため、足を引っかける場所「ステップ」と手で掴む場所「グリップ」が必要となります。

トラックを乗り降りする度に体重をかけることになるので、かなり頑丈に作られているパーツです。体重の重い人が何度乗り降りしても大丈夫なように設計されています。

運転席の「トラクタ」と荷物を積む「トレーラー」

トラックの運転席やエンジンがあるパーツを「トラクタ」、荷物を積むパーツを「トレーラー」と呼びます。

「トレーラー トラック」の画像検索結果

引用:タミヤ 1/14 電動RCビッグトラックシリーズ No.02 トレーラートラック用 パネルバン セミトレーラー ラジコン 56302|Amazon

このトラクタとトレーラーは簡単に切り離しができるように設計されていて、トラックの運搬効率を飛躍的にアップさせる役割を果たしているんです。

トラックで荷物を運搬するには、荷物を積んで、運んだ先で降ろすという作業が必要になります。重い荷物を何度も積み下ろししますから、時間もかかりますしトラックドライバーの体への負担も大きいでしょう。

ですが、トラックのトレーラーを付け替えるだけで良いとしたら大幅な時短に繋がります。空いた時間を休憩に使うこともできますし、早めに出発することもできるんです。

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関連記事:大型トラックの最大積載量は?荷台の種類別に解説

大型トラックの補助パーツ

日頃から使っているけど正式名称は分からない、また、よく話題に上がるけどど何を指しているのか分からない、そんなトラックのパーツをご紹介します。運転席についている内装パーツが主です。

ここでご紹介するものは、乗用車にも搭載されているものがほとんどですが、トラックならではの働きや使い方もあります。そちらにも注目してみてください。

アシストグリップ

「アシストグリップ トラック」の画像検索結果

引用:ファンキーキルトアシストグリップカバー(L/Rセット)|トラックアート歌麿

「アシストグリップ」は、トラックを乗り降りする時に体を支えるために握る取っ手の名称です。

「ステップ・グリップ」のグリップと同じ物を指しています。アシストグリップやグリップなど、呼ばれ方が様々なので混同してしまうかもしれませんが、いずれもトラックの乗り降りを補助する内装パーツとなっています。

また、乗用車についているアシストグリップは走行中に体の揺れを抑えるために掴むための取っ手となっています。ドライバーはハンドルを握るため、基本的に助手席や後部座席側にしかついていません。

ダッシュボード

「ダッシュボード トラック」の画像検索結果

引用:日産(純正) ダッシュボード|みんカラ

「ダッシュボード」は、運転席の内装フロント部の総称です。

トラックの運転席には、ハンドルに始まり、スピードメーターやナビ、オーディオユニットなど、フロント部に沢山のパーツが集まっています。ダッシュボードはこれらのパーツの総称となります。

「ダッシュボードが~」と言われたら、運転席全般のことを指していると思って良いでしょう。

グローブボックス

「グローブボックス」は、助手席の前にある開閉式のボックスの名称です。

用途としては、車検証のような小物を入れておくことが多いです。トラックの場合は、長時間運転することになりますので軽食であったり、飲み物のペットボトルを入れておくことも多くなります。

ちなみに名前の由来ですが、本当に手袋(ドライビンググローブ)を入れるための物だったそうです。そこから改修が加えられて使い勝手が向上してきたんですね。

コンソールボックス

「コンソールボックス」は、運転席と助手席の間にあるスペースの名称です。

文房具や工具のようなちょっとした道具を収納しておいたり、蓋を閉めれば肘置きとして活用することもできるスペースです。

トラックのコンソールボックスには、ボルトホルダーがついていることもあります。ペットボトルを入れたりすることもできますし、ちょっとした小物入れに活用することも可能です。

インストルメントパネル

「インストルメントパネル」の画像検索結果

引用:インストルメントパネル(2)|日産スカイライン取扱説明書

運転席のメーター類が設置されているパネル全体を「インストルメントパネル」と呼びます。よく「インパネ」と略されているアレです。

元々はメーターまわりを指す言葉でしたが、現在ではパネル全体を指して呼ばれることが多くなりました。前述した「ダッシュボード」とほとんど同じ意味合いで使われることも多いですね。

メータークラスター

運転席の前の各種メーターをまとめているパネルを「メータークラスター」と呼びます。

計器類を指す言葉ではなく、パネルそのものを指します。取り外しが可能になっているので好きなデザインのメータークラスターと交換することも可能なんです。

メータークラスターを交換する場合、純正品に限定することを強くおすすめします。サイズが合わないと取り付けることができませんので、トラックの製造メーカーが販売しているものを購入しましょう。

関連記事:大型トラックの運転テクニック向上のための7つのコツ(左折/右折)

