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ユニック車の吊り上げ荷重は490kg~4.9t|サイズやメーカーの違い

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ユニック車の吊り上げ荷重は490kg~4.9t|サイズやメーカーの違い

荷台にクレーンが装備されたトラックを工事作業現場等で見かけたことがあると思いますがどれくらいの重さまで吊り上げられるか知りたいですよね。

人が運搬できないような大きさ・荷重の資材等をクレーンで吊り上げたり移動させる装備をしたトラックの一般名称を「ユニック車」と呼びますが、用途に応じていくつかに分類できます。「積む」「運ぶ」がメインのトラックと違うのは「吊り上げ荷重とバランスとの闘い」という作業性の部分です。

この記事を読めば

  • ユニック車の種類と吊り上げ荷重
  • 「ブーム」と「アウトリガー」の説明
  • ユニック車の二大メーカー

についてわかります。

まずは車両のサイズ別に特徴を比較していきます。

ユニック車の吊り上げ荷重は490kg~4.9tまで

ユニック車の吊り上げ荷重は490kg~4.9tまで

重量物を高所に吊り上げたり降ろしたり、または水平移動したりする小型のクレーンを荷台上もしくは運転席と荷台の間に装備したトラックを「ユニック」「ユニック車」と呼んでいます。

吊り上げることよりレッカー移動で牽引する作業を得意とするユニックもあります。JAFの作業車両と言えばイメージしやすいですね。

よく「クレーン車」と混同されることがありますが、小型クレーンがトラックの車体の一部になっていてトラック側でクレーン操作が行えるのがユニック車。それ以外をクレーン車とするのがわかりやすいでしょうか。厳密には吊り上げ荷重が5t以上になると可動式クレーン運転免許が必要になります。

吊り上げ荷重が1t~5t未満だと小型移動式クレーン運転講習、吊り上げ荷重が0.5t以上~1t未満の場合は小型式移動クレーン運転の業務に係る特別教育が必要になります。

大型や中型免許を持っているからと言って誰でも操作が許されるわけではありません。それだけ「吊り上げる」という作業が特殊性があるということです。

また、ユニック車をレンタルする時に気をつけたいのが免許を所持していない者への貸し出しが禁止されていること。これは借りる側だけでなく貸す側にも厳しく規制がされています。事故防止の観点からすれば当然ですね。

関連記事:ユニック車の操作方法の正しいやり方は?未経験でもわかるコツと注意点を詳しく解説!

【サイズ別】ユニック車の吊り上げ荷重

【サイズ別】ユニック車の吊り上げ荷重

【サイズ別】ユニック車の吊り上げ荷重について、以下より解説します。

2tトラックのユニック車

2tユニックは車両総重量5t未満・最大積載量3t未満の小型トラックに小型クレーンを搭載した車両となります。
ほとんどの吊り上げ荷重は2.2t~2.6tとなっています。吊り上げ荷重が2t未満の簡易クレーンというものも少なくありません。

ユニック車自体を走行するだけであれば普通自動車免許で可能ですが、クレーン操作には別途に免許・資格が必要になります。

関連記事:2tトラックの運転が初めてなら注意したい14の危険※未経験者必見

4tトラックのユニック車

4tユニックは車両総重量8t未満・最大積載量3t~5tの中型トラックにクレーンを搭載した車両となります。
車体はやや大きくなりますが、クレーンの吊り上げ荷重は2tユニック車とさほど変わらず2.63t~2.93tに集中しています。
吊り上げ荷重が3tを超えると猥雑な手続きが必要になってくるため、あえて吊り上げ荷重限度を抑えて使い勝手を優先にしているようです。

4tユニックの利点は車体サイズと吊り上げ荷重のバランスが良く活躍できる場が広範囲に及ぶため最も人気があり、中古車市場でも取引は活発に行われています。
4tユニックは走行するだけであれば中型免許があれば可能です。2tユニック同様にクレーン操作は別途に免許や資格が必要になります。

10tトラックのユニック車

10tユニックは車両総重量20t~25t・最大積載量10tクラスの大型トラックにクレーンを搭載した車両となります。
最大積載量は大幅に増えますがクレーンも大型になるのかというと、実際は2tユニック車や4tユニック車とさほど違わないクレーンを搭載しているケースも多いです。

吊り上げ荷重を増やしても猥雑な手続きが増えることに加えて実際には4tユニックのスペック以上の吊り上げ荷重が求められる現場はそう多くないことが理由のようです。

10tユニックは走行だけなら大型免許があれば可能ですが、クレーン操作には別途に免許や資格が必要になります。

ユニック車の吊り上げ荷重に関連する用語

ユニック車の吊り上げ荷重に関連する用語

ユニック車の吊り上げ荷重に関連する用語について、以下2つについて紹介します。

「ブーム」

クレーンの竿状の部分を「ブーム」と呼んでいます。法的には「ジブ」と呼ばれていますが同じものと考えて良いでしょう。

油圧シリンダーでブーム部分を伸縮させるタイプと接続で繋いで長さを調節するタイプがあります。途中で関節状になっていて屈折させることでき、複雑な作業が可能になるブームもあります。
ブームはクレーンの旋回台に接続しており、ブームの先端にフックと呼ばれる吊り上げ作業を容易にするパーツが付いているものもあります。

