電気工事試験では、修了した学科や保有資格といった、所定の条件を満たすことで学科試験を免除できます。
専門学校などで関連資格を取得しており、自分が学科免除の対象者になるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、電気工事士試験における学科免除の条件について、詳しく解説していきます。その他の試験概要も紹介していますので、受験予定の方は参考にしてみてください。
電気工事士・学科免除は所定の条件を満たす必要がある
第一種・第二種電気工事士試験では、学科試験と技能試験が行われます。学科試験は所定の条件を満たすことで免除できます。具体的な免除条件は以下の通りです。
【第二種の場合】
対象となる人 | 申請手続きで必要な書類 |
前回第二種・試験で学科試験に受かった人 | 証明書類を提出する必要はなし |
電験一種・第二種・第三種の免状交付者 | 電気主任技術者免許証のコピー |
大学・高等専門学校・高等学校などで、経済産業省令で定められている電気工学の過程を修めた人 | 免除専用の証明書※卒業した学校による記載が必要 |
鉱山保安法で規定されたテストのうち、電気保安に関する事項を受け持つ試験に合格した人 | 試験合格証または証明書のコピー |
旧電気事業主任技術者資格検定のルールによる電気事業主任技術者の資格取得者 | ・試験合格者は合格証明書か合格証書のコピー ・認定学校の卒業者の場合は証明書または証書のコピー |
所定の規則により、電気技術に関する相当の知識があると認められた人 | 認定証明書または認定書のコピー |
3つ目にある「経済産業省令で定められている電気工学」とは「電気計測・電気理論・電気材料・電気機器・送電図・電気法規・製図(配線図を含むもの)」が該当します。
学科試験免除となるかが分からない場合は、卒業した学校へ確認しましょう。次に第一種電気工事士試験における学科免除の条件を紹介していきます。
【第一種の場合】
対象となる人 | 申請手続きで必要な書類 |
前回の第一種・電気工事士試験で学科試験に受かった人 | 証明書類を提出する必要はなし |
第一種・第二種・第三種電気主任技術者免許証の取得者 | 電気主任技術者免許証のコピー |
所定の規則ルールによる電気事業主任技術者の資格取得者 | ・試験合格者は合格証明書か合格証書のコピー ・認定学校の卒業者の場合は証明書または証書のコピー |
第一種電気工事士試験に関しては、学校卒業や修了学科による学科免除はありません。
参考:第二種電気工事士試験|一般財団法人 電気技術者試験センター
電気工事士試験・学科免除の申請方法
電気工事士試験で学科免除してもらうには、事前に免除申請する必要があります。
学科免除対象者が、免除の手続きなしで学科試験で不合格となった場合、後から申請しても合格扱いにはなりません。
試験に関する内容試験センターでマイページを作成後、ページ内で各種手続きを行います。手続き方法は、下記の通りです。
前回試験で学科試験に合格した人
前回試験で学科試験に合格した場合、以下の方法で手続きを進めていきます。
マイページで「学科試験免除者」を選択し「項目1」を選ぶ。その後前回の学科試験・受験番号を入力する。
手続き画面の入力方法については「画面操作マニュアル11項」で確認できます。前回の学科試験・受験番号は、試験センターホームページの「免除情報の検索」にて調べられます。
所定の学科修了者や資格保有者で受験する人
学科免除の条件で紹介した学科を修了もしくは資格を保有している人は、初めて受験する人と、過去に受験経験がある人で手続き方法が異なります。
技能受験番号は、試験センターホームページのトップ画面にある「免除情報の検索」で確認できます。
学科免除手続きの流れは、第一種と第二種で違いはありません。ただし、試験ごとで手続き方法が変更される可能性があるため、必ず電気技術者試験センターの試験案内をチェックするようにしましょう。
参考:令和6年度 第二種電気工事士試験(国家試験)上期試験受験案内|一般財団法人 電気技術者試験センター
電気工事士の学科免除とは別に知っておくべき試験の概要
余裕をもって受験対策するには、試験概要について理解しておく必要があります。ここでは、令和6年度・電気工事士上期試験をもとに試験概要を紹介していきます。
受験資格
電気工事士試験の受験資格は、第一種・第二種ともに特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。
ただし、第一種の場合は試験に合格したとしても、免許証を交付してもらうには3年間の実務経験が必要となります。実務経験の詳細に関しては、電気技術者試験センターで確認できます。