大型トラックの動力となるパーツ

トラックを走らせるための動力となるパーツの名称と働きをご紹介します。

「トランスミッション」:トラックの変速機

「トランスミッション トラック」の画像検索結果

引用:三菱ふそう、全車AMT化した大型トラック「スーパーグレート」と大型観光バス「エアロクィーン」「エアロエース」発表会(12/53)|Car Watch

「トランスミッション」とは、トラックのエンジンで作られた駆動力を車輪へと伝える動力伝達装置を指します。

荒れている山道であったり、滑りやすい雪道など、道路の条件にあわせてギアの切り替えを行うことができます。トラックは、色々なところへ運搬するための車ですから、あらゆる条件を想定して切り替えられるギアの段階も多くなっているんです。

トランスミッションは、手動のマニュアルと自動のオートマに二つに分けられます。一般車ではオートマが人気の傾向にありますが、トラックの場合ですとドライバーが手動でシフトチェンジを行う「マニュアルトランスミッション」が人気です。

「ラジエータ・クーラント」:熱を冷却する

「ラジエータ」の画像検索結果

引用:ラジエーターの構造|通販モノタロウ

「クーラント」の画像検索結果

引用:古河薬品工業(KYK) ラクラククーラント 5L 緑 55-004|Amazon

「ラジエータ・クーラント」は、トラックのエンジンを冷却する働きを持つパーツです。

トラックに搭載されているエンジンを始めたとした様々なパーツは、徐々に熱を帯びていきます。この熱を放置してしまうと、オーバーヒートを起こしてしまうため、適切に冷却を行う必要があるんです。

また、冷却を効率よく行うために風の取り込み口「グリル」というパーツが設けられています。トラックの車体全面から「風の取り込み」と「熱を奪った熱い風を吐き出す」という二つの役割を果たしています。

「燃料タンク」:フレームの外に設置されたパーツ

「燃料タンク トラック」の画像検索結果

出所:大型トラック用燃料タンク(200L)(¥4,000)|メルカリ

「燃料タンク」とは、その名の通りトラックの燃料を保管しておくパーツです。

トラックと一般車の燃料タンクの大きな違いは、フレームの外に設置されているということです。内側に設置できないのは、トラックは荷台を始めとした、色々なパーツを搭載することでスペースを確保できないためです。

トラックの燃料タンクは、耐久性を考えた材質(主に金属製)で作られています。外に設置されている燃料タンクは常に外気にさらされ続けることになりますから、トラックの燃料タンクは何よりも耐久性が優先されるわけなんですね。

「排気システム」:排気ガスの排出

トラックのエンジンから出る排気ガスを外に排出するためのパーツを「排気システム」と呼びます。

排気システムは、触媒サイレンサーと呼ばれるパーツを繋げた一本の長い管を指します。トラックの排気ガスを排出するためにこのような形状となっているのには以下のような3つの目的があるからです。

一つ目は、排気ガスをクリーンにすること。排気ガスをクリーンにする働きを持つ触媒を通すことでトラックから排出されるガス汚染をある程度防ぐ役割を果たします。

二つ目は、騒音をできるだけ抑えること。サイレンサーが排気ガスを膨張させたり、収縮させて抵抗を与えることでガスの排出音をなるべく小さくします。あまりにも音が大きいと周辺にも迷惑ですし、トラックドライバーの集中力を乱す要因にもなりかねません。

三つ目は、排気ガスの熱をある程度冷ますこと。サイレンサーの中で膨張させたり、サイレンサー表面から放熱させることで熱を奪います。排気ガスを高温のままトラックから排出させるのではなく、ある程度冷却してから排出する仕組みとなっているんです。

「吸気ダクト」:キャブの後ろについているパーツ

「吸気ダクト トラック」の画像検索結果

出所:写真で見る 三菱ふそう「スーパーグレート」|Car Watch

「吸気ダクト」は、エンジンへ空気を送り込む働きをするパーツの名称です。

キャブの後ろ側に付けられているプラスチックの筒のようなものが吸気ダクトです。ただの通気口ではなく、エアクリーナーと呼ばれる新鮮な空気だけを取り入れるための工夫も凝らされています。

エアクリーナーは「吸気抵抗を下げる」「水や異物を取り除く」の他にも「吸気の音抑える」という役割も果たしています。このような仕組みがあるからこそ、常にエンジンに新鮮な空気が送り届けられ、トラックが安全に走行することができるわけですね。

大型トラックのその他のパーツ

続けてトラックの主要となるパーツの名称と働きを見ていきます。

エンジンなどが付いている「フレーム」

「トラック フレーム」の画像検索結果

出所:トラックフレーム用780・980MPa級熱延鋼板|JFEスチール株式会社

トラックの骨組みとなるパーツの名称を「フレーム」と言います。

トラックにおいて、このフレームはとても重要な役割を果たします。エンジン、トランスミッション、タイヤなど、トラックの動力となるほとんどのパーツは、このフレームに取り付いているためです。