長ければ良いというものではなく、吊り上げ荷重に応じて最適なサイズを用いることで作業効率や安全性につながります。走行時にはブームの格納方法・方向が定められており、違反した格納は罰せられます。

「アウトリガー」

もともとは船舶の安定・転覆防止のために船体の両サイドに張り出した装具を意味していたもの。クレーン作業においても役割はほぼ同じです。ユニック車には必ず装備されており、クレーン作業をする上では最も重要な装置ではないでしょうか。

基本的には車体横に張り出して吊り上げた荷重を支えるために実質的な底辺長を増し、アウトリガーで荷重を受けることでサスペンションの歪みやタイヤの変形・パンクによる作業中のトラブル・バランス崩れを防ぐことを目的としています。

実際にクレーン事故において多いのは吊り上げ時の荷重バランス喪失によるユニック車・クレーン車の転倒によるものです。作業側は当然大きなダメージを負いますが、周辺で巻き込まれてしまった側の被害はより甚大なものとなります。
転倒事故は吊り上げ荷重の誤認識やアウトリガーの不適切な設置、足場の養生不足、荷重バランスの変化に対する見込みの甘さや未熟さ等、事前に想定できることが必ず事故の原因となっている人的災害です。それだけにアウトリガーの役割は大きいのです。

クレーン操作の熟練も大事ですがアウトリガーの設置に関する熟練も重要かつ最優先事項です。

吊り上げ荷重が安定的なユニック車メーカー|2選

吊り上げ荷重が安定的なユニック車メーカー|2選

吊り上げ荷重が安定的なユニック車メーカーは、次の2つがあります。

古河ユニック

古河ユニックホームページ

出典:古河ユニック株式会社

4tユニック車を中心に幅広いスペックでユニック車を扱っている会社です。

ユニックという名称は実は「古河ユニック株式会社」の登録商標です。これは私達の身近な例でいくと「ウォシュレット」とか「ウォークマン」と言えばわかりやすいですね。商品の大体のイメージが伝わるので気軽に便利に使っていますけど、正しく使うならメーカーごとの正式名称で呼ぶことになります。さすがにこれは面倒ですので関係者の間では「ユニック車」で通用しています。

「タダノのカーゴクレーン」

株式会社タダノホームページ

出典:カーゴクレーン|株式会社タダノ

クレーン付きトラック市場をほぼ古河ユニックと2分している株式会社タダノ。こちらも4tユニックを中心に車両搭載型をカーゴクレーンとして販売していますが、市場では「ユニック車」として認識されています。

性能・価格とも古河ユニックと全く遜色なく、認知度で少しだけ負けているぐらいの良い勝負を展開しています。お互いに似たような商品の中で古河ユニックと大きく違っている部分があります。それはクレーンの色。
古河ユニックは「赤」、タダノは「青」となぜか対照的に色分けされています。見分けるにはとてもわかりやすいのですが、一応オーダーで別色にすることはできるようです。もちろん後で自分で塗装することも可能です。

ユニック車の吊り上げ荷重に関するまとめ

ユニック車については大まかな車体サイズの違いでお伝えしてきましたが、実際にはクレーンの長さや種類、フックの有無、リモコンの有無、吊り上げ荷重の違い、アウトリガーの張り出し可能幅や足先のタイプ(角足と呼ばれるタイプは足先が平板状で接地面積を多く取ることでより安定性を増すことができる)等、かなり細かく分類されています。

先に述べましたが中でも4tユニックのクラスは用途が多岐にわたり汎用性が高く現場のニーズも多いので大変人気があります。中古車市場でも4tユニックは出ればすぐに売れてしまうためピンポイントで中古の希望車種を手に入れるのは難しいかもしれません。しかし多くの作業現場で使えることを考えると、あれもこれもと欲張らずにどうしても譲れない部分以外は寛容に構えていることが仕事をすぐにスタートできることに繋がるのではないでしょうか?

普通のトラックと違い、走行性能より作業上の性能を重視することになるはずです。自ら重量物を吊り上げ目的の場所へ移動させるという仕事は運転とともに集中力が必要な作業となりますので、なるべく複雑な操作を必要としないものが望ましい。

そして一番重要なのは安全性です。クレーンで吊り上げる前と後での荷重の移動、吊り上げた後にそのまま旋回するなどすれば更に荷重バランスは変わっていきます。作業を急げば荷重のバランスにも影響が出ます。一連の操作の中でどこでどのように荷重バランスが変わっていくか、吊り上げる時のクレーンの角度や高さでどうなるのか?これは机上でいくら学んでも実際に経験しないと身に付かないでしょう。おおよその性能で検討がつくトラックとは全く別物と思って接しなければいけません。

吊り上げ荷重だけでなく、アウトリガーの張り出し幅や足場の状況も実際に現地で確かめて初めて安全機能を最大限引き出すことが可能になります。カタログ等のマニュアル的な数値も参考になりますが、最後は自分の判断に委ねられると考えて長く付き合っていける「相棒」を探したいものですね。

今回の記事が少しでも参考になりましたら幸いです。

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