設備保全は、各種設備の不具合が起きる前に修理・点検したり、故障後の対応を行ったりする仕事です。
設備保全への転職を検討している人の中には、未経験でも転職できるか気になっている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、未経験者が設備保全の転職を目指す際に必要な知識やスキル、志望動機の書き方について詳しく解説していきます。
未経験で設備保全への転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
【結論】未経験者でも設備保全への転職は可能
未経験者でも設備保全への転職は可能です。
現在、設備保全は未経験可能な求人が多く、入社後に手厚い研修や資格取得制度があるケースもみられ、さまざまな会社で未経験者は歓迎されています。
そのため、設備保全は未経験でも目指しやすい仕事の1つと言えるでしょう。
しかしながら、未経験から転職を成功させるためには、事前に仕事の適性や仕事内容について理解しておくことが大切です。
設備保全についての知識を深め、仕事が自分に向いているかどうかを知った上で転職を考えてみましょう。
未経験で転職する前に知っておくべき設備保全の仕事
続いては、未経験で転職する前に知っておくべき設備保全の仕事について解説します。ここでは、主な仕事内容と設備保全の役割について解説します。
主な仕事内容
設備保全の仕事は、大まかに「予防保全」「事後保全」「予知保全」の3つに分類されます。
それぞれの仕事内容は以下のとおりです。
仕事 | 仕事の内容 |
予防保全 | 設備の不具合が起きる前に予定を立てて修理・点検すること一定期間ごとに行う「時間基準保全」と、劣化の程度に応じて行う「状態基準保全」がある |
事後保全 | 設備の不具合が起きたあとに対処すること対処した後は再発防止策を考える必要がある |
予知保全 | 設備の不具合が起こりそうな予兆を察知して部品交換や調整をすること設備の使用期間は関係なく、不具合の兆候があるときのみ行う |
設備の不具合が起こると、事前に予定している数の製品が作れず生産計画が崩れてしまいます。
そのため設備保全担当者は、これらの保全を徹底して工場の安定稼働を支えなくてはなりません。
設備保全の役割
設備保全の役割は、「設備の故障防止」「製品の不良率低減」「チョコ停(ちょこっと停止)の減少」「設備の部品寿命を延ばす」「安全確保」の5つが挙げられます。
それぞれの役割について以下のとおりまとめました。
役割 | 役割の内容 |
設備の故障防止 | 設備故障が起こると工場内の資源が使えず生産活動に大きなダメージを与えるため、事前の防止が求められる |
製品の不良率低減 | 設備の不具合が多いと不良品率も上がるため、重要な役割を持つ安定した品質の製品を提供し続けることでユーザーの信頼を得られる |
チョコ停(ちょこっと停止)の減少 | 「チョコ停」とは、工場内の何らかのトラブルにより数分~数十分のあいだ生産停止すること積み重なると生産量に影響するため、できる限り減らす必要がある |
設備部品の寿命を延ばす | 定期的な点検と部品交換によって、設備部品全体の寿命を延ばすことに繋がる |
安全確保 | 設備の不具合が起こると工場で働くスタッフに危険が及ぶ可能性があるため、日々の点検整備が欠かせない |
未経験者向け|設備保全の志望動機を書く際のポイント
未経験で設備保全に応募する場合、志望動機の書き方に悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで、設備保全の志望動機を書く際のポイントを、未経験者に向けて3つ解説していきます。
なぜ設備保全なのか、なぜ当該会社なのかを明確にする
未経験者が設備保全の志望動機を書く際のポイントの1つ目は、なぜ設備保全なのか、なぜ当該会社なのかを明確にすることです。
例えば、「前職の家電販売員を通じて機械が好きになった」「同じ作業をコツコツと行うことが得意なので興味を惹かれた」などの経験や長所に絡めた理由が挙げられます。
また、数ある会社の中から当該会社を選んだ理由を書くことも重要です。
求人広告や会社のWEBサイトで会社の特色を学び、「当該会社で働きたい」という意欲を採用担当者に伝えられるようにしましょう。
現時点での取り組みや入社後の目標を記載する
未経験者が設備保全の志望動機を書く際のポイントの2つ目は、現時点での取り組みや入社後の目標を記載することです。
未経験者を受け入れる会社は、応募者の経験ではなく今後の将来性に期待しています。
そのため、「自宅で資格勉強をしている」「チームから信頼される管理職になりたい」などの、現時点での取り組みや入社後の目標を記載するのが効果的です。
未経験者を受け入れる会社は、採用者をゼロから育てる必要があるため、学び続ける意志があることが伝わる書き方を心がけましょう。
設備保全で活かせそうなスキルがあれば記載する
未経験者が設備保全の志望動機を書く際のポイントの3つ目は、設備保全で活かせそうなスキルがあれば記載することです。
例えば、販売職や営業職の経験がある場合、設備保全の仕事でスタッフや顧客とのコミュニケーションに活かせるでしょう。
