バス運転手

路線バス運転手の仕事内容は?1日の流れや年収事情も

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バス横並びしている様子

日本の交通インフラを支える路線バス運転手は、人々の日常の交通手段として欠かせない存在と言えます。

近年は現役ドライバーの高齢化などが原因で、人手不足が深刻化している状態です。

観光地を中心に需要が高まっていることもあり、これから路線バスの運転手に転職しようとしている人もいるのではないでしょうか。

全く別の職種から転職するうえで気になるのが、具体的な仕事内容や収入事情です。今回は、路線バス運転手について解説します。

【この記事で分かること】
・路線バス運転手の仕事内容や魅力
・路線バス運転手になる方法
・路線バス運転手の収入事情
・路線バス運転手の求人例

路線バス運転手の仕事内容や1日の流れ

バスを運転する様子

路線バス運転手とは、大型バスであらかじめ決められている路線を回りながら、安全にかつ運航時刻を守りながら、乗客を目的地まで運ぶ運転手のことです。

バスの運転手には、他にも「高速バス・観光バス・送迎バス」といった仕事があります。

バスを運転することは共通しているものの、具体的な仕事内容や従事する上での魅力やメリットには違いがあります。

路線バス運転手の魅力は以下の通りです。

・人間関係のストレスが少ない
・定年まで長く働ける
・お客様から直接感謝の声をもらえる

ここでは、路線バス運転手の具体的な仕事内容や一日の流れ、仕事の魅力について解説していきます。

路線バス運転手の主な仕事内容

路線バス運転手は、あらかじめ決まった路線で乗客を目的地まで送り届けるのがメイン業務ですが、運転だけをひたすらこなすわけではありません。

安全で気軽に利用しやすいサービスを提供するために、さまざまな業務をこなします。
路線バス運転手の一日の流れと、主な業務内容は以下の通りです。

【路線バス運転手の一日・早番の場合】

5:00
出勤
制服に着替えて、運行管理者立ち合いのもと点呼を実施。

アルコールチェックや健康状態を伝えた後に、その日に担当する路線などを確認。

5:30
車両点検
運転するバスの車両点検を行う。

主な点検項目は「燃料の残量・ブレーキの利き具合・各種ランプの点灯・ドアの開閉装置の動作確認」など。

5:45
運行前の始業点呼
その日の運行上の注意点などを確認。
6:00
乗務開始
事前に渡された運行時間表に合わせて、安全第一でバスを運転する。
9:00
休憩
2~3時間ほど運転した後には、必ず休憩を取る。
9:15

乗務再開

担当する路線で乗務を再開する。
11:00
お昼休憩
昼食を取りながら、午前中の運行で得た交通情報などを運転手同士で共有する。
13:00
運行再開
担当する路線で運行を再開する。

