第三種冷凍機械責任者の取得を目指している一方で、「試験概要や合格率はどうなっているのか」などと気になっている人もいるのではないでしょうか。
第三種冷凍機械責任者は、冷凍設備の扱いなど工場の保全を担当する上で役立つ国家資格です。具体的には、1日の冷凍能力が100t未満の冷凍設備を取り扱える資格です。
試験は年1回開催されており、合格率が例年30%から50%程度で推移しています。そのため、資格取得するには、試験概要を把握した上で受験計画を立てる必要があります。
この記事では、第三種冷凍機械責任者の試験概要や合格率について解説します。これから第三種冷凍機械責任者の取得を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
第三種冷凍機械責任者とは?
第三種冷凍機械責任者は、冷凍機械の運転や保守管理に関する重要な役割を果たすための国家資格です。また、高圧ガス製造責任者資格のうちのひとつです。
冷凍設備の運用に携わるにあたって、適切な知識・技術を有していることを証明できます。
第三種冷凍機械責任者があれば、1日の冷凍能力が100t未満の製造施設・設備の保守・管理を担当できます。ちなみに第二種の取り扱い範囲は、1日の冷凍能力が300t未満です。第一種であれば、冷凍能力にかかわらず担当できます。
この資格は、冷凍設備が使用されるさまざまな産業で活かせるでしょう。たとえば食品産業・化学工業、医薬品の製造や保管など、温度管理が不可欠な分野で特に需要があります。
【令和6年】第三種冷凍機械責任者の試験概要
令和6年度に第三種冷凍機械責任者を取得したいと考えている人もいるでしょう。
第三種冷凍機械責任者の試験概要について4つの視点で解説します。
- 試験日と試験スケジュール
- 試験の申込方法
- 試験内容と試験時間
- 受験時の注意点
試験日と試験スケジュール
令和6年における第三種冷凍機械責任者の試験日は11月10日(日)です。電子申請の受験申込期間は令和6年8月19日(月)午前10時から9月4日(水)午後5時までです。
受験資格は設けられておらず、年齢・学歴・経験に関係なく、誰でも受験できます。
試験までのスケジュールは次のとおりです。
- 受験申込
- 筆記試験受験票の到着
- 筆記試験受験
- 択一式試験問題の正解答公表
- 合格発表
受験申込以外に、試験後の正解答公表などにも期限がありますので、事前に確認しておきましょう。
参考:国家試験のお申込み | 高圧ガス保安協会
参考:国家試験のお申込みから合格発表までのフローチャート | 高圧ガス保安協会
試験の申込方法
第三種冷凍機械責任者の受験申込には、電子申請と書面申請の2種類があります。基本的には、電子申請がおすすめと言われています。
電子申請の受験申込期間は令和6年8月19日(月)午前10時から9月4日(水)午後5時までです。一方で、書面申請の場合、電子申請より短い期間での申込が必要です。
電子申請の際は、まずは受験者のメールアドレスを事前登録しましょう。その後、試験の種類等を登録してから本申込となります。
また、第三種冷凍機械責任者の受験費用は9,800円となっています。
参考:令和6年度高圧ガス製造保安責任者試験高圧ガス販売主任者試験|高圧ガス保安協会
試験内容と試験時間
高圧ガス製造保安責任者試験の試験は次の3科目です。
- 法令
- 保安管理技術
- 学識
しかし、第三種冷凍機械責任者の試験には学識がなく、法令と保安管理技術の2科目のみです。
法令の試験が終わった後に、保安管理技術が開始されます。試験時間はそれぞれ次のとおりです。
- 法令 :9時30分~10時30分(60分)
- 保安管理技術:11時10分~12時40分(90分)
法令の試験時間は60分間の一方で、保安管理技術は90分間です。
また、第三種冷凍機械責任者の試験は、すべて択一式問題で構成されています。第一種では、記述式も組み込まれるので、注意しましょう。
受験時の注意点
第三種冷凍機械責任者の試験を受けるにあたって、いくつか注意点があります。
まずは、試験当日は、午前9時までに所定の試験会場に到着しましょう。試験開始前に注意事項の説明などが実施されます。
また、試験では、机の上に置けるものが制限されています。内容は以下のとおりです。
- 受験票(後に回収されます)
- 筆記用具(筆箱から出しておきましょう)
- 電卓(ケース付きの場合は、本体のみ置きましょう)
- 時計(時計以外の機能を有する機器は使用できません)
なお、腕時計は腕から外し、机上に置いておく必要があります。
参考:令和6年度高圧ガス製造保安責任者試験高圧ガス販売主任者試験|高圧ガス保安協会
第三種冷凍機械責任者の合格率
第三種冷凍機械責任者試験の合格基準は、各科目の60%以上程度と定められています。
近年開催された第三種冷凍機械責任者試験の合格率は次のとおりです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年 | 9,487人 | 4,497人 | 47.4% |
令和4年 | 9,731人 | 3,149人 | 32.4% |
令和3年 | 11,437人 | 5,357人 | 46.8% |