関連記事:【2024年版】第一種電気工事士の試験概要|合格率や勉強時間について
関連記事:【2024年度】第二種電気工事士の試験概要|試験日や合格発表日について
申込の受付期間
令和6年度・試験の申込み受付期間は、以下の通りです。
第二種電気工事士試験(上期) |
令和6年7月29日(月)~8月15日(木)まで |
第一種電気工事士試験(下期) |
令和6年2月9日(金)~3月8日(金)まで |
第二電気工事士の下期試験情報は2024年7月時点で公開されていません。定期的に情報を確認しながら、受験計画を立てていきましょう。
参考:受験申込方法・受験案内|一般財団法人電気技術者試験センター
試験実施場所・受験費用
試験は、ほぼ全ての都道府県で実施されますが、選択した試験日程によって試験地が異なります。
直前で変更となる可能性もあるため、電気技術者試験センターの試験案内を確認するようにしましょう。受験手数料は、以下の通りです。
試験の受験費用 |
|
第二種・試験 | 9,300円 |
第一種・試験 | 10,900円 |
支払方法はクレジットカード決済・コンビニエンスストア・Pay-easy・銀行振込のいずれかを選びます。
学科試験と技能試験の概要
試験では、第一種・第二種ともに学科試験と技能試験が実施されます。試験時間や合格基準は以下の通りです。
第二種電気工事士試験 |
|
学科試験 | 試験時間は2時間で50問が出題。毎年変動があるものの、6割前後が合格基準。 |
技能試験 | 試験時間は40分で候補問題13問のうち1問が出題。合格基準は「欠陥なく候補問題を施工できていること」とされています。 |
第一種電気工事士試験 |
|
学科試験 | 試験時間は140分で50問が出題。毎年変動があるものの、6割前後が合格基準。 |
技能試験 | 試験時間は60分で候補問題10問のうち1問が出題。合格基準は「欠陥なく候補問題を施工できていること」とされています。 |
試験内容などに関しては、変更される可能性がありますので、必ず電気技術者試験センターの試験案内を確認するようにしましょう。
試験日・合格発表日
令和6年度における、各試験の試験日と合格発表日は以下の通りです。
第二種電気工事士試験 |
|
学科試験 | ・CBT方式:令和6年4月22日(月)~5月9日(木)の中で実施 ・筆記方式:令和6年5月26日(日) |
技能試験 | 令和6年7月20日(土)または7月21日(日) |
合格発表日
※通知書発送日 |
・学科試験7月5日(金) ・技能試験8月23日(水) |
第一種電気工事士試験 |
|
学科試験 | ・CBT方式:令和6年4月1日(月)~5月9日(木)の中で実施 |
技能試験 | 令和6年7月6日(土) |
合格発表日 | ・学科試験5月23日(木) ・技能試験7月26日(金) |
試験結果は合否のみであり、得点や採点内容について知ることはできません。
電気工事士・学科免除に関するよくある質問
最後は、電気工事士試験の学科免除に関する、2つのよくある質問に答えていきます。免除手続きに関する内容ですので、理解しておくようにしましょう。
電気工事士・学科試験の免除申請はいつまで?
令和6年度・上期試験における、学科免除の手続き期間は下記の通りです。
第二種電気工事士試験 | 令和6年4月18(木)必着 |
第一種電気工事士試験 | 令和6年3月28(木)必着 |
特定記録など、配達記録が残る方法を利用するようにしましょう。
学科免除の証明書はどこでもらえる?
学科免除の証明書は、試験専用の案内ページにてPDFデータをダウンロードできます。QRコードの貼り忘れなどに注意しましょう。
参考:筆記試験免除証明書の提出に係るお願い|一般財団法人 電気技術者試験センター
電気工事士試験・学科免除の条件を確認したうえで期限内で申請しよう
電気工事士試験の学科試験は、所定の学歴や保有資格の条件を満たすことで免除できます。当てはまる場合は、期限内に今回紹介した方法で手続きするようにしましょう。
試験日程などに関しては、震災などによって急遽変更されることもあるため、注意が必要です。
試験内容や日程を把握したうえで、余裕のある学習スケジュールで合格を目指しましょう。
電気主任技術者のお仕事をお探しの方へ
建職キャリアは、建設業界に特化した転職支援サービスです。
- 希望条件に合う求人のご紹介
- 履歴書など書類作成のサポート
- 企業との条件交渉/面接日程の調整
無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
求人を検索する(無料)