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電気工事士の試験概要|申込方法や試験当日の注意点

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電気工事士の取得を目指すにあたって、試験概要や申込方法などについて気になっている人もいるのではないでしょうか。

電気工事士は、電気工事の技術者として働く上で欠かせない資格です。免状の種類は第一種と第二種の2つです。電気工事士の試験では、第一種・第二種ともに毎年実施されている筆記・技能の試験に合格すると取得できます。

また、試験の申込は原則インターネットからの実施が必要です。

この記事では、電気工事士の試験概要や合格率だけでなく、申込時や試験当日の注意点まで紹介します。電気工事士の取得を目指している人は、ぜひ参考にしてください。

電気工事士試験を受験する前に知っておくべきこと

切断作業の様子

電気工事士の取得を目指すにあたって、試験を受験する前に知っておくべきことがあります。

受験する前に認識しておくべきことは次の2つです。

  • 仕事内容
  • 資格の種類

それぞれのポイントについて解説します。

仕事内容

電気工事士の仕事は、ビルや商業施設などから住宅に至るまでの電気工事です。具体的には、照明器具やコンセントの取り付け、電気配線の設置と修理、ブレーカーの交換などが主な仕事内容です。

資格の種類

電気工事士の免状は次の2種類あります。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士

それぞれの免状について解説します。

第一種電気工事士

第一種は、最大電力500kW未満のビルや商業施設などの電気設備工事を担当できる免状です。

電気工事士の免状で最も難易度が高いため、非常に重宝されています。

関連記事:【2024年版】第一種電気工事士の試験概要|合格率や勉強時間について

第二種電気工事士

第二種は、電気工事を行うために必要な国家資格です。第二種電気工事士を取得すると、一般家庭や小規模な商業施設の電気設備工事を担当できます。

ただし、第二種の業務範囲は600V以下で受電する設備の電気工事に限定されています。

関連記事:【2024年度】第二種電気工事士の試験概要|試験日や合格発表日について

電気工事士試験の概要

現場で作業する人たち

電気工事士の試験は、第一種・第二種ともに学科と技能の2種類あります。学科と技能のいずれも合格しなければ、免状取得できません。

電気工事士の試験概要について、次の5つの項目で解説します。

  • 受験資格
  • 受験申込の受付期間
  • 試験地・受験手数料
  • 学科試験と技能試験の内容
  • 試験日・合格発表日

受験資格

電気工事士の免状は第二種から目指すのが一般的です。また、受験資格は第一種と第二種によって異なっています。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士

それぞれの受験資格について解説します。

第一種電気工事士

第一種電気工事士の試験を受験するために、満たすべき要件は特段設けられていません。しかし、免状交付のためには、3年以上の実務経験が求められています。

第二種電気工事士

第二種電気工事士の試験を受けるために、年齢・学歴・実務経験などの条件は特に求められていません。そのため、例年、さまざまなキャリアを歩んできた人が受験しています。

したがって、第二種電気工事士は電気工事の経験がない初心者でも挑戦できる免状です。

受験申込の受付期間

電気工事士の受験申込は第一種と第二種によって受付期間が異なっています。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士

それぞれの受験申込の受付期間について解説します。

第一種電気工事士

第一種を取得するには、試験に合格する必要があります。また、試験を受けるためには受験申込が必要です。

2024年度の受験申込にあたって、上期は2月9日(金)から3月8日(金)、下期は7月29日(月)から8月15日(木)と定められています。

参考ですが、2023年度までは年1回の試験開催でした。そのため、2023年度の受験申込の受付期間も1度のタイミングしかなく、6月19日(月)から7月6日(木)に限定されていました。

第二種電気工事士

第二種の受験申込ができる期間は、例年、上期は3月から4月、下期は8月から9月の間で定められているケースが一般的です。

2024年度の受験申込にあたって、上期は3月18日(月)から4月12日(金)、下期は8月19 日(月)から9月5日(木)と定められています。

試験地・受験手数料

電気工事士の試験は、第一種・第二種ともに全国各地で開催されています。また、開催地は大きく分けて10地区です。

  • 北海道地区
  • 東北地区
  • 関東地区
  • 中部地区
  • 北陸地区
  • 関西地区
  • 中国地区
  • 四国地区
  • 九州地区
  • 沖縄地区

学科試験をCBT方式で受ける場合は、全都道府県で受験できます。CBT方式とは、「Computer Based Testing」の略で、PCを使用した試験方式です。