第三種冷凍機械責任者の直近3年の合格率の平均は約42%で、例年、30%から50%程度で推移していることがわかります。難易度はそこまで高いわけではありませんが、一発合格を得るために、きちんと対策を行うことが重要でしょう。
参考:令和5年度 知事試験の合格率|高圧ガス保安協会
参考:令和4年度 知事試験の合格率|高圧ガス保安協会
参考:令和3年度 高圧ガス製造保安責任者試験等結果(知事試験)受験者数・合格者数・合格率一覧表
関連記事:第一種冷凍機械責任者は難しい?勉強方法や取得後のキャリアについて
第三種冷凍機械責任者の合格率を上げたい場合は講習会への参加がおすすめ
第三種冷凍機械責任者の合格率は、30%から50%程度です。そのため、少なくても受験者の2人に1人が落ちています。
第三種冷凍機械責任者の合格率を上げたい場合は講習会への参加がおすすめです。なぜなら、講習に付随する検定に合格すると、第三種冷凍機械責任者の試験科目一部の免除を受けられるからです。
具体的には、保安管理技術科目の免除を受けられます。
講習会に関して、3つの視点で解説します。
- 講習会の日程・参加費用
- 講習会の内容
- 講習を受講するメリット・デメリット
講習会の日程・参加費用
第三種冷凍機械責任者の講習会は年2回開催です。具体的には以下のとおりです。
講習期間 | 検定日 | |
1回目 | 2024年5月23日(木)~6月12日(水) | 6月30日(日) |
2回目 | 2025年1月20日(月)~2月9日(日) | 2月23日(日 |
第三種冷凍機械責任者の講習会にはインターネット申込の上、参加できます。講習参加費用は、一般申込の場合20,000円、インターネットの場合19,500円です。
参考:令和6年度 講習予定表 No.2【一冷、二冷、三冷】|高圧ガス保安協会
講習会の内容
第三種冷凍機械責任者の合格に向けた講習会は21時間にも上ります。講義時間の内訳は法令に関する内容が7時間、保安管理技術は14時間です。
また、講習会はオンライン開催、検定は会場で行われます。
講習を受講するメリット・デメリット
第三種冷凍機械責任者の講習を受講するメリットは、第三種冷凍機械責任者の試験科目一部の免除を受けられる点です。具体的には、保安管理技術科目の免除を受けられます。
第三種冷凍機械責任者試験の合格率は30%から50%程度です。講習を受講して保安管理技術の免除を受けられると、合格の可能性を50%以上に高められるでしょう。
一方で、第三種冷凍機械責任者の講習を受講するデメリットは、時間と費用がかかる点です。講習時間は21時間あり、一部科目免除のためには検定を受験しなければなりません。
また、講習会の参加に約20,000円の費用が必要です。さらに、検定受験のために交通費など、講習に関連する費用も必要になるでしょう。
第三種冷凍機械責任者に関するよくある質問
第三種冷凍機械責任者に関するよくある質問は次のとおりです。
- 冷凍機械責任者の第二種と第三種の違いは?
- 第三種冷凍機械責任者は必要ないって本当?
- 第三種冷凍機械責任者の合格に必要な勉強時間は?
それぞれの質問について解説します。
冷凍機械責任者の第二種と第三種の違いは?
冷凍機械責任者の第二種と第三種の違いは、製造施設・設備の取り扱い範囲です。
具体的に、第三種は1日の冷凍能力が100t未満の製造施設・設備の保守・管理を担当できます。一方で、第二種の取り扱い範囲は、1日の冷凍能力が300t未満です。
また、第三種冷凍機械責任者の試験は、法令と保安管理技術の2科目です。しかし、第二種では、法令と保安管理技術に加えて、学識の受験も求められています。
第三種冷凍機械責任者は必要ないって本当?
冷凍機械は現在、資格不要で取り扱えるものが大半です。そのため、第三種冷凍機械責任者の価値が薄れつつあります。
しかし、第三種冷凍機械責任者を取得すると、冷凍機械に関する知識が身につきます。また、会社によっては、資格手当を支給しているケースもあるようです。
したがって、第三種冷凍機械責任者を取得する価値は十分にあるでしょう。
第三種冷凍機械責任者の合格に必要な勉強時間は?
第三種冷凍機械責任者の合格に必要な勉強時間は、経験者で50時間から60時間程度、初心者で90時間から120時間程度と言われています。
ただし、合格に必要な勉強時間は個々の状況によっても異なるので、入念に対策をして試験に臨むようにしましょう。
第三種冷凍機械責任者試験の概要を把握して受験スケジュールを立ててみよう
この記事では、第三種冷凍機械責任者の試験概要や合格率などについて解説してきました。
第三種冷凍機械責任者は、冷凍機械の運転や保守管理に関する重要な役割を果たすための国家資格です。第三種冷凍機械責任者の資格があれば、冷凍能力100t未満の製造施設・設備を取り扱えます。
第三種冷凍機械責任者の試験科目は、法令と保安管理技術の2科目です。
合格率は例年、30%から50%程度で推移しています。
これから第三種冷凍機械責任者の取得を検討しているのであれば、メリットやデメリットを認識した上で挑戦してみてはいかがでしょうか。
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