時間帯によって利用人数や各層が異なるため、乗客に合わせた丁寧な運行を心掛ける。

16:00
乗務終了
全ての乗客の下車を確認した後に、営業所へ戻る。
16:30
入庫・終業点呼
車内に忘れ物がないか確認した後に、給油や洗車を行う。

運行管理者と終業点呼を行い、アルコールチェックを行い業務終了

路線バス運転手は、基本的に早番・遅番・夜番に分かれています。

運行中は、バスを運転しながら以下のような作業もこなします。

・停留所でのドアの開閉
・運賃の収受
・バスカードの販売
・必要に応じた案内アナウンスや注意喚起

通勤の時間帯は利用者が多く、立っている乗客もいるため、より丁寧なブレーキの加減やハンドル操作が求められます。

会社によって一日の流れは異なるものの、安全第一ということもあり他の職種と比べるとお昼休憩などの時間が長めです。

営業所には仮眠室も用意されています。

出典:職業情報提供サイトjobtag|路線バス運転手|厚生労働省

路線バス運転手になるメリット

路線バス運転手

路線バス運転手には、以下のように多くのやりがいやメリットがあります。

人間関係のストレスが少ない

路線バス運転手の仕事の特徴としてあるのが「人間関係によるストレスが少ない」ことです。

一般的な会社勤めのように、上司などと一緒に働くことがないため、顔色をうかがったり、後輩に指示出ししたりする必要がありません。

多くの乗客と接する中で、運転手として最低限のコミュニケーションは必要となるものの、人間関係でのストレスは少ないと言えるでしょう。

周りと協力して動くのが苦手な人や、黙々と自分の仕事をこなしたいような人に向いています。

定年まで長く働ける

路線バスの運転手は、高度な運転技術が求められるものの力仕事は一切なく、歳をとっても比較的続けやすい仕事です。

各地で需要があるため、仕事がなくなる可能性も低く、運転スキルを身に付ければ定年まで長く働き続けられます。

定年後に、路線バス運転手の経験を活かして、幼稚園や介護施設の送迎運転手に就く人もいます。

お客様から直接感謝の声をもらえる

路線バス運転手は、複数の路線を繰り返し運行するため、同じ利用者と接する特徴があります。

通勤や通学、病院や各種施設への移動手段として、毎日利用する人にとってなくてはならない存在です。

乗客との距離も非常に近いため、普段運転している中で直接感謝の声をもらえることもあります。

社会への貢献度を感じやすく、やりがいを持ちながら日々の業務に従事できる仕事です。

路線バス運転手になる方法

運転手が乗客を案内する様子

路線バス運転手になる場合、必ず必要となるのが「大型第二種自動車運転免許」です。

二種免許とは、運賃を貰って乗客を輸送する際に必要な免許で、大型トラックなどを運転するための「大型第一種自動車運転免許」では乗務できません。

運転免許以外で特別な条件はなく、年齢や学歴も基本的に指定がないため、異業種からの転職者が多い職種と言えるでしょう。

近年ではバス会社に転職後、費用を会社が負担して運転免許を取得するのが一般的です。

・路線バス運転手になるまでの流れ
・路線バス会社の研修内容

ここでは、路線バス運転手になるまでの流れやバス会社での研修内容について解説していきます。

未経験から路線バス運転手になるまでの流れ

未経験者から、路線バス運転手になるまでの流れは、以下の通りです。

1・二種免許取得支援制度のある路線バス会社に入社する
2・教習所に通い大型第二種自動車免許を取得する
3・バス会社の研修を受ける
4・路線バス運転手として乗務開始

近年は、運転免許の取得支援制度を設けているバス会社が多く、求人詳細でチェックできます。

ただし、大型二種免許を取得する上で必要となる、普通自動車免許は事前に取得しておかなければなりません。

また、大型二種免許を保有していない人が注意しなければならないのが「免許の取得条件」です。

基本的に大型二種免許を取得するには、普通運転免許などの運転経歴が3年以上あり、21歳以上でなければいけません。

しかし、令和4年5月に施行された改正道路交通法により「受験資格特別教習」を受講すれば、運転経歴1年以上、19歳以上であれば大型二種免許が取得できます。

受験資格特別教習とは
ドライバー不足などを受けて、令和4年5月13日施行の道路交通法の改正で新たに設けられた制度。
指定の教習所で特別教習の年齢課程・経験課程といった教習を受講することで、二種免許の取得条件が短縮される。

受験資格特別教習は、制度が作られて間もないこともあり、どの教習所でも受講できるわけではありません。

普通免許を取得して3年以上経っていない人は、求人に応募する際にその旨を伝えるようにしましょう。

路線バス会社の研修内容

大型二種免許を取得した後は、路線バス運転手としてデビューするために、バス会社の研修を受けていきます。

研修内容や期間は、バス会社によって異なりますが、以下のような研修が行われます。

・バスの日常点検の手順や方法
・バス運転手としての心構えについて
・運行に関する関係法令の知識などの座学講習
・接遇訓練
・シミュレーターを使用した運転技術の教習
・指導乗務員による実車を使用した運転訓練