また、受験手数料は免状の種類や申込方法によって異なります。

第一種の場合、インターネットでの実施は10,900円ですが、郵送による書面申込では11,300円です。

第二種の場合、インターネットでの実施は9,300円ですが、郵送による書面申込では9,600円準備しなければなりません。

免状の種類や申込方法によって受験手数料が異なりますので、電気工事士を目指す際は注意しましょう。

学科試験と技能試験の内容

はじめに学科試験の内容は次のとおりです。

科目内容
電気に関する基礎理論電流・電圧・電力および電気抵抗導体および絶縁体交流電気の基礎概念電気回路の計算
配電理論および配線設計配電方式引込線配線
電気応用照明・電熱および電動機応用
電気機器・蓄電池・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具ならびに受電設備電気機器・蓄電池および配線器具の構造・性能および用途電気工事用の材料の材質および用途電気工事用の工具の用途受電設備の設計、維持および運用
電気工事の施工方法配線工事の方法電気機器・蓄電池および配線器具の設置工 事の方法コードおよびキャブタイヤケーブルの取付方法接地工事の方法
自家用電気工作物等(一般用電気工作物等)の検査方法点検の方法導通試験の方法絶縁抵抗測定および絶縁耐力試験の方法接地抵抗測定の方法継電器試験の方法温度上昇試験の方法試験用器具の性能および使用方法
配線図配線図の表示事項および表示方法
発電施設・送電施設および変電施設の基礎的な構造および特性発電施設・送電施設および変電施設の種類・役割その他の基礎的な事項
自家用電気工作物等(一般用電気工作物等)の保安に関する法令電気工事士法、同法施行令及び同法施行規則電気事業法・同法施行令・同法施行規則・電気設備に関する技術基準を定める省令および電気 関係報告規則電気工事業の業務の適正化に関する法律・同法施行令および同法施行規則電気用品安全法・同法施行令・同法施行規則および電気用品の技術上の基準を定める省令

続いて、技能試験の内容は次のとおりです。

  1. 電線の接続
  2. 配線工事 
  3. 電気機器および配線器具の設置
  4. 電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料および工具の使用方法
  5. コードおよびキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流・電圧・電力および電気抵抗の測定 
  8. 自家用電気工作物等(一般用電気工作物等)の検査
  9. 自家用電気工作物等(一般用電気工作物等)の故障箇所の修理

技能試験の候補問題は事前に公表されます。その中から1問出題されますので、欠陥なく配線できるようにしておきましょう。

ただし、第二種の試験では、学科の電気応用などが試験範囲外です。

試験日・合格発表日

試験日・合格発表日も第一種と第二種で異なります。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士

免状ごとに試験日・合格発表日について解説します。

第一種電気工事士

第一種の試験は2023年度まで年1回の開催でした。しかし、2024年度からは上期と下期の年2回開催に変更されています。

2024年度の上期と下期、ならびに学科と技能それぞれの試験日は次のとおりです。

上期試験下期試験
学科試験※CBT方式4月1日(月)から5月9日(木)(39日間)9月2日(月)から9月19日(木)(18日間)
学科試験※筆記方式10月6日(日)
技能試験7月6日(土)11月24日(日)

第二種電気工事士

第二種の試験日も上期と下期に分かれています。例年、上期は春から夏にかけて、下期は秋から冬にかけて実施されています。

2024年度の上期と下期、ならびに学科と技能それぞれの試験日は次のとおりです。

上期試験下期試験
学科試験※CBT方式4月22日(月)から5月9日(木)(18日間)9月20日(金)から10月7日(月)(18日間)
学科試験※筆記方式5月26日(日)10月27日(日)
技能試験7月20日(土)もしくは7月21日(日)12月14日(土)もしくは12月15日(日)

CBT方式の場合、自分で受験日を決められる大きなメリットがあります。一方、技能試験には、CBT方式は導入されていません。

参考:第一種電気工事士試験 実施機会の拡大について|一般財団法人電気技術者試験センター
参考:上 期 試 験 受 験 案 内||一般財団法人電気技術者試験センター

