消防設備士・乙種6類の資格取得を目指している人もいるのではないでしょうか。
消防設備士・乙種6類は、ビルメンテナンスや消防設備管理の会社で働くうえで役立つ資格です。資格を取得すると、需要が増え仕事の幅が広がったり、就職や転職に有利になったりする可能性が大いにあります。
この記事では、消防設備士・乙種6類の試験概要や合格率などを紹介します。これから消防設備士・乙種6類の取得を検討しているのであれば、ぜひ参考にしてください。
消防設備士・乙6類やその他の種類について
消防設備士は、火災防止や安全管理のために重要な役割を果たす資格です。また、消防設備士の資格は大きく分けて甲種と乙種に分類できます。
消防設備士・乙6種と呼ばれるだけあって、さまざまな種類に分類されています。実際に、甲種は特類から5類、乙種は1類から7類までに細分化されています。
類別ごとに取り扱える消防設備は次のとおりです。
類別 | 取り扱える消防設備 |
特類 | 特殊消防用設備等 |
1類 | 屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・屋外消火栓設備等 |
2類 | 泡消火設備・パッケージ型消火設備・特定駐車場用泡消火設備等 |
3類 | 不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備等 |
4類 | 自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・共同住宅用自動火災報知設備等 |
5類 | 金属製避難はしご・救助袋・緩降機 |
6類 | 消火器 |
7類 | 漏電火災警報器 |
このように消防設備士は細分化されているので、業務内容によって求められる資格が異なってくるでしょう。消防設備士・乙種6類では、消火器の取り扱いが可能です。
そのため、業務で求められる消防設備士の資格を取得する必要があります。
関連記事:消防設備士・甲種4類の試験概要|受験資格や過去問について
消防設備士・乙6類の試験概要
消防設備士・乙種6類の試験では押さえておくべきポイントがあります。
主に押さえておくべきポイントは次の5つです。
- 受験資格
- 受験申込の受付期間
- 試験地・受験手数料
- 筆記試験と実技試験の内容
- 試験日・合格発表日
消防設備士・乙種6類の試験概要について、それぞれのポイントごとに解説します。
受験資格
消防設備士・乙種の試験で、受験資格は特に設けられていません。したがって、学歴や実務経験の有無に限らず、誰でも受験できます。その結果、消防設備士・乙種の資格は業界未経験の人におすすめと言われています。
ただし、消防設備士・甲種の取得を目指す場合には、受験資格が設けられていますので注意が必要です。
受験申込の受付期間
受験申込の受付期間は、試験地や時期によって異なります。概ね試験日の1か月半から2か月前に受験申込を受け付けているケースが一般的です。また、試験地・試験日ごとの受験申込を受け付けている期間は約1週間です。
受験申込に関する詳細は、一般財団法人消防試験研究センターで公開されていますので、適宜確認するようにしましょう。
試験地・受験手数料
消防設備士・乙種6類の試験は全国各地で開催されています。また、受験手数料は4,400円です。ちなみに、甲種の受験手数料は6,600円です。
乙種と甲種を間違えて申込まないように注意しましょう。
筆記試験と実技試験の内容
消防設備士・乙種6類の筆記試験における内容は次のとおりです。
- 消防関係法令
- 基礎的知識
- 構造・機能・整備
この中から筆記では30問が出題されています。
また、実技試験の形式は鑑別です。鑑別とは写真・イラストなどを見て判断する試験方式です。
実技試験の問題数は5問用意されています。
試験日・合格発表日
消防設備士・乙種6類の試験日は受験場所によって異なります。また、合格発表日も受験日・試験地によって異なっています。
したがって、希望の受験地では、いつに試験が開催されるのか等を事前に確認しておきましょう。
概ね試験日から合格発表日まで1か月半程度の期間を要するケースが一般的です。
関連記事:消防設備点検資格者の取得方法とは?受験料や年収事情も紹介
消防設備士・乙6類の合格率
消防設備士・乙種6類の合格率は次のとおりです。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
令和6年4月 | 542人 | 246人 | 45.4% |
令和6年3月 | 3,897人 | 1,529人 | 39.2% |
令和6年2月 | 2,520人 | 846人 | 33.6% |
令和6年1月 | 2,292人 | 869人 | 37.9% |
毎月の合格率は40%前後で推移しているケースが一般的です。ただし、試験自体の難易度が高いわけではないと言われています。
したがって、業界未経験でも資格取得を十分に狙えるでしょう。
消防設備士・乙6類の勉強時間
消防設備士・乙種6類の勉強時間は少なくても60時間以上必要と言われています。期間にすると、1か月から2か月の勉強で、試験に挑戦するケースが多いようです。
ただし、学習方法や実務経験などによっても必要な勉強時間は異なるでしょう。
また、学習方法は独学や通信講座など多岐にわたります。
