転職して新しい職場でスムーズにスタートを切るためには、入社前の準備が重要です。
入社当日のスケジュール確認はもちろん、必要書類の準備、そして職場にふさわしい服装の用意が欠かせません。
必要書類が揃っていないと、初日から印象が悪くなりますし、不要なトラブルを招く可能性があるでしょう。
特に、これまでの職場とルールや文化が大きく異なる場合、事前にそれらを把握しておかないと、入社初日に戸惑う可能性があります。
事前に会社の雰囲気や求められるビジネスマナーを理解しておくことで、周囲とのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係の構築がしやすくなるでしょう。
そこで本記事では、入社前に押さえておくべき準備のポイントを解説します。これから入社を控えている方はぜひ参考にして、万全の態勢でスタートを切ってください。
入社前の準備に伴って事前に質問しておきたいこと
入社前の準備をする上で、転職先の企業に事前に質問しておいた方が良いことがいくつかあります。
Point!
入社当日のスケジュール
入社当日のスケジュールの例は、以下のような流れになります。
⑴入社手続き・研修
初出勤日には、まず入社手続きがおこなわれます。書類の記入や身分証明書の提出、貸与物の受け取りなど、必要な事務手続きが一通り済んでから業務が始まります。
また、研修がおこなわれる場合もあり、オリエンテーションや部署案内が含まれることも多いです。研修の内容や所要時間は企業によって異なり、簡単な説明で終わることもあります。
⑵部署・デスクへの案内
入社手続きが終わると、実際に業務をおこなう部署やデスクに案内されます。ここで上司や指導担当の社員が同僚の紹介があり、部署内での自己紹介を求められる場合もあるでしょう。
その後、業務の流れや役割について説明を受け、特別な手続きがなければ、実際の業務に入ります。
⑶パソコンの設定・業務開始
パソコンを使用する業務の場合、初日に初期設定をおこなうことが多いです。メールや社内システム、プリンターの設定など、業務に必要な環境を整えます。
システム担当者がいる場合は設定が事前に完了していることもありますが、自分で設定をおこなうことも少なくありません。
退職予定者がいる場合、初日から引き継ぎが始まり、そのまま業務に入ることもあります。
このように、入社当日は手続きや準備に時間を費やしながら、少しずつ業務に慣れていくのが一般的です。
入社式の服装
入社式の服装についても、事前に企業に確認することが重要です。特に、制服があるのか、オフィスカジュアルなのか、スーツが推奨されているのかを把握しておきましょう。
注意したいのはオフィスカジュアルの場合です。オフィスカジュアルとは、スーツよりも少しカジュアルでありながら、ビジネスシーンに適した服装を指します。
定義が明確ではないため、選ぶ際は慎重さが求められます。可能であれば、事前に上司や同僚の服装を観察し、職場の雰囲気に合ったスタイルを選ぶと良いでしょう。
一般的には、シンプルで落ち着いた色合いのワイシャツやブラウス、カットソー、ジャケットやカーディガンなどが適しています。
ジーンズのようにカジュアルすぎるものや、派手なデザインの服装は避け、ビジネスに相応しいパンツやスカートを選びましょう。
入社当日に必要な持ち物や書類
入社当日は、企業から指定された持ち物や書類を忘れずに準備することが大切です。一般的に必要とされる持ち物は以下の通りです。
- 身分証明書
- 印鑑
- 住民票
- 健康保険証
ただし、健康保険証に関してはすでにマイナンバーカードに取って代わられているケースが大半になります。
また、場合によっては筆記用具やノート、企業から指示されたその他の物品を持参することも必要です。事前に人事担当者に確認し、準備を整えておきましょう。
昼休みの過ごし方
入社初日は、昼休みの過ごし方についても事前に把握しておくと安心です。企業によっては社員食堂が利用できる場合や、近隣に食事をする場所があるかもしれません。
また、休憩室や自席で昼食を取れるかどうかも確認しておきましょう。
昼休みでは、新しい同僚と交流する機会があるかもしれないため、周囲の動きを見つつ、社内の雰囲気に合わせた行動を心掛けてみてください。
入社前に準備したいもの
続いて、一般的に入社前に準備が必要と言われているものをいくつか紹介します。
筆記用具
筆記用具はスケジュールやタスクの管理、電話対応時のメモ書きに必要です。スケジュールやタスク管理はアプリでも可能ですが、手帳であれば取引先への訪問時などにすぐ確認できます。