電気工事士試験の合格率

電気工事を担当する人

電気工事士試験の合格率について、第一種・第二種ごとに解説します。

第一種電気工事士試験の合格率

令和5年度に実施された第一種の合格率は次のとおりです。

受験者数合格者数合格率
学科試験33,035人20,361人61.6%
技能試験26,143人15,834人60.6%

例年、学科ならびに技能の合格率は概ね60%前後で推移しています。

合格率を見てわかるように、第一種電気工事士は計画的に試験勉強を実施できると、比較的目指しやすい免状と言えるでしょう。

参考:令和5年度第一種電気工事士学科試験の結果について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
参考:令和5年度第一種電気工事士技能試験の結果について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

第二種電気工事士試験の合格率

令和5年度に実施された第二種の合格率は次のとおりです。

受験者数合格者数合格率
上期学科試験70,414人42,187人59.9%
上期技能試験49,547人36,250人73.2%
下期学科試験63,611人37,468人58.9%
下期技能試験45,790人31,499人68.8%

例年、学科の合格率は概ね60%前後で推移しています。また、技能試験の合格率は70%前後です。

合格率を見てわかるように、第二種電気工事士は比較的目指しやすい資格と言えるでしょう。

参考:試験案内一覧(第二種電気工事士試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
関連記事:電気工事士で難易度が高いのは一種か二種か?合格率を紹介

電気工事士試験の申込方法と注意点

現場作業員

電気工事士試験申込の流れと注意点について紹介します。

試験申込の流れ

試験申込はインターネットでの実施が原則です。

まずは一般社団法人電気技術者試験センターのホームページからマイページを作成します。そして、決められた期日の間に受験申込を実施します。

その後、受験手数料を支払って申込は完了です。

ただし、書面で試験申込をする際は、期限内に所定の事項を記入の上、顔写真を貼り付けて郵送しなければなりません。

試験申込の注意点

電気工事士試験の申込におけるポイントは、大きく分けて次の2つです。

  • 申込期限内に対応する
  • 期限内に支払まで完了する

まず、申込期限には注意が必要です。期限を過ぎてしまうと申込書類を受理してもらえません。さらに、申込書類の記入には正確性が求められます。特に、氏名や住所、連絡先などの基本情報に誤りがあると、受験票の発送に問題が生じる可能性があります。

また、受験料の支払にも注意が必要です。支払期限を確認し、期日までに完了させるようにしましょう。

電気工事士試験の注意点

女性スタッフが製造作業をこなす様子

電気工事士試験の注意点について、学科・技能別に解説します。

筆記試験の注意点

筆記試験は指定会場以外で受験できません。また、試験に電卓を持ち込むのは不可とされています。

電卓を使用した場合は失格により不合格です。

技能試験の注意点

技能試験は筆記試験合格後に受験できます。短い場合は筆記試験から1か月後に技能試験を受けなければならない可能性があります。

そのため、技能試験のために時間をかけて勉強するのは難しいかもしれません。したがって、技能試験の対策は筆記試験と並行して実施しましょう。

関連記事:電気工事士資格一種・二種の技能試験|実技試験の内容と難易度

電気工事士試験に関するよくある質問

サラリーマンがほほ笑む様子

電気工事士試験に関するよくある質問は次のとおりです。

  • 電気工事士試験当日の持ち物は?
  • 試験会場に時計はある?

それぞれの質問について解説します。

電気工事士試験当日の持ち物は?

電気工事士試験当日の持ち物は、受験票・本人確認書類・筆記用具(鉛筆やシャープペンシル、消しゴム)・定規・計算器具などが必要です。特に受験票と本人確認書類を忘れると受験できないため、注意が必要です。

試験会場に時計はある?

試験会場には通常、時計が設置されていますが、無い場合や見えにくい位置にあるケースも考えられます。そのため、腕時計の持参が望ましいでしょう。

電気工事士の試験概要を理解して資格取得を目指そう

現場で作業する人

この記事では、電気工事士の試験概要を中心に解説しました。

第一種は、最大電力500kW未満の一般家庭や小規模な商業施設などの電気設備工事を担当できる免状です。一方、第二種は600V以下で受電する設備の電気工事に限定されています。

電気工事士は第一種・第二種とも受験資格が設けられていません。したがって、試験を受験するために必要な条件はなく、業界未経験者でも挑戦可能です。ただし、第一種の場合、免状交付のためには、3年以上の実務経験が求められています。

また、合格率も第一種・第二種とも、60%前後で推移しています。したがって、比較的取得しやすい免状と言えるでしょう。

これから電気工事士の免状取得を検討しているのであれば、挑戦してみてはいかがでしょうか。

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