電気工事士として年収1,000万円を目指せるのかどうか、気になっている人もいるのではないでしょうか。
電気設備の設置や電線の取り付けなどを行う電気工事士は、将来性が高く人気な職種の1つです。令和5年賃金構造基本統計調査結果を踏まえたデータによると、電気工事士の平均年収は550.9万円です。
令和4年民間給与実態統計調査によると給与所得者全体の平均年収は458万円のため、電気工事士の平均年収は比較的高いと言えるでしょう。
ただし、年収1,000万円には乖離がある状況です。
この記事では、電気工事士で年収1,000万円は狙えるのか、そもそもどれくらい稼げるのかについて解説します。これから電気工事士を目指している人は、ぜひ参考にしてください。
【結論】電気工事士で年収1,000万円超えは難しい
電気工事士として年収1,000万円を達成するのは難しいと言われています。
しかし、経験を積み関連資格を取得したり、大手企業に就職して役職に就いたり独立開業できたりすると、年収1,000万円は不可能ではないでしょう。
関連記事:電気工事士の年収を年代別・資格別・学歴別・経験年数別に解説
電気工事士はお金持ち?現役従事者の平均年収は1,000万円より少ない
令和5年賃金構造基本統計調査結果を踏まえたデータによると、電気工事士の平均年収は550.9万円です。つまり、年収1,000万円の水準と比較すると大きな乖離がある状況です。
一方で、令和4年分の民間給与実態統計調査によると、給与所得者全体の平均年収は458万円です。
したがって、電気工事士の年収水準は1,000万円に達しないものの、日本の平均と比較すると高いと言えるでしょう。
参考:電気工事士 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
参考:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁
【1000万円は可能?】大手電気工事企業の平均年収ランキング
大手電気工事企業の平均年収ランキングトップ3は、2024年3月末時点で次のとおりです。
- 1位:コムシスホールディングス株式会社|平均年収918万円
- 2位:ダイダン株式会社|平均年収905万円
- 3位:東光電気工事株式会社|平均年収869万円
それぞれの企業について紹介します。
1位:コムシスホールディングス株式会社|平均年収918万円
コムシスホールディングス株式会社は、2003年に誕生しました。子会社の日本コムシスを中心に通信建設業界のリーディングカンパニーとして知られています。
海底ケーブルの敷設・山岳の通信鉄塔建設・通信専用トンネル築造などの大規模から小規模工事まで幅広く対応しています。
2位:ダイダン株式会社|平均年収905万円
ダイダン株式会社は、1903年に誕生しました。空調設備・給排水衛生設備・電気設備の工事をメインに行っている会社です。
また、ボーナスも高いなどの評判もあります。
3位:東光電気工事株式会社|平均年収869万円
東光電気工事株式会社は、1923年に誕生しました。内線・空調衛生・新エネルギー・海外と幅広い事業を展開しています。
また、建築電気設備・情報通信設備・送電線・電車線などの工事に対応しています。
参考:EDINET
電気工事士・1人親方の年収は1,000万円ある?
電気工事士として1人親方で年収1,000万円を稼ぐのは、不可能ではありません。ただし、非常に稀なケースと想定できます。
実際に、全建総連東京都連合会の令和5年賃金調査報告書によると、電気工事士として働く1人親方の平均年収は約495万円です。
1人親方で年収1,000万円を目指す際には、関連資格などを取得して市場価値を高めるのがよいでしょう。
参考:2 0 2 3 年 ( R 5 年 ) 賃 金 調 査 報 告 書|全建総連東京都連合会
電気工事士として年収1,000万円を目指す方法
電気工事士として年収1,000万円を目指す方法は主に2つです。
- 経験を積み開業する
- 大手のホワイト企業へ就職・転職する
それぞれの方法について解説します。
経験を積み開業する
まずは、電気工事士として十分な経験を積みましょう。現場での実務経験や資格取得、専門知識の習得などが必要です。特に、難易度の高い工事や大規模なプロジェクトに複数関わると、スキルや知識の習得が早まるでしょう。
続いて、独立を検討するのであれば、ネットワークを構築しておく必要があります。信頼できる取引先や顧客との関係を築き、評判を高めておきましょう。
その後、開業準備を経て独立に至ります。独立後は、営業から現場仕事まですべて対応しなければなりません。
ただし、軌道に乗ると、サラリーマンとは比較にならない年収を実現できる可能性があります。
大手のホワイト企業へ就職・転職する
大手のホワイト企業への就職・転職は、年収アップを狙うのに有効な方法です。
そのために、自分のスキルや経験に合った企業を見つけなければなりません。大手企業は一般的に、高い給与や良好な労働条件を提供していますが、競争も激しいため自己PRや応募書類の準備が重要です。
また、大手企業に就職するには、必要な資格やスキルの保有が求められるケースがあります。電気工事士の資格に加えて、関連する専門知識やスキルを身につけると、競争力を高められるでしょう。