具体的にはシャープペン、ボールペン、消しゴム、蛍光マーカーなどをペンケースに入れて持ち歩くと良いでしょう。デザインはシンプルなものを選び、社会人として適切なものを心がけてください。
入社関連の書類
入社前に企業から渡された書類は、すべて記入して前日までに仕上げておきましょう。書類はクリアファイルに挟んで、折れ曲がらないようにかばんに入れておくと安心です。
当日に書類が不足していると、社内での印象が悪くなる可能性があります。また、住民票などの本人確認書類が必要になる場合もあるため、余裕を持って準備しておきましょう。
身分証明書や印鑑
入社関連書類に不備があったり、追加の書類が必要になったりした場合に備え、身分証明書や印鑑を持参しておくと安心です。
業務で使用するシャチハタなどのハンコは企業が用意してくれる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。なお、身分証明書や印鑑は重要な個人情報を含むため、紛失には十分注意してください。
仕事用の服
仕事用の服として、ビジネススーツを2~3着準備しておくと安心です。インナーやワイシャツはスーツに合わせてバリエーションを持たせておくとなお良いでしょう。
また、ネクタイやハンカチ、ベルトもローテーションできるようにしておくと、劣化を防ぎ、長持ちします。女性の場合は、ストッキングが伝線したときのために予備を持ち歩くことをおすすめします。
〜仕事に着る服の目安〜
種類 | 留意点 |
ビジネススーツ | 毎日着る方は2~3着用意 |
インナー・ワイシャツ | 最低でも5枚、1週間分の替えを用意し、汗をかいた時のための替えも準備 |
ハンカチ | シンプルなデザインで1週間分を用意し、派手な柄は避ける |
ベルト・ネクタイ | ローテーションできるように2~3本準備し、派手な柄や色は避ける |
靴下・ストッキング | ボトムの色に合わせた靴下を選び、派手な柄や色は避ける。ストッキングは予備をかばんに入れておく |
仕事用の靴
スーツや服装に合わせて、靴は2~3足ほど準備しておくと良いでしょう。天候に対応できるように、雨天時用の防水性や透湿性のある靴も用意しておくと安心です。
女性はヒールの高さが低すぎず高すぎないパンプスを選ぶのが理想的で、ヒールの高さは3~5cm程度が無難です。
なお、入社前には靴をきちんと磨き、入社後も靴底のすり減りなどを定期的にチェックしてメンテナンスをおこないましょう。
仕事用のバッグ
入社初日に書類を受け取る可能性があるため、A4サイズの封筒などが収まる大きさのバッグを用意しましょう。ビジネスシーンに合わせ、マチが広く収納力のある革製のバッグを選ぶと良いです。
また、取引先に出向く際は自立するバッグが便利で、床に置いても見た目が良く、失礼になりません。必要なものがすぐ取り出せるよう、バッグの中は常に整理整頓し、ファスナー付きのものを選ぶと紛失防止にもなります。
名刺入れ
名刺入れは、一般的な会社員であれば持っているのが望ましいです。身なりと同様に名刺入れも注目されるアイテムのため、派手なデザインは避け、黒やブラウンなどのダークカラーでシンプルなものが適しています。
ハンカチやポケットティッシュ
手を洗った後、服で水滴を拭うのは清潔感に欠ける行動です。仕事中はどこにいても誰かに見られている意識を持ち、必ずハンカチとティッシュを常備しておきましょう。派手なデザインを避け、ビジネスシーンにふさわしいものを選んでください。
入社前に準備したいこと〜仕事編〜
入社前に必要な準備は「物の用意」だけではありません。ここでは「仕事編」と題して、入社前に準備したいことを3つ紹介します。
業界知識の勉強
入社前に業界知識を学んでおくと、初日からスムーズに業務に取り組めるでしょう。
社会人になっても勉強を続けることで、仕事の幅が広がり、将来的なキャリアアップにもつながります。
また、時間に余裕がある方や本格的に昇進を狙っている方は、業界で役立つ資格の勉強も始めておくといいでしょう。
ビジネスマナーの勉強
ビジネスマナーは一見すると業務とは直接関係がないように思われがちですが、社内や取引先、クライアントや顧客への印象に大きな影響を与える重要な要素です。
挨拶の仕方、メールや電話の対応、名刺の渡し方など、ビジネスマナーについての基本的な知識は入社前に学んでおきましょう。