消防設備士・乙6類の勉強におすすめのテキスト
消防設備士・乙種6類の勉強におすすめのテキストは主に3つです。
- 消防設備士第6類 令和6年版
- わかりやすい!第6類消防設備士試験
- ラクラク解ける!6類消防設備士 合格問題集
それぞれのテキストについて紹介します。
消防設備士第6類 令和6年版
「消防設備士第6類 令和6年版」は、最新の試験内容に対応しており、法令や技術基準の改正点を詳しく解説しています。
基本から応用まで幅広くカバーしており、初めて学ぶ人にとっても理解しやすいでしょう。特に、図やイラストを多用しているため、視覚的に理解しやすく、具体的な設備のイメージを掴むのに役立つはずです。
わかりやすい!第6類消防設備士試験
「わかりやすい!第6類消防設備士試験」は、難解な内容を単純明快に解説しているのが特徴です。ポイントを絞って簡潔に説明しているので、効率的に学習を進められるでしょう。
実際に、使用した人のレビューとして、「消防関連未経験の人が勉強する際におすすめ」などと紹介されています。
ラクラク解ける!6類消防設備士 合格問題集
「ラクラク解ける!6類消防設備士 合格問題集」は、主に基礎を固める際におすすめです。問題の解説も丁寧で、なぜその答えになるのか理解できます。
実際に、使用した人からは知識の定着に役立った旨のコメントが発信されています。
消防設備士・乙6類を取得しても意味ないと言われる理由
消防設備士・乙種6類は、消火器の点検・整備の業務に必要な知識と技術を証明する資格です。ただし、乙種は甲種と比較して対応できる範囲が限られています。
たとえば、乙種6類が対応できるのは主に簡易的な設備に限られ、より複雑な設備や大規模な施設の点検・整備を行うためには甲種の資格が必要です。
その結果、消防設備士・乙種6類の資格は取得しても意味ないと言われるケースがあるようです。
しかし、実際、乙種6類は消火器に関する業務ができるようになるので十分に市場価値があります。また、乙種6類以外の資格も取得すると、さらに活躍の幅を広げられるでしょう。
消防設備士・乙6類を取得するメリット
消防設備士・乙種6類を取得するメリットは大きく分けて次の2つです。
- 需要が増え仕事の幅が広がる
- 就職や転職に有利になる
それぞれのメリットについて解説します。
需要が増え仕事の幅が広がる
消防設備士・乙種6類の資格を取得すると、消火器の点検・整備・設置に携われます。消火器はビル・マンション・商業施設・工場など多くの建物に必要とされているため、常に需要があるでしょう。
特に大都市や人口の多い地域では、防火設備の需要が高く、仕事の機会も豊富です。
就職や転職に有利になる
消防設備士・乙種6類の資格を持っていると、就職や転職の際に大きなアドバンテージとなります。消防設備士・乙種6類を取得していると、防火設備の専門的な知識と技術を証明できます。
特に防災設備の設置やメンテナンスを行う会社などでは、資格保有者が求められるでしょう。
そのため、就職や転職の際には、資格を持っていると他の応募者との差別化が図れることができ、採用の可能性が高まります。さらに、昇進や給与の面でも有利に働くケースもあるようです。
消防設備士・乙6類に関するよくある質問
消防設備士・乙種6類に関するよくある質問は次のとおりです。
- 消防設備士・乙類試験の過去問はどこで見れる?
- 消防設備士・乙6類試験の合格基準は?
それぞれの質問について解説します。
消防設備士・乙類試験の過去問はどこで見れる?
消防設備士・乙種試験の過去問は一部ですが、一般財団法人消防試験研究センターのホームページで紹介されています。
また、参考書の中に過去問が掲載されているケースは少なくありません。
過去問を参考にして習熟度を高めましょう。
消防設備士・乙6類試験の合格基準は?
消防設備士・乙種6類の合格基準は、筆記と実技で異なります。
筆記試験では、各科目毎に40%以上かつ全体の60%以上を満たさなければなりません。一方の実技試験では、60%以上の成績を記録する必要があります。
そして、筆記と実技の両方に合格した場合、資格を取得できます。
消防設備士・乙6類を取得して就職や転職を有利に進めよう
この記事では、消防設備士・乙種6類の試験概要を中心に解説してきました。
消防設備士は、火災防止や安全管理のために重要な役割を果たす資格です。また、消防設備士の資格は大きく分けて甲種と乙種に分類できます。
さらに、乙種は1類から7類、甲種は特類から5類までに細分化されています。
一方で、消防設備士・甲種の試験を受験するには、要件を満たさなければなりませんが、乙種の場合は誰でも受験可能です。したがって、消防設備の業界未経験から市場価値を高めるのにおすすめの資格と言えるでしょう。
また、消防設備士・乙種6類の合格率は毎月40%前後で推移しています。
さらに、試験は全国各地で適宜開催されており、少なければ60時間程度の勉強時間で合格を狙えるケースもあるようです。
これから消防設備士・乙種6類の資格取得を検討しているのであれば、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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