さらに、大手企業では、入社後に明確なキャリアパスが提供されるケースが多いため、順調にステップアップできれば、昇格・昇給が期待できます。
電気工事士として年収1,000万円目指す上で役立つ関連資格
電気工事士として年収1,000万円を目指す上で役立つ関連資格は次の4つです。
- 第一種電気工事士
- 電気工事施工管理技士
- 電気通信工事施工管理技士
- 電気主任技術者
それぞれの関連資格について解説します。
第一種電気工事士
第一種電気工事士は、電気工事に関する専門的な知識と技術を証明できる資格です。また、第二種電気工事士とは異なり、第一種電気工事士は高圧の電気設備工事にも従事できます。
その結果、様々なプロジェクトで重宝され、高収入を得られる可能性が高まるでしょう。
関連記事:【2024年版】第一種電気工事士の試験概要|合格率や勉強時間について
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は建設現場での電気工事の施工管理を担う際に役立つ資格です。
施工管理技士の資格があれば、主任技術者または監理技術者のポジションに就けます。重要なポストを任されると、年収も高くなるでしょう。
関連記事:電気工事施工管理技士とは?資格取得の難易度やメリット
電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、通信設備の工事で施工管理を担当する際に役立つ資格です。
先ほどの電気工事施工管理技士同様に、主任技術者または監理技術者のポジションで働けます。また、情報通信技術が進化し続ける現代では、電気通信工事施工管理技士はますます重要になってきています。
インターネットや電話など、通信インフラの整備や保守を行うプロジェクトでの需要があり、高い収入を期待できるでしょう。
電気主任技術者
電気主任技術者は、電気設備の保安監督を行うために重要な資格です。特に、大規模な工場やビルの電気設備を管理する際に不可欠です。
電気主任技術者としての経験と知識を持つと、高い給料が期待できるでしょう。
関連記事:電気主任技術者と電気工事士の違いは業務内容|役割・年収・資格の比較
関連記事:電気通信主任技術者の難易度は高い?受験資格やメリット、合格のコツ
年収1,000万円を目指せる電気工事士の求人
電気工事士として年収1,000万円を目指せる求人を3つ紹介します。
- 神奈川県/年収800万円から1,500万円/電気工事全般担当/業務委託
- 東京都/月給60万円以上/賞与あり/太陽光・蓄電池などの電気工事/正社員
- 兵庫県/月給85万円以上/リフォームに関する電気工事/業務委託/正社員登用
したがって、電気工事士として年収1,000万円は不可能ではありません。
電気工事士の年収1,000万円や職種に関するよくある質問
電気工事士の年収1,000万円や職種に関するよくある質問は次のとおりです。
- 電気工事士として年収2,000万円稼げる?
- 電気工事士はやめとけの声がある理由は?
- 電気工事士は勝ち組?
それぞれの質問について解説します。
電気工事士として年収2,000万円稼げる?
電気工事士として年収2,000万円を稼ぐのは不可能ではありませんが、極めてハードルは高いでしょう。大手企業の管理職クラスで1,000万円前後と想定できます。
したがって、電気工事士として年収2,000万円を目指すのであれば、経験を積んだ上での独立開業がおすすめです。
関連記事:電気主任技術者で年収1,000万円は夢じゃない|高収入を得る方法
電気工事士はやめとけの声がある理由は?
「電気工事士への就職・転職はやめとけ」と言われたことがある人もいるかもしれません。
電気工事士はやめとけと言われる理由は次のとおりです。
- 肉体労働が多くある
- 危険な場所での作業がある
- 企業によっては労働時間が不規則になる
- 知識・スキルのブラッシュアップが常に求められる
しかし、電気工事士は今後も高い需要が見込まれ、年収も安定するでしょう。
電気工事士は勝ち組?
電気工事士が勝ち組かどうかは、人によって異なります。
ただし、電気工事士になるメリットは次のとおりです。
- 将来的にも需要が見込まれている
- 長いキャリア形成を実現できる
- 経験とともに市場価値を高められる
- 独立開業を目指せる
したがって、電気工事士に就職・転職するメリットは十分にあるでしょう。
電気工事士として経験を積めば年収1,000万円も可能
この記事では、電気工事士として年収1,000万円は狙えるのか、そもそもどれくらい稼げるのかについて解説してきました。
令和5年賃金構造基本統計調査結果を踏まえたデータによると、電気工事士の平均年収は550.9万円です。
令和4年民間給与実態統計調査によると給与所得者全体の平均年収は458万円です。したがって、電気工事士の平均年収は比較的高いと言えるでしょう。
ただし、1,000万円には乖離がある状況です。
しかし、電気工事士として経験を積み関連資格を取得したり、大手企業に就職して役職に就いたり独立開業できたりすると、年収1,000万円は不可能ではないでしょう。
これから電気工事士を目指しているのであれば、年収水準を理解した上で挑戦してみてはいかがでしょうか。
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