特に転職によってこれまでと職場の環境が変わり、これまで以上にビジネスマナーが求められる場合は、しっかりと情報を収集し、シミュレーションをしておくことが重要です。
自己紹介の内容
入社初日に備えて、自己紹介の内容を考えておくと良いでしょう。初日は同期や配属先の社員の前で挨拶を求められることがよくあります。
初めの印象は今後の人間関係に大きく影響するため、仲間として受け入れてもらえるような挨拶を心がけてください。具体的には以下の内容を含めると良いでしょう。
- 氏名(必要に応じてニックネーム)
- 社会人としての意気込み
- 仕事を通じて達成したいこと
- 出身地
- 趣味や特技
出身地や趣味、特技を話題にすると、共通点のある人と親しみやすくなることがあります。挨拶の時間は1分以内、文字数では300〜400字程度が適切です。
入社前に準備したいこと〜プライベート編〜
続いて、「プライベート編」と題して入社前に準備したいことを4つ紹介します。
生活リズムの見直し
転職を機に、生活サイクルを見直すことは非常に大切です。長年の職場での勤務が習慣化していると、生活リズムが崩れやすく、特に夜更かしや不規則な生活が身についてしまうこともあります。
しかし、転職後は新しい環境に適応するための努力が必要となり、そこに不規則な生活が加わると、さらに体力的な負担が増える可能性があります。そのような事態を避けるためにも、入社前に生活サイクルを整えておくことが重要です。
リズムを整えるためには、食事習慣の見直しが欠かせません。余裕を持って起床し、朝食をしっかりとることで、自然と正しい生活リズムに順応できるようになります。
また、深夜の飲み会や不規則な活動を少しずつ減らし、メリハリのある日常を意識するといいでしょう。
口座の開設
企業によっては給料の振込先として指定の銀行がある場合もあるので、入社前に確認し、その上で通帳とキャッシュカードを作成しましょう。
給料やボーナスは本人名義の口座にしか振り込めないため、必ず本人名義の銀行口座を準備する必要があります。
ライフラインの手続き
転職に伴って引越しをする場合、早めに電気、ガス、水道、通信などのライフラインの手続きを済ませておく必要があります。
特にガスの開栓やWi-Fiの光回線工事には、日中の立会いが必要となるため、入社前に済ませておくと安心です。
電気や水道については、電話一本で開通手続きができます。また、ネットや郵送で利用料の引き落とし手続きを忘れずにおこなっておきましょう。各種契約における引き落とし手続きは、遅くても1週間前には完了させておくのが理想的です。
住所変更や郵送物転送などの手続き
ライフラインの手続き同様に、転職に伴って引越しをする場合、市役所で住所変更の手続きをおこないましょう。市役所は混雑しやすく、手続きに時間がかかることがあるため、入社後だと時間的に余裕がなくなる可能性があります。
転出届は2週間前から手続きが可能ですので、早めに対応するのがおすすめです。特に、市外や県外へ引っ越す場合は、転出証明書を発行してもらわないと新しい住所での転入届が提出できないため注意が必要です。
また、転職先にも新住所の変更を忘れずに連絡しましょう。新しい住所に郵便物を届けてもらうための手続きとして、最寄りの郵便局で転居届を提出してください。
転居届を出すと、その日から1年間は「転送サービス」が利用でき、郵便物が新住所に転送されます。
ただし、このサービスは1年を過ぎると適用されなくなるため、友人や親戚にも早めに引っ越しの連絡をしておくと親切です。
入社前の準備についてのまとめ
入社前の準備は、新しい職場での成功を左右する重要なステップです。持ち物や必要書類の準備、入社当日のスケジュール確認、職場に適した服装選びも怠らないようにしましょう。
あわせて、職場のルールやビジネスマナーの確認、社内システムや業務フローの把握も事前におこなっておくことが大切です。
これらの準備が整っていれば、初日から自信を持って業務に取り組み、周囲との信頼関係も構築しやすくなるでしょう。
もし、入社準備含め、一人での転職活動に不安に感じている場合は、転職エージェントサービスを活用するのも一つの方法です。
転職エージェントサービスを利用すれば、自分に合う最適な求人の紹介はもちろん、入社前に必要なものや、入社するにあたって不安なことをエージェントを通して企業に聞いてくれるため、不安解消につながります。
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