フレームは、トラックに必要となる様々なパーツを配置する役割とトラックの車体を支える役割を果たさなければいけません。効率と耐久性を両立させなければいけない、数あるトラックのパーツの中でもとても重要なパーツと言えます。

空気圧をとどめておく「エアタンク」

「エアタンク」は、トラック内部に空気をためておくのスペースです。

トラックに使われているパーツは、空気圧を利用することで働くものも多いです。これらをいつでも使えるように空気をためておく役割を果たすのがエアタンクとなります。

トラックの空気圧を利用するパーツに挙げられるのは例えばブレーキです。トラックの重量を、人間の踏む力だけで止めることはできません。この問題を解決するために圧縮空気を使って踏む力を何倍にも増やしているんです。

乗用車が引かれない「車両突入防止装置」

「車両突入防止装置」は、乗用車の安全を考慮した装置の名称です。

トラックと乗用車が衝突した際に、乗用車がトラックの下に潜り込んでしまうのを防ぐための装置となっています。乗用車の高さにあわせて、トラックの下の方に設置されているのが特徴です。

車両突入防止装置は、トラックの前方と後方につけられています。前方はバンパーの後ろに隠れていますのでパッと見は分かりづらいかもしれません。

関連記事:4トントラックの運転のコツは?難しいポイントや練習方法を紹介

各大型トラックの荷台の主な名称

最後に、トラックの荷台の種類についてご紹介します。

平ボディ

「平ボディ」の画像検索結果

出所:2t ロングワイド平ボディ – 株式会社トラフィックレンタリース

屋根がついていない荷台のトラックを「平ボディ」と呼びます。

平ボディは、上部が開放されていて両側面と後ろには壁の役割を果たす「あおり」がついているのが特徴です。あおりは三方に開くようになっており、荷物の積み下ろしも簡単に行えます。

また、屋根がないため、高さのあるものや特殊な形状の荷物を運びやすいというメリットもあります。このような使い勝手の良さから、業務用トラックの中でも最も人気となっているんです。

一方で、悪天候時は荷台や荷物が濡れてしまったり、強い衝撃によって荷物が落下してしまう危険性もあります。荷物を守るためにシートをかぶせたり、荷物をしっかりと固定させるなど、対策が必要となるでしょう。

バンボディ

「バンボディ」の画像検索結果

出所:バンボディ | 東邦車輛株式会社

「バンボディ」は、箱型の荷台を積んでいるトラックの名称です。

屋根がない平ボディと比較すると、雨や直射日光などを気にする必要がないため、荷物を運搬する際にほとんど制限がない特徴があります。劣化しやすいダンボールを運ぶ時はバンボディのトラックが使われることが多いです。

箱の材質は、外板にアルミ製、内側にはベニア板が使われることが一般的です。アルミは耐食性が非常に強いため、錆びにくく長期間の使用に耐えられます。

積載量という面でもメリットが大きいので、小型から大型トラックまで幅広く使われている荷台でもあります。しかし、扉が後方の一つしかないため、奥の方に荷物を積んだり取り出す作業に時間がかかってしまうデメリットも持ち合わせているんです。

ウィングボディ

「ウィングボディ」は、側面全体が開閉式になっている荷台を積んでいるトラックの名称です。

バンボディの側面が開くようになったもの、とイメージしていただけると分かりやすいと思います。側面を開放式にすることで積み下ろしにかかりがちだった時間を大幅に時短することが可能となりました。

荷物を守りつつ、積み下ろしの時間も短縮するという平ボディとバンボディのいいとこ取りをしたトラックとも言えます。この合理性が高く評価され、徐々にポピュラーなトラックになりつつあります。

3種のトラックの共通な各部名称

これら3種類のトラックに共通しているのは「根太」です。

床を支えるためのフレームのような役割を果たすものです。住宅の床をはるためにも使われるものですが、同じ用途でトラックの荷台の床板にも使用されています。

材質は、木製やスチール製などがありますが、削ったりして微調整ができるということから木製が好まれる傾向にあります。

関連記事:クラッチ調整をしないまま大型トラックを乗り続けると?

大型トラックのパーツについてのまとめ

大型トラックを構成するパーツの名称やその働きについて見てきました。初めて名前を聞くものもあれば、「あ~これこれ!」というパーツもあったかと思います。

トラックドライバーとしては、可能な限りパーツについて知っておきたいというのが本音です。トラックの長距離運転中に何かしらのトラブルが起きた時も、どこのパーツが原因か分かれば応急処置をとることもできるかもしれません。

本記事を読むことで、少しでもトラックに使われるパーツに詳しくなれれば幸いです。ありがとうございました。

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