また、経験した仕事に限らず、「作業の進行管理が得意」などのスキルや「上のポジションを目指すために努力したこと」といった仕事への取り組み方をアピールすることも1つの方法です。
応募先の会社が未経験者に求めるものを考えて、活かせそうなスキルを記載してみてください。
未経験で転職する前に知っておくべき設備保全の適性
未経験で転職する前に知っておくべき設備保全の適性について、具体的に解説します。
自分に適性があるかどうかを考えてから転職活動を始めましょう。
設備保全に向いている人
設備保全に向いている人は、「機械に触ることが好きな人」「堅実に取り組める人」「細かい変化に気づける人」です。
第一に、設備保全は工場の機械に毎日接する仕事のため、機械に触ることが好きであればモチベーションを保ちやすいでしょう。
また、慣れている作業だからといっておろそかにすると機械トラブルに繋がるため、堅実にコツコツ取り組める人が向いています。
さらに、設備のわずかな異常から故障しそうな状況を察知する必要があるため、細かい変化に気づける人も向いていると言えるでしょう。
設備保全に向いていない人
設備保全に向いていない人は、「ルーティンワークが苦手な人」「手先の器用さに不安がある人」です。
設備保全は同じ作業を繰り返し丁寧に行わなくてはならないため、ルーティンワークが苦手な人には向いてません。
また、細かい製品の検品や機械作業などの精密な動作が求められることから、手先の器用さに不安がある人も向いていないと言えるでしょう。
未経験で転職する前に知っておくべき設備保全のきつさ
設備保全の仕事は働く上できついと感じる点もあります。
転職への不安を減らすために、設備保全のきつさを知っておきましょう。
具体的には以下の点が挙げられます。
- 時間外勤務がある
- 深夜対応がある
- 夜勤がつらい
時間外勤務がある
きつさとしてまず挙げられるのが、時間外勤務があることです。
設備トラブルが起こった際、設備保全担当者はトラブルが解決できるまで帰れないため、時間外労働が発生します。
解決までに時間を要する場合も多く、長時間勤務が常態化している会社があるのが現状です。
深夜対応がある
24時間稼働している工場では、深夜にトラブルが起こった際はすぐ対応しなければなりません。
呼び出しを受けてから長時間の作業になる場合もあるため、体力がない人は難しいでしょう。
夜勤がつらい
設備保全は、工場によって2交代・3交代制で24時間シフトになっている場合や、深夜の時間帯に業務を行う場合があります。
夜勤は突発的な対応と異なり、あらかじめ予定された業務のため、深夜の勤務が平気な人であれば問題ないでしょう。
なお、夜勤手当がつくことで日中勤務よりも給与が高くなるメリットもあります。
未経験者でも取得できる|設備保全の仕事で役立つ資格
未経験でも取得できる、設備保全の仕事で役立つ資格は以下の3つです。
- 機械保全技能士
- 電気工事士
- 電気主任技術者
「機械保全技能士」は工場設備のメンテナンス能力を評価する国家資格で、3級から特級まであり、2級以上の受験は実務経験が必要となります。
「電気工事士」は電気設備の取り扱いや工事をするために必要な資格で、工事の規模により第1種と第2種に分かれています。
「電気主任技術者」は電気設備の保守・監督を行うための国家資格で、扱える工作物の規模により第3種から第1種まで分かれています。
これらの資格は設備保全への転職に必須ではありませんが、取得していると知識や意欲を評価されて選考に役立つでしょう。
関連記事:電気工事士の資格の取得方法は?難易度や受験料も紹介
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未経験者を歓迎している設備保全の求人
未経験者を歓迎している設備保全の求人を紹介します。
具体的な3つの求人例を詳しく見ていきましょう。
仕事内容
月収例
場所
工場内の設備保全、ボイラーの作業補助、機械の修理・整理 、施設の修繕・整備
16.1万円
秋田県
交通管制部内の電気設備の運転監視・点検業務 中央監視室での電気設備のモニター監視、受変電設備の検針記録及び点検業務
23.5万~30.5万円
兵庫県
ボイラー関連設備の保全、ボイラー関連設備の稼働データ収集 、業者との対応※現場業務、事務所業務どちらもあり
23.71万~29.61万円
茨城県
設備保全は企業ごとに仕事内容や待遇が大きく異なります。
未経験から応募可能な求人は多いため、さまざまな媒体で内容を比較してみてください。
出典:物流・建設・製造特化の求人サイト「クロスワーク(X Work)」
設備保全は未経験でも転職できる
設備保全は未経験でも転職できる仕事です。
工場の生産管理に直結する重要な仕事のため、きつい点もありますが、向いている人は大きなやりがいを持って働けるでしょう。
求人に応募する際は、当該会社で設備保全に就きたい理由や、活かせそうなスキルを明確に記載することが大切です。
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