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バス運転手とトラック運転手はどっちがいい?8つの違いを解説

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近年、現役運転手の高齢化が進んでいることもあり、バスやトラック運転手不足が深刻な状況です。

関連の会社では、運転手確保に向けた労働環境の改善や、福利厚生の充実が積極的に進められている状況です。

全国で需要があり、将来性もあることから、この流れをきっかけに運転職への転職を検討している人も少なくありません。

しかし、運転職にはバス運転手やトラック運転手といったさまざまな種類があり、どの職種に転職しようか迷っている方もいるのではないでしょうか。

今回は、バス運転手とトラック運転手の違いについて、仕事の辛さや収入事情を踏まえながら解説していきます。

この記事で分かること
・バス運転手とトラック運転手はどちらがいいのか
・バス運転手とトラック運転手の違い
・実際の転職事例

バス運転手とトラック運転手はどっちがいいか

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はじめに結論から述べると、バス運転手とトラック運転手はどちらにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。

転職する上で優先したい内容や、人によって異なる特性でおすすめの職種が変わります。

次章では、バス運転手とトラック運転手の具体的な8つの違いについて解説していきますので、どちらが自分に合っているのか、考えてみてください。

バス運転手とトラック運転手の8つの違い

運転手がハンドルを握る様子

運転がメイン業務であるバス・トラック運転手ですが、普段の運行でこなす具体的な業務には大きな違いがあります。

ここでは、具体的な業務や一日の流れを踏まえながら、以下の項目で双方を比較していきます。

・必要なスキルや免許
・体力面
・精神面
・何を運ぶか
・休憩時間
・年収
・車両の仕様
・事故の被害

仕事に求める条件と照らし合わせながら、自分にどちらの職種が合っているのか、確認していきましょう。

必要なスキルや免許

各運転手として乗務するためには、運転免許が必須であり、その詳細は以下の通りです。

バス運転手の場合
・中型バス運転手:中型第二種免許
・大型バス運転手:大型第二種免許
トラック運転手の場合
・中型トラック運転手:第一種中型免許
・大型トラック運転手:第一種大型免許

車両のサイズによって種類が変わるだけでなく、バスとトラックでは「第二種と第一種」の違いがあります。

第二種免許とは、バスやタクシーなどに人を乗せて運賃をもらい旅客運送を行うための免許です。

第一種免許とは、公道を自動車で走行するために必要な免許です。

バスやタクシーの交通事故は、乗車している乗客の命にも関わるため、第二種免許は第一種免許よりも難易度が高くなります。

ちなみに、大型第二種免許を持っていれば、バスはもちろん大型トラックも運転可能です。

バス運転手は、多くの乗客を目的地まで送り届ける上で、接客スキルも身に付けなければなりません。

トラック運転手は、接客業務がないものの荷物を適正に扱うための積み込みや固縛に関係するスキルが必要です。

体力面

体力面に関しては、運搬する荷物によるものの、トラック運転手の方が負担が大きいと言えます。

トラック運転手は、荷物を目的地に送り届けるのはもちろん、荷物の積み下ろしも仕事内容に含まれます。

フォークリフトやクレーンで降ろすものもあれば、数百個の荷物を手積み・手降ろしすることもあります。

一方で、バス運転手は必要に応じて乗客の乗り降りをサポートすることがあるものの、基本的に力仕事はありません。

そのため、体力面はトラック運転手の方が負担が大きいと言えるでしょう。

精神面

精神面に関しては、バス運転手の方が負担が大きいと言えます。

どちらも絶対に交通事故を起こせないものの、トラック運転手がモノを運ぶのに対し、バス運転手は人を運びます。

バス運転手は、多くの人の命を預かることとなるため、精神的な負担が大きいと言えるでしょう。

また、路線バスは利用者が非常に多く、些細なことでクレームが入りやすいのも精神的な辛さの1つです。

ちなみに、どちらの運転手も時間通り目的地に到着しなければならず、時間に関するプレッシャーが大きい仕事です。

何を運ぶか

バス運転手は、運行の種類によって通勤・通学する人や、さまざまな施設の利用者を輸送します。

子供や高齢者が利用することも多く、乗客に応じた接客や乗り降りのサポートが必要です。

一方でトラック運転手は、食品・衣服・材料・車・生き物といった人々の生活に関わりのあるもの全てが運搬の対象です。

中には重ね積みができないものや、強く固縛できないものもあり、荷物ごとに適切な取扱いが求められます。

また、ガスやガソリンといった危険物を輸送する場合は「危険物取扱者」や「高圧ガス移動監視者」といった資格を別で取得しなければなりません。

休憩時間

バス運転手は、連続運転時間が4時間までと定められています。

4時間ごとに30分の休憩が必要であり、運行状況によって分割も可能です(1回10分以上の休憩が条件)。

ある程度、運行の流れが決まっているため、休憩のタイミングが毎日大きく異なるようなことはありません。

トラック運転手も、バス運転手と同様の決まりがあり、4時間おきに30分の休憩を取らなければなりません。

ただし、トラック運転手の場合は積み込み先の都合や、配達先の時間指定に合わせなければならず、適切な休憩が取れていない運転手も少なからずいます。

現役トラック運転手からは「高速道路の夜間割引に合わせて休憩している」「積み込みの待機時間くらいしか休めない」といった声がありました。

近年は、人材確保に向けた労働環境の改善が進められており、ドラレコなどが普及したことで、適切な休憩が取りやすくなってきています。

年収

バス運転手とトラック運転手の平均年収は、以下の通りです。

【令和4年度・バス運転手の推計年収】
・月給:29万3,300円
・年間賞与:46万7,500円
・推計年収:398万7,100円
【令和4年度・トラック運転手の平均年収】
・特積運転手:448万100円円
・一般運転手:449万8,700円

※トラック運転手の平均年収は、男性運転者平均を参考にしています。

全体の平均では、トラック運転手の方がかなり高収入であると言えます。

ただし、トラック運転手は運転する車両のサイズによって運行の内容などに違いがあり、年収も大きく変わる特徴があります。

ちなみに「特積」とは、不特定多数の荷主の荷物を1台のトラックに乗せて、拠点間を根幹輸送する仕事です。

出典:令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
参考:2022 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態(概要版抜粋)

車両の仕様

トラックとバスの車両の仕様における主な違いとしては、以下のような内容があります。

・運転席の高さ
・ホイールベース
・ミラー

運転する車両サイズにもよるものの、運転席はトラック運転手の方が高く、バス運転手は乗用車とほぼ同じ高さです。

ホイールベースとは、前輪から後輪までの長さであり、バスの方が短く設計されています。

バスのホイールベースが短い理由としては、乗客が乗り降りするドアの位置や小回りの良さを優先させていることが関係しています。

バスのミラーは、左サイドミラーの上に補助ミラーが付いているのに対し、トラックはサイドミラーの下にアンダーミラーが付いている構造です。

これは、運転席の高さによって、死角の位置が異なるため、違った構造となっています。

事故の被害

バスもトラックも乗用車と比べてサイズが大きく、重量もあるため事故の被害が大きくなりやすい特徴があります。

被害の大きさは、一概に比べられないものの、多くの人が乗車しているバス運転手の方が重大になりやすいと言えるでしょう。

過去には転落などにより、乗客の死亡者数が数十名に及ぶような大事故も多く発生しています。

トラックに関しても、ちょっとしたミスが大事故につながる恐れがあり、どちらも細心の注意が必要です。

30代でトラック運転手からバス運転手になった方の例

ここまでバス運転手とトラック運転手の違いについて解説してきましたが、メイン業務が運転であることから、仕事内容は似ています。

そのため、トラック運転手からバス運転手に転職する人も中にはいます。

実際に転職して感じたこととして、以下のような内容がありました。

以前は長距離トラックの運転手をしていたのですが、生活リズムを安定させたいと思い、バス運転手へと転職しました。

 

これまで、人を乗せての運行経験がなかったため、不安な気持ちもありましたが、研修なども用意されており、安心して乗務をスタートできました。

シフト制ではあるものの、ある程度生活リズムが決まっており、体力的な負担も軽減できたので、転職して良かったです。

今では、乗客とのコミュニケーションをやりがいにしながら、仕事に打ち込めています。

一口にトラック運転手と言っても「長距離配送・短距離配送・引っ越し配送・ルート配送」といったさまざまな種類があります。

バス運転手も「路線バス・高速バス・観光バス・送迎バス」といった種類があり、それぞれで具体的な業務内容や仕事の流れが異なります。

「バス運転手とトラック運転手はどっちがいい?」についてのまとめ

バスを運転している様子

バス運転手とトラック運転手は、同じ運転職でありながら、運ぶ内容によって仕事の辛さが異なります。

バス運転手の方がきつい面もあれば、その逆もあります。

そのため、一概にどちらの方がおすすめということはなく、仕事に対して何を求めているかで最適な職種が異なります。

何を最優先に転職するのかを決めたうえで、自分に合った運転職を選ぶようにしましょう。

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