運転スキルはもちろん、乗客への対応などをしっかり学んだうえで乗務するため、全くの未経験者でも問題ありません。

研修期間は、約2~3ヶ月です。

路線バス運転手の労働環境の特徴

大型バスを運転する様子

路線バスは、通勤や通学に使用されることが多く、他のバス運転手よりも稼働時間が早い特徴があります。

夜に関しても22時前後まで便が組まれているため、基本的に早番・遅番・夜番に分かれています。

曜日に関係なく利用客がいるため、1年中休みなく運行しており、路線バスの運転手はシフト制が一般的です。

安全性の確保のため、お昼休憩は長めに設定されており、他の職種と比べて拘束時間が長い傾向です。

路線バス運転手の給与事情

バスから見える景色

未経験で路線バス運転手に転職するうえで気になるのが「給与事情」です。

ここでは、路線バス運転手の収入について、以下の項目で解説していきます。

・平均年収は398.7万円
・勤務時間は長い傾向がある
・年収をアップさせる方法

昇給や賞与、その他支給額なども詳しく紹介していきますので、転職を検討するうえで参考にしてみてください。

平均年収は398.7万円

職業情報提供サイト「jobtag」によると、令和4年の路線バス運転手の平均年収は398万7,000円です。

年齢別では、50〜54歳が最も高く442万1,400円でした。

厚生労働省が公表した「令和4年・国民生活基礎調査の概況」における、日本全体の平均世帯年収の中央値は423万円であるため、平均よりも若干低いと言えます。

地域によってはドライバー不足が深刻化しており、残業や休日出勤による手当で年収が500万円を超える運転手も中にはいます。

昇給や賞与に関しては、公的なデータがないものの、年1回の昇給があり賞与は業績によって支給としている求人が多い印象でした。

出典:職業情報提供サイトjobtag|路線バス運転手|厚生労働省
出典:2022年 国民生活基礎調査の概況・Ⅱ 各種世帯の所得等の状況 |厚生労働省

勤務時間は長い傾向がある

バス業界は、現役運転手の高齢化や若手人材の参入減少により人手不足が続いている状況です。

そのため、他の職種と比べても勤務時間が長い傾向にあり、勤務時間の詳細が12時間前後となっている求人も少なくありません。

休日出勤も珍しくなく、基本給よりも時間外手当などで稼いでいる運転手が多いと言えるでしょう。

年収をアップさせる方法

路線バス運転手として年収をアップさせる方法としては、昇給の他に会社ごとに存在する実績手当があります。

・勤怠手当
・無事故手当

必ずどの会社にもあるわけではないものの、実績を積み上げることで給与とは別で支給されます。

この他では、グッズや回数券の売り上げや不正乗車を発見した際に、別で手当を支給している会社もあります。

路線バス運転手の求人例

女性ドライバが笑っている様子

ここまで路線バス運転手の収入事情について解説してきましたが、最後は実際にある求人を紹介していきます。

転職を検討する上で参考にしてみてください。

A社

一社目は、路線バス・観光バス事業を行っているバス会社の求人です。

・雇用形態:正社員
・募集条件:普通免許(AT限定不可)の取得後、3年以上経過
・基本給:16万9,000円+各種手当
・昇給、賞与:昇給年1回、賞与年2回
・勤務時間:所定実働6時間40分(5:30~22:30)
・福利厚生:交通費支給・社会保険等完備

詳細に記載されていた平均年収例は、1〜2年目で360万円、3年目以降で410万円でした。

支給手当には「時間外手当・深夜手当・休日出勤手当・無事故手当・通勤手当」などがありました。

遠方からの転職の場合、転居費用として総額30万円が毎月の給料で分割支給されます。

B社

二社目は、関東で路線バス・観光バス事業を行っているバス会社の求人です。

・雇用形態:正社員
・募集条件:普通免許(AT限定可)の取得後、1年以上経過
・基本給:16万4,400円~
・昇給、賞与:昇給年1回、賞与年2回
・勤務時間:シフト制・7時間40分
・福利厚生:交通費支給・退職金制度・社会保険等完備

入社から5年が経過すると、住宅補助手当が支給されることになっており、家賃の70%を支給してもらえます。※上限5~7万円

女性でも安心して働けるように男女別の休憩室やロッカールームを完備しています。

C社

三社目は、国内大手のバス会社の求人です。

・雇用形態:正社員
・募集条件:普通免許(AT限定不可)の取得後、3年以上経過
・基本給:18万7,000円+各種手当
・昇給、賞与:昇給年1回、賞与年2回
・勤務時間:シフト制、週平均40時間
・福利厚生:交通費支給・社会保険等完備・各種表彰制度あり

賞与実績は2022年で約3ヶ月分あり、年収例は入社2年目で400万円、入社10年目で500万円です。

社宅や寮が用意されており、家賃の2割負担で入居できます。

路線バス運転手についてのまとめ

バスから運転手が顔を出している様子

路線バスは、あらゆる地域で人々の交通手段として欠かせない存在です。

2024年現在、路線バス運転手は人手不足が深刻化していることもあり、各社では運転免許取得支援制度などが設けられています。

そのため、未経験からでも転職しやすく、定年まで長く活躍できます。

経験を活かして、他のバス運転手へのキャリアアップも可能ですので、転職先の候補として検討してみてください。

最後に、弊社が運営するサービス「ドライバーキャリア」では、ドライバー業界に特化した転職支援をおこなっています。履歴書や職務経歴書などの書類作成サポートや、面接日程の調整なども無料で対